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― 初夜 ―
[ 避妊具越しに感じる熱く柔らかな弾力。
擦り合わせて動くうちに滑る感触が加わって、気持ち良さが大きくなる。それを生んでいるのが小柄な恵瑠の身体だと意識すれば尚更のこと。
怒張を押しつける圧力に抗するように、優の雄肉は一段と漲りの度合いを増していった。]
ん……そう、そんな感じ。
気持ちいい、ぞ……恵瑠。
[ 粘着質な水音が高まっていくに連れて呼吸が少しずつ荒くなる。快感の程を示すように恵瑠を捉えた手にも力が籠っていった。]
[ 見つめてくる彼女の瞳。
眉が時おりきゅっと寄せられるのを見ながら、
微細に起こる反応を肌で感じとる。]
ああ。
………… どんな、 感じ?
[ 言い淀む彼女の様子を見守り、やがて届いた声。
肩口に押しつけられたその頭を見やって、
恵瑠の身体を少し持ち上げるようにした。]
そんなら、挿れるぞ。
[ 屹立した先端はしっかりと蜜で塗され、入り口に押し当てればぬるりと花弁を開かせていく。肉傘で彼女の体重を受け止めるようにして、ずず、と受け入れさせていった。]
…… っ …… 、 ふ……ふっ……。
[ 雄の幹全体が包み込まれ、締め付けてくる甘美な刺激に息を洩らした。初めての時よりも柔らかく、だがまだ慣れきらない初々しさを残した感触。
繋がったまま一度ゆるりと腰を揺らし、
粘膜同士が触れあう感覚を味わい、囁いた。]
動いても、大丈夫か?
恵瑠からも動かしてみても、良えぞ。
[ 彼女の背中へ手を移して抱きしめると、おもむろに律動を始めていく。最初は奥の部分で小刻みに、それから徐々に動く範囲を広げていくように。]
[ やがて律動のペースが安定してくれば、恵瑠の背を抱くのは左手のみとなり、空い右た手は彼女の前面へと向かっていく。]
対面座位、というのな。これは。
それで――
[ にや、と笑って小ぶりな乳房を撫で上げる。
下から上へ包むように。
左胸の頂きを指の腹でふるりと弾いて、
右胸の飾りはこりこりと摘まむようにした。]
押さえつけて。動けんようにして、
恵瑠を犯してしまうのも、良いものやが。
こうやって愛し合うのも、良えな。
[ 目を細めると右の手を下の方、二人が繋がった箇所へ進めた。中指を宛がう先は交わる間に蜜で濡れた花芯。]
ほら。
恵瑠の感じる所も、苛めてやり易かろ?
[ 情愛で包んだ嗜虐心を覗かせつつ、擽るように震わせては奥を突く。そうしてまた振動を強めて弄り立て、幼い新妻の反応を愉しんでいった。]*
―初めての夜―
[自分の身体を支える腕をちらりと見遣る。
一見細身なのに力強い優に、自分は軽々と支えられている――くすぐったいような、胸がきゅうとなるような。
優にしがみ付く腕に力を込め、肌を寄せて。
挿れる、という言葉に頷く。
全く嫌な訳じゃないのに、どこか不安げな表情を浮かべてしまったのは、初めての痛みを思い出したからというだけではない。
気持ちよさが、ちょっと、こわいのだ。
でも、大丈夫と知っているから。]
この体勢で……? っ、んん……っ、ふ、ぁ
[少しずつ埋まっていく熱。
内臓が押し上げられる感覚さえするようで、細く息を吐く。
まだまだ慣れない狭い内壁を広げられ、貫かれるのは苦しくもあるのに、心は満ち足りていくのだ。
下腹部同士がくっ付けば。
胎の中では、昂りの先端が押し当てられる。]
っ、あう……っん、
[そして腰を揺らされ、身体を震わせる。
自分の体重がかかっているせいで衝撃が大きくて。
中が少し擦れるだけで、びくびくと反応してしまう。]
あっ、ぁ、っ……
[まだ自分からは動く余裕はなかった。
優に翻弄されるので精一杯で――しかし少しずつ、ゆるやかに腰は動き、彼に合わせ始めるだろう。
全部中におさめたら、くちゅんとぶつかる音が響く。
それがなにより恥ずかしく感じられた。
部屋の外に聞こえたりしないか、一瞬心配になる。]
たいめんざい?
[鸚鵡返しにしながら。
こういうのって名前があるんだ、と呟いた。]
[優の顔を見つめる。
彼が浮かべている表情は優しい兄のものではない。
それを知ると胸の奥が熱くなる。
どこか愉しそうに胸元を弄られ、きゅうと中を締め付け、何も隠すことなく気持ち良さげに表情をとけさせる。
彼の手はどこまでも自分の身体を素直にさせて、快楽に落とそうとしてしまうのだ。
抵抗する手段なんてないし、なくていい。]
……これから、もう少しは大きくなるかなぁ。
[なんて。
自分の胸元を見下ろして呟いたりもしたのだけれど。
優が触れてくれるなら、これでいいのかな。]
[彼の指が行き着いた、蜜に濡れた場所。]
あ、そこ、だめ――きもちいい、から……やぁ…ッ
[話す余裕も花芽を刺激されればなくなってしまい――手でしがみ付き、太腿を震わせながら。
お腹の中、あつい、とうわ言のように。
奥を突かれるたびに高い声が唇から零れた。
全部の気持ちよさが、重なり合って、あふれそう。*]
― 初夜 ―
[ 確かめるように声に出すのは
本当に可愛いな、俺の嫁さんは。
恵瑠を俺のにできて、口で言えんくらい、幸せやぞ?
[ 見つめる表情がふわりととけて
もっと強く彼女の中を味わいたい、そこに確りと自らの形を教え込んでやりたい、とでもいうように。]
……はは、胸か。
しっかり、大きく、育ててやろて。
たくさん揉んで、吸って。いずれ、もっとなあ。
[ そう言う念頭には妊娠した際の身体の変化があった。
とはいえ当分の間、恵瑠に子を宿させようという考えを
優は持ってはいなかった。
新しい生活に馴染んでいく時間も必要だろうし、
彼女自身が望むかどうかもあろうから。]
[ 何より、優と恵瑠とのこの関係はまだ始まったばかり。
より深く親密な絆を作り上げてから、と思っていたから。
いまそれらの考えを口にはしないものの、
ごく近い内に恵瑠と話し合うだろう事柄であった。]
――ふふ。
恵瑠は、ここ、弱いのう。
[ きゅっとしがみつく手に笑みを返し、
震える反応を愉しみながら突き抉る。
雄肉に伝わる快感は身体の中に重なり続け、
優の吐息が熱く短いものになっていく。]
……恵瑠、っ……、っ、は……っ、
[ 律動の勢いをそのままに、上体を被せるようにして
恵瑠の身体を布団へ押し倒した。
盛かり立った欲望に衝き動かされて手を動かす。
より深く、より激しく彼女の膣内を貪ろうと。]
もっと、 ……っ 、 あつく、 して、 やる……っ 、
[ 両の太腿を抱えあげ、
下半身を半ばひっくり返すような形にさせてしまう。
高々と抱え上げた恵瑠の脚、宙ぶらりになった
彼女の足先がばたつこうとも気に掛けず。
一度腰を引いて突きこむと、優の体重を乗せた男根が
花弁を深々と貫いていく。
それまでの体勢とは違う急角度で濡れた肉の隧道へ
穿ち入れ、最奥まで達していくのだ。]
――手。 繋いでやろ。
下。 伸ばしぃ。
[ 最前からうわ言のように声を洩らしていた彼女にちゃんと届いていたかは定かでないが、優の手は恵瑠の両手をそれぞれ捉えた。秘唇を屹立で割り開き、責め立てながら優は彼女の唇をも奪おうと口づけを求めていく。]
―― はっ っ 、 ……っ、める、っ……っ、んっ、
[ 花苑も、口も、手も、恵瑠の全部を
己の支配下に置くようにして律動を重ねればやがて、
快感は頂点に達していこうとする。
それが限界に達する前、
しっかりと繋ぎ合わせた手の片方を離して
恵瑠の背に差し入れ、抱き寄せて。]
――っ、 恵瑠 …… いく、 ぞ……ッ!
[ 短く声を洩らし、
彼女の瞳をじっと見て。
大きく一度腰を使った後、ありったけの欲望を
熱に変えて吐き出していった。]**
―初めての夜―
[優が幸せだと言ってくれるのが、嬉しくて。
“俺の“という言葉に、心臓がとくりと弾んでしまう。
快楽に背中を弓なりに逸らせば、まだ控えめなふたつの膨らみが優の胸元に押しつけられることもあったろう。
彼が育ててくれるならば、体型も変わっていきそうなんて、擦れ合う胸元を意識しながらそう思う。
そして。
優のように、そこから子供を産むとまでは思考が行きつかないが――じつは彼と結婚すると意識した時、すぐに考えたのは子供のことだった。
優と新たな家族を築いていける、ということだった。
いつか、ふたりで。
赤ちゃんがやって来ますようにって願いながら、この行為をする日も来るんだろうなと。
そう想像する心はほんのりあたたかい。]
[弱い花芽を指摘され、かぁ、と頬を赤くする。
宵越しの夜に優に開発されてしまったところ。
この前ひとりでお風呂に入った時触ってみたら、刺激はあれど、彼が触れるほどの快感はなくて。
優がしてくれるのじゃなきゃダメなんだって感じたのを思い出させられる。]
うん、……っ、優さんが、触れるから、
[だからなの、と。
ちいさく囁いたことだろう。]
ふぁっ、あ、
[布団に背中から倒され、中のものが角度を変える。
覆い被さられる圧迫感さえ快楽に繋がって。
震える爪先がシーツを蹴ろうとするのだけれど――それは叶わず、急にふわりと宙に浮くものだから、目を瞠ることになる。]
――っ、や、なに、
[下半身をひっくり返されたみたいな体勢。
あられもない場所を優の眼前に晒すことになると、顔を真っ赤にして足をばたつかせようとするも、彼の次の動きへの障害にはならなくて。]
ッッ、ひゃぁあっ――あッ、ふ、
[熱い昂りが深々と埋め込まれていく。
経験したことのないような、奥の奥まで。
本能的な恐ろしさと驚きに内壁は激しく収縮して彼自身を包み込み、見開いた両の瞳からは涙がこぼれ落ちる。
身体の中があつい。
繋がれた手に助けを求めるみたいに力を込めて。
口付けながら、ゆうさん、と呼ぶ。]
ん、んッ、――奥、おかしく、なる……!
[とんとんと押され続けて。
鈍かった感覚が少しずつ変わってくる。
じわじわ身体に広がっていく熱さに浮かされていく。
身体の全部を、優に委ねる。
そして、彼だけを求めた。
抱き寄せられ、彼の吐く息の熱さを近くに感じ。
気持ち良くなってくれている、興奮してくれていることに心満たされ、自身の限界もまた近くなってくる。
何度も名前を呼ぼう。
そして彼の顔を見たくて、必死で目を開けた。
表情を目に焼き付けたくて。]
[身体を震わせたのは、ほぼ同時。
胎の中の熱がびくびくと動くのを感じる。
ゴム越しでもそれはありありと分かって、まるで搾り取るみたいにきゅうきゅうと締め付けては、びくん、と身体全体が震えた。]
………っ、ぁ、…ぁ、
[多幸感をともなう絶頂から降りてこられない。
彼が動きを止めたとしても、穏やかな波のように押し寄せる快感はなくならず、零れる涙が止まらない。
本当はこのまま意識を飛ばしそうだったけれど。
どうにか瞼を上げて、涙で霞んだ視界に優を映し出す。
優はどんな表情をしているだろう。
とくりと、心臓が跳ねる。
無防備な心が彼のことだけでいっぱいになる。]
――、ゆう、……
[たくさんの思いを込めて、名を呼んだ。
泣きながら微笑んだ。
このひとが、好き。
もう結婚したというのに、今更のように改めて。
夫婦になってからも“恋“をする。
愛してる、はまだ言葉にできなくて――頬が更に赤くして、繋いだ手を引っ張り、自分からキスをねだった。
わたしの旦那さん、と幸せそうに呼んで。*]
…… ん、 。
[ 満ち足りる、幸福感を伴う絶頂。
身体の奥にあった熱を全て吐き出してしまっても、
心の中からは温かな感覚が止めどなく涌き起こってきた。
名を呼ぶ彼女を見つめて、頷いて。]
愛しとるぞ、恵瑠。
[ 俺の嫁さん、と呟いて。
微笑み、目を閉じて唇を重ねていった。]**
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