233 逢魔時の喫茶店
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まあこっちは道楽でやってるようなものだし。
[>>196客の前、堂々とそう言い放った。 どちらかと言えば道楽ですらないのだが、それはさておき。
夜しか開かない、人を招かぬ謎の店舗。 夜は兎も角昼間は人間の目もある為、昼間の経営はカモフラージュの様なもの。 だから誤魔化せて居れば昼なんてどうでもいいのだ。 …まあ、昼にも楽しい事は沢山ある。が、店の在り方や方針としてはそれを優先として。
そんな訳だから昼間頑張る気はさらさらなく、今日はたまたま、珍しく。気が向いたからとそんな理由。]
えー?ごはん買っちゃった? …しょうがないなあ、 閉店後、余ってたらね。
[夕暮れの喫茶店。昼間の営業が済んだあとなら、胃袋に隙間もあるだろうと。 そんな訳でやる気はギリギリ温存されて、しかし時間の経過とともに徐々に減っていく。動かすには早めでないと、店主のエンジンはかからない。]
(244) 2015/08/06(Thu) 23時頃
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こーちゃんも、おはよ。 ヴェスさん居るよ。
[オフの服装で来店した彼は、今はとりあえず客として。>>204 朝の挨拶と手を振って、先のメールの要件についての報告を投げておいた。 彼が居る事は一目瞭然と言うか、まあカウンターにドンと居るのだけれど。
コーヒーに固まる客人に関しては、苦笑いしか送る事が出来なかった。だから自分のでいいかと、聞いたのに。>>195>>201
っていうかトレイルめ、コーヒー浮気してるな。>>215 別に怒らないけど!]
(245) 2015/08/06(Thu) 23時頃
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やー、いらっしゃい。 何事って、それこっちのセリフっていうか――…、
…。
[ほんと、なにごと?
厨房からひょっこり顔を出して、視認したのは眠そうな眼鏡。>>202と、フードの彼。>>213 最初のに口に出したナニゴトは、店の繁盛具合について。 次に心の中でとなえたナニゴトについては、彼ら二人の繋いだ手について。
きょとんと見つめて、数秒。 そして、察する。
ニヤッと笑って、再び厨房へ引っ込んだ。
いらっしゃいの挨拶は随分とやる気の無いものだったから、増えた人の声にまぎれて彼らに聞こえなかったかもしれない。 だからひっそりと、店主は常連の姿を思い出して、厨房で笑っているのだ。 アイツたらし込んだな!と。]
(246) 2015/08/06(Thu) 23時頃
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[自分の世界に愛は無い。 そんな言葉とうの昔に干からびて、輪郭だけがそこにある。
ただそれは自分の中だけであって、彼らの中には確かにそこに。 羨ましいと思い、そして、自分のようになってくれるなと僅か願ってしまうのは、残った輪郭がそうさせるのか。]
(247) 2015/08/06(Thu) 23時頃
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そりゃドーモ。 滅多に作らないし、でも、 喜んでくれるならまた作るよ。
[さっき散々悪態をついたのに、男から出てきたのは純粋な称賛>>227で、 なんだこれ。 照れるな。 気恥ずかしくなって引っ込んで、その後は、厨房に。>>246]
(248) 2015/08/06(Thu) 23時頃
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[それは、恐らく厨房でさんざん笑った後の事。
笑った理由は、眠そうでどんくさそうな彼が会ったばかりの人間を早々にたらし込んだ件についてと、 手をつないでの来店と、 とてもかわいらしいヒトの新顔と、 それと、二人の顔の激しいギャップだろうか。]
やー、エフィさん。 と、新顔くん。
注文、決まった?
[>>240メニュー表、それと水とお手拭きを差し出して、顔はいつもより楽しそう。 しかし、ペン。と言われれば]
あるけど、 ボールペンとかメモ帳で、いい?
[もっとちゃんとしたのは探そうと思えばある。けれど、早急の用事ならチョイスはそんなグレードに。 とは言っても時間をくれれば、二階の自分の部屋から持ってくるつもりで。]
(255) 2015/08/06(Thu) 23時頃
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[減給に文句をつければ「それが嫌なら旅行はナシね」なんて展開になるかと思ったのに、なかなかどうしてみんな乗り気だった。]
飛行機、
[乗ったことはある、ので控えめに手を上げた。
ただ、搭乗手続きのどうこうとかは、記憶の彼方。
ケイは経験豊富だろうと思ったら、ワイバーンに乗った、だと。ちょっと羨ましい。飛竜なんて、ゲームの中でしか乗らない。]
もう一人、……呼、べば。
[ワイバーンに4人は乗れないと言うなら、もう一人協力者の有翼を増やせば2人ずつだ。
自分も人外の知り合いを頼ってみるか。その分旅行者が増えて旅費が増えるとかは考えない。]
[その後、ケイの変化が失敗するのを見れば蛇の首とったりといった勢いでげらげら笑った。
あとあと首取られかけることなんて気にしない。]
やー、無理なら別にいいんだけどー
[時折顔を見せるワイバーンと、同僚と。
命を預ける対象としてどちらを選ぶかなんて考える余地はなくて。
そもそも、社員旅行として出かけるのに
ひとりだけ乗り物扱いするのも酷かと気づいたのは後のこと。]
――…おお、おお……?
[そんな酔っ払いの戯言も丁寧に聞き入れてくれる蛇の、
誠実さと優しさと努力の結果として現れた姿に。]
べ、勉強しとく…… ……ふは、
[リクエストした手前、コテツほど盛大に笑えなかったが。
悔しそうに床を叩く尻尾と、小ぢんまりとした翼が可愛くて。
近々図書館で旅行に関する本でも借りてみようか、なんて考える。
普段はもっぱら、写真集とかばかりなので。]
黙れ餓鬼っ
[ぴしゃ、と尻尾がコテツの首に向かって振るわれた
これを避けられない鬼ではないし
万一当たっても、鬼ならば首は飛びはしない]
コラそっちもかよ
[トレイルをじろりと睨む
さすがにコテツ相手のような尻尾ビンタは
危険なのでやめておくが]
高いとこから落とすぞ
ホレーショーは、エフが遠慮しなくとも、きちんとした品は探しに行くつもりで。
2015/08/06(Thu) 23時半頃
ごめ、だってさあ……
やーだ、死んじゃう
[コテツに向けて振るわれる尻尾の先に、
矛先は来ないと解っていても半歩退き両手を挙げる。
口元にはへらりとした笑みを浮かべたまま。
ワイバーンに払う旅費がいかほどか解らないが、
何れにしても公共の乗り物で行くのが無難だろう。
働き、お金を貯めてなんなら積立をしているうちに
ホレーショーやトレイルの、
飛行機への偏見も薄くなるかもしれない。
(ならないかもしれない。)]
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リツさんね。うん、覚えた。 二度目のご来店、ありがと。
…リツくんの方がよかったかな?
[>>261客は一応、全員さん付けで呼んでいる。 といってもデニスは別だが。彼は常連兼、同業者である。
小さな声を聞きとって名前を記憶すれば、愛称の事を少し聞いて。 だってなんだか、彼はそっちの方がいいような気がしたから。]
じゃあ、注文はクリームソーダね。
下は、緑色のがいい? 結構いろいろ、揃えてあるよ
[例えば赤いイチゴとか、ブルーとか、コーラ、アイスティー、ココア、店主の淹れたアイスコーヒー。 後半は炭酸では無かったけれど、一応ここは喫茶店である訳だから、飲み物のバリエーションはそれなりの物。 軽食の事は聞かなかったけれど、彼は昨日、過払いで帰ってしまった。 だからそこら辺は、きちんとサービスしてやるつもりで。]
(266) 2015/08/06(Thu) 23時半頃
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死なねーよ
あの人狼にサバイバル訓練されてりゃ充分だろ
慣れりゃ受け身ぐらいいけるって
[両手を上げるトレイルに、にまにまと]
[もう一度とぐろを巻き、変身を試みる。
はらりと鱗が捲れるように空間が揺れるも
残念ながら、小さい身体に小さ過ぎる翼がくっつくのみ]
………絶対完成させてやる
[むむう。
プライドが高い蛇は、しっかり練習してこようと心に誓った]
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はいはい、 いつものコーヒーね。
『コーヒー1。クリームソーダ1。リツには、サービス。』
[>>264そう伝票に書き込むと、持っていたペンをそのまま手渡す。 色気の無い細い黒のインクボールペン。 それと、店で日常的に使っている、夕焼けみたいなオレンジ色のメモ帳の束。 昨日レジ横に張り付けたメモ>>270と同じ物。
安いメモ帳。別に何枚消費されようと全然気にせず、手渡した後は仕事に戻る。 その後貸した品を渡されて、一緒についてきたのは自分宛てのメモ。>>268]
――紹介状目的なら、 きちんとメッセージカード探したのに。
[困ったように笑って、一読されたメモはエプロンのポケットの中に入って行く。 味気ないメッセージを贈られたリツ青年をちらりと見て、]
(278) 2015/08/07(Fri) 00時頃
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おはよ。どういたしまして。 今夜はきちんと店開けておくから。
[別に、今夜で無くてもいいのだけど。 昨夜のように疲れて店を休む事は暫くはナシにしたいし、それに夜は、大抵開いている。 リツに、若いセピア色の自分を一瞬重ねて、 仲良くしなよと、胸の中で空っぽの愛をなぞった。]
(279) 2015/08/07(Fri) 00時頃
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そりゃあ、そーなんだけど、さあ
[ケイが命に関わるようなこと、
するわけがないと信じてる。信じてるったら信じてる。
でも、警戒を怠ってはいけないと養父に教わった。
例えそれが誰であっても――養父自身に対しても。]
ケイって見かけによらず真面目だよねー
試乗第一号は誰だろ?
[もはや彼を移動手段にする選択肢は消えたも同然だが、
自尊心からか、熱心に変化を繰り返す姿にはエールを送って。
もしも、――もしも、その翼が。
二人分の荷重に耐えられるほどの規模にまでなったとしたら。
それはそれで楽しそうだと目を細めた。]
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じゃあ、リツくんで。 あは、 一応お客さんな訳だし、呼び捨てにはしないよ。
[>>277彼のかわいらしい反応を見る限り「ちゃん」付けでも構わなさそうだけれど、多分それは、もう少し親しくなってから。 同行者である眼鏡の様子を見る限り、彼は常連の仲間入りを果たしそうだし。そう、笑って答えて、目は優しげ。]
コーヒーフロートと、
いいにおい、は、…多分ホットケーキかな。 作る? 甘いのと、野菜の多いの。 どっちにする?
[奥にはまだ材料はあったから、多分どちらでも作れると思う。 時間がかかる事を青年に告げて、どの道アイスコヒーも中々出ない。 熱く淹れた物を冷ましてアイスを浮かべて、さて他の注文は大丈夫かな。 …大丈夫そうだな。トレイルもコテツも居るし。自分は厨房に引っ込んで、もう一度調理器具と奮闘させていただこう。
注文を聞いた後は引っ込み、ホールは他の店員に全任せ。]
(284) 2015/08/07(Fri) 00時半頃
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[そんな、酒を交え雑談を交えた夜の大掃除。
終わったのは、普段の営業時間よりは短く。
もしかしたら大差なかったかもしれない。
ふあ、とあくびをかみ殺すことすらできなくなった頃には、
テーブルも椅子も元の配置。
床も、それなりに磨きがかかったことだろう。
ホレーショーが日ごろから、言う通り。
あくまでこの店は、夜の営業が本番だ。
これで明日以降も、
お得意様を招く準備はばっちりと満足げに店内を見渡した。]*
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あーあ、また寝たか。
[カウンターで寝る眼鏡>>276に投げたのは、呆れた声の、呆れ顔。 またここで寝るのか。どんだけ寝るんだ。 しかし手慣れた様子で奥からバスタオルを取り出して、]
リツくんこれ、 エフィさんにかぶせてあげて。
[面倒な事は人にお任せするタイプだ。 今日の優しさはまだ在庫があったけれど、隣に誰かが居るのなら、そっちに全部投げておきたい。
白い大きなタオルを彼に手渡し、その後は、厨房へ。]
(285) 2015/08/07(Fri) 00時半頃
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[カウンターの横、二人分の豆を挽きサイフォンへ。 同時進行の厨房へ足を運び、ホットケーキをひっくり返す。 その横でクリームを泡立て、…あれ?チェリーの瓶何処置いた?
忙しい。何で今日も昨日もこんなに忙しいんだ。 首をかしげてみてもそれはさっぱり原因が分からずに、手元は忙しく調理を続ける。
コーヒーが出来上がる頃にはホットケーキは香ばしい色をつけ、その上に甘いクリームを流せば、粗熱で溶けた白い液体が滲んだ。 味付けはさっきと同じ。チョコレートと、ダークラムと、リキュール漬けのダークチェリー。 さて、彼のアルコール耐性はどうだったか。 すっかり聞き忘れていたけれど、これぐらいの少量であれば問題ない筈。 でも一応は配膳前に確認はとるつもりで、アレルギーで救急車を呼ばれてはたまらない。
氷で満たしたグラスの中へ熱い珈琲を注ぎ入れ、味を損なわぬよう一気に冷やせば、これはいつものアイスコーヒー。 その上にバニラアイスクリームを多めに乗せれば、中々に立派なコーヒーフロートが仕上がったか。 ホットケーキに乗せたチェリーと同じ物を、アイスの上に一つ飾って。]
(295) 2015/08/07(Fri) 01時頃
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[ホットコーヒー。それと、ホットケーキとコーヒーフロート。 コーヒー達にはミルクとガムシロップの瓶をお供に添えて(エフは使わないだろうが) 彼の好きなメープルシロップは掛かっていなかったけれど、
どうぞ、甘く美味しい内に。]
(297) 2015/08/07(Fri) 01時頃
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ほら、 エフィさんコーヒーできたよ。
[カウンター越し、彼>>276の肩を一度だけ軽く肩を叩く。 それで起きなければ後は隣の青年にお任せするかと、
やっと一息、すこしの休憩。]
(298) 2015/08/07(Fri) 01時頃
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[それから、
昨日ぶりの、夜の常連。>>288 彼が昼に続けてくるなんて、そんな珍しい事滅多にない。 何時も通り、彼にも他の客にするのと同じに笑顔を向けて、静かな「いらっしゃい。」
店中を駆け回る猿を軽く目で追うものの、忙しさから接客はトレイル店員にお任せ。 しかし調理を終え戻ってきた頃には、]
また、花? 今度は、…どしたの。
[花言葉は、詳しくない。だからあの白いカーネイションと同じく、意味があっても知らぬまま。 浮かんだ薄い笑みは、いつもと同じなようで同じじゃない。 何処か酷く擦り切れたようなその顔は、増えた花>>290と手品師を見て、 しかし、彼を見てはいなかった。
荒野に、花は咲かない。 この鮮やかなイエローは、今度は一体だれの花か。自分か、それともこの悪魔か。 色彩の無いこの胸で、自分は一体何を感じればいいのか。]
(312) 2015/08/07(Fri) 01時半頃
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――まあいいや、 ありがとね。 嬉しい。
愛してるよ。
[何処から何処までが虚空なのか。空っぽの言葉を吐くのは慣れていて、だから口にしても傷つかない。 傷つかないし、失う物は何もない。 あのセピア色の記憶の中、全部全部無くした後だから。
空っぽの愛をささやいて、 胸の内、彼の見つけたカーネーションを、殺した。]
(313) 2015/08/07(Fri) 01時半頃
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[よし。旅行用貯金、始めるか。
なら昼の営業ももう少しシャッキリ気合を入れて、…客からきちんと代金を徴収する事から始めよう。
グラスを煽りながら一人心に決めたけれど、外見はだらだらした酔っ払いである。]
うっ、…るさいな。
そういうんじゃ、ない!
[そういうんじゃないなら、一体何なのか。
明らかにビビって居るのを何とか取り繕い、しかし付き合いの長さがアレしてコレで、隠せない。
それでも表面上は平気な顔をして、誤魔化しに食事を終え、床を磨き始めた。そそくさと。
つーか客を足に使うなよ。あの人上客だぞ。
ワイバーンの彼の顔を思い出し、そう言えばデカかったなと、旅費が浮くなら頼むかなと、結局思考は皆と同じに落ち着く。
で、]
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