43 朱隠し
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浪人 慶三郎は、メモを貼った。
2011/02/16(Wed) 12時頃
[ 永い永い、時の刹那 ]
[人の子であれば、同じように時を重ねる事も出来た]
[無いもの強請り]
[俺は、いつの日にか、俺の欲しいものを持ったお前を羨み妬むのか]
[難儀なものだ]
[人の子らしき心の在り処]
浪人 慶三郎は、メモを貼った。
2011/02/16(Wed) 22時頃
[すり抜ける手が、寂しい]
――… 寂しい。
そうだ。
藤乃助は……
[あちらに帰った気配を思い出す。
男に、穴を埋める、と謂った、藤乃助]
帰ったら作ろうと思っていた藤色の鳥は、
もう 必要無くなったのだろうか。
―夢の中―
[――りん。りん]
[どこかで鈴の音がする]
[思い出す、と誓ったのだろう?]
[師匠に習った飴細工の腕はだいぶあがったし]
[家族の心配もしなくていいし]
[もう思い出してもいい頃だろう?]
……思い出す、て何を?
俺、何を忘れてるんや?
[友達を忘れるなんて、薄情だなあ]
[りん]
[鈴音はそんな声に聞こえる]
[本当は、覚えてる。思い出せないだけで、忘れてはいないんだ]
友達、かあ…そら思い出さな、あかんよなあ……
[………りん]
なあ、皆。
俺も"神隠し"を、したいんだ。
[同士にのみ聞こえる囁きが揺れる。
アヤカシらしからぬ男が発したその言葉に、驚くものも居るだろうか]
[一平太を連れて行きたいと、
時期はいつでも良いとも告げただろうけれど]
[その時は、きっと "すぐ"]
華月斎が其れを望むのであれば、
俺はお前の望みを叶えてやりたい。
じいたちが構わぬなら、力を貸すぞ**
[凛とした響きに、]
ありがとう、ウト。
[感謝する。
声音は、柔らかに微笑むのと、似ていた]
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[くるり。 くるり。] [手の中で廻す、飴の棒。 くるりくるりと舞う紅は、まるでいつかの――]
(96) 2011/02/17(Thu) 00時頃
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慶三郎は、ふと、手を止め、
2011/02/17(Thu) 00時半頃
――そう、か。
[華月斎の言葉に、暫しの沈黙。
その後。]
好きにするがええ。
儂ぁ、止めん。
[ふ、と微笑むような声色は、
やはりどこか少しだけ淋しそうではあったやもしれぬけれど。
否とは謂わぬだろう。]
浪人 慶三郎は、メモを貼った。
2011/02/17(Thu) 00時半頃
ああ、好きにさせて貰うよ。
ありがとう、慶三郎殿。
[微笑むようで淋しそうな声色に、やはり感謝の言葉を返した]
――… そう謂えば、飴は。
[頼んでいたものを思い出し、尋ねたのは聞こえたか]
浪人 慶三郎は、メモを貼った。
2011/02/17(Thu) 01時頃
――ああ。
[結局、忘れていた。
己から言い出して、これである。]
いま、持って行く。
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― 祭会場 ― [かの人物に遇ったか如何かは定かでないが。] [あれへ向ける老妖の態度が。 不思議なものとして映っていたであろうことに、恐らくかわりはないのだろう。 ああ。自身でも、不思議なのだから。] [――忘れて居た、筈だったのに。]
(110) 2011/02/17(Thu) 01時半頃
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[――――否、忘れようとしていただけだったのか。]
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――――、 寒いの。 [老妖のこの出で立ちは、 冬空の下を歩くにはやや心許ない。 秋の装いなのだ。] [昏がりのなかを歩く。 鎮まりかえった社を見遣る。 最後にそうしたのは。 ああ。あれは、いつのことで。 あれから、どれだけの時が流れたのだろう。] [あれは、]
(121) 2011/02/17(Thu) 03時半頃
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知らん。
――ヒトの子のことなぞ、知らん。
[ヒトはヒトで居ればよいのだ。
アヤカシはアヤカシで居ればよいのだ。]
[交差など、せずとも。]
[そのままで居れば、よいのだ。]
[ああ。
――たとえ、触れたとて――――]
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[――煙管を持つ手が、震えた。]
(122) 2011/02/17(Thu) 03時半頃
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あいつ……本当に良い奴すぎる。
アヤカシの戯言を真に受けて、こんな……こんな。
[白い綿を口に含めば、ほんのりと甘い]
あいつも喰らえば、こんな風に甘いのだろうか。
[もう一口、齧る。
口中に広がる上品な甘さはまるであの人の子のようで、
酷く、胸が、痛い]
嗚呼…。
あの白い肌も、その裡に秘めた寂しさも。
全て全て愛して喰らってしまえたなら――……。
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[聴こえた鈴の音に、顔を上げ。] [ふ、と笑む。] [灯のない煙管を銜えたまま。 下駄を鳴らして、踵を返した。]
(126) 2011/02/17(Thu) 03時半頃
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[――石段の傍を通り掛れば、ヒトの子の姿が在っただろうか。**]
(128) 2011/02/17(Thu) 04時頃
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