44 【game〜ドコカノ町】
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リュヌドね、リュヌド。
[告げられた名前は呼んでみた。HNだろうかと思う]
[そこから先のやりとりは、ただ聞いているにはとても艶めいて見えたから。
こちらが忙しかったのもあり、しばらく黙っていた]
―― ドコカノ商事 ――
[レティーシャの前に割り込んだ。
検索画面で、相手がヤニクだということは分かっていた。
けれど、表立ってはパーティを組んでいないことだし、戦闘態勢は見せていて]
リュヌド、お邪魔さま。
[もちろん、即攻撃する気はなかった]
[耳に流れる煩い雑音を飛び越すように、
脳裏には明瞭に低い声が届く]
……?
[これは『ゲーム』、皆が言うからそう言うものだろう。
『悪趣味』、それも振り返って同意出来た。
今仲間でも、プレゼントを奪い合うならいつかは敵だ。
繰り返し言い聞かせるのは、何故だろう]
――、……ゲームでなかったら、どうなるのですか?
[声音は素朴だ。]
斧を振るって倒した相手が消えるのも
どんなに仲間として手を組んでも本質的には敵なのも
俺たちが理不尽に狙われる状態になっているのも
生き残れる可能性がとても低いのも
―――リアルに、なる
それは。
[俄かに声が震えた。
『君の居場所は、このセカイ』]
『ゲーム』は『現実』ではないと、……
[皆ここを出たがっている。
このセカイの別に『現実』があるとして。
あるとして、この己は何なのか。]
………
[何かを言おうとして、でも言えなかった]
―― 分からない
それならそれで。
……困ったものなのですが。
[居場所を護る、その事を思えば。
言い聞かせる声は今も尚]
ドナルド様には、このセカイでない『リアル』が必要でしょうか?
[まあ、『プレゼント』の在りかは既に知れているのだが。]
……もし。もしもの話、です。
私が先に負けて『ぷれぜんと』を奪われそうになったなら、
その時、その半分を……
貴方がたに、お預けしても構いませんか?
[掌中の『プレゼント』は、綺麗に分かれそうなかたち。
そしてその半分は、多分『パーティ』にとって、
"使える"ものの筈だと思った。]
構いません。
[応えは淀みなく。]
……きっと私には、ここを出た所で、
ゆくべき場所など、ありはしないのです。
[過ぎる、志乃の形跡のない家の光景も。
胸の空虚が元々は何だったのかも、もう解らなくなっている。]
分かった。
[しばらく迷ったように間が開いて]
こちらも、もし、の話だけれど。
もし、志乃がすべてのプレゼントを集められたら、何を頼む?
|
──床彼商事 現在──
ドナさん!!
[ヤニクとの間に割り込んできた人影に、安堵の声を上げた。ほぼ攻撃能力のない今の状態、少しでも会話した人のそばの方が心強いし、彼ならばとても頼りになる。……味方になってくれるとは限らないが。]
さっきはごめんね。急に行っちゃって。
[小さく謝って彼のそばへ一歩踏み出そうと。だが、ドナルドの言葉に足は止まり、バレエシューズが磨かれた床で、きゅ、と音を立てた。]
……ゲーム。
[ゆっくりと、首を振る。]
乗りたく、ない。 乗ったら願い、叶わないもん。
(669) 2011/02/17(Thu) 21時半頃
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ぁ
[浮かび掛けた言葉は急速に薄れた。]
……、……――解りません。
あるいは、私の代わりに誰か一人を出して頂くか。
[敗者に働きかける願いが叶うかは謎だが]
ふふ、今の内に仰って頂いたら、
後で口を滑らすかも知れませんね?
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[不安げな表情はマクロではなくプレイヤーのものそのまま。ドナルドの斧、ヤニクの技、どちらが飛んできてもいいよう、そっとバレエシューズの特殊能力をオンにした。 ──HPを削り、自分にかかる重力を1/6に下げる月ウサギのシューズ。以前Bカップ以下の女性キャラ限定大会『ちぃカップ』で上位100名のみに配られたもの。思い出すたびに笑える大会名だけれど今の状況には全くそぐわない。]
ドナさんと、ヤニクくんは?
[自分より背の高い二人をそっと見上げるように、反応を待った。]
(673) 2011/02/17(Thu) 22時頃
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そっか。良かった。
[視線が合って、にっこり笑う。]
ドナルドって「よーし皆殺しだぜ俺様さいきょーきゃっはー!」みたいなキャラ似合いそうなんだもん。 『油断はせぇへんけどなー』
[戦略云々の話にはあえて乗らず、軽口を言ってくすくすと。彼の服の袖に、ちょんと触れた。]
『飛ばすならナユタだけじゃなくヴェスもやな。』
……セシルは。倒せると思う?
[先ほど、かすり傷すら負わせられなかった相手。元から対等な立場でない相手。真剣な表情になって問いかけた。]
(690) 2011/02/17(Thu) 22時半頃
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うれしいこと、言ってくれるじゃない。
[今の問いは、自分へいくら問いかけても出ないこと]
もしかしたらそのうちに漏らすかもしれないし、何も言わないかもしれない。
まだ、分からない。
案外、俺たち3人があっという間に見つかってお終い、とかね。
そうですね。
もしそうなったら、きっとつまらない事です。
[この中の誰も勝ち残れないかも知れないが、
願いを叶える者が出るなら、この中からが良いと、
志乃はごく素朴に考えていた。
それが、他の全員の命を踏み台にする行為を、
この中の誰かに担わせると言う事でも]
そうだな。
それだと、ただただ貧乏くじを引かされ続けただけだ。
それは悔しいな。
贔屓するといわれても、なんら恩恵に俗せていない気もするし。
ゲームバランス考えたらおかしいでしょ。何これアホなの。
―床彼庭園・回想―
赤い鸚鵡は…とっても危険
[ぽつり心の中で呟いた]
|
……?
[レティの視界には、普段メニューやマップは映していない。多種多様な補助魔法に攻撃魔法、攻撃無効の特殊技……「魔法少女はチートなものです。勝たなきゃだし」という公式コメントが出るほどの強キャラであるレティーシャは、各種大会でハンデを要求されることが多いから、普段からそれに慣れるために消しているのだ。 だから、砂時計のアラートに気づくのは、少々遅れた。ちょうどドナルドが自己紹介マクロを飛ばしている頃。]
うん、ドナさんがぐだぐだ考えるキャラなのはさっきわかった。でもその割大ぶり技多め?
[撫でられて音符のPOP。先ほどの戦いを思い返したりしながらもちらちらと赤いアイコンが目に入る。]
〈レティたん、あんまり信頼したらあかんよ。〉 うん。わかってる……。
[小さく独り言のやりとりの形を取って自分に言い聞かせつつ。セシルに関して問いかけた。]
(701) 2011/02/17(Thu) 23時頃
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……赤い、オウム?
なんだそりゃ
[いつきたものだろう。
ログの合間に挟まっていた小さなつぶやき]
復唱して、首をかしげた
|
ん。
[自信ないとの言葉に小さく頷く。彼のゲームの動機がそんなものだとは流石に予想し得ないが。]
レティは全員で帰る以外する気無いから、特効はおすすめしないかな。……でも、どうしよう。
[砂時計の砂が不吉に落ちていく。]
うーん、あのナユタはちょっと厳しいかも。火力に動きがついてってない感じ。 『どうせオクで高スキルカード買ぅた初心者やろ。』
[先ほどの交差点での動きを思い返して苦笑。]
レティはボリスとホリーのパーティ組んでたからドナさんのスタイルの方がサポしやすいしね。ドナさんのこと頼りにしてるの。
[最後の方はちょっぴりあざとく笑顔をまいた。そんな折り、再びの出現エフェクト。]
ヨーラさん。
[ドナルドの影に隠れるように一歩動いた。]
(717) 2011/02/17(Thu) 23時半頃
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全員で、帰る。
全員が無事で帰る方法か……。
[レティーシャに言われて、考える。
考えて、考えて、考えているうちに、なんだか奇妙な違和感が沸いてきた]
[それは絶対に不可能だと、自分の中の何かが囁いた]
いや、ダメだ。セシルが喜ばない。
セシルが喜ばないから誰も帰れない。
セシルを喜ばせないといけない。
ああ、そうだ。これはゲームだっけ。これは、ゲームなんだ。
うん。
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