91 時計館の魔女 ―始―
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[ シスター・ツェリは手を止めていた。フォークを口に運ぶ途中で。 一心に何かを考えているらしく、「御伽話」や「禁句」という言葉がぽつりぽつりとこぼれる。]
(316) 2012/05/20(Sun) 19時半頃
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[ シスター・ツェリは一瞬、肩を震わせたが、穏やかな声で椅子を勧めてきた。 ...が礼を述べて腰をおろすと、「ご存知かしら」と話しかけられる。 「妖精とは、どういう生き物か、なんて」>>318
おとぎ話に出てくる……?
[ ...は小首をかしげた。 そこへヤニクがやってきて挨拶し、「邪魔でなければ、一緒にいいか?」と言いながら、テーブルについた。>>321]
おふたりはそういう存在に興味がおありなんでしょうか?
(328) 2012/05/20(Sun) 20時半頃
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[ シスター・ツェリの「妖精さんといえば、小さくて可愛らしくて」「人に危害を加えるようなイメージは無いのだけれど」という言葉>>323 に、...はうなずいた。
ああ、確かに……一般的なのは、花の精のようなイメージですね。 でも、実際は違うのかしら……。 ここに集められたのなら、人間と同じ姿をしている……?
(334) 2012/05/20(Sun) 20時半頃
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[ ヤニクは卵サンドをかじりながら、「人に害を為す、妖精というのは……いるにはいる」と応じた。
では、「それに対抗する力を持った人」というのは…… たとえば、妖精を倒す力を持っているのでしょうか?
(337) 2012/05/20(Sun) 20時半頃
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もしかしたら、それぞれに対抗する力、という意味でしょうか。 人狼や悪魔や人魚や妖精……。
たとえば、人狼退治の力は悪魔に通用しない、とか。 人魚と妖精では、その方法が違う、とか……?
(340) 2012/05/20(Sun) 20時半頃
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[ ヤニクの「無害だろう」という妖精評>>341 に、...は少し反対してみる。]
でも、無害な存在なら、ここに集められていないのでは……? やはり、何らかの……人ならざる力を持っているのではありませんか? ここに招かれた妖精がそうだとは限らないにしても。
(344) 2012/05/20(Sun) 21時頃
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[ 大広間にやってきたダーラは、相変わらずの派手さだったが、今朝は手ぶらだ。>>342 ヤニクの挨拶>>345 に、...も続けた。]
おはようございます、ダーラさん。 こちらにおいでになりませんか?
(351) 2012/05/20(Sun) 21時頃
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[ ダーラの視線はぶしつけで、なぜかヤニクに注がれているようだった。>>346 それを感じてか、「では、人間も無害ではない。ということか?」と返ってきたヤニクの声には不快感がにじんでいた。>>347
...は小首をかしげつつも否定しない。]
ええと、対抗する力を持った人が集められた、という意味ではなかったのでしょうか。 わたしはそう考えて、魔女は何か……魔法の対決みたいなものさせる気なのか、と。
(354) 2012/05/20(Sun) 21時半頃
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[ 「人魚もそうなのかしら」というシスター・ツェリの>>348 のんびりした言葉に、...は微笑んだ。]
ああ、わたしも知っています。 恋が成就しなければ、海の泡になってしまうんですよね?
[ 近づいてきたダーラが太い声で「興味深い話をしているねぇ」>>353 と、加わった。]
ダーラさんは絵の専門家ですものね。 人魚や妖精にも詳しくていらっしゃるのでは? だって、小さな絵のモチーフとしてよく描かれているでしょう?
(358) 2012/05/20(Sun) 21時半頃
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泡と聞いて、思い出したことがあるんです。 何かの本で読んだ記憶が……。
一般に知られているのは、人魚が泡になって消えてしまうというお話でしょう? でも、妖精こそがそうなのだと。
(362) 2012/05/20(Sun) 21時半頃
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シスター・ツェリがおっしゃっていた「占い師」。>>336
その本によれば、占い師が妖精を泡にしてしまうのだそうです。 恋人でも、人魚でもなく……。
少し変わった伝承だなあ、と思って読んだのですけれど……。
(367) 2012/05/20(Sun) 21時半頃
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恋に破れた人魚ではなく、 占い師に恋した妖精が泡になる……。
ずいぶん変わったお話でしょう? それで、思い出したんです。
[ ...はヤニクとダーラを交互に見ながら言った。]
(370) 2012/05/20(Sun) 22時頃
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[ 不機嫌そうに「悪魔」という単語を出したヤニク>>368 は、話の続きがよほど意外だったのだろう、「占い師に、恋……?」と繰り返し、しばらく首をかしげていた。>>375
だが、ダーラのからかい>>381 に、「少し、頭を冷やしてくる」と言い訳し、席を立ってしまった。>>384
その背中を見送った...は、ダーラに向かって尋ねる。]
謁見の間の肖像画をご覧になりましたか?
(391) 2012/05/20(Sun) 22時半頃
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[ 「あったかしら」といぶかるシスター・ツェリ>>393 に、...は説明した。謁見の間に、12枚の肖像画が飾られていること、魔女とミケを含む13名が描かれていることを。
ダーラが横から、「アタシの――子供たちさ」と意味深な発言をする。]
それで、ダーラさんにお願いがあって……。 昨日の水車小屋の絵を、もう1度、見せていただけないでしょうか?
[ 赤い唇で笑みを作った彼女に、...は頼んだ。]
(401) 2012/05/20(Sun) 23時頃
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[ ...は息を呑んだ。 何もないところへ伸ばされたダーラの手。それが突然、1枚のキャンバスをつかんでいた。
差し出されたキャンバスを、...は立ち上がって受け取る。驚きの余韻で両手はわずかに震えていたけれども。
風車小屋を囲む赤い草原は、さらに赤みを増していた。]
ああ……では……。
[ 疑問ではなく、得た回答を口に出してしまった。]
……あなたが、描かれたんですね…… この絵も、あの肖像画も。
(416) 2012/05/20(Sun) 23時半頃
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[ 挨拶しつつ、「何のお話ですか?」と気軽に加わったカミーユ・ペラジー。>>408 遠慮がちに「混ざっても、良い、だろうか?」と尋ねた長髪の男>>422 は、飲み物だけを口にして「ヴェスパタイン・エヴァンス、だ」と名乗った。>>456 そこに、1-4の扉から庭園へ出ていたヤニクが戻ってきた。>>432
6名になったテーブルだが、ダーラはどこか満足げに席を立ち、>>447 残った5名の話題は、結局、同じ単語の繰り返しになる。
人狼、悪魔、妖精、人魚。 対抗する力を持った人間。]
(470) 2012/05/21(Mon) 01時頃
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