118 津 村
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――関町家――
ごちそー、さま。
[寝不足がたたったせいなのか、身体がぼんやりと重くて、夕食はあまり喉を通らない。 いつも食べるより少ないのに、それでもどうにか飲み込んで、箸を置いた。 もういいの、と呼びかける声を背中に、部屋に戻る。 着替えもそこそこに、ベッドに沈み込んだ。]
(12) mmsk 2013/04/18(Thu) 00時半頃
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[目覚めたのは、目覚ましが鳴るより少し前。 じっとりと嫌な汗が滲んでいて、息を深く吐く。]
……っ、
[そうして肺が収縮するのに呼び起こされたように、胸元が悲鳴を上げた。 起き上がり、部屋を出て、寝起きの生理現象でない理由で、トイレのドアを開けた。]
(13) mmsk 2013/04/18(Thu) 00時半頃
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げ、ほッ、――ぅぇ、は、ぁ……っ、ぇふ、げほっ!
[冷たい床に蹲って、何度もえづき、咳く。 涙にぼやける視界に、ほとんど消化されずに外に出てきた昨日の夕食が映った。]
ぁ、はぁ……は、
[荒い息の隙間から喘ぎを抑えられない。 背中を丸めて咳いた身体が熱い。流水音を遠く聞きながら、狭い個室の壁に背を預けたままでいる。]
(14) mmsk 2013/04/18(Thu) 00時半頃
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[どれだけか、そうしていて。 落ち着いてきた吐息と熱さに、立ち上がる。 洗面所で口を濯ぐ。吐き出した水にも、まだ固形物が混ざっていた。
さっきまで熱いと思っていた身体が、火照りが引いたとたんに寒さを覚えだしていて。 朝から吐いておいて何もない、だなんて甘いことがまかり通る現実でないのを知っているが、おそらく確信に近いだろう予感にふらりと居間に向かう。 家の体温計の場所くらい、把握している。ペン立てに無造作に立てられているそれを手にとって、電源を入れれば高い電子音が短く鳴いた。]
(15) mmsk 2013/04/18(Thu) 00時半頃
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[熱っぽいと言える温度ではないことを悲しむべきか、先に感じた火照りからすれば想像ほどは高くなかったのを喜ぶべきか、判断する頭はない。 思考を放棄して体温計をソファに投げる。それを拾った母親の、表示を見た時の表情がはっきり曇ったのだけはわかった。 電話機の元へ向かうのを、視線だけで追う。]
(16) mmsk 2013/04/18(Thu) 00時半頃
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[はい、そうですか、分かりました、ありがとうございます。 事務的な単語だけがいくつも母親の口をついて出て、最後に失礼しますで電話は終わった。 こちらに戻ってきた母親は、どう言うか迷うように口元に手を当ててから、ゆっくり話しはじめる。]
『学校ね、お休みにしたけれど。その……風邪がね、随分流行っていて。お休みが多すぎるので、学級閉鎖、なのですって。だから欠席扱いにはなりませんって。』
――学園祭、は。
[重だるい口を動かして気がかりを聞く。母親は、もっと話しにくそうに唇を湿す。]
『中止、らしいわ。今のところは』
(17) mmsk 2013/04/18(Thu) 00時半頃
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[それを聞いてから以降のことは、頭が呆けすぎていてあやふやだ。 どうにか部屋に戻って、きちんとパジャマを着なおして、ベッドにまた戻って、それから熱に浮かされた感情の昂ぶりのままにひたすら泣いた。 何がそんなに嫌だったのだっけ。 何がそんなに悲しかったのだっけ。 自分でもわからなくなるくらいにあとから溢れてきて、枕が濡れた。
レシピも考えたのに。内装だって、名取に手伝ってもらってて。 部活だって、部誌の表紙、あんなにいいものを描いてもらったのに。倒れてしまったのだって聞いて、いい部誌を作るって約束したのに。 先輩の原稿もまだ読んでいなくて、自分の原稿すらまとめ切れていなくて、何もできないまま、自分がだめになって、学園祭もだめになって、]
(18) mmsk 2013/04/18(Thu) 00時半頃
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[悔し涙に濡れながら、泣き疲れてそのまま眠った。]
(19) mmsk 2013/04/18(Thu) 00時半頃
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――昼ごろ――
[目覚めは良くなかった。 泣いて寝たせいか風邪のせいか、鼻はすっかり詰まってしまって、呼吸も浅くて苦しいし、身体も頭もぼやけたままだし、目が痛い。 いつの間にか枕元に置かれていた体温計を有難く脇に差し入れて、計測を待つ。 こんなことなら芸人や先輩のお見舞いに行けばよかったかもしれない。 亀田はどうだろう。メイド服でも着てお見舞いに行ったら元気になっただろうか。 みんな、少し遅い。]
(20) mmsk 2013/04/18(Thu) 00時半頃
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[デジタル数字は37.4℃を示している。 まともな食事も薬も摂らず寝ていただけなのだから劇的に下がるわけもない。 それでも食欲は欠片もなくて、片手で携帯電話を探る。]
……メール。
[母親から伝言代わりにメールが来ている。 欲しいものがあればメールでもいいから伝えろ、とか、冷蔵庫にヨーグルトがあるとか、そういう病人向け指示が並んでいる。 ひと通り目を通してから、新規作成を選んだ。]
(21) mmsk 2013/04/18(Thu) 00時半頃
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―――――――――――――――― From: illumina_town@easyweb.ne.jp To: chichichichichiaki-0829@docodemo.ne.jp ―――――――――――――――― どうしてる? END ――――――――――――――――
[学園祭、さぞ悔しいだろうクラスメイトに向けて打ったメールは、たった6文字。 まさかその相手まで、インフルエンザウイルスに負けているとは、つゆも知らずに。 返事を長く待つでもなく、また浅い眠りに身を預けた*]
(22) mmsk 2013/04/18(Thu) 00時半頃
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[携帯のバイブレーション。低く耳元で唸るそれが、浅い眠りから意識を引き起こした。 熱い身体をどうにか動かして腕を外に出して、携帯を手に取る。 メール受信:2件。ひとつは父親から。仕事場の昼休みに送ってきてたらしい、気づかなかった。 もうひとつは、今さっき受け取った、返信メール。]
ね、てた……
[ぼうっとする頭で、無意識のまま読んだメールは、一文字一文字口に出ていた。 がっきゅうへいさ、たのしみだった。 そういう返事が返ってくるんだろうと思って送ってた。だから、すとんと胸に落ちてくる。]
(37) mmsk 2013/04/18(Thu) 22時半頃
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かぜ、ひいたりしてない、
[誰もいない部屋に自分の熱に枯れた声だけがぽろぽろ落ちる。 学級閉鎖だ、風邪を心配されるのは当たり前で。 でも、このメールに今なんて返事をしていいか迷ってしまった。 素直に、引いてないって、言えればよかったのに。]
(38) mmsk 2013/04/18(Thu) 22時半頃
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―――――――――――――――― From: chichichichichiaki-0829@docodemo.ne.jp To: illumina_town@easyweb.ne.jp 件名:おこした? ―――――――――――――――― ごめん。 わたしも、わりとたのしみだったな。 そっちも、おだいじにね。 END ――――――――――――――――
[自分の体調には触れないままの、お大事に。 引いてなくても大事にして、と言われたから、そっちこそ、とばかり。 指を何度も動かすのが億劫で、変換キーは一度も触れられることのないまま、短いメールが電波に乗った。]
(39) mmsk 2013/04/18(Thu) 22時半頃
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んん、
[睡眠は短く、うつらうつらと浅い。 携帯の震えを感じるけれど、次の返信をすぐにまた返すだけの気力はなかったから、少し待たせることになった。 50分後、どうにか動いた頭でメールを読み始め。]
部活……
[部活の話を見て、そういえば芸人はこれが新入生を得る大きなチャンスだったはずなのに、風邪を引いたことも中止も災難だったろう、とか、佐々木は何部だったっけ、とかゆるゆると考える。]
(42) mmsk 2013/04/18(Thu) 23時半頃
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―――――――――――――――― From: illumina_town@easyweb.ne.jp To: chichichichichiaki-0829@docodemo.ne.jp ―――――――――――――――― 部誌は、先輩に聞いてみないと、かな。 表紙もかいてもらったから、ちゃんとつくりたいけど。 一応書いてるけど、おまけみたいなものだから、期待しないで。 END ――――――――――――――――
[今度は、少し思考を巡らせたあとだから頭が冴えていた。 変換キーを経由するのも、それが間違っていないか考えることもどうにか出来て、ほとんど普段と変わらないはず。 一つ前のメールですでに嘘がつけていないなんてことには気づけないけれど。]
(43) mmsk 2013/04/18(Thu) 23時半頃
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[バイブレーション。またメールだ。 誰、なんて思わなくても、自ずとわかる。 開いたメールの文章は、とてもくすぐったいものだった。]
すき、か。
[本当に、おまけみたいだと思ってた。 先輩は熱意があって、面白いものを書いてる。 自分は部員として、それの添え物を書いてるんだと思ってた。 だから自分のものに、好きなんて言葉が返るなんて、思ってなくて。 この感情を今の体調のまま、言葉にするのはとても難しい。]
(51) mmsk 2013/04/19(Fri) 00時頃
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[だから返事は、とても短い。]
―――――――――――――――― From: illumina_town@easyweb.ne.jp To: chichichichichiaki-0829@docodemo.ne.jp ―――――――――――――――― 教室でまた、いっぱい話そうよ。 END ――――――――――――――――
[千彰に送ったメールは、これきり。 後は返ってきても、何も書かなかった。メールのやり取りは会話みたいで楽しいけれど、起きているのも良くないのは、わかってる。 携帯をベッドの端に放り投げて、布団に沈んだ。 また話そう。それはまた話す意思があるということで。
好き、の意味が、向かう場所が、文章だけでないだなんて、気づくにはもっと時間が必要だけれど。 学級閉鎖が明けるまでにちゃんと治さなくちゃ、と心に秘めて休息に向かわせる、ほんの少しの楽しみ**]
(53) mmsk 2013/04/19(Fri) 00時頃
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