207 Werewolves of PIRATE SHIP-2-
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[振り下ろされた刃は咆哮する獅子の喉を切り裂いた。 獅子の死に際の一太刀は道化の脇腹を掠める。]
私に一太刀当てるか…… 本当に、悪くない腕だった。
[汗と掛けられた薬品とで道化の化粧は僅かに剥がれていた。その下の雀斑が薄らと見える。]
お前に一瞬同族の匂いを感じたが、 どうやら気のせいだったようだな。
[ホレーショーの死体は獣に成り変わることもなく、人間のままで喉からどくどくと血を流している。 道化は武器を床に置くとホレーショーの開いた瞼をさっと一撫でして寝顔にする。]
グレッグのこと……済まなかったな。 だが私はどうしてもミナカのことを 護りたかったのだ。
あれは私の可愛い仔だから。
(0) 2014/12/14(Sun) 01時半頃
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キティのことまで殺しはしない。 だから安らかに眠ってくれ。 ……私が言っても説得力はないだろうがな。
[そうホレーショーの死体に囁く道化の瞳は、あの晩の月のように紅かった。**]
(1) 2014/12/14(Sun) 01時半頃
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ミナカ。怪我をした。手当をしてくれないか。
[一息ついて発した聲には少しほっと安心したような響きが含まれていた。]
それにしても……腹が減った。
[朝から船員の死体を一口二口つまんだだけだ。
こう血の匂いの充満する牢前にいたら腹が減って敵わない。
私は祈るように数秒目を閉じてから牢前に転がる死体の一つを食し始めた。
それが終わると唇に着いた血を手袋で拭う。
口紅ごと赤い色が手袋の甲に付着した。]
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[第三甲板へと上った道化は真っ直ぐ医務室へと行こうとしていたが、ふと空気の匂いを嗅いで廊下に漂う新鮮な血の匂いが気に成る。 道化が首を巡らせて辺りを確認してみれば、自分の部屋の前に肉塊が落ちているのが見えた。]
誰の悪戯だ……?
[いや、この状況でつまらない悪戯をする人間などいるはずがないのだ。もしもあるとするならばそれはもっと悪意のある……]
ギリー……!?
[肉塊は太い腕で、しかもそれはよく見慣れたものだった。]
(27) 2014/12/14(Sun) 08時半頃
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ギリー、おい返事をしろ!
生きているのか!?
[聲をあげた後、こんなにも新鮮な血の匂いを漂わせているのだからそちらを辿った方が早いかと考える。]
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この切り口は……
[ちらりと見た腕の切り口はギザギザだった。これでは繋ぎ合わせることは敵わないだろう。 道化は更にくんくんと宙に舞う新鮮な血の香りの残滓を掴もうとする。]
こっちか。
[匂いの糸が繋がる先を辿ればそこは医務室だった。 医務室といえばあの後リーが薬を届けに行ったはずだ……。 道化は足早に医務室へと駆け込むように入った。]
(28) 2014/12/14(Sun) 08時半頃
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ギリー、大丈夫か!?
[息せき切って医務室に飛び込んできた道化。 道化の目に入ってきたのは腕の先の寂しくなったギリーと、その治療をするモンド。]
モンド……?
[何故彼が? 道化が訝しげにその様子を見やると、医務室の中がやたら荒れているのに気づく。 ギリアンが腕を落とされた時に暴れたのか。それとも……]
モンド、お前目が……
[モンドの目には道化の脇腹の部分が切り裂かれた服、よくよく目を凝らせば雀斑の薄っすら見える剥がれかけた化粧、手袋の甲に口紅と共に付着した血液などが見えただろうか。]
(29) 2014/12/14(Sun) 08時半頃
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ギリー。リーにやられたんだな?
[確認するように問うた。 意識の朦朧としているギリアンの様子に道化は強く歯噛みした。*]
(30) 2014/12/14(Sun) 09時頃
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まったく、お前は私がついていないと
自分の腕を守ることもできないのか?
[出来れば今すぐリーを切り捨てに行きたかったが、ギリーは私のいない間に毒にかかり、腕を切り落とされた。
今離れたら次見かける時には死んでしまっているかもしれない。
そう思うと離れ難かった。]
カシラ、怪我
ミナカ、治す
死んだ手 棄てた 生きル、腐らせナイ
生きル ため
[守るために棄てたのだ、と。
その方法が些か早合点した愚かなものであっても、リーの真意が何であっても、目的は真にそうであったと聲は云う。彼の頬に血を擦りつけながら。]
この、バカが。
[本当に馬鹿な方法だけれど。
ギリーなりの考えがあったのだと分かると頭に上った血が少しだけ冷める。]
これからは手足は切り落とす前にミナカに相談しなさい。
[ギリーの耳が削げようと手足が無くなろうと彼の事を捨てるつもりは更々無かった。]
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触るな、血が着くだろう。
[道化はそう言って片腕になった白痴を睨みつけるが、伸ばされる腕を避けようとはしない。道化の頬にはギリアンの血が付着しその下の雀斑が隠された。>>37]
モンド、お前がギリーを見つけて治していたのか?
[戦闘の時以外は無気力で酒にしか興味の無いような男がギリアンの治療をしたことは道化にとって意外だった。 道化はこういう時に言うべき台詞があるのではないかと思った。]
その……感謝する。
[それは道化の唇にはむず痒い台詞だった。]
(39) 2014/12/14(Sun) 12時半頃
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じゃあ、これで。
[やることがあるとばかりに道化が医務室を後にした。
そしてちょうど部屋から出て来たところのジェレミー>>22を見つける。もしかしたら道化が医務室に駆け込んだときもそこにいたのかもしれないが、必死過ぎて気づかなかったのかもしれない。]
丁度いい。ジェレミー、君にも話があったんだ。 中に入れてくれるかな?
[リーを切り刻むことも重要であるが、道化に焦りがあるわけではない。]
(49) 2014/12/14(Sun) 13時半頃
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……獅子?
[不意に船長の呟きを思い出す。
この船で獅子を思わせる容貌と言えば。]
[ギリ―を呼ぶ船長の聲も届いていたから、
多少の覚悟はあったが、想像を超える様に一瞬聲を失った。]
ギリ―……お前が船長や俺を大事にしてくれるように。
お前も同じように大事だ。
何かする前に、聞け。
[解毒剤を見つけて来るからと、ちゃんと説明していれば
こんな事にならなかっただろうか。
仲間を傷付けられた事に、子供であった筈の狼は低く唸った。]
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ー医務室を出る前ー
ああ、これか。 ちょっと獅子に噛まれてね。
[>>70モンドに問われて答える。 元々道化は一応消毒でもしてもらおうかと医務室を訪れようとしていたようだが、この騒ぎでどうでもよくなったらしい。 自分に一太刀を当てたホレーショーの腕を称えるように「獅子に噛まれた」という言い方をした。
それから道化はギリアンに頬を撫でられている最中モンドが笑っている>>72のに「何か可笑しいか」と文句をつけるみたいに眉を上げた。]
船と人間の区別もつかない、ね。
[道化は取り敢えずモンドの半ばリーを庇うような言い方は受け取ったらしい。 納得したかまでは外から推し量れぬが、医務室に入ってきた時よりは冷静になった様子で道化はそこを後にした。]
(76) 2014/12/14(Sun) 15時半頃
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ネイサンは、モンドの視力を案じてはいたが口には出さなかった。
2014/12/14(Sun) 16時頃
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そうか、では私の部屋に行こうか。 話をするだけなのだから 手狭な私の部屋でも大丈夫だろう?
[>>83ジェレミーの心の内を測るようにその瞳を見つめ返す。 そして荒事には向かない自室でも大丈夫だろうと道化は意見を求める。言外に込めた意味に口角を上げながら。]
それとも話以上のこともしたいのかな?
[道化の半端に口紅の剥げた唇はむしろその事によって生々しい艶を放っていた。]
(91) 2014/12/14(Sun) 17時頃
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ー船長室ー
[まず道化が先に、その後にジェレミーが続き戸を閉めたろう。
くるり、道化が振り返ると銀が宙を割いた。 身体の陰に隠れるように道化がサーベルを抜いていたのだ。 トスッとサーベルはジェレミーの肩越しに後ろに戸に突き刺さる。]
ジェレミー……何を考えている? まさか人狼は誰か探し出そう、 などと考えているわけではあるまいな?
[道化の瞳の半円は舐めるように、そこに恐怖の欠片があれば掬い取ろうとするかのようにジェレミーの顔の上に視線を這わせる。]
お前はそんなことは考える必要はないのだよ。
[一見慈しむかのような穏やかさで道化は左手で彼の頬を撫でる。形のいい頬から唇の近くへとそっと。]
ただ私に従えばいい。そうだろう? 仮令私の正体が人間であろうと…人狼であろうと。
(97) 2014/12/14(Sun) 17時半頃
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[それから接吻でも出来そうな程に顔を近づけると道化は甘い死神の囁きを齎した。]
そうすれば命は助けてやろう。
(98) 2014/12/14(Sun) 17時半頃
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そうか。
[ジェレミーの答えを聞くとふっと力を抜いて彼から離れた。>>104]
なら命令を変えよう。 下手人を探してはならない。殺してはならない。 この命令が守れないならお前を殺す。
[戸に突き刺したサーベルを抜く。 それから道化は溜息を吐いた。]
お前がもっと分かり易く生き汚い奴なら……
[道化はピエロのように哀しそうな表情を浮かべながら、今度は脅しではなく命を奪う為の前準備として抜いたサーベルを元軍人の喉元へと突きつけた。]
(105) 2014/12/14(Sun) 19時頃
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[そう弱音を漏らしかけた。
勿論そんな聲は仔たちには聞かせられない。
だから胸の裡で呟くだけ。]
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[折悪しく船長室の戸を叩いてくる者がある。>>107 だが道化はそれに応えることなく元軍人の答えを待つ。 突きつけた銀は揺るぎなく彼の命を脅かす。]
(110) 2014/12/14(Sun) 20時頃
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……はあ。
[ジェレミーの答えを聞いてほっとしたのか>>118、外から響く声を煩わしく思い嘆息したのか>>115、道化は息を漏らした。]
入れ。
[道化は使う必要の無くなったサーベルを下ろす。]
何の報告だ?セシルよ。
(119) 2014/12/14(Sun) 20時半頃
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ヘクターに襲われただと? だ…
[>>120道化はセシルの報告を聞き、思わず彼を案じる言葉を落としそうになる。それを思いとどまり代わりにこう言った。]
航海士殿を守れと命じておいただろう、ジェレミー。 余計な事ばかり考えているからそうなる。
[続いて帽子をくいと上げながら考える。]
ヘクターがね……気でも動転していたのだろう。 ホレーショーを切ったのは私だ。
[ホレーショーを切った理由について尋ねられればただこう答えただろう。]
決闘を挑まれたので受けた。
(121) 2014/12/14(Sun) 20時半頃
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ああ、構わない。連れて行け。
[>>124ジェレミーを貸し出すことを許可する。 それから二人は船長室から出て行こうとしただろうか。 その背に道化は独り言のような問いを投げ掛ける。]
何故人狼は急に人を喰い始めたのだろうか?
[道化は手袋の奥にある左手の黒指輪を撫でている。]
子を持ったからかもしれんな。 子を持った獣は凶暴になるというだろう。
[道化は特にそのことについて意見を求めてる風ではない。 「私も外に用がある」と言って二人に続いて外に出ようとする。]
(129) 2014/12/14(Sun) 21時半頃
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ああ、解毒剤か。ありがとう。
[>>126狼牙のルーペを受け取った時には言わなかった礼を、ギリーの為の解毒剤を受け取ったときには言った。]
(130) 2014/12/14(Sun) 21時半頃
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ネイサンは、セシルに「どうした?」と微笑んだ。
2014/12/14(Sun) 21時半頃
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ー医務室ー
[道化は医務室を再び訪れていた。 リーを切り刻みに行きたいのは山々であるが、解毒剤を手に入れた以上は彼にとって優先すべきはこちらであった。]
解毒剤を手に入れた。 ギリーとミナカ……おや、ミナカはいないのか。
(137) 2014/12/14(Sun) 22時頃
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ミナカ、解毒剤を手に入れたから後で来い。
お前も大方毒を受けているのだろう?
[医務室で治療をしているミナカの様子を見ていた私は、彼の動きが何処か可笑しいのに気づいていた。
グレッグに襲われたのだからミナカも少しは傷を負ったのだろう。]
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[モンドがまだいれば「ギリーの容体はどうだ?」などと様子を尋ねただろう。]
ギリー、薬を持ってきたぞ。
[そして道化はギリアンに薬を飲ませようとする。]
(141) 2014/12/14(Sun) 22時頃
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解毒剤? 良かった。
リーの馬鹿も一応何か知らないけど、薬くれたみたいで。
[船長の聲に少しだけ安堵の息を吐く。
だがすぐにはそこには向かえない。]
船長……副船長が、自分は人狼が判る能力を持ってるとか
言い出したけど……フェイク?
それとも……。
[既にフランクの手によって暴かれているとは知らず、
真実ならば。彼を懐柔する事が出来ないなら。
生かしておくわけにはいかなくなる。
あの捕虜の様に。]
人狼が分かる能力だと?
……。
[少し考えてみて、セシルの証言を思い出す。]
可能性は低いだろう。
もしそうならセシルのことは攻撃しなかったはずだ。
は? 副船長セシル襲ったのか?
皆敵に見えるチキンってことか?
[すぐに返って来た聲に、船長の頭の回転の早さよりも
セシルが襲われた事に驚いた。
ホレーショーを探しに別れたあの後だろう。
益々警戒の色が濃くなった。]
チキン…。
彼は生き汚い類の人間だ。その可能性もあるだろう。
[そして私その汚さに生命の強さを感じて、密かに彼の姿勢を好いていた。]
言い方を変えれば生き残る為にはなんだってするだろう。
気をつけなさい。
……生き汚い……か。
[表裏一体。]
ああ。気を付ける。なるべくな。
[目の前の男を見据えながら返すのは曖昧なものだった。]
……生き汚いって言うなら、あんたもだな。
[唐突に喋り出す。]
あんた1人しかいねえんだから。
2つ同時に護ろうなんて欲張り過ぎだ。
騒ぎが収まったら、素顔のあんたとギリ―とで酒飲んだら。
楽しいだろうな。
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ヘクターと……だと?
[ギリアンの告げたミナカの行き先に道化は眉を顰めた。]
(175) 2014/12/14(Sun) 23時頃
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なぁんてな。下らねえ家族ごっこなんて1日で飽きたわ。
やっぱりヴェラの言う通り。仲間なんて邪魔だし。面倒臭い。
だから、俺は好き勝手にやるわ。
あんたらも勝手に仲良しこ良しやってろよ。
(もう、謝罪も、感謝も、想いも、伝えられないけれど。)
欲張り?そうだな、私は生き汚いよ。
両親の死んだ日からそうであった。
…私の仔だろう。ヘクターの首を獲ってこい。
[彼を信じて、私はそう聲をのせた。]
そうしたら、酒でもなんでも。素顔でも。
五月蝿い、勝手に生き残って私にそんな口聞いたこと後悔してろ馬鹿。
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まあ、ミナカのことは仕方ないな。 あの馬鹿のことは放っておこう。
……帰ってくるまで。
[道化は少ししてから落ち着き払ってそう言う]
さ、ギリーはもう寝てなさい。 私にもやることがある。
[それからモンドの方へ向き直る。]
モンドはここに居てくれるのか?なら助かる。 そうでなくとも、時折ギリーの様子を見てくれるか?
[道化は答えも聞かずに医務室を出ようとする。 医務室を出たらまずは船大工の部屋を訪ねてみるかなどと考えながら。]
(189) 2014/12/14(Sun) 23時半頃
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……ああ、ミナカは帰って来るさ。
(191) 2014/12/14(Sun) 23時半頃
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ん。そうか。私を待っていてくれるか。
[道化はくるりと振り向いて>>200愛しい子の頭を撫でる。]
必ず帰って来るからな。
[そうして道化は医務室を出て行こうとしたが、>>202モンドが焦ったような声を漏らすのが気になった。]
どうした。何か言いたいことがあるのか。 ………その目は、大丈夫なのか?
[道化は自分も言い残したことのないようにと思ったのか、モンドの視力を案じる言葉を口にした。 それは黒い淑女の船内で会話を二人で交わした時、言おうかどうか迷った末に噤んだ言葉。]
(204) 2014/12/15(Mon) 00時頃
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……おや。
[>>208モンドがサーベルを抜いたのを見て道化はにたりと笑む。]
そうか。
[道化もカトラスとサーベルとを腰から抜く。]
いいだろう、今この時から私の全てをお前に捧げよう。 お前の命が尽きる時まで。 [言うなり、後ろ向きに飛び開いた医務室の戸から廊下へと出る。 攻撃的な道化がすぐさまモンドに向かっていかなかったのは、医務室で戦いたくないために。]
ほうら、こっちだ。
(210) 2014/12/15(Mon) 00時半頃
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[時折彼が私を見る目に一種の熱情が篭っている気がしたのは
こういうことだったのだろうか?
最初から絶望の道化師なんて存在しない。
そんなものは船を纏め上げる為の偶像だった。
だが彼が望むのであれば、彼と対峙してる間は
その絶望の道化師に身をやつそう。
もう彼の世界が見えなくなってしまう前に。]
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ギリー、ステイ!
[ギリアンが動いたのを見れば道化は叫ぶ。]
盲目になりかけた男一人を始末するのに私一人で充分だ。 私に恥をかかせるな。
[道化は絶望を背負う者らしく冷徹に言い放った。 モンドに、彼の憧れてきた絶望の道化師と対峙させてあげる為に。]
(215) 2014/12/15(Mon) 00時半頃
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[道化はギリアンを押しのけて自分を追って廊下へ出て来た男へにやりと笑う。]
一瞬で蹴りをつけてやろう…ッ!
[せめて死神らしく。
死神の足が地を蹴った。 双刃がモンドへと襲いかかる――
さあ、ダンスだ。*]
(224) 2014/12/15(Mon) 01時頃
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