214 サンタ養成学校卒業試験
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― 校舎裏の前夜 ―
[丸い瞳に映るのは、季節を先んじた八重の桜。 サクラサク―――、案外花卉に疎い白鼠が浮かべたのは、 そんな実直でストレートな言葉。>>2:248]
俺、花を貰ったのなんて初めてだ。 見上げない桜も初めてだよ、ギネス。
[女子ではないから、ちゅぅ!と黄色い悲鳴を挙げはしないが、 握りこんだ枝振りからは、甘い香りがした。 優しく柔らかなものばかりに包まれて、胸が詰まる。
不安は温もりが溶かし、過小評価を香りが忘れさせてくれる。 喜びを体現する尾はパタリと揺れて、紅が細く撓んだ。]
(15) momoten 2015/01/27(Tue) 22時半頃
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いつか、俺の髭が真っ白になって、 耄碌してしまっても、君からの贈り物を忘れはしない。
春が来る度、桜がゆっくりと散る度に思い出す。 君は何でもないように俺にこれをくれたけれど、 俺は、今の気持ちを、きっとずっと忘れないよ。
―――…ありがとう、ギネス。 っ、……ありがとう…!
俺、立派な気象鼠になるからな…っ!
[八重の桜を抱いて、毛並みを震わせた。>>2:260 もうちっとも寒くない。杞憂を抱いて落ちるのは止めよう。
去り往く学友の背は広く、大きく。 自身に風と天候を教えてくれる、高い高い大樹に似ていた。*]
(16) momoten 2015/01/27(Tue) 22時半頃
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……花をさらりと贈るって、俺には到底出来ないな…。 気恥ずかしいって思ってしまうのは、俺が未熟だからだろうか。
―――…朧も出来そうだけれど。
[首をきゅぅ、と捻って彼の肩口で感想ポロポロ零し。>>2:271 しかし、更に揶揄を重ねてくる声には、微かな唸り声。]
やっぱりだ、睨んだ通りじゃないか。
[鼠の頭では中々辿り着けないそれは、きっと伊達と言う。 ひょい、と彼の肩から下りると、豪勢な鼠は雪に着地。 差し出された桃色の飾り紐は、誰のものか直ぐに分かった。
つい、笑みが零れて耳を揺らす。]
(17) momoten 2015/01/27(Tue) 23時頃
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分かった。ちゃんとサンタクロースからって伝えるよ。 ……参ったな、俺に片棒まで担がせて。
[まるで自分までサンタクロース……とまでは盛らないが、 彼のソリを引くトナカイ代わりには成れるだろうか。
空を舞い遊ぶ幾つものソリ、天の星と地上の星。 誰も彼も、奇跡の光を胸に持っている。]
(18) momoten 2015/01/27(Tue) 23時頃
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[それが何より、自分を導いてくれる。
谷の底から見上げた空は遠く、只管に目指してきたが、 今は、どうしてか、星空を泳ぐように身体が軽かった。*]
(19) momoten 2015/01/27(Tue) 23時頃
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― トナカイ鼠の暗躍 ―
[わっせ、わっせ。よじり、よじり。
ジタバタと外壁の装飾を頼りに、掛けてゆくのはマント姿。 桜の枝まで差して、ちょっと小粋に洒落た姿。
煽られる風に気をつけながら、女子寮の窓辺に辿り着く。 流石に何処が届け先の部屋であるかまでは知らないが、 同学年の部屋割りは大体把握出来ている。
先ずは窓辺に大分温くなった発熱灯を乗せ、 次は桃色と雪色混じる飾り紐をそれに結ぶ。 窓辺に寄せておけば、ちょっとやそっとの風では飛ぶまい。]
鼠からトナカイへの進化…、 アリスがノートに書いていたのは予知だったんだろうか。 ―――…いや、いや。浮かれすぎだ。
[首を振るって、届け物はこれで完了だが、気付いてもらえるかは、結構一か八かの運である。]
(20) momoten 2015/01/27(Tue) 23時頃
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[少し、悩む間にもふわふわと八重桜が鼻先を香る。]
……少しだけなら、良いかな?
[静かな仕草で、桜の花をひとつ、台ごと掬って、 小さな指先で畳むと、窓の隙間からすとん。と落とした。 春の香りを足跡に変え、なんだか少し面映い。
まさか、ギネスは此処まで読んでいたのだろうか。 だとしたら、彼も預言者だ。侮れない。]
―――おやすみ、また明日ね。
[窓から室内をチラと覗いてから、己は外壁走行再開。 ひとつ減った桜の枝は、それでもまだ。
馥郁たる香りで、鼠の身体を包み込んでいた。*]
(21) momoten 2015/01/27(Tue) 23時頃
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― 試験当日 ―
[その日は何時も通り、早くに眼が覚めた。 夜行性を忘れた鼠の身体は、早寝早起きに染まりきっている。 偶に月の満ち欠けと流星群を観測する為に宵っ張りも気取るが、 昨夜は流れ星が降る音にも瞼を起こすことなく睡魔に誘われた。
御蔭で、東の空が白ばむ頃に瞼が揺れて、 ちゅぅ、と寝ぼけ眼を擦り、欠伸をひとつ。
枕元に下げた防寒具に手を伸ばし、本日も洒落て首元を飾る。 磨いた銀の匙を引っ張り出し、鏡代わりに身だしなみのチェック。
ちょっとだけ男ぶりが上がったかもしれない。 ……いや、気のせいかもしれない。
一応、髭を扱いて、気休め数度。]
(35) momoten 2015/01/28(Wed) 23時頃
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―――…なるぞ、サンタクロース。
[よしっ、と腹の底に力を溜め、上掛けを丁寧にちまちま畳む。 折角、キメてみても習慣と言うのは拭えないものだ。]
……そうだ、クリスにハンカチを返さないと。 悪化しなかったのも、あのマントあってこそだ。
[いそいそ。 唐草風呂敷を用意して、リネン室に立ち寄らねば。 意気込んでみても、昨日と今日は余り変わらない。
人も鼠も突然生まれ変わることなんてありはしない。 日々の積み重ねは自らの力となり、裏切らなくなるだけだ。
――――ただ、強いて、変わったことがあるとするなら。]
(36) momoten 2015/01/28(Wed) 23時頃
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[鼠の自分がサンタクロースになれるのだろうか、と言う、 曖昧で不安定で、卑下に満ちた劣等感が四散していること。
きっと、昨夜空を飛んだサンタの見習い達が、 持っていってしまったのだろう。
代わりに彼らは何時も、己の欲しいものをくれる。 例えば、そう。
自分と仲間を信じる心、とか。*]
(37) momoten 2015/01/28(Wed) 23時頃
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― 早朝徘徊 ―
[気象学部の試験の大半は教室で行われる。 実践的なルート作成は実技に分類されるが、 それも使うのはソリや校庭ではなく、 分度器やコンパス、それに製図台だ。
決して体力を失うものでは無いが、 人より虚弱な鼠の我が身は、準備運動も欠かせない。
今日は気合を入れて、ランニングもメニューに入れてみる。 ―――あくまで、体力作りであって、邪な思いなど何も無い。]
(42) momoten 2015/01/29(Thu) 00時頃
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[ちょろり。 唐草風呂敷にハンカチを皺にならぬよう包み、 部屋を窓から抜け出すと、昨夜と同じように細い縁を渡る。 人の身ならば、戦々恐々だろうが、小動物にとっては、 列記とした道であり、変則的なランニングルートだ。
風を切って、テテテと足跡刻み、 爪先を煉瓦に立ててアイスバーンもなんのその。]
……お、
[そうして目視で捉える窓の先。 見渡そうとも、昨夜置いた贈り物は影も形もなく。
一応ながら、地上も覗き込んで細い煌きを探す。 無い、無い、無い―――何処にも。]
(43) momoten 2015/01/29(Thu) 00時頃
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…………う、わぁ。
[自覚すれば耳の中が熱くなる。 届いたのだろうか、と思う心と、 己にも届けられたのだと、満ちる喜色。
本人に? ちゃんとアリスに?
駆け出す心音を押さえ込み、破廉恥だと騒ぐ良心を振り切って、 そっと白鼠が窓を覗き込む。勝手に揺れる尻尾は無意識だ。]
もう少し……、中を…、あ……っ!
[爪先を伸ばした鼠は、唐草風呂敷の結び目を煉瓦に引っ掛け、 ぶわりとハンカチーフと風呂敷が風に浚われ拡がった。 どちらも飛ばしてしまわぬよう、両手で握りこんだ二枚。
もしも、クリスが部屋に居たのなら、 窓の外で手旗信号に勤しむ鼠が見れたかもしれない。*]
(44) momoten 2015/01/29(Thu) 00時頃
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― 試験開始 ―
[逸る思いを押さえつけ、答案用紙に相対した鼠が一匹。 六角鉛筆に角の取れた消しゴムに、身の丈ほどある製図道具。 揃えた雲母定規は等圧線を書くのに適している。
大きく息を吸い込み、胸を膨らませてから、 小さな身体に筆記具を抱え直す。
赤い瞳を二度瞬きし、膨らませた髭は自信に満ちていた。]
(88) momoten 2015/01/30(Fri) 21時半頃
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[黒鉛を紙面に乗せて、難問の上を白い影が躍る。 流れるように綴る正答、ステップは長い尻尾でバランスを取った。
気象学部の試験は筆記と実技。 合わせて5時間にも及ぶ長期戦だが、 白い鼠は45分で三枚の解答用紙を埋め尽くした。
自信はある。昨日までの自分が嘘だったかのように。 襟巻きは室内でも外さず、最後の選択肢を選ぶと同時に、 カタンッと席を立って、終わりました!と手を挙げた。]
出席番号001番、アシモフ・モフモフ。 提出します、ありがとうございました…!
[腹に両手を添えて、鼻先が答案に届くほど深く頭を下げる。 すらすらと解けてしまった問題は、書き直す余地を与えない。
耳に下げたプレートは朋に贈った。 自分はもう、生徒には戻らない。*]
(89) momoten 2015/01/30(Fri) 21時半頃
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― 試験終了後 ―
ポーラ、君も終わったのかい。 俺も、実技試験を見に行くんだ。
[試験を同じく終えたポーラの姿を捉え、 尻尾をはためかせながら、同伴を申し出る。>>80
共に校庭に出ると、世界は煌きに満ちていた。 ぽかんと口を開き、大きく息を吐く。]
―――っ、
(90) momoten 2015/01/30(Fri) 22時頃
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ピート!ミナカタ!イアン!テーッド!頑張れーー!
[白く濁る呼気と共に、夢見る鼠がエールを響かせた。*]
(91) momoten 2015/01/30(Fri) 22時頃
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[大声を吐いて空気を白濁させ、 鋭敏な野生の耳は、小さな声を聞き分ける。>>84
スン、と鳴らした鼻は冴えた空気の中に、 紛れること無い仄かに柔らかい香りを聞き分けた。
緊張する尻尾は45度角でピンと伸びる。 胸の内側で弾んだのは未熟な赤い実だ。 両手で襟巻きを握りこみ、そわそわとその場を旋回。
意を決すると雪原に小さな足跡を刻み、テテテ。]
(93) momoten 2015/01/30(Fri) 22時頃
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アリス…ッ!
[抑えた、けれど確かな声が響く。 少し迷って、しかし、踏み出した。]
―――…アリス、歌が聞きたいんだ。 気が早いって笑われるかもしれないけれど、お祝いには歌さ。 皆、合格するように。
俺は音痴だけれど、一緒に歌いたい。
……アリス、君の歌を、聞かせてくれるかい?
[きゅ、と首を捻り、はにかむように鼻を鳴らした。]
(94) momoten 2015/01/30(Fri) 22時頃
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― 朝焼けに輝くベツレヘム ―
[ばたばたと風に飛ばされぬよう掴んでいたハンカーフ。 角だけ鼠の握力により、少し皺が寄る体たらく。 朝っぱらから窓の外で自己主張激しく風に遊ばれていると、 室内からは聞き覚えのある女性の声。>>106
後ろめたさはこれっぽっちも無いが、 妙齢の御婦人の声を聞けば、尻尾が伸びる条件反射。]
っ…クリス、おはよう。 昨日はハンカチをありがとう、…と、言いに着たんだ。 御蔭で雪像にならずに済んだよ。
[くるくると拡がったハンカチを回収し、 丁寧に畳んで彼女に返却。鼠の毛なんて一本もついてない。]
(115) momoten 2015/01/30(Fri) 23時半頃
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―――…なれるさ。 君は俺に温もり以上のものをくれた。 風を避け、寒さを凌ぎ、昨夜に自信の芽が顔を出したんだ。
俺も必ず気象鼠になる。 だから、クリスも。希望を運んで。 君が居なくちゃ、声が俺達に届かない。
クリス、君はやっぱり、お星様みたいだ。
[ちゅぅ、と笑った声に、彼女の笑顔。 輝いているのは彼女の瞳だけではない。
何れ、世界中の子供達の手紙が彼女の元へ届く。 12月25日と同じを持つ彼女は、きっと聖なる夜の窓口。
多くの子らはツリーの天辺、ベツレヘムの星へ手を伸ばす。 彼女は一番最初の道標。綺羅綺羅輝く、背の高いお星様。*]
(116) momoten 2015/01/30(Fri) 23時半頃
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― Jingle Bells ―
[みんな合格できますように、同じ夢を見られますように。 雪の中をソリで走り、笑い声を空に響かせ、光を撒くように。]
応援歌ではないけれど、聞きたいんだ。 なんだか、元気が出るから。
―――…みんなも、きっと。
テッドも、ピートも、イアンも、ミナカタも、 クリスも、サミュエルも、ギネスも、ポーラも、モニカも。
それに、
[己の首に巻かれた彼女と揃いの祈り紐をふわりと散らせ]
(121) momoten 2015/01/31(Sat) 00時頃
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朧もね。 誰かに届ける為には、先ず近くから。 みんな、願うことは同じさ。
[だから、己も彼女を応援する為に。 少し迷うも、足の裏の雪を払い、ひょいと彼女の肩に乗った。 女の子の肩に乗るのは心が早鐘と化すが、心地良い緊張感だ。]
――――♪
[調子外れな歌が風に乗る。 音痴だと自己申告したとおり、余り歌は上手くなかった。
けれど。]
(122) momoten 2015/01/31(Sat) 00時頃
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Jingle bells, jingle bells, Jingle all the way!
[響かせる鈴の音をずっと未来まで忘れない。 ぎゅっ、とアリスの肩口を握りこんで、咽喉を震わせる。
鼠の身に生まれ、空と聖夜に憧れて、 誰かと誰かの為に繋がりたくて。
けれど、自分が一番欲していたものは、冬眠せずに、 同じ歌を歌い、同じ夜に胸を弾ませる仲間だった。]
(123) momoten 2015/01/31(Sat) 00時頃
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[いつか、サミュエルに頼み込んで、ソリを作ってもらおう。 ピート達にソリの乗り方を教えてもらおう。
そうしたら、何時の日にか。 ソリを引き、彼女を乗せて、ドライブに行こう。
果てない夢だなんて、もう思わない。 友人達が、夢は叶うのだと教えてくれた。
何処までも、何時までも、心の中には光が舞っている。**]
(124) momoten 2015/01/31(Sat) 00時頃
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