270 食人村忌譚
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―集会所/自室と定めた部屋―
[江津子は、集会所の一室を自分の寝床にしようと定めた 拘束はされないならば、自宅に帰るものもいるかもしれないが、 一人暮らしの自宅に帰って、何があるとも思えない]
お洗濯どころでは、なくなってしまいましたね
[櫻子のために持ってきた替えの黒衣>>24は、 畳んで部屋の床に置いたまま 部屋の片隅に座り込み、つみれ汁をそっとすする]
美味しいですよ 愛理さん
[慣れ親しんだ、人肉の味 生きている者を食べたいは願わぬまでも、 こう思えることは、村の一員の証だろうか 単純に、そうで言わねば死者が不憫だと 思うがゆえかもしれないが こりりとした軟骨の触感を、目を閉じて味わった**]
(160) 2017/11/26(Sun) 17時半頃
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―回想/集会所/志乃と櫻子―
[志乃の呼びかけ>>171に頷いて、 彼女と櫻子に、つみれ汁を手渡した 弔辞めいた常套句も交わしたかもしれないが、 問いかけられる1つ目には、私だけではありませんが、 と控えめに返すも、続く問いに、瞑目する]
獣は、頭を断ちません
[犬の食い痕>>#3があったのは事実であるが、 疑問の余地を残すことがないほど、 そう、きっぱりと、言い切った やや、迷いを覚えつつも、言の葉を積む]
(187) 2017/11/26(Sun) 22時頃
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一説には、心とは心の臓にではなく、 頭に宿ると言われております
[かつて、40年以上も前に、 医術を心得ていた父が、そう口にしていたはずだ]
なぜ、愛理さんをそうしたのか、理由は分かりませんが 心を体から切り離す所業は、人の手によるもの他なりません それは、とても残念なことですが……
[だから、弔いましょうと続ける]
分かたれた愛理さんが、再び1つとなれるよう
[志乃に向け、深々と一礼をすると、 続いて、櫻子へと向き合った]
(188) 2017/11/26(Sun) 22時頃
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櫻子さん 昨日お話ししたお洗濯の件>>1:175ですが
[ついっと、集会場の一室>>160の方を指さして]
あちらに、お着替えをご用意しております お召しのものを代えて、置いておいていただければ、 お洗濯してから、お届けいたしますね
[いつ取りに来ても、手渡しも構わないけれど、 仮に、『おそろい』>>1:170が必要なことがあれば、 それは容易に、手にすることが可能だろう 今さら、それが必要になるかは、分からないけれど 彼女を身ぎれいにしてあげたい気持ちは、今もある
2人に再び礼をすると、せわしなくその場を後にした*]
―回想/集会所/志乃と櫻子―
(189) 2017/11/26(Sun) 22時頃
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―回想/縁側にて源蔵と―
[串と椀を、年齢にはか弱い腕へと引き渡す 縁側のちらりと見やれば、 平静に見える村の風景も拝めただろうか 源蔵からの申し出に、少し思案し、口を開く]
そうですね 源蔵さんのお知恵で、 下手人を判別していただけると助かります
[彼が何者であったとしても、無理は承知の戯言だ 記録の中に何か残っているとは思えづらく、 源蔵がその当人なら、口を割るはずがない]
もしくは、これは私の希望なのですが――――
(196) 2017/11/26(Sun) 22時半頃
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[そう、口にしながら向けた視線は、 遠い山々へと向けられる]
ここで起こった顛末を、これまでの通り、 余さず記録していただきたく存じます 流るる輪廻の中で、何が起き、どんな結末を迎えたかを
[昨夜感じた予感>>20が、去来する 運命の時を迎えたとしても、記録に残されているならば、 自身の生きた一端は、語り草として、 いつかは故郷に届くのだろうか そう感じてしまったのは事実であれ、これもまた、 無理は承知の戯言となってしまったのかも、しれないけれど
そう言って、その場を後にした だから、その後の源蔵の容態>>175については、 少なくともこの時はまだ、知らぬまま**]
―回想/縁側にて源蔵と―
(198) 2017/11/26(Sun) 22時半頃
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[臭い、まずい、固い。
男よりは幾分柔らかい女の肉とはいえ
完全な草食でない人肉の味など知れている。
可能な限り小さく噛み切って
舌の真ん中に乗せ、そのまま空気と一緒に丸のみにする。
そうする事で味も硬さも感じずに済む。
鼻から抜ける臭いだけは、どうしようもないから
何度も何度も手を休める。
苦痛な時間、ススムは次の得物を見定めていた*]
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―回想/囲炉裏端/錠と―
[串肉を回しながら、錠の答え>>161に耳を澄ます 「逆に」の言葉を聞けば 『手伝い』ですか と、 小さく問い返してしまったかもしれないが、 続く言葉>>162を耳にしたなら、ゆっくりと頷いた]
そうでしたか 失礼なことを伺ってしまい、申し訳ありません
[それでも、心中では腑に落ちない部分が残る 自分は何を心配しているのか もしくは何を、懸念しているのか―――― しばし迷ったのちに、火箸を手にし、灰中へと突き刺した]
(205) 2017/11/26(Sun) 23時頃
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お礼の言葉を頂戴した以上、 もう少しだけ、お節介をさせてください
[そう言って、ザッ ザッと音を立てながら、 火箸を幾度も、幾度も灰の中へと突き立てる]
位置的にも、踏ん張りでも、 一撃というのは難しいと察します
[突き立てる速度が上がっていく 幾度も、幾度も突き立ててから―――― やがて、その手を止めると、 火箸を囲炉裏の端へとことりと置いて、差し出した]
私であれ誰であれ、 決して、お手を止めませんよう
[弔いの食事を始める前の、ほんの細やかな閑話であった*]
―回想/囲炉裏端/錠と―
(206) 2017/11/26(Sun) 23時頃
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そうそう。
自分の価値を決められないから家畜のままなんだよ。
[自分の娘とは知らないからか、
いや、知ったとしても同じことを口にするだろう。
俺は家畜を娘に持った覚えは無いのだから*]
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―現在/石動と―
[部屋でつみれ汁を平らげて>>160、 器を下げに戻ろうとしたところで、 石動から声をかけられた>>209 問われる疑問、そして、迷い……だろうか]
愛理さんを殺害された下手人を見つける術は、分かりません 信じたくない気持ちも、石動さんと同じですよ
[彼が食事をしていた光景>>181は見ていないが、 空けられた椀で、完食していたことは知れた 続けられる、石動の見据える仮の未来 うかがえるのは、やはり迷い>>210なのだろう おそらくは、自分と同じ懸念>>30も抱いている]
せずにすめばよかったんですが、同感です 同じ感を抱いているのですから、ざっくばらんに申しましょう
(222) 2017/11/26(Sun) 23時半頃
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[難しいとの迷いはきっと、せねばならないの裏返し]
翁様も、他の村の皆様も、おそらくは私たちを見捨てております やむを得ないことではありますが、それしか手段がなかったのです 仮に、下手人を捕まえて食したとしても、 どうして、彼らをそう納得させられるのか
[下手人を捕らえて、大団円 そんな未来は見るには、今のままでは儚い夢 確たる証拠がない限り、それを皆に示せぬ限り 生き残ったとしても、元の村人として受け入れられまい]
私も、どなたも愛理さんを殺めたようには見えませんが、 村の方々が、納得できる手段を探り、とるしか、ないのでしょうね ……この村が、『因習』に囚われている限りは
[最後に漏れ出た一文は、紛れもなく、『余所の思想』であったのかもしれない*]
(224) 2017/11/26(Sun) 23時半頃
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[少しして。
ススムは困った顔で石動たちの元にゆく]
……今宵、江津子さんとリツさんと
見張りに回る事になりました。
[彼らを手にかける事は、不意をつけば出来るだろう。
二人一度には無理だけれど、どちらか片方なら。
その際に、残ったひとりには確実に見つかってしまうだろう。
どうしたものかと、知恵を借りに]
[串を持って離れる時だったか、それともその後か。
進が相談にやって来た
さすが江津子さんだと感心しつつ]
ついでに悪い情報。
容が昨日の夜の事知ってた。
と言うか江津子さんの家の近くを訪れて
愛理の家から不穏な物音を聞いたらしい。
幸い顔は見られてないみたいだが……。
[どうするか、と少し唸った後]
いい機会じゃないか?
容が信用している江津子さんに、リツ。
3人で見回りしている時に、別の場所で
誰かが死ねば、お前の身の潔白は証明される。
[ちらりと石動を見て、これなら少なくとも進の
安全は確保されるぞ?と言いたげに*]
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[石動の視線と、その言葉>>230とで、 自分の言葉>>224が、失言と言えるものであった気がついた 続けざまに湧き出てくる言葉の数々 それらを、一つ一つ聞きながら>>230、常と同じように微笑んだ]
ありのままを、お伝えしたまでですよ 因習に囚われていないのだとしたら、 なぜ、石動さんは、先ほど迷われていのでしょうか
[まだ、動じることはない 石動の口にしていることは、まだ江津子の琴線には触れていない だから、穏やかな口調のまま、落ち着いて言葉を返す]
(243) 2017/11/27(Mon) 00時頃
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否定はしておりません ただ、私は『そうでないあり方』も、 知ってしまっているだけです
[微笑み交じりの、告白]
『40年』過ごした村のありようは、 否定するには、私の一部となりすぎていますから
[はぐらかしても意味はない 『余所者』であるという告白を今、はっきりと石動に告げて]
では、改めて、伺います 石動さんは、『誰も殺したようには見えない』私たちの中で、 どうやって下手人を探し、この禁忌に幕を下ろそうとされるんでしょうか
[受けた疑惑を正面から受け止め、 石動へと、問いかけた* ]
(244) 2017/11/27(Mon) 00時頃
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―回想/集会所/容と―
[串焼きを振れまわっていた時のこと、 頬張る容>>164が小さな声で、こちらへと囁いてくる その言葉を耳にして、はっと目を見開いて]
容さん、ちょっとお待ちください 『知ってる』とは、どういった意味なのですか
[集会所の隅へ向かう彼女を引き留めれば、 耳にするのは、昨夜の出来事 渦中の一端に触れていた、証言者の告白>>165 その全てを聞き終えて、ほっ、と小さく息をついた]
(249) 2017/11/27(Mon) 00時頃
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よかった 容さんがご無事で 巻き込まれることなく、お怪我もなくて
[不安であったのだろうと思う 怖かっただろうと思う あの時、包丁で手を切ってしまった>>69のも、 居合わせたことに発した、感情の表れだったのか それなのに、彼女は――――]
そんな目にあったのに、私なんかを慰めてくれるんですね 強い容さん とても、救われましたよ
[『大丈夫だよ』の言葉を改めて噛みしめた 娘のような歳なのに、こんなにも気遣って
娘のような――――]
(250) 2017/11/27(Mon) 00時頃
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……常ならぬ、状況です 容さん、くれぐれも、お気を付けくださいね
[抱きしめたくなる衝動を抑え、 重なりかけた、はるか昔の赤子の幻想を、振り切った 彼女は、確かに、江津子の庇護のもとから、 断ち切ってしまったのだ 庇護の……守る力なんて、 自分にはありはしなかったのだから
けれど…………
立派になりましたね、容さん そんなお姿を見ることができて、本当によかったです 心の中でそう呟いて、彼女を見送ったのだった]
―回想/集会所/容と―
(251) 2017/11/27(Mon) 00時頃
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容は江津子を庇うのか、厄介だな。
下手人を探すつもりもあるらしいし、あまり動かれると君達はやりにくくなるのではないか。
先に容を始末した方がいいのかもしれんな。
[ぽつりと呟いた声が2人に届いたかは分からない。]
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[石動の言葉が強まっていく>>253 それが殺意へと変わっていくのも感じ取る 彼の弟である錠と、下手人であれば互いを殺すと交わしたことも、何かの因縁なのだろうか]
そうですね 疑わしい人を殺すのがこの因習であり、 私もそれに、従うつもりです 石動さんの行動を、決して否定はいたしません
[ただ……と口にし向かう手は、その腰へ、 数多の命を啜い続けた、丞に研ぎ澄まされた凶器]
覚えない罪で殺されるほど、私は達観してはおりません 殺すというのなら、それなりのお覚悟を――――っ
[腰の鉈を、一思いに抜き放とうとした刹那]
(266) 2017/11/27(Mon) 00時半頃
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[聞こえてきた容の叫び>>255 力を込めた凶器は、鞘から僅かに刃を見せたところで、 ぴたりと止まる
続けられ、自分にも話された内容>>256 おそらくは、危険を賭した、告白
強いですね 優しいですね けれど、それらは口に出すことなく]
……この場は、いかがいたしますか
[腰の鉈に触れたまま、石動に問いかけた]
(267) 2017/11/27(Mon) 00時半頃
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エツコは、石動の言動>>268に、鉈の柄からゆっくりと、その手を放していった
2017/11/27(Mon) 00時半頃
僕の疑いが晴れるのは嬉しいですね。
容さん……間の悪い人だ。
江津子さんは、状況的にも頼りになる女性です。
どちらも早めに潰しておきたいのですが
僕は動けない
江津子さんは殺せない
なら、お手数ですが、先生にお任せするしかないでしょうか。
[ミナカタの言葉を経て、ススムはそう結論付ける。
石動に頼みに行く頃には、彼の中でも同じ答えが出ていたろう]
私に動けという事ですか。
いいでしょう、江津子さんの殺害なんとかしてみせましょう。
どうせ彼女が死ななければ疑いは何れ私の方へ向く。
[言ってはみても気は思い。
問題は江津子をどうおびき出すか、だ。
これは一緒に見回りをするらしい教え子になんとかしてもらうしかない。]
江津子さんは、僕らと一緒に居ます。
出来るなら、手にかけたい処ですが……
容さんの方が、きっと始末しやすいと思います。
[できますか、先生
と。
刃を向ける先をやんわりと訂正する*]
容なら一人でいるだろうから。
それなら恐らくは大丈夫。
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そうですね…… 私も、頭を冷やさなければなりませんね みっともないところを、大変失礼いたしました
[鉈の柄から手を放し、今のところは、と、 去り行く石動>>268に深く首を垂れる 鉈を抜こうとした仕草は、彼にどんな思いを宿らせたのかは分からないけれど]
容さん……申し訳ございません 安心してと言っていただいたのに、 私も、少し冷静ではなかったのかもしれません
[頭を下げていた>>256容に向けて微笑みを送り]
先ほどの言葉>>165とあわせて、 2度も救っていただき、ありがとうございました
[距離は空いたままだったかもしれないけれど、再度、頭を下げたのだった*]
(283) 2017/11/27(Mon) 01時頃
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有難う御座います、先生。
……これで、僕の疑いは晴れるし
目撃者は消えて
女がまた一人、減る。
良い事ばかりですね。
[食事を世話してくれた記憶を忘れているわけではない。
けれど、あれは巫女の姉だ。
家畜の群れのなかの一匹に過ぎない]
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―その夜が来るならば―
[このまま何事もなかったならば、 その夜、江津子は集会所の周辺を、鉈を腰に下げ見張っていたことだろう 力になりたいと言ってくれた進>>199や 付き合うと言ってくれたリツ>>261は、どうしたか 江津子は同行までもは求めるつもりはなかった>>158けれど、 一緒に来てもらえたなら、とも夜を見張ったかもしれない
五感の衰えた自分の元に、夜の闇が覆いかぶさる*]
(291) 2017/11/27(Mon) 01時頃
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