228 【誰歓人狼騒動】滄海のカタストロフィ
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[ソフィアの首から牙をはなし、遠吠えを終えたあと。
金色の獣はトコトコと、倒れた青年の元へ向かう。]
──あなたくらいは、一緒に帰れたらよかったのにね。
[虫の息の青年の頸から流れ出る血をぺろりとなめて、そう一言。 彼の息が途絶えるのを確認して、ずるずるとその襟元を銜えて甲板の端の方へと引きずっていく。
端まで届けば位置を入れ替え、ぐいっと頭で押して。]
──とぷん。
[水音を聞いてから、改めてソフィアの肉を引き裂きに戻った**]
(5) amane 2015/06/27(Sat) 22時頃
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[思う様に食事を終えたあと、人の姿に戻ったグロリアは、ゆったりと舳先の方に歩いて行きそこにあった手すりにもたれかかった。
ほどいた金色の髪が、狼の尾のように風になびく。]
──────────♪
[口ずさむのは勝利の歌。 道を異にすることになった仲間への鎮魂の歌。
広い海原、海鳥すらもいない揺れる海面に、観衆のいない歌は響いていく。
女にとっては、いつものおわり。]
(30) amane 2015/06/28(Sun) 11時頃
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[長いこと歌って、ふ、と女は歌声を止める。 後ろで清掃作業をしていたロボットの横を通り過ぎ、くるりと甲板を回る。
メルヤの匂いの残る場所に辿り着くと、首に巻いていたチョーカーをほどいてぽとり、海に落とす。 宝石の飾りがついたそれは、きらきらと光を反射しながら海の中へ落ちていった。]
──ありがとうね。
[どこにいても、人狼達に協力してくれる人間がいる。 それが自分の生存に大きく関わっていることを知っているから、グロリアはいつだって彼らには心からの感謝を捧げるのだ。
落ち行く際に、彼女が自分のリボンを持って行った>>5:+17ことは知らない。]
(31) amane 2015/06/28(Sun) 11時半頃
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[──そして。
どこの船にでも備え付けられている救難信号発信装置を探し、女はそのボタンを押す。]
──こちらシルヴィア。海霧のため遭難しました。救難要請いたします。座標は信号添付のとおり──
[備え付けのマイクで一方的に話してしまえば、あとは救護を待つだけだ。 身の回りの世話も、証拠隠滅も機械が勝手にしてくれる。 女はのんびりと、リゾートの残りを楽しむことにする。]
(32) amane 2015/06/28(Sun) 11時半頃
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[大浴場を一人で使って、身繕いをして、機械に給仕をさせながらワインを傾ける。 濃いルビー色の液体は、まるで誰かの身体から流れ出た血をボトルに詰めたよう。]
(──なかなか、仲間が死なずに終わる、っていうのは難しいわねぇ)
[そんなことを胸の中で独り言ちて、こくり。 赤い液体を飲み干した**]
(33) amane 2015/06/28(Sun) 11時半頃
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[女は何でも食べる。
人狼族の中にはレインのように人の肉以外はほとんど口にできないものもいるようだったが、女はあまり気にせず何でも食べた。
人の食べ物も、人の肉も、感情も。
その中でも女は人の感情が、何よりも負の感情が好きだった。
不安より嘆き、嘆きより緊張感、緊張感より恐怖が好きだったから医業は天職とも言えただろう──もしかすると、逆かも知れないが。
人の肉を食べたいという衝動がわき起こる時もあったが、病院で勤務していれば人の肉を手に入れるのはそう難しくない。]
[ただ、それだけでは時折物足りなくなるのだ。
──もっと、もっと。
それは人狼族の持つ本能のようなもの。
ボールを投げられた犬が喜んでそれを取りに走るように、目の前で猫じゃらしをちらつかされた猫がそれに飛びかかるように。
脳の一番奥深く、古い旧い衝動が頭をもたげる。
そういうときに、長い休みを取って、こうして旅行に出るのだ。
人を食らいつくしても、大抵はどこかの消えそうな集落だったりするから、姿を眩ませるのはたやすい。]
(けれど、今回はどうしようかしらね?)
[客船という閉じられた空間の中、ただ一人の生存者。
どういう話を紡ごうか、と、女はのんびりと思案していた**]
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[──船内でくつろいでいると、時折何かの気配を感じるときがある。
ごそごそという物音や視線、静かに佇む“何か”の気配。]
──だれかしら?
[そんな気配が感じられるとき、女は時折声を上げてみる。
返事が返ってきたことはないから、おそらく気のせいなのだろうとは思うのだけれど。
しかし、過去を振り返れば、処刑した人間の魂の色を見分ける人間が、割合たくさんいることも知っている。 こちらに干渉することはできないけれど、存在しているものがある、と女は知っている──答えが返ってきたことはないのだけれど]
(52) amane 2015/06/29(Mon) 22時半頃
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[けれど、今回は違った。
ほんの幽かにだが、首元に嬉しげに絡みつく腕の気配>>50。 きゃらきゃらと笑うような、音にならない音。
そんなものがふわりと通り過ぎ、消えていく。]
──あら。
[女は目を細め、呟く。]
──ふふ、また逢いましょう。
[相手を撫でるように挙げた手の指先には、新しく巻いた包帯の感触*]
(53) amane 2015/06/29(Mon) 22時半頃
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── それから、 ──
[霧が晴れて、夜が来て、陽が昇ってしばらくして、救助船がやってくる。
リゾート船に一人生き残った女は、蹌踉としたようすで救助された。
ラジオが一度だけリゾート船が人狼騒ぎに遭ったことを報じたが、それ以外は続報もなく。
人狼騒ぎは幻のように、表向きは“なかったこと”にされた。
それは船を持っていた旅行会社が悪評を恐れて報を差し止めたせいだと一部の人の間で噂されているが、実態はどうだったか。]
[救助された彼女が語った騒動の顛末は、警察関係者の一部だけが垣間見ることができる。
偽りの人狼騒動。
一匹は最初の犠牲者・フィリップで、もう一匹の狼は哀れな犠牲者のソフィア。
ソフィアに襲われそうになったとき、古い知り合いのグレッグが命を投げ出してまで自分を救ってくれた──という都合のいい筋書き。
何もかもが終わったあと、グロリアがグレッグの両親に対し、手厚い礼を述べたのは言うまでもない。
──方向は違えど感謝をしているのは紛れもない事実だ。
故に、彼女の言に偽りが混じっていることなど、子を亡くし悲嘆に暮れる親たちが気づける訳もなかった。]
[海に落ちた遺体達は、深い海に沈み海流に掠われ肉食の魚に食べられて、決して見つかることはない。
そんな場所を選んで足止めしている。
彼女からのメールが誰かに届いていたかもしれないが、調書は警察の元にある。
血液検査をしようと磁力で身体の中を覗いてみても、グロリアが人以外の何かであると言うことは知れない。
そんなことくらいは、先達の人狼達の手でとっくの昔に解明済みだから、グロリアが執拗な検査に揺らぐわけもなかった。
もし誰かがそれを告発したとしても──それは人狼の報復行動だと、何なら処刑してみる? と。
彼女は余裕の笑みを見せるだろう。
──人倫上、それが許されないと知っている]
[いつか、また衝動が抑えきれなくなったとき。
そのときに生き延びられるかはまた別の話だが、彼女はあまり気にしていない。
それは、気にするだけ無駄な話。
生きるためにはいつでも、リスクがついて回る。
ただ、それだけ**]
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