297 湿っぽい古風和ホラーRP村「紫陽花奇譚」
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朧は、村建ての頭を撫でた。
mmsk 2019/07/19(Fri) 01時頃
[透明な紫陽花が、西日を受けて空気に溶けていく。
けれど、“此方側”には確かに存在していた。
花手毬を両手で掬い上げるようにして、口づけをひとつ。
それはまるで、むずがる幼子をあやす為の、ような。]
……そんで。
“わたし”は、満足したんやろか?
[私は敢えて、振り返らずに問うた。
割れた大岩の上。
最初からずっと、“わたし”はそこに居た。]
[わたし、おねぇちゃんやから。
それは、酷く重たく、甘美な呪いの言葉だった。]
わたし、おねぇちゃんやから。
[わたしは、そう言って、微笑う。
綺麗な綺麗な顔をして。
振り返らずとも分かる表情に、チリチリと胸の奥が焦げ付いた。
そういって、何度でも、我慢する。
おねぇちゃんとは、そういうものだ。
可愛い妹の為、何もかもを、飲み込んだ、わたし。
けれど、私は知っている。
本当は。
わたしだって。]
頑張ったなぁ。“わたし”。
[やから、もうえぇんやよ、って。
私は振り返る。
わたしは、私だった。
私はいつだって…泣いていた。
ほろほろとこぼれ落ちる雫は、きらきらと夕日を浴びて、消えていく。
知っとったよ。わたし。
おねぇちゃんて、呼ばれることが誇りで、嬉しくて、でも。
たまには、褒めて欲しかった。
認めて欲しかった。
私には、あさちゃんがいた。
あさちゃんから、返される想いがあった。
でも、わたしは。わたしの妹は。]
なぁ、おねぇちゃん。
私がおるよ。
[岩の上に腰かけた、緋色の花嫁。
その、指先の硬い手を、取り上げる。
そっと撫でれば、怯えたように、震えた。]
無理やり、終わらせちゃって、ごめんな。
[でも、“私たち”、おねぇちゃんやから。
そぅと囁くと、花嫁は、“本当に”微笑った。
見えない紫陽花が、揺れる。]
[例えば、誤って毒の葉を食おうとした時。
例えば、火の粉が木屑へ燃え移ろうとする時。
例えば、ひとりぼっちの寂しさが沁みる夜に。
私はあなたに寄り添い、護るでしょう。
そう、約束したから。
そんな私の目を通して、わたしもまた、村を見守るでしょう。
わたしは、あの岩の上から動けないけれど、きっと愛する者たちを、護るでしょう。
私たち、おねぇちゃんやから。
きゃらきゃらと、子供たちの笑い声が、木霊する。
紫陽花の“此方側”で、幼子たちが集って鬼ごっこをしていた。
彼らが大人になることはない。
彼らは、永遠に、私たちの可愛い妹、弟のままである。]
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