3 ビー玉坂〜卒業式の前に視るその場所は…
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[彼が最後にもう一度 "蒼" を見上げて>>41去った後も愛しさは消えない
異形に身を委ね、快楽で心を塗り潰そうとしたのに叶わなくて 最後に試すように彼を突き放した>>5:291のに、それでも約束を果たしに来てくれたのが嬉しくて
――彼を求める心は本物だった だから、その愛しい手が黒い花を手折らなかったことを悲しく思った
少女に終わりをもたらした闇色の手も、少女自身を求めたものではなくて 誰からも求められることもないまま、最期を迎えたことが今は悲しい]
(+30) 2010/03/06(Sat) 18時頃
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[募る愛しさは、求められることのなかった寂しさへと変わり 少女だったものの心を悲しく満たせば
胎の中に蒔かれた種が、最後まで黒い花に侵されなかった胸の中心――ぽっかりと空いてしまった穴を侵食する
種は少女だったものを苗床にすると 空に向かって捩れた黒い芽を伸ばし、やがて艶やかな――本物の黒い花をつけた]
(+31) 2010/03/06(Sat) 18時頃
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[――寂しい ――黒い花は、思う
愛しい人も、友人も、闇色を纏った鬼ですら、ここにはいない 咲かせた花は誰にも省みられることなく、徒に闇の中、ひとりぼっちで散っていくだけ]
(+32) 2010/03/06(Sat) 18時頃
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[――寂しい
黒い花は寂しさを埋めてくれる誰かを求めて、甘く芳しい香気を闇の中に立ち上らせる。
誰でも良い、今はただ、自分を求めて手折ってくれる手がほしい]
(+33) 2010/03/06(Sat) 18時頃
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[――寂しい
黒い花は、緋色の少女の想いを知ったような――そんな気がした。
誰かを求める渇望は、やがて黒い花に闇色の実を結ばせる 結ばれた実は寂しさを糧として色づき、やがてぽとりと落ちる
闇色の実はころりと転がり ――かつて "キャロライナ・コールリッジ" と呼ばれた少女の姿になった
そして少女は立ち上がり、異相の "蒼" がぽっかりと抜け落ちた昏い闇色の虚ろで、一度だけ空を見上げると深い闇の中へと消えていった]
(+34) 2010/03/06(Sat) 18時頃
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[――……少女が去った後、一陣の風が吹いた
滅びの風を受け、苗床となった身体はあっけなく塵となり 最後に異相の左目――砕けた "蒼" だけが残った
やがて "蒼" は ぱきり と音をたてて完全に砕け散り 裡から蒼い蝶が一羽、ひらりと舞い上がる
蒼い蝶はしばらくの間、塵となった苗床のまわりを飛び回り 少女の後を追うように闇の中へと向かった]
(+35) 2010/03/06(Sat) 18時頃
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わぅん
[かたちはまだ、獣のまま]
……がるるるる?
[だけど、黒い花の変化には、警戒の声を…。]
(+36) 2010/03/06(Sat) 18時半頃
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…犬?
[けもくさい気配に眉を顰めた。]
(+37) 2010/03/06(Sat) 21時頃
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そうだね。着々と、扉は一つずつ閉じていく。 救いの光は、そこかしこにあるって言うのに。 まるで、それを拒絶するみたいに。
[目の前に広がる光の、過去の光景。 その中であがく友人達。彼らは徐々に闇に染まっていって]
……………。
[だから、黙って目を逸らす。 ピッパと目を合わせて、冗談言って、笑いあう。 手と手をとって、唇合わせた。 囁くように、何度も、何度も]
[それは、死者にはきっと何の意味も無い行為。生者の真似。 生きていた時の、酷く滑稽だったあの倉庫でのやり直し]
(+38) 2010/03/06(Sat) 21時半頃
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[しばしの後、そっと身を離した。だって、ケイトが見ている。 過去の世界の幻影見せて、生前の行動なぞって、それでもこの闇の中、たゆたっている。そんな気がする]
[………それに、そこら辺にきっとサイモンいるし]
[多分、恨みがましい闇を送り出している]
[全力で目を逸らす]
(+39) 2010/03/06(Sat) 22時頃
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………まいったね。
[でも、どんなに目を逸らしても。 ついつい視線は光に向かう。そこで生きてる人に向かう]
[スケッチブックに手を伸ばす]
…ダメだな、もう。欲しくなる。 描いたら、きっと欲しくて欲しくてしょうがなくなる。
[綺麗なものが。美しいものが。生きてる人が。 欲しくて、見たくて、描きたくて、そちらに行きたくて。 全力で手を伸ばして、そして引きずり込みたくなる]
[そうしたら、彼らのその力強い素敵な光は変質してしまうのに]
[目の奥にきらりと浮かぶのは渇望と葛藤。 変質してしまった己と、ピッパが闇を吸い取ってくれたお陰でかすかに残る理性との戦い。握りこむように、手を下ろした**]
(+40) 2010/03/06(Sat) 22時頃
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[蒼い蝶は獣と化したバーナバスの鼻先を掠め 眉を顰めるディーンのまわりをしばし ひらひらと舞い
やがてどこかに飛び去った]
(+41) 2010/03/06(Sat) 22時頃
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[深いモノクロームの景色の中、飛び去るは鮮やかな蒼い蝶。
かなしみのいろだと、ふと思った。]
(+42) 2010/03/06(Sat) 22時半頃
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[寄り添う恋人達の上を 蒼い蝶は ひらり ひらり と飛んで行く]
(+43) 2010/03/06(Sat) 22時半頃
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……ちょうちょ
[鳶色の眸にも蒼い蝶は映るか。 戯れるように手を伸ばし、くるりと身体を回転させた。]
(+44) 2010/03/06(Sat) 22時半頃
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[蒼い蝶は 戯れるように差し述べられた、鳶色の少女の白い指先で しばし羽を休める]
(+45) 2010/03/06(Sat) 22時半頃
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ねぇ、君はどこから来たの? 迷い込んじゃったのかな。
[指先に止まる蒼い蝶に言葉をかける。 美しいその色に目を細め、眸を瞬かせた。]
(+46) 2010/03/06(Sat) 22時半頃
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…メアリー?
[感じる気配。蝶と戯れるようにふわりと舞う様に目を細めた。]
(+47) 2010/03/06(Sat) 22時半頃
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[鳶色の少女を呼ぶ声が聞こえれば 蒼い蝶は羽ばたき、白い指からふわりと飛び上がる]
(+48) 2010/03/06(Sat) 23時頃
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[響いた声>>+47に、髪を揺らして顔を上げる。 赤い絆が、見えた。]
……ディーさん。 ようやく、見つけた。
[よかった、と笑む。 指を離れ、羽ばたいて飛んでいく蒼い蝶の姿を見上げながら ふわりとディーンの隣へ降りる。]
(+49) 2010/03/06(Sat) 23時頃
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[蝶の蒼い燐粉が照らす闇。 ほんの僅か重なる映し世が垣間見えるか。]
君は、誰だい? [見覚えのない鮮やかな蒼。ひそやかに問いかける。]
(+50) 2010/03/06(Sat) 23時頃
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[つなぐ赤い糸が仄かに輝く。 ようやく見つけたと微笑む姿を抱き寄せようとして、
ざわり…闇が蠢いた。]
(+51) 2010/03/06(Sat) 23時頃
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[伸ばした手は触れることなく。 なすすべもなく闇に絡みとられて。
一滴の波紋を残し、呑み込まれて消える。]
(+52) 2010/03/06(Sat) 23時頃
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[闇が蠢く。 ざわりと感じた気配に鳶色を大きく開く。]
……っあ
[伸ばされた手を取ろうとして ――消える。
ざあっと風が吹いたようにツインテールが闇に揺れた。]
(+53) 2010/03/06(Sat) 23時半頃
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そうだ……
[違うのだ。 あの陽の差す場所とここは――
闇に溶けそうになる思考。 必死に繋ぎとめるように、両手で顔を覆った。]
(+54) 2010/03/06(Sat) 23時半頃
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[ざわりと闇が蠢き、金色の男の姿が消える 蝶は鳶色の少女の上を小さく旋回し
やがて蒼い光を曳いて闇の中へと飛び去った]
(+55) 2010/03/06(Sat) 23時半頃
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[金色を塗りつぶしてしまいそうなほどに、闇は深く粘りつくように濃い。]
…メアリー……ッ。 [浸み込む闇に蝕まれ、深く深く奥底へ封じられるように。 それは誰の執着だったろう。 絡みつき、縛り付け、身勝手な愛を囁きながら肌をぬちゃりと舐めまわしていく。]
(+56) 2010/03/07(Sun) 00時頃
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[蹂躙され、染め替えられ、消えそうになる自我。 それでも細い細い赤い糸だけが、かろうじてつなぎとめている。]
(+57) 2010/03/07(Sun) 00時頃
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……そう、幸せだよ。
[闇の中、届いた声に顔を上げる。 まだ赤い糸は繋がっている。
――大好きな人と一緒なら――]
探さなきゃ、探さなきゃ!
[繋がった糸の先はどこにあるのか。 闇の中ふわりふわりと漂いながら、その先を求める。]
(+58) 2010/03/07(Sun) 00時半頃
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[手をあわせ 見つめる]
(思ってるだけだから…いいよね 独りよがりに感情を紡ぐ)
[こんな歪んだ闇の中で咲く花はやっぱり狂ってる]
(でもそれは とてもいい匂いがする)
[恋という狂気を悟り それを受け入れ]
ごめんね ごめんね…
(交わされる口づけは 甘くてそして苦い味がした)
(+59) 2010/03/07(Sun) 00時半頃
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