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[そして、暫くの沈黙後。
言われた事に見えはしないだろうが、意外そうに蒼灰を瞬いて。]
たぶん、ボクの方が少しだけ年下、かな。
ボクも自分の正確な年齢は知らないけど。
いつも通りでいいなら助かる。
ボクも慣れない口調は疲れるから。
[ほっと今度は少しばかりの安堵の溜息を落とす。]
[向かい合うならわかるだろう。]
[鳶色の奥の焔と、はっきりと上がる口角に。]
[……相手の殺気無しに気がつけば
直ぐにそれは消え去る、が*]
そうですか。
[割に合っている。その内容まではわからずとも、会話が切られた事もあり、そこからは踏み込まなかった。
槍の舞うを眺めながら、ただ、黙って思案するように。]
――……。
[真正面から、焔が湖水に映り込む。
上がる口角は、話をしている最中とは全く別人のような顔。
鳥肌が立つ。
それは、恐怖や戦きでは無く寧ろ歓喜に近い。
軍に属し、戦線に立ってきた血が滾る感触。
湖水がすうと細められる。
じ、と。睨むような視線は、模擬と言うには鋭く。
ひやり、と辺りの空気が僅かに冷えた。]
[手紙の内容。
ミューズ湖で、小競り合いの発生した事。
多少敵は多かったが、南の国からではなく近隣の海賊の類いで、既に沈静化した事。
……けれどその際、兵が一人、死亡した事。
公の手立てを使った連絡。
それを管轄する者は、どこまで把握するものだろう。
目に耳に、する機会はあったかも知れない。]
バーンフィールド師団長。
もし、良ければ。
もう少し派手に模擬戦をしてみませんか。
ある意味、悪巧みとも言えますが。
国の。民の。部下の。
何より、自分の為に。
興味があれば、部屋にでも訪ねて来て下さい。
[返事は急ぎません、と。通信兵の去った後、再度振り返り、言い残した。]
【人】 若者 テッド[挨拶に来たのだと知れれば、軽く頭を掻いて。 (345) 2011/03/22(Tue) 20時半頃 |
【人】 若者 テッド[生きる民に神の言葉を伝える第10師団と、 (354) 2011/03/22(Tue) 22時頃 |
[正面、射る薄灰を常の鳶色が受ける。]
[そこに、己がよく目にする恐怖も、慄きも
見られないのも、名ばかりではないと、わかる。]
[グレイシアの頬を伝う血液を凍らす冷気は
イアンにも届いており、
鍛錬し続け温まった身体に心地よいぐらい、だった。]
…………私は、模擬戦は……
[グレイシアが口にした言葉。
行わない、行う。ではなく
好悪だけを表そうと。短い言葉を落とす。
それに……]
………………
[何か、直感的に、警戒が走る言葉、だった。
大義名分になり得る要素がまぶされた言葉。
少なくても、先ほど、イアンに素直に答えさせた
その言葉とは違う気配を感じて。
その直感で感じたものを、
隠すべきか、隠さぬべきか瞬時考え
薄く、眉を寄せることで表した。
それ以上は、何か表出することはなく。
グレイシアの去りゆく背を鳶色はじっと見つめた。]
では、実戦の方が?
[寄せられた眉に、抑揚無く問う。
返事があろうとなかろうと、そのまま立ち去るだけであったろう。
模擬戦を、好まないと。言葉では聞いていたけれど、敢えてその言葉を使った。
警戒も、当然。
並べた言葉は本心であれ、詳細をごっそり省いておれば大義名分にしか聞こえなのだろう。
乗るか反るかもわからぬ相手。
今は、ただ気に留め置ければ良い、程度の声掛けの積りだった。]
[背に注がれる視線。気付けども、振り返る事は無かった。*]
[借りた手袋を手に取ったとき
持ち主のことを思い出す。
昨夜、最後にかけられた言葉には
警戒もあり、それに…………
…………ともかく、表情を変えることなく
薄灰を鳶色で見据えるに留まって。]
[何を、考えているのか、いないのか。
腹芸が得意とはとてもいえないイアンは
手袋の持ち主に関して嘆息しか出なかった*]
[ラミケシュの部屋で、ディーンとの会話を思い出しつつ、選定のことを考える。
どうやら2師団について、憂うことがあるようだ。
いずれにしろ、彼もまた、力が、この国の支えとあることはわかっているようにも思えた。
やはり、今、諸国に新帝として構えをさせられるのは、ローレンスではなくレドフォードではないだろうか、とあらためて。そして、今度あえば訊いてみるのもいい、と思っている。]
[だが、表面的には、やはり、4番も宣言していたが、ローレンスを推すものは多いであろう。
このまま、会議がだらりだらりと進むならば、そのまま、きっとサイモンが推すように進んでいくに違いない。]
――……サイモンか。
[表決をとるならば彼。報告もやはり彼がするであろう。
両殿下の支持が拮抗した場合も、サイモンがいれば、きっとそのままローレンスに流れることは間違いないように思えた。]
……ヴェスパタイン皇子に、仕えたい。
[瞑想するような姿勢で、思案する。
会議でも述べた、本心。
直接聞いた、取るべき道の具体性。
何より、戦場を共にした際の雄々しさ。
国を護りたいと、それも嘘ではない。
けれど。
強く率いて行こうと言うものに惹かれるのは、軍人の血か。]
現状、ランドルフ皇子が優勢か。
会議で説得をするのも良いけれど。
[…武力で、意思を通す。対戦により周辺諸国を抑えようとする姿勢をなぞるように。
和平を望むのであれば。
例えば、南の大国がそう言う姿勢に出たとして、跳ね除けられなければ、ならないのだろう。]
[模擬戦と、イアンに告げた気持ちは真実自身の思っている所でもあった。
自分如き、留められなければ和平への道を行くのは難しいだろう。
ある種、試すような。
傲慢にも思える心持ち。]
[意思を、通すには。
ランドルフ皇子を強く推す者が、邪魔だろうか。
その結論は、奇しくも第11師団長と似ているだろう事、気づく事は無い。]
[具体的な動きに関しては、どうすれば良いのか、暫し深く思案する。直ぐに動くのかどうか。それはまだ決めかねている心の内に、少し苛立ちながら。]
[考えている、サイモンをとりあえずは黙らせなければならないと。
そこから、話はまた始まる。
思考は、5番のものと似ていること、もちろん、まだ知ってはいないが、同じ思考ならばサイモンを抑える行為、その時が偶然に重なるかもしれない。
その場にもし、3番もいたならば、その意向も知ることができるか。]
ふと、首許に触れる。
ナユタの言葉で思いついたそれは、
こ ち ら 側 の送受信 だ け を 一 方 的 に 切る装置。
[ラミケシュのヴェス皇子を推す考えには、すぐに同意を示したくなるも、あえて、表情、発言には出さずにいる。]
……やっぱり"向いていない"。
[やはり無意識で零した通信。
それは、キリシマの作った新たな装置によって遮断されたのだろうか。]
― おそらくは会議がはじまる数時間前 ―
[そして、サイモンの自室前に影が一つ、たつだろう。
いや、それは、隠れたもう一つ、そして、それを見るもう一つもあったかもしれない。
いずれにせよ、サイモンが会議を進めるならば、ローレンスに決まる。それを阻止しようと動いたものだっただろう。]
[最初に立った人物は誰だったか。3番か5番か11番か。
おそらく15番はまだ動かなかっただろう。]
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