94 眠る村
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やっぱり、ゼロもボクも この身体を選んで
――― "正解"だったみたいだねェ。
うん、 良い体を、選んだみたいだ。
いつもとは状況が違うんだ、使える駒は、使わないと。
[訪れるブローリン。
"本物様"の片方に、入り交じる警戒と好奇。]
そう、"意味"を与えてあげないとねェ。
[くつり][含み笑いを浮かべて、言葉を囁く]
―― クラリスは、元気ィ?
ん…… 心はすごーく、衰弱しているよ。
――ああ、
今まさに、 "余計なこと"を 口走ったね。
[ブローリンと共にいる、とは言わない。
ただ、追いかけると言ったのなら予想はつくのかもしれない。
これ以上を口走るなら、彼女には"眠ってもらおう"と
場を静かに見遣る。]
[エイトは静かに裡の聲に、舌打つも]
[まだ余裕の笑みを浮かべる]
余計、…?
―― ゼロ。
[静かに、けれど常より力を込めて呼ぶ仲間の名]
[こちらからは命令はしない、けれど]
気をつけんだよォ。
――本当に、この子は 美味しいなァ。
でも、おやすみ、クラリッサ。
[視てやると、言われて考えたことが、
自らを知る恐怖だなんて。
本人ならば、きっと想っても口には出さない。
けれど、心の声をそのままに、ゼロは零す。]
――ひとまず頑張ってみるよ。
さて、どうなるかな。
[仲間の声――"本物様"との状況は芳しくない。
けれど焦りはしない。
人間の、駒もあるのだからと――たかをくくって。]
[誰に余計な事を言ったかまでは解らず]
[まさか、本物の1人にその事を告げているとは]
[ゼロの相変わらずの緊張感の薄い口調もあって気付かない]
[もとより、ゼロを信頼しているから]
[きっと―――平気だろうと]
["おやすみ"という言葉を聞くに至る]
ふふ、…
さてと ボクも ――― 気を緩められないねェ
ゼロは、
どっちの本物様を…食べてみたいィ?
―― 若い方が美味しそうだけどね…、ふふふ。
エイトのヘマなんて、考えられないね。
そうなったら心中するしかない。
[心中などという言葉も、けらりと笑って話せば日常。]
……――新しい楽しみが出来てしまったよ。
フフ、内緒だけどね。
[ブローリンに視られる。
エイトが知ればほぼ確実に、彼を殺すだろう。
けれど、密かに懸想していた相手から、
人狼だと告発された時の宿主を見たい―――
危機よりもそんな欲求が、押さえ切れない。]
[だから――]
食べたいのも、面白そうなのも、
きっとシメオンさ。
クラリッサよりも大切な彼が死んだらフィリップは
じいさんから人狼と告発された中、どうするのかなァ
ってね。
ゼロを殺させなんて、しないさァ。
…おや、
その愉しみはボクにも後でお裾分けしてくれるゥ?
[やっぱりゼロとは質は違う人狼でも一番大事なところで"趣味が合う"]
おーけェ。
じゃあ、今晩の獲物は…決まりだァ。
――駒が多いにこしたことはないけどね。
ハナは……結局、加護の力を誤ったのかな?
それとも、じいさんの言うように"知恵おくれ"ゆえかな。
[ハナの大人びた側面は想像もしていない様子で
もう一人、嘘をついた少女の真意を不真面目に考えるけど]
お裾分け、したいねェ。
――どれくらい時間がかかるものなのかわからないけど。
[ともらすは、ブローリンの加護の力。]
ルーカス、グロリアより、
今回は "あたり"だったね―― フフ、愉し。
[嗤う声はやがて泣きつかれて眠る宿主を見て*嘲る*]
さァ、ね。
どちらにしろ、人ってのは
真実がどうであれ 大切な人を護るためならァ
嘘をつけちゃうのさぁ
[それすら利用しようとするのは、エイトらしさとも言えるが]
まァ…、
愉しみにしてるよ。
[おすそわけ][と一文字ずつ区切りながら囁いて]
["あたり"という言葉には同じように、ふふ、と嗤う]
[視えるではなく][――知っている]
[人狼、当人なのだから]
[寄生主の記憶の奥を辿る]
[これもまた 加護かと、冷静に思考する]
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―― 回想 ――
[朝、ベッドの微かな沈みと衣擦れの音で目を覚ます]
…、……ょぅ
[抱かれる柔らかな体に沈む、半ばも開かぬ瞳が閉じる。 まどろみの中、形確かめるよう男の唇が女の首筋を撫ぜ、 脈に触れれば男の伸び始めたヒゲがちくりと肌を刺す。 男の着たきりのシャツが汗で臭った]
………。
[静かな足取りで食堂へ姿を現せば、ラディスの死を知る。 唇を固く結び、黙ったままの男は、腰を下ろす椅子から動かず。 異母兄が燃え尽きた椅子はきっと空のまま。 埋まり行く席を見詰めている]
(159) 2012/06/17(Sun) 22時頃
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[そして、今。
ティモシーが人狼だと告げた時も。 ハナが普段と別の装いで現れた時も。
言葉発せず、じっと面差しを見詰めるばかり。
己を人狼でないと叫ぶ恋人を押し留めなかった腕は、 擦れるような声を耳にして、女の二の腕を何度か撫ぜた]
(160) 2012/06/17(Sun) 22時頃
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…ハナ。 望みは、なんだ。
[縋る女を抱きながら男は尋ね]
(165) 2012/06/17(Sun) 22時頃
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[時が近いのだと告げる加護。 呼ばれる名。視線はハナからローズへ移り]
…、…。
[伸び来る手を]
行く先が、どこだろうとも。 …離さない。
[強く握り締める]
(170) 2012/06/17(Sun) 22時半頃
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――――…。
…この手を離せと言わぬのなら。
[恋人から戻す視線。まっすぐにハナを見詰め返す]
(172) 2012/06/17(Sun) 22時半頃
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……――駒か、そうでないか、
判断がちょーっと難しいね。
[見てはいないが音は全部聞いていたからそんなことを。]
まあ、
呪いの矛先受け止めてくれるンなら充分だけどさ。
[まだどうなるか、わからない。]
この女の家族は、どっちもイイ駒になってくれそうだけどね
[冷静に場を見ながらエイトは囁く]
どっちも ローズにとっては "たいせつ" なのにネ
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…、…。
[面白いもの。訝しげに眉を寄せる]
…。
それが、望みか。
(179) 2012/06/17(Sun) 23時頃
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ケヴィンは、ハナの浮かべた表情に僅かに目を眇めた。
2012/06/17(Sun) 23時頃
娘ならァ、…お母さんの言うこと 聞かなきゃねェ。
[くつりくつりと嗤う]
ケヴィンは、乾いた音に目を見張る。
2012/06/17(Sun) 23時頃
……――とても親孝行だと、思うよ。
じいさんの願いも儚く消えたね。
[愉悦隠さぬ声]
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――ハナの望みは、何だ。
[へたりこむ老人の向こうから、重ねた問い。 幼子の姿を見据え続けた視線は、ローズの手に引かれずれて]
(189) 2012/06/17(Sun) 23時半頃
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ケヴィンは、その答えはすでに耳に届いていたかもしれぬと―― 遅れて気づき
2012/06/17(Sun) 23時半頃
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[ないしょ。 丘の上の木の花。こくりと頷いたあの時のように]
(195) 2012/06/17(Sun) 23時半頃
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…。
[男は黙って頷いた]
(196) 2012/06/17(Sun) 23時半頃
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必ず、戻る。
[恋人へと囁き指先だけで繋がっていた手を離す。 男の背は、見届けず呪いだけを残し宿の出口へと向かう]
(203) 2012/06/17(Sun) 23時半頃
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