20 Junky in the Paradise
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ぁ…
[黒い茨が絡む腕は微笑むスティーブンを擦り抜け、 初めて自分の身に起きた事を認識する。
反射的に慌てて引いて胸元で握り締める薬指にも、 贈られた指輪のかたちに黒い茨が巻きつく]
(+6) 2010/07/13(Tue) 04時半頃
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…身体が欲しければ あげる
[所有権を主張するスティーブン。 赤を流し冷えてイク自分の肉体に興味はなく、 届かぬと想いながらも承諾の言葉を囁く]
それにしても―――…
[辺りを見回せば広がる散々たる惨状。 自らも参加していたパーティーの在り様を前に、 呆れとも落胆ともつかない溜息をひとつ]
派手ね
(+7) 2010/07/13(Tue) 05時頃
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[我が身を抱く様に薬指に茨の絡む手は、 同じく黒い茨の這う逆の肩を抱き首を傾ける]
ノーリーン?
[見知る姿を見止めるも女王と女中は重ならず、 呼ばわる声の語尾は意外そうに跳ねる。
けれど彼女も参加していたのは覚えている。 サイモンに差し出されたカクテルを受け取っていた]
…叱れば良かったのに
[誰をと添えぬ言葉の半ばは自らへ向く響き。 従兄を探す様に首を捻ると黒髪と共に茨が*背に揺れた*]
(+8) 2010/07/13(Tue) 05時頃
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[サイモンは、食堂の片隅にいた。膝を抱えて座り込み、顔を足に埋めるように俯かせていた。死によって酩酊から覚めた彼は、ただ、怯えていた。死の記憶に、死という現実に]
……サイモン。
[その前で立ち止まり、呼びかける。サイモンは揺れる瞳を向け、ホリー、と微かな声を返した]
サイモン。死んだのね。
[それは頭の何処かでわかっていた事だった]
私も、死んだの。 だから……ずっと一緒に、いられるわ。 ローラも探して…… ずっと、ずっと一緒に、いましょう?
(+9) 2010/07/13(Tue) 09時頃
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[サイモンの頬に手を伸ばしながら言う。サイモンはじっと視線を向けたまま、頷く事はせず、だが首を横に振る事もしなかった。伸ばされた手を掴み、目を瞑る。消極的な受容。それは単に孤独と絶望と恐怖を和らげるためだったか。あるいは、歪んだ彼女の思いに、何かしら感ずるものがあったのか。 実際がどうであれ――彼女は、幸福だった。 サイモンの左隣に同じように膝を抱えて座る。その横顔を微笑んで見つめる。死の気配が濃くなる空間。己やサイモンのようが死者が増えまいと、彼女には関係のない事*だった*]
(+10) 2010/07/13(Tue) 09時頃
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双生児 ホリーは、メモを貼った。
2010/07/13(Tue) 09時頃
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逢えたんだ
[食堂の片隅で寄り添うホリーとサイモンを見れば、 大広間に立つまま声を掛けるともなく小さく呟く]
―――…
[独りはサミシイとスティーブンに零したサイモン。 ホリーと寄り添う従兄の前髪の奥の瞳のいろ。
刹那だけ視線を交わせば言葉もなく、 結局は声を掛けず近寄る事もしなかった]
邪魔はしないわ
[緩く首を振り害意のないのを二人に示してから、 近寄らずも並び座る二人を静かに見詰める]
(+11) 2010/07/13(Tue) 17時頃
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…スキだらけ
[人の名前と顔を覚えるのが不得手な阿婆擦れが、 其の身を味わう事なく覚えた名前。
ホリーが女だからでも外見が少女だからでもなく、 従兄を想い恋する乙女の様だったから―――…]
其れがホリーのアイ?
[傍らで膝を抱えるサイモンも独りではなく、 ホリーだけでなく彼も僅かながら寄り添って見える。
幸せそうなホリーを前に嘲るでもなく、 ただ純粋に興味深いのか不思議そうに問いかける]
(+12) 2010/07/13(Tue) 17時頃
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[自分達の死を認識する二人の周辺は其れでも何処か、 未だ収束せぬらしき狂乱の宴からは遠い雰囲気]
…
[従兄の手に飴色の箱から持ち出したキャンディを握らせ、 硝子片を掴みホリーの喉を裂いた自らの掌へ視線を落とす]
なにコレ
[肌に絡む傷跡に気付けば手を返し茨を辿り腕へのぼる視線。 身を捻り身体を見回せば全身に絡むらしき茨。
一糸纏わぬ白い肢体には黒い茨が巻きついていた。 混ぜあわせたからか複雑に茨の絡む手を緩く握りしめる]
(+13) 2010/07/13(Tue) 17時半頃
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死んだら終わりだと思ってたけど 終わらないんだ
[自らの死を自覚はするも意識は確かにあって、 呟く声には落胆とも辟易とも似る溜息が混じる]
ヤニクも死んじゃったのかな
[スティーブンがヤニクに何をしたのかは知らない。 ただ生前に見た光景を想えば誰に問うともなく呟く]
如何してキたんだろ こう云うトコ 似合わない
[サイモンの悪友達とは随分と毛色が違う印象。 ヤニクの姿を探すともなく*周囲を見回した*]
(+14) 2010/07/13(Tue) 17時半頃
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[ふと、訪れたマーゴを見た。殺されたところを見たわけではなかったが、死人同士だからだろう、マーゴが死んでいるという事はすぐに知れた。マーゴに抱いていた敵意――サイモンを誘惑したと思い込んだもの――は今はほとんど覚えていなかったが]
……
[無意識下に残る余韻からか、少し表情を固くしてから]
――ええ。
[問い掛けられれば、改めて微笑を浮かべ、頷いた]
死んでも、こうして……ずっと、一緒なの。 サイモンだけが死んでいても…… ……私だけが死んでいても、きっと、そうだったわ。
[応える声色は柔らかく。マーゴがサイモンに飴を握らせる様を見る。茨が巻き付いたその姿は、少々興味ありげに眺めて]
(+15) 2010/07/13(Tue) 21時半頃
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双生児 ホリーは、周囲の様子は、見るでもなく*見る*
2010/07/13(Tue) 21時半頃
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生き別れても一緒なんだ…
[ホリーが垣間見たのは恐らく生前の記憶。 酩酊中の従兄を抱き寄せホリーの嫉妬心を煽った折、 従兄の手に握らせたあまいあまいキャンディ。
片方しか死なずも同じ結果に辿り着くらしき口振り。 露出度の高い服装が多かった生前より、 肢体への視線は別の意味で慣れもしているけれど]
ホリーの首は如何なってるの?
[生前に硝子の破片で掻き切った喉元。 謝罪をする素振りはなく、 遠目には仔細まで見えず近づかずも覗く様に首を傾ける。
像を結んでから未だ歩かぬ傷の少ない筈の足元は、 黒い茨に絡め取られ床に根を張る如くに解け曖昧に。 身を捩ると肌に這う黒い茨も蠢く]
(+16) 2010/07/13(Tue) 23時頃
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ふ、
… …あ は 。
[含み笑う。髪を梳き撫ぜる手は、丁寧に、 ──人形を扱うよう。くつくつと肩が震える。]
ふ ふふ。
[気分が高揚して、寒さも熱さにとり変わる。 腕をぐいと引けば踊りにでも誘うよう。]
(20) 2010/07/13(Tue) 23時頃
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…っ?!
[息絶え冷えていく肉体が引かれると時を同じくして、 引き摺られる様に像がぶれる。 像は僅かばかり動きスティーブンとの距離は変わらない]
…身体はあげるってば
[非難がかしく呟き距離を取ろうと身を捻るも、 足元の茨は絡みつき其の場から動けない。 眉根を寄せてスティーブンを見遣り口唇を尖らす]
アタシはもう死んだのよ
(+17) 2010/07/13(Tue) 23時頃
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…… そんなところに這い蹲って、 どうしたの、ヴェラ。
[ひどく満足げな、薄笑いを浮かべながら。 今、ようやくそれ以外を見た、と、そんな調子で、 >>12 声を発する影に首を傾げる。]
ああ……、薬なら。 あっちに、たくさんあるじゃない。
[あっち。と指し示すのは、 治療薬ではない薬が詰まった飴色の箱。]
(21) 2010/07/13(Tue) 23時頃
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風来坊 ヴェラは、メモを貼った。
2010/07/13(Tue) 23時半頃
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ヴェラ…?
[スティーブンが呼ばわる名が誰のものか判らず、 声を掛ける方へ顔を向けると先程まで遊んでいた犬。 瀕死にも見える姿に記憶を手繰る。
酩酊中の記憶の何処までが確かかは定かでなく、 ただ振り下ろした硝子片が肉を裂いた感触は生生しい。 確かめる様に茨の絡む手指を握っては開く]
(+18) 2010/07/13(Tue) 23時半頃
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…恋からは醒めたのかな
[結局はヴェラの想い人が誰だったのか判らない。 可哀想と評した彼を見詰めるも、 傷ついた姿への罪悪感らしきは見当たらない]
もう少しだったのに
[自らの手で殺しきれなかった事にか、 自らを殺しきらなかった事にか、 何に対する言葉なのか小さく呟く]
(+19) 2010/07/13(Tue) 23時半頃
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[部屋の中で行われる、動かなくなった人への愛撫を 眠たげに眼を細めて眺めていた。細かい所作までは見えずとも スティーブンがマーゴにプロポーズするような仕草や髪を梳く動作は見て取れた。それに対するマーゴの拒否がないことを若干不思議に思いつつ、けれどただ見ていた。
楽しそうな笑い声を耳にいれ、 そういえばヘクターはどこに行ったのかと僅か顔をもたげる。 そこに掛かって来た声の方を見てみると、満ち足りた笑みを浮かべた、火傷で肌が赤らんだスティーブンを認識した。]
……ん。あっちね、了解。 なんか幸せそうだな、傷だらけなのに。
[別段返答は求めない素振りでよろよろと身を起こす。頬に張り付いた血が、粘りつきながら下方へ移動する。左手で首を抑えながら箱の方へ移動した]
(22) 2010/07/14(Wed) 00時頃
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["マーゴ"へ、にこにこと笑いかけて、 ヴェラの動きが辛そうでも手助けはしない。]
… ヴェラは、幸せじゃあないの?
[きょとんとして首を傾いで、 眼鏡を置き忘れた素通しの目を眇める。 相手がよくは見えない。]
ああ……かえったら、 眼鏡、新しくしなきゃ。
(23) 2010/07/14(Wed) 00時頃
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『幸せそうだな』
[ヴェラの言葉に傍のスティーブンを流し見遣り、 サイモンと寄り添うホリーとも似た印象に眉を潜める]
(+20) 2010/07/14(Wed) 00時頃
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んー……………。 [たっぷり5秒、間が空いて]
幸せなんじゃねーの、多分。 頭がぼーっとする、ぐらいの不調はよくあるし… パーティーだし。
[ああ。と思いだしたような声をあげて]
そういやあ、他の奴はどこにいるんだ? パーティーなのに帰ったとか?
[次はコンタクトにすれば。と軽く返す]
(24) 2010/07/14(Wed) 00時頃
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……ちょいどいて。 [箱の前に見える影に軽く声をかけて、中を覗き込む。 かつて見た時のような目を突き刺す煌めきは今は見えなく、ただ原色や蛍光色の毒々しさを発しつづける錠剤や液体がある。]
どれが、いいのか、わかんねーよ。 サイモンめ。救急箱ぐらい整理整頓させとけって。
[包帯もないし。とブツクサ言いながら箱の中身を掻きまわす。 しょうがなく手に取ったのは、市販の風邪薬のように見えた錠剤。口に入れて噛み砕いてから飲み込んだ。
テーブルの上によじ登り、寝転がる。]
あー……しんど。
(25) 2010/07/14(Wed) 00時頃
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[眼鏡を新調すると云うスティーブン。 話題は余りにも日常的なのに、 彼の瞳は今も対象的に非日常的な世界を映す。 どんな風に写っているのか―――…]
眼鏡より病院にでも駆け込めばイイのよ
[苛立ちよりは不貞腐れた感が滲む呟き。 自分を瀕死にした筈のヴェラは、 不在者の行方に思い当たらぬ様子に溜息をひとつ。 彼自身も早く処置をした方が良さそうに見える]
(+21) 2010/07/14(Wed) 00時頃
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[首を傾げる様子を眺めて、 腕の中を見下ろして 笑いかけて]
そっかあ。うん。 いいね。 いいね。
[ヴェラの返事に安心でもしたように、にこにこと笑う。 動かないマーゴの髪を繰り返し撫ぜて]
ああ。みんなは、……かえったよ。
寝てるのもいるけど。
ええ。 コンタクト怖いじゃあない。 目の中になんかいれるなんて。
(26) 2010/07/14(Wed) 00時半頃
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『かえったよ』
[スティーブンの言葉に還った筈のサイモンを見遣る。 ホリーと身を寄せ膝を抱える従兄の、 身を縮こめる姿は生前の痩躯よりも更に小さく見える]
還れたのかな
ホリーは幸せらしいしイイか
(+22) 2010/07/14(Wed) 00時半頃
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[かつて、彼女が悪魔と呼んだ、主の従妹。 重傷を負っていた彼女は、スティーブンのプロポーズと同時に力尽きた。 そして其処に現れるのは、黒き茨の絡み付いた娘]
――叱れば、ですか。
[掛けられた言葉>>+8を受け止める声は硬い]
ご主人様を――そのご友人たちを矯正する権限など、私にはありませんから。 それに。
[吐いた溜息は、空気を揺らす事無く消える]
本当はもう、うんざりしていたのかもしれません―― 女中であり続ける、という事に。
[薬を飲んでも、その現実が変わる訳ではないと承知はしていたが。 夢を見たい、という言葉は紛れもなく本音]
(+23) 2010/07/14(Wed) 00時半頃
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[視線を巡らせれば、サイモンと隣り合って座るホリーが見えた。 傍らの主が何を思っているかは判然としないが、ホリーの表情は幸せそうで]
――良かったですね。
[死した者たちに向けるには不適切な言葉だったが。 この空間で唯一真に幸福であると見える者らを、少しだけ表情を緩め見詰めた]
(+24) 2010/07/14(Wed) 00時半頃
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アハハ。
サイモン、あんまり整頓得意じゃなかったから。
[笑い声を立てる。]
た、楽しいね。
パーティ。
こんなに清々しい気分は、 ひ、久しぶりだ。
(27) 2010/07/14(Wed) 00時半頃
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もっと、
ずっと、
この楽しいパーティが、続けば、い、いいのに。
[そういって座ったまま、周りを見回す。 騒ぐだけ騒いだ後の周囲は爽快なまでに散らかって]
ね?
[流れているメロディは歪んで圧をもって 耳と脳を押さえつける。それすらも心地よく]
(28) 2010/07/14(Wed) 00時半頃
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[テーブルの上から、マーゴに微笑みかける男に声をかける。]
お前が幸せなのはわかったけどさ、マーゴは? いつもにしちゃあ随分大人しくしてんじゃん。
[女と組み合った事など記憶の彼方、女が動かないことだけを疑問に思い問いかける]
……帰ったぁ? なんだよ、つれない奴ばっか。 [それとも時間がまずいのかと、時計を探して目を動かすが目当てのものはみつからず。]
医者が怖がるって言うのもなんか新しい。 なぁ? [そう言って視線をもう一人の男に移す。 ぐり、と動かせば薬が効いてきて、視界が何倍にも揺れる。幸福な心地良いぬるま湯に浸かり、息を吐いた]
(29) 2010/07/14(Wed) 00時半頃
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……私の首。
私の首は……
[マーゴに言われて触れた首に、傷はない。死を経て酩酊から覚めたように、最期の痕跡は消え失せている。それでも、触れるとずきりと痛むような気がした。つられてマーゴを、己を殺した人物を見たが、その瞳に恨みや憎しみの色はなかった。 与えられた死によって、サイモンに再び会えたがために。共に永き時を享受できるようになったがために]
……ローラは、何処に行ったのかしら。
[ぽつりと、思い出したように呟いた。生前常に抱いていたそのぬいぐるみは、今は彼女の傍に存在しない。己の体と共に焼かれたもの。魂を持たないはずのそれは、「此方」の何処にもないのだろうが――もしかしたら、という、夢見る子供のような思いがあって]
(+25) 2010/07/14(Wed) 00時半頃
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