215 【誰歓】エンドローグ
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[ そして、"出られるかどうか"を試してみるのは、何となく憚られ。 元々扉があったその付近まで近付きはしたけれど、 他の誰かに知らせるという言い訳を急遽作り上げた男は、 その場から身を翻したのだった。]
…何でかねェ。
――どうにも俺は、この安頓とした世界が気に入っちまって、 ……まだ、出たくねェらしい。
[ その"まだ"が、何時までなのか男には分からなかったけれど、 少なくとも、此処から出ることを拒否したのなら、 ――もう、男の非日常の中の日常へは帰れないのだろう。 …そんな予感がしていた。
フラッシュバックを『第六感(>>2:69)』と位置付けるなら、 新たに『第七感』とでも名付けられるかもしれない、勘。
それまで男が持ち得ていなかったそれは、 ――それでも外れる事を知らない。そんな気が、した。]
(33) rinaria 2015/02/09(Mon) 23時頃
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こいつァ参った。菓子はとっくに品切れだってのに!
[ 誰もいないと知ってはいても、知らず身振りはオーバーに。 過ぎた挙動で嘆きながらも、男はからりと笑う。
どちらだって、構わないのだ。男は自分を囲んでいた環境が、 日常の皮を被った非日常であったことを疾うに知っていた。 それでも退屈凌ぎで死を待つだけの環境(>>1:116)。
甘んじて受けてはいれど、そこに安息が存在する訳もなく。 定職も持たずふらふらしてばかりと、 冷たい目を浴びたことは既に数え切れない。
…男の非日常と。この場の日常とは然程変わりはしない。 ――それに、此処には何もない。
硝子越しの"母親"の目(>>2:70)も世知辛い世間とやらも、 臨也をどこまでもどこまでもどこまでも追い続ける過去も。 ……何一つだって、此処には、無い。]
(34) rinaria 2015/02/09(Mon) 23時頃
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[ だから、例え此処が覚めない夢だったとしても構いやしない。
男の殆どを形成していた水は、 彼や彼女がいなくなったその瞬間に、溢れて消えてしまった。 器から溢れた水は二度と戻らない。
何も無いのなら、何処に居たところで同じことなのだから。
ある時、誰かが思った(>>2:33)ように、 例え此処の何もかもが臨也の作り出したものであったとしても それでもいいとすら思っていた。
――もし、誰かが此処を出ることを決めても。 その時は背中を押しも下駄を鳴らすこともせず。 ただ見送ることにしようと、男は密やかに決めたのだった。]
(35) rinaria 2015/02/09(Mon) 23時頃
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[ 一人でぼんやりと考え事をしていたからだったか。 何時の間にやら耳には何処か人の声が聞こえたような。
足を止めてみれば、そこはホール。
……その場に人気は無い。
――しかし、鼻を突く匂いは確かに強くなっていて、 幾数人が居るかを知ることは出来ずとも、 この近くに人は居るのだろうと男にそう、思わせた。
勿論、ピエロの兄さんの危機(>>28)だとは知る由もなく。
催促するかのようにもう一度腹部が鳴り。 自らの一部であるそれにひそりと苦笑を漏らしたのだった。]
(36) rinaria 2015/02/09(Mon) 23時頃
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― いつのことだったか ―
[ まだ明日香と意思疎通が出来た頃。 ――そして、まだ臨也が大学院に通っていた頃のこと。
臨也はあまり食べるということに興味がない。 …面倒くさいという感情が先に立つ。 だから、親から与えられる生活費の殆どは、そのまま。 手を付けずに口座に放り込むなんてしてたっけ。
それでも、気紛れに院内の食堂に行くこともあって、 偶々寄ったそこで、当時からバイト代わりの代役業、 まァつまり、代役を頼まれた芝居のチラシを持っている 男がカレーを食べていた。>>43
幸い、顔は知らない相手。ならば宣伝してもよかろうと。 臨也は食事中に悪ィなと思いつつも話しかけてみた。]
「 ――それ、見に来るのかい? 」
(56) rinaria 2015/02/10(Tue) 05時頃
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[ 暫く間はあったけれど、返事が返って来たんだっけ。 興味はあると、告げられたので臨也は更に続けた。]
「 それ、俺も出てる。 」
[ ところで、当時。 臨也はとある芸名を使って代役業をこなしていたので、 厚い舞台化粧をしてしまえば知り合いに見られたところで 悟られない自信があった。 だから、自分の出る芝居を教えることには抵抗がなかった。
そうして、驚いたように顔を上げた顔には――火傷の痕(>>44)。 人の外見を気にしない臨也であったから、 からからと笑っては、こう言った。]
「 アンタには、合ってるんじゃないかねェ。 」
(57) rinaria 2015/02/10(Tue) 05時頃
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[ その時に男が演じる予定の役は、 顔に醜い火傷を持つ孤独な怪人の役。
一人の女性に恋慕し、愛したいと願ったけれど、 その女性の心は別のところにあって。 それでも女性が彼に愛情を示してくれたことで、 女性への執着が氷解したのだったか。確か、そんな話。
そうして、女性へ捧げる薔薇の為に慣れない手品なんてもの にも手を出したことを覚えている。
眼前にした火傷を見て、怪人の生涯を思い起こした臨也は、 気紛れにも勧誘をしてみたのだった。
――彼が来ようと来まいとどちらでも。 興味があれば、という感じで一言告げて踵を返したんだった。]
(58) rinaria 2015/02/10(Tue) 05時頃
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[ さてはて、暫くして臨也は舞台の上。 暗い客席に食堂で出会った彼が居たのかは分からなかった。
それでも、指先ひとつ鳴らして紅の薔薇を手の中に咲かせ、 愛した女性へ捧げる頃には、 拍手の影に知った顔を見たような気がした。
それが、少し前に珍しく勧誘を行った男であるかは、 確信は持てなかったけれど。
もし、彼がこの舞台を見たのなら、
顔がどうであろうと人間、大事なのは中身なんだぜ。
そう、肩でも叩いてやりたいところだった。 食堂で出会った男は顔を気に病んでいるようだ(>>44)と、 その挙動を見てそれとなく思ったから。]
(59) rinaria 2015/02/10(Tue) 05時頃
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[ それでも、その後臨也が院の食堂へ訪れることは無かった。 明日香をテーマパークへ連れて行って(>>1:114)、 その直後、暫くは行き続けていたけれど、 結局のところ、男は大学院を辞めてしまったのだから。
だから、何時か会った青年に会うことは無かった。
――明日香と行った夢の国で、 ピエロの声に覚えがあると、何処か、そう思ったことも、 似たような声の人間なんて幾らでも。と、 記憶の中に埋もれさせてしまったから。
けれど、気付いたらこの奇妙な場所に居て、 初めて聞いたはずの声の中(>>0:195)に既視感を感じた。
偶然の一致かも知れないけれど、 もし、あの日、夢の国で会ったピエロであったなら、 ――それがもし、何時ぞやの青年であるのならば、尚。 礼のひとつくらいは言っておこうと思った。]
(60) rinaria 2015/02/10(Tue) 05時頃
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[ 丸一日に満たない僅かな間とはいえ、 その日、明日香や臨也を夢の中に引き込んでくれた 最大の立役者であったのだから。
ピエロの兄さんが臨也を覚えていなかった(>>0:218)としても、 次にその顔を見たなら声をかけることにしようと。 男はそう決めたのだった。
――全くの別人だったら恥ずかしいなァ。
そんな事もしっかり心の裡で考えながら。*]
(61) rinaria 2015/02/10(Tue) 05時頃
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― 鸚哥の記憶 ―
[ 匂いを辿る矢先、ふと思い出した昔のこと。 そのついでのように、別の記憶が男の中へ蘇った。
誰もいない静かな家の中。 静かで、そして、一人には広すぎるそこに、 鮮やかな羽の鸚哥が一匹、鳥籠の中で微睡んでいた。
臨也が少年であった頃に鸚哥はここへやって来た。 何時のことだか、もう覚えてはいない。
長い間、この鸚哥は臨也の趣味(>>1:101)に付き合う 相手であったけれど。最近はとんと返事もしなくなっていた。 それは、鳥にしては長生きの年のせいであったかもしれないし、 何か病を患っていたのかもしれない。]
(62) rinaria 2015/02/10(Tue) 06時頃
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[ しかし、生憎と臨也には鳥についての知識は無く。 その時に偶々代役業の芸名を考えていたものだから、 喋ることを止めた鸚哥の代わりに、「七色いんこ」なんて 一風変わった名前の芸名にしたのだった。
何時か、目にした漫画の影響もあったのだけれど。 ――代役業を生業とする男の話。 当時はそれがしっくりする環境であったものだから。
そうして、臨也が代役業を務める劇のチラシの端。 鸚哥の名前が印字されることになるのもすぐ後の話。*]
(63) rinaria 2015/02/10(Tue) 06時頃
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― 台所 ―
[ 幸い、ホールから台所まではそう離れてはおらず。 昔のことをひとつふたつと思い返していれば、 そう時間もかからずに辿り着く。
そうして、未だ中へ入りはしないけれどちらりと覗けば、 先に到着したばかりであろうか人影>>41>>53が見えた。
その先には若者数人に詰め寄られるピエロの姿。>>42 それに、他にも幾人も。…殆どここで見た全員に近い。
そんな中のミズキの声>>55は男には助け舟にも近いもの。 ――それでも、仮面を外すかは兄さん次第。
そこへ玄関の扉の話を持ち込むワケにもいくまい。 中へ足を踏み入れるか、どうしようかと、 男にしては優柔不断なことに、台所の手前で立ち尽くし、 ピエロの兄さんの返事が返るのを、待った。]
(64) rinaria 2015/02/10(Tue) 06時頃
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[ 室内を窺う最中、何時ぞや男が和室へ送り届けた少女(>>65)が やって来たんだったか。
その際、少女へ貸したままであったパーカーを渡された。]
――おう。それで、具合はよくなったのかい?
[ 貸したものが返るついでにとそう問い掛け。 返事が返る前に、少女へ新たな声がかけられたから(>>66) 少女の体調の善し悪しを知ることは暫く、お預け。]
俺は元気さ。この上ねェほどにな。 …後はたまに鳴るこの腹を満たせるものがありゃ完璧だ。
[ 次いで男にも食事のお誘い(>>68)がかかった。 それに返す間に先に歩き出す誰かさんがいたもんだから、 (>>69>>70)男も少しは歩を進めはしたけれど。
誰が用意した(>>76)のだか暫くして目にした机上には 人数分の皿と中身が置かれていて。]
(80) rinaria 2015/02/11(Wed) 01時半頃
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[ その光景が男には何やらとても新鮮で、勝手に足は止まり、 ぱちくりと半眼を瞬いて、…ヘェ。なんて勝手に声が漏れた。
置かれた椅子はそれなりに埋まっていた(>>30>>54>>71>>77) けれど、壁際へ佇む少女の姿>>46もあった。
――それと、少年少女の合間、黙々と食べ進める人影>>@4も。 ちらりと目の端を鮮やかな黄色が掠めた気がしたから、 視界に収まりきらずとも、男の知っている少女なのだろう。
そうして、立ち止まっていれば、 妙な前置きと合わせてピエロの兄さんの顔が見えた。>>73 ……男は小さく小さく息を飲む。
同じく聞こえた誰かの短い息(>>75)とは違う。 見えたその顔に、――火傷の痕に覚えがあった為に。]
(81) rinaria 2015/02/11(Wed) 01時半頃
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[ だから壁際の少女から話が振られたのであろう>>79その時に、 必要以上にひくりと口の端を吊り上げた。 続く同意を求めるかのような声には何とか。]
――ぁ……あー…、そうだなァ…。 悪くないんじゃあねェの?
……人ってのはさァ。
[ そうして、思い出したのは随分と昔のようにも思える記憶。 二の句を継ぐ前に一度だけ、息を吸った。]
顔がどうであろうと人間、大事なのは中身なんだぜ。
[ 何時かの昔(>>59)には言えなかった文句。 ――男の意図するところがピエロの彼に通じるかどうか。 それは分からなかったけれど。
…ただ、それでもその言葉を口にすれば、 男の表層へ浮かび上がった微かな動揺は収まったのだった。]
(82) rinaria 2015/02/11(Wed) 01時半頃
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[ 少女から受け取ったパーカーをばさりと羽織り。 男の腹の虫の機嫌は悪かったけれど、 一先ず流れていく話を聞くことにして。 先客>>46とは別側の壁へとよりかかった。
硬い感触が背中へ伝わった時だったか。 振り向いた顔は――矢張り覚えのあるもの。 俯きがちに礼を告げるその声と下げられた頭の理由は 男には分からなかったけれど。 あの時を何時かのこと(>>57)と考えて言葉を紡いだ。]
――…どういたしまして。
……此方こそ、
[ ありがとなァ、 と薄く唇を開きかけ、口にしかけた言葉を飲み込んだ。 ――礼を言ったところで男の頭の中を過る思考が ピエロに伝わりはすまい。そう思って。*]
(99) rinaria 2015/02/12(Thu) 00時半頃
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[ そうしているうち、坊ちゃんから声が出た。>>88 ――ああ、そういえばと男は思い出す。
まだ玄関の扉が開いたことを誰にも言っていないこと。
続いた幾つかの声の中(>>96>>97>>@7) 男しか知らないはずのその情報を口にした少女。
その言葉が終わったのなら後に続けるように、一言。]
ホールの扉なら、暫く前に開いたなァ。
……外は真っ白闇。なぁんにも見えやしなかった、が。
[ "帰れる"と続いた声には ヘェ、なんて間抜けた相槌を打ったのだった。]
(100) rinaria 2015/02/12(Thu) 00時半頃
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[ そうして、更なる言葉。>>@8 その後に駆け出す小さな足音がぱたぱたと。]
――おい!
[ 咄嗟に止めようと試みるも少女を捕まえるには及ばず。 飛び出したその後ろ姿を見失わないうちにと、追う。
彼女の行き先は男には知るべくもないけれど、 果たしてその姿を視界に捉え続けていられたかどうか。]
(101) rinaria 2015/02/12(Thu) 00時半頃
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[ 少女が立ち止まった瞬間。>>@9 すわ、急ブレーキか、と足を止めかけた男の視界が、 ぐらり、と揺れる。
ゆっくりと傾き始める足元。 そういえばこの辺りには以前にも引っかかった縁(>>0:156)が あったなァと走馬灯のように思い出す。
その際、脇を抜けた影>>102を気にする余裕は男にはなく。
スコーンだかカポーンだか まるで風呂の中で洗面器を転がしたような音がして。
男は強かに壁に額をぶつけて、その視界に星が散った。]
(105) rinaria 2015/02/12(Thu) 01時頃
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[ 脳が揺れるかの如き衝撃が男を襲い、 ちかちかと視界が点滅し、足が止まる。
転倒するのは何とか避けられはしたけれど、 その間に少女の姿と素早い影>>102は見えなくなっていたか。 それにわらわらと続く人の姿>>103も、また。]
――あー……、
やっぱり、
走るには、向いちゃねェなァ。
[ ぐらぐらりと揺れる頭を振って立ち、下駄を見下げて。 手のひらで支えた額はぼんやりと熱かった。
暫くして痛みが落ち着けば、少女の後を追おうと。]
(106) rinaria 2015/02/12(Thu) 01時頃
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[ 足を踏み出した(>>106)――ところで。 目前に細っこい手が伸べられて。>>112]
……ここを出たら…、
――出たら…か。
[ 自身へ向けるようにその言葉を反芻し、 少女へと向けた両目を細める。
――この少女も矢張り、出ることを選ぶのか、と。]
(117) rinaria 2015/02/12(Thu) 13時頃
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――――はァ?
[ 感慨深く少女の言葉の続きを聞いた男は頓狂な声を上げた。
――おじさん。 いや、その発言に関しては何も言うまい。 男も学生の折には十も年が離れていれば オジサンオバサンと表現したであろう口。
…それよりも、"娘"だの、"嫁"だのと、 マユミの悩み事(>>1:21>>1:22)を知らない男は、 意味の取れぬその語群を少女自身のことだと解した。
そして、
…孫なんて年に見えるのかよ
やや傷心し、ため息をついたのだった。]
(118) rinaria 2015/02/12(Thu) 13時頃
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[ …だがしかし、冗談か真剣な話>>114かは分からなくとも、 返事をしなくてはなるまい。
――何故なら、男に此処を出るつもりは無いのだから。]
――――……。
すまねェな、嬢ちゃん。
……俺は、此処から出ねェ。――…それに、
[ 二の句を継ごうとして、迷う。 出ないと告げても尚、その理由にまで踏み込もうとすれば、 じくりと胸の奥が疼くような気がして。]
――悪ィが、生涯に愛する女は一人だけ、と決めてるんでね。
[ それでも続けた言葉の端は掠れていたけれど。 浮かぶ顔を心の奥へと沈めて少女を見詰め。 その時ばかりは真面目極まりない声で告げた。]
(119) rinaria 2015/02/12(Thu) 13時頃
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[ 何処か落胆したようにも見える少女。>>122 けれど、提案が本気であったのであったとしても、 此処へ身を止める事にした男には無理な相談。
それに――、愛する女はひとりきり。
もうずっと昔にそう決めてしまったのだから。 話が終われば男も歩みを再開することにした。]
(155) rinaria 2015/02/13(Fri) 14時頃
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[ そうして、先に駆けていった後ろ姿たちが見えると、 丁度、アオイの"帰れるよ">>@13という声が聞こえた。
――嗚呼、矢張りこの少女に帰るつもりは無かったのだ。 何時だったか、薄らと分かっていた。
アオイとエミ。扉のすぐ近くへ立つ二人の前には、 男も目にした真っ白い闇。
男は、そちらへと足を向けることはせず。 静かに壁際へ背を傾けた。
そのまま、何人かの"帰る">>127>>131声を聞いた。 それに、湿り気を帯びた声で"残る"と口した少女の声>>133も。 それに対する声高な坊ちゃんの辛辣な声>>134>>135も。
それでも男は、帰るとも残るとも言わないまま。]
(156) rinaria 2015/02/13(Fri) 14時頃
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[ ピエロの兄さん――相変わらず年齢は知らなかったけれど、 から漏れた声>>141を聞いても男の考えは変わらなかった。]
――――…生憎と後悔するようなものは、 向こうには残ってなくてなァ。
[ 大袈裟に肩を竦めて下駄をからりと鳴らす。 今度は転ばぬよう、注意を払いながら。 そうして、誰に向けるでもなく、 マユリへ言った事と同じことを繰り返すのだ。]
俺は帰らねェよ。 見送りくらいは――…まァ、してやるさ。
(157) rinaria 2015/02/13(Fri) 14時半頃
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[ ――ああ、彼は。>>160 ようやっと決断した男になんてことを言うのだろう。 …芝居しか無かった。 好きだった女と先輩を失くした男には、それしか。
…それは、つまり芝居に関してはまだ。]
――そうかい。……でもな、
――俺は、地獄の業火に焼かれながら それでも天国に憧れる。
[ ピエロの兄さん――寧斗へ向けて、言葉を紡ぐ。 男には芝居だけしか、無かったから。 だから、見送る言葉も件の仮面の怪人のもの。
男にしては日常もこちら側も地獄であるのには変わりなく。 それでも男はここが天国であると信じたかった。 そんな思いを込めて、口にした。]
(181) rinaria 2015/02/13(Fri) 23時半頃
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[ そして、男へ背を向けたピエロへからころと寄り。 彼の見据えた扉の先――男には、もう無用の世界。 …けれど、眩しいその白い闇を見詰め。]
――ピエロの兄さんよ。 一つだけ、頼みごとを聞いちゃあくれねェか。
[ 横のピエロに向けてかけたのはそんな言葉。 半眼に薄く張る水の膜が溢れてしまわなよう、 幾度か瞬きをして。]
向こうに戻ったら、 …とある場所に、こいつを。 置いてやっちゃあくれねェか。
――だぁれも来なくなっちゃ、寂しいだろうから。
[ そうして、手渡す…というより押し付けたのは、 自身の携帯電話。――それと。 鳴らした指と共に右手に赤い薔薇を一輪咲かせて。]
(182) rinaria 2015/02/13(Fri) 23時半頃
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[ 彼女の――明日香の墓標がある、丘の場所をそっと次いだ。
はてさて、こちらで渡したものが向こうへ届くことやら。 それは男には知れなかったけれど。]
――見た目がどうであろうと、 アンタの心の中を知れば、 誰かがアンタを愛してくれるだろうさ。
……だから、頑張んな。
[ 告げた言葉を最後に男は飄々と手を振り。 からんと足を一歩後ろへと引いて、大仰に一礼を。
…そうして、扉を超える者たちを見送る姿勢。*]
(183) rinaria 2015/02/13(Fri) 23時半頃
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