60 ─昨夜、薔薇の木の下で。
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う………
……あ、りがとう。
[返ってきた答えに礼を告げ。
そして再び沈黙を守る。]
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[俯かれればゆっくりと手を伸ばした。 薔薇の枝に触れると同じ、優しいだけの指先で、 一度だけ、その髪を拭うように撫でる。]
お前は、俺がどんな人間か知らないんだ。
[あの傷とそれに付随する物語、 知る者はすでに深い苦痛に満ちた眠りの中。
声は少し震えたけれどそのまま、 棚に向き直れば目的のものは見つけられるだろう。 そして、イアンの傍らを離れようとして、きつく握られた掌にに一度眼差しを落とした]
(182) 2011/08/08(Mon) 00時半頃
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[教えてください、 という言葉への返事は、きっと少し間違えた。]
……俺も、 お前がどんな奴か知らないのに?
[平等に、等しく、誰の心にも、踏み込むつもりなどないのに。 間違えたことに気づかないまま、寝台へと戻ろうとして。
それから、伸びをする人に一度足を止めた。 少し困ったような顔で、けれど変わりなさそうな姿に眼差しを和らげる]
ああ、おはようございます、ノックスさん。 ベッドで寝ればいいのに、本当なんでそんなとこで……。
[今の話が耳に届いてたことはしらないまま、 彼の人の眠る寝台のカーテンに手をかけた]
(193) 2011/08/08(Mon) 01時頃
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[椅子から立ち上がる気配を、引き止めるように振り向いた]
あ、ノックスさん待って。 屋上行くなら、ちゃんと日よけになるもの持ってって下さい。
[そして、言葉にふと瞬く]
――…って、熱い? やっぱりそんなところで寝て、 また体調崩したんじゃないですか。
[装われることに気づかぬまま、 いつもどうりの言葉を投げる]
(197) 2011/08/08(Mon) 01時頃
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[その低い声にはやはり瞬きを重ねたけれど、 驚き具合は当の本人よりは、下に見えたかもしれない]
そうですね、少し無用心に見えましたけど、 ……好きでとかそんな風には思ってませんよ。
すみません。
[不快感を与えたことに素直すぎるほど素直に謝罪をする、 本当は自分が要因で煩わせたくはないのだ、誰も。 なのに、逆に謝罪は向こうから向けられて――]
(204) 2011/08/08(Mon) 01時半頃
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[言うなり走り去っていってしまう。 あんな勢いで駆け出して、体は大丈夫なのかと思ったけれど。]
――……、
あなたが謝ることじゃないでしょう。
[ゆるく首を振る、気まずいだろうから逃げた相手を、 追いかけ追い詰めるつもりはない。 いつだって、そうだった。]
(206) 2011/08/08(Mon) 01時半頃
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[イアンに眼差しを向けられたけれど。 自分はそのまま、すべきことを為す。
寝台で彼の人の黒い茨に滲む血を拭う。 銀の水盆の中の水が、ほのかに赤く濁って――、
けれどこの呪いのような茨をどうにかしない限り、 彼は眠りの中でも苦しみ続けるのだろう。 きっとそれは、自分にはどうしようもできないことで。]
――……、
[与えられる罰を望んでいる。
彼の人の体の清拭を終えれば、自分も医務室を出て行こうと立ち上がる。約束があった、それを交わした時よりもますますそんな場合ではなくなってしまったけれど]
(207) 2011/08/08(Mon) 01時半頃
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ヤニクは、医務室を出れば、そのままプール方面に歩いてく
2011/08/08(Mon) 01時半頃
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[プールに近づけば、感じているのは水の匂い、 薔薇の匂いには慣れてしまったのだろうか。]
誘ってやれば――……、
[よかったかな、と言いかけて。 多分輪をかけてそんな状態ではないことは自覚する。
イアンは、ノックスを追いかけていったようだった、 何の為だろう、あの下級生の行動はよくわからない。 わからなくても、何も差し障りはないはずだったけれど――]
(216) 2011/08/08(Mon) 02時頃
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ヤニクは、服着たまんまで、プールに近づいてった。
2011/08/08(Mon) 02時頃
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[ズボンに手をつっこんだまま、 珍しく真面目そうな顔を見れば、 プールサイドから少しだけ身を乗り出す]
……頼みたいこと? って、なんですか。改まって珍しい。
[問われたことも珍しく、 首を傾ける様相は年相応の顔になった]
(218) 2011/08/08(Mon) 02時頃
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……忘れてきたんですよ、水着。 [プールサイドに腰掛ければ、 裾を捲り上げて水に足を浸す、 引っ張られでもしたら即落ちるだろう体制]
伝染病、ですか。 ……そんななんですかね、あれはなんか。もっと。
[呪い、そんな言葉が湧き上がるのは、 あの血の滲む黒い文様を見たからで――けれど、 そんな発想の幼稚さに、口を噤む。それよりも]
……ロビン?なんでロビンなんですか。 感染してない、ってなんか証拠でも?
[出てきた名前の唐突に、思わず理由を問うてしまった。 余計なことだと思ったのは、口に出したあと]
(222) 2011/08/08(Mon) 02時半頃
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はあ、意味わかんないです。
[体躯に似合わぬぼそぼそとした物言いに、 つい思わず正直な感想を言ってしまった]
あ、いや……変わりないように見えて、 ここにいたら感染するかもなんて、大体に当てはまるというか。 同級生とか、本当意味わかんないです。 [フォローするつもりが、面倒そうな態度に、 つい同じ言葉を2度繰り返してしまった。]
というか、気になるなら自分が行けばいいんじゃ――…、
[言いかけて何か色々考えたように、言葉が途切れて。 ヘクターの手が水面を打てば、跳ねた飛沫は裾を濡らした]
(235) 2011/08/08(Mon) 03時半頃
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嫌われるようなこと、したんですか。 [問いかけでない言葉をぽつりと挟んで、 それからひたりと猫の目は見る、 感染源を調べるとか、何か考えはあるのだろうか、と*]
(236) 2011/08/08(Mon) 03時半頃
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/*
ちょっとだけ……
襲撃は直接えろいことをしなきゃいけないのかな〜と思ってたのだけど、そうとは限らないなら、俺襲撃担当でもいいよ〜。ちなみに、セシル先輩、テッド感染させるつもりなんだな〜と思っていた。今日。
候補なら既に薔薇の精と関係持っちゃったルーカスや、芽吹きつつあったセシル先輩を抱いたサイモンかな〜
んで俺は茨に飲まれてあぼ〜んでいいよ〜
どっちでもOK。
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―プール― [言葉に今は繋がりの見えない二人の接点を知る。 以前は今よりももっと人と距離を置いていたから、 彼のいう 昔 のことなど、自分は知らない]
……まあ、俺は昔とか知らないですけど、 今のあなたもそう悪くないと思いますけどね。
[さらりと告げたところで、見下ろした顔はむっとしていた。 そっと身をひこうとして]
同級生なので、関係ありますよ。
[少しからかうように、先ほど彼が口走った言葉を理由にしてやった]
(274) 2011/08/08(Mon) 18時頃
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信じる信じないとかじゃないです。 あなたのいうこと、ロビンには言付けてそうするように言おうと思いますけど、
――……でも俺は、ここからは、
[俯く視線、落ちた髪にその表情は隠れる。 ふと考えこんだ瞬間は、大方隙だらけだった]
って、 あんた何す―――…ッ、!!
[袖口をひかれれば、そのまま傾れて、 盛大に水しぶきをあげて、プールに落ちた]
(275) 2011/08/08(Mon) 18時頃
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[白く反転する世界、 一度水の中に沈めば、いくつもの気泡が昇って行くのが見える。 水の層を越えた先の白い光が、霞むように揺らめいて、 一瞬とても綺麗だ、と思い――伸ばそうとした手がもがく様に水を掻いた。
濡れた衣服の重みに引きずられて、 沈んでいる時間は、少し不自然に長いかもしれない]
(276) 2011/08/08(Mon) 18時半頃
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[冷たい水の中で、たゆたうそれは、 息苦しいのに、心地よくて光の眩しさに目を閉ざしたくなる。 こぽり、とまた気泡が一つ浮き上がって。
ゆっくり沈んでゆこうとする体が、 唐突に引き上げられた時、少しぼうっとしていて、 無反応にも見えたかも知れない。
重たげに濡れたまつげが震えた]
(279) 2011/08/08(Mon) 19時頃
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ヤニクは、しばらくしたら、咳き込みだすだろうけれど。
2011/08/08(Mon) 19時頃
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[咳き込みが収まった後、 ふるふると首を振って水を払った。]
―――ッ、は 、はぁ、 いきなり……溺れたら、どうすんです か……。
[軽く息を切らして、喘ぐくちびる。 ぽたぽたと雫のおちる前髪の隙間から、 濡れた濃い目元でちらりと犯人を睨む。
上下する呼吸が収まるまで、支えられた腕に身を預けて。 薔薇の香は微かに水の匂いに混ざる、そっと胸を押して離れた]
(285) 2011/08/08(Mon) 20時頃
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[それからもう諦めてシャツに手をかける、 息抜きとする罪悪感と、肌を晒すのに少し躊躇いがあった事実が、忘れたなんて言わせただけで、本当は静かな水の中は好きだった。 張り付くシャツを絞って放れば、 傷跡の残る濡れた褐色の肌は曝されて、]
まあ、……もういいですよね。 ああ、水泳部と水泳勝負とかは、無理ですよ。
ヘクターさん、エースとかじゃなかったでしたっけ? [事情に疎い、曖昧な記憶のまま、そんな言葉を口にして、しばし、水に戯れる。 ――着替えはなかったけれど、寮の部屋までそう距離はないから濡れたままで戻っても、問題はないだろう*]
(289) 2011/08/08(Mon) 20時頃
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[心を]
[体を]
[満たす熱は]
[薔薇に]
[力を与え]
[粉々の心は、満ちあふれる熱は、果てしない歓喜は、どれも薔薇が好むもの。]
『恋を貰うよ』
『想いを貰うよ』
『君の命の欠片を貰うよ』
[密やかに、つやつやと美しい蕾が結ばれる。]
『君も咲かせればいいよ』
『想いのままに触れればいい』
『その蔦で絡め取って』
『君のものにしてしまえばいい』
[もう一人、煮え切らぬ彼を焚きつけるように薔薇の香りはふわりと香った。]
『それとも、邪魔者を消してしまう?』
[薔薇の精は、おもしろがって。]
だめだよ……
それじゃあ、あの子は俺のにはならないんだ、きっと……
俺は、心もほしいから……
[薔薇の香りへの抵抗は、弱く。]
邪魔者 ?
じゃま、なのかな……
[ぼんやりと呟き。]
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[水に匂う花の香に、支えられる熱に、 留まる視線に、何か感じていたのかもしれない。 けれど、単なる思い過ごしだろうという程度には軽く捉えて。 ヘクターの表情を目にすれば、冗談の一つでも口にするところだったのだけれど]
――……、
[安堵と落胆、相反するそれに少しだけ身動きが取れなくなった。 深い碧に過ぎった一瞬の焦燥は、どうにか常の笑みを戻して、 視線は刻まれたタトゥーを追っていく。別にそれを確かめて口にしたわけではないのだけど、 軽口を言うタイミングは悪かったかもしれない]
まあ、……ものの弾みで反応することもありますよね。
[すこし上の空になったのは、刻まれた刺青があの黒く絡まる蔓薔薇の文様に重なったからで、血滲むそれを思い出して眼差しが伏せられる。ぽたり、と濡れた滴が髪から落ちた]
(312) 2011/08/08(Mon) 23時頃
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[精を]
[生を]
[奪われた魂は]
[享楽の眠りへと堕ちて行く]
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[上の空になる思考は、 ヘクターは口早になったことには気づかない。 手元で水を遊ばれば、すくった傍から零れてく]
……俺、あれ呪いみたいだと思ったんです。
[ぽつり、と零して。 そして口にした言葉で、ふと何かが浮かんだ。]
俺、ちょっと調べてきます。 ヘクターさんの言伝は、ちゃんと伝えますから。
[それから、濡れた衣服が水中で纏わりつくのに、 脚をとられながら水を掻き分け上がろうと、プールサイドに手をかけた]
(324) 2011/08/08(Mon) 23時半頃
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