25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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火災発生のため、封鎖解除する。
結構火の回りが速い。
逃げろ。
[そう一方的に告げる。]
火……事……?
わ、わかった……逃げる
[花に詰まった声で答えて]
若者 テッドは、メモを貼った。
2010/08/09(Mon) 18時半頃
くそー!!幻聴!!
虎鉄とアケノシンと刷衛を
探してこい!!
[無茶苦茶だった。
けれど、火の手は強く、他の花よりは
武舞で鍛えた身体があるとはいえ
所詮ただの人、息も切れ切れで]
ん?呼んだか?
俺はいるが、明と虎鉄がいないのか?
セシルや小鳥や霞はどうした。
俺って誰だよ!!
セシルはいる、鳥は霞が迎えに行った!
アケノシンと虎鉄と刷衛ってやつ、何処だよ……
[相変わらず会話になる幻聴に
けれど幻聴はやはり幻聴か
己の知りたい人物の行方を知らない]
[あいかわらず、ヘンテコな会話である。
イアンは、わが存在を完全に消し去っているらしい。
まぁ、それはそれでもいいかとため息をつきつつ…。]
明と虎鉄は探そう。
お前はそれ以外を連れて外に出ろ。
このままでは全滅するぞ?
……幻聴が…探す……?
[どうやって?けれど、己も邦夜も
体力の限界は近い]
……さ、探せよ。絶対だからな……
ああわかった。
そいつらのことは頼むぞ。
[以後、何かが崩れる音]
うん…あと、刷衛って奴も
セシルが……
[崩れる音、届くだろうか?]
そいつは大丈夫だろ。放っておいても。
[やはりなぎ払うが、さすがに火傷は増えていく。]
んなの、幻聴にゃわかんねーだろ!!
そいつだって、人なんだから!!
[暢気な幻聴に言い返して
けれど、かと言って自分に何が出来るのか]
知らない、知らない、知らない!!
どっちでもいいからひっぱってこい!!
じゃないと、多分セシルが泣く!!
[どんな人物かもわからないのに
そんなこと聞かれても困る。
幻聴に噛み付いて]
そうかそうか。
ならば引っ張ってこよう。
[と、一応言うものの]
だが、明をみつけるのが先だ。
そう、二人とも………あれ……?
あれは……
[幻聴に話しかける途中、
門の傍、葉桜の下、置いてあるもの
画材道具、それに……]
……赤い、椿……?
[それは黄泉銀花]
若者 テッドは、メモを貼った。
2010/08/09(Mon) 21時半頃
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― 本邸・廊下 ―
[赤く、紅く染まりゆく屋敷。 激しく哀しく、業火は天高く燃え上がる。]
―――…。
[その中、火の粉を巻き上げて風が立つ。 屋敷の中を彷徨っていた虎鉄は、声に呼応するように、とん、と廊下に降り立った。 しかし其処に声の主はもう居らず。 次いで耳に届くは、黄泉花の別れの言葉。
焔舞い狂う中、虎鉄は庭を眺めて狭間の声を静かに聞いた。]
(@25) 2010/08/09(Mon) 22時頃
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―――…ばぁか。 ホントお前は辛気くせえな。
[琥珀は宙を見て、狭間へ声を届ける。 その刹那、満ちる煙が少しばかり風に巻かれ、明之進と刷衛の前に細い道が姿を現すか。]
…行けよ、明之進。 主と共に。
[宙を見た琥珀を伏せて。]
(@29) 2010/08/09(Mon) 23時頃
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さて、俺はどうしようかね。
[明之進とは違い、未だ現世に姿を濃く残す虎鉄。 それは未練の強さか、行き先を失い縫い止められた迷い子か。 パチパチと散る火の粉に混じり、琥珀を伏せて独りごちた言葉に狭間より囁きが降る。 屋敷なくしては、保てぬ、と。]
…大事なのは其処に在るかどうかじゃなくて。 繋いだ手を離さず、ずっと見失わない事だ。
[言ってから、自嘲気味に微かに笑って。]
それに、どうせ屋敷と共に朽ちる身だってんなら。 死にてえ場所で死んだって、罰はあたりゃしねえだろ。
(@33) 2010/08/09(Mon) 23時半頃
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おい、おい幻聴!!
屋敷、崩れちゃったぞ……
おい!!
[苛む幻聴の最中に、またあの声が聞こえないかと
聴こえれば、聴こえたで、それはほつれた証拠なれど
それでも……]
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[朱い虚空に降るのは、兄弟子の言葉。 お前はどうしたいと問われ、立ち尽くしたままの琥珀は一度瞬く。]
俺は…、…還りたい。 主の下へ。王璃さまの傍へ。
…でも、還り道がわからねえんだ。
言いつけを破ってしまったから。 あの方の手を離してしまったから。
俺は―――…、還れない。
[ゆる、と頭を振るとその場にゆっくりと屈み込んだ。]
(@35) 2010/08/10(Tue) 00時頃
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若者 テッドは、メモを貼った。
2010/08/10(Tue) 00時頃
[そうして、その声は、
二度と、聴こえなくなってしまった]
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[屈み込んだ迷い子の前に差し出されるのは、狭間に咲く双花の優しい手。]
もう、赦して下さるだろうか…。
[ぽつ、と呟いて見上げた顔は不安に満ちた顔。 けれど、双花の顔をじっと見詰めればもう一度俯いて。]
…でも、華月と鵠が一緒なら。 見つかる気がする。
……有難う。
[照れくさそうに礼を言って見上げた顔には、少しばかり幼い笑顔があった。 そして、そっと優しい手を取る。
手と手が触れたとき。 ふと、思い出したのは。
主の綺麗な―――優しい鉄色の、瞳。**]
(@40) 2010/08/10(Tue) 00時半頃
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