52 薔薇恋獄
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―― 2階 ⇒ バルコニー ――
[肩に手を感じた。雷鳴と、停電。 消えるとしたら、多分、一人。 ちょっとだけ肩を震わせて、視線を甲斐から逸らした]
……………ん。
[嫌な揺れ。薔薇の香り。隣を見上げる]
浜さん。バルコニー、出よう。 ……建物の中と、外、どっちが安全かは知らない、けど。
雨に濡れても、さ。 嫌な、予感がする。
[荷物は身体で担いでる。近くの部屋を指差して、そう言った。 かなうなら、彼を促し、そちらの方へと向かうつもり]
(1) 2011/05/25(Wed) 00時頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2011/05/25(Wed) 00時頃
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[移動途中、耀の泣き声が聞こえた]
………………。
[口の端下げた。 事情なんて知らない。聞いてない。 けれど、今まで消えなかった2人。この泣き声。 そして、甲斐のあの台詞と、消えた甲斐]
………ままならない、な。
[人の気持ちが操作できたなら。 一瞬、雨のベールが掛かった外を見る。 何かを待つように]
[けれど、待ったって、何もないのは知っている。 踵を返して、きっと耀を支えて。 一緒に向こうに歩こうって誘うのだ]
(6) 2011/05/25(Wed) 00時半頃
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[別に、自分のものにしたいわけじゃなかった。 2つの欠片、半分でも良かった。 ………いいや、小指の先だけでも良かった]
[たまに、自分に笑ってくれるなら。 切り捨てないでくれるなら、それだけで、良かった]
………………。
[こちらに頭を下げるおんなを見て、ふるふると首を横に振った]
(7) 2011/05/25(Wed) 00時半頃
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………いいよ。 担いでくのと、置いていくのと、どっちが、いい。
[無理矢理口の端上げて、浜さんを見た]
それでも、俺は、生きて帰るよ。浜さん。 動けなくても、へたれても。
………だって、もったいない。 次こそは。次こそはね。選べない、とか言われないで。 きちんと俺を選んでくれる人を、見つけるよ。 まだまだ俺ら、若くって、人生、長いはずじゃない。 世の中たくさん、人がいて、たった一人、会えたら、いい。
[この館は、悲しみに包まれている。 どうしてこんなことになったんだろう]
[耀の慟哭聞いて、彼の背中を撫でて。 望むなら連れて行く。望まないなら、置いていく]
(10) 2011/05/25(Wed) 00時半頃
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[静谷みたいに、どうしても、って望むなら。抱えてなんか、いけない]
(11) 2011/05/25(Wed) 00時半頃
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………分かった。
[浜さんの肩をぎゅっとつかんで、置いていく。 そうしたって、どうせ無駄だとどこかが囁く。 でも、あがきたいんだ。生き延びたいんだ。帰りたいんだ]
[誰に望まれなくても。誰に愛されなくても]
………耀は?
[こっちに聞くのもこれが最後。 荷物抱えて、背中押されてバルコニーの方へ。 ついてきても、来なくても]
[………やりたいことがあるんだ。 一番じゃなくても、優先されなくても、切り捨てられても。 失恋なんかで、死んで、たまるか]
(16) 2011/05/25(Wed) 00時半頃
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―― バルコニー ――
[背後で耀の気配がする。 浜さんが立ち上がった気配がする。ちょっと笑って、頷いた。 近くに耀が来るなら、手を伸ばして、触れた]
[雨の中。浜さんにもらったレインコート。 目を細めて、見る。 懐中電灯は、くるりと回して手首に結んでる]
………………
[目に入る、一面の山。都会っ子。 しかも、知識も何もない]
[手すりに手をついて、下を見る。 水。雨。薔薇。薔薇。薔薇]
[1階からは、水が渦巻く音がする。 2階はぎしぎし揺れていて。飛び降りるのなら、きっと、薔薇の茂みに向けて。逃げる方向を、考える]
(25) 2011/05/25(Wed) 01時頃
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[きっと最期の瞬間まで。何らかの形であがいてた**]
(26) 2011/05/25(Wed) 01時頃
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