87 -Dying to Live, Killing to Dieー
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ゾーイ
感染 してる
良いよ “殺して”
[トニーへの 言葉
それは 自分の手を 汚さない為?]
[一瞬の 躊躇いの後]
発症は 2人
増えた
ゾーイと グレッグ
“駆逐” するぞ
りょ〜か〜い!
言われるまでもないって!
[グレッグの方も気になるが、アジトにはまだまだ隊員が居る。
全滅なんてするわけがない]
シエメンも死ぬなよ?
女神様ってどんなひと?
どんな声なのかしら。
聞きたいわ……教えてくれる?
空は青くて草は緑。外はこんなに綺麗よ。
クローバーも沢山あるわ。
四つ葉を探してみようかしら。
黄色いタンポポたちは、きっとドナルド。
小さいけれど、私たちの太陽だった。
――今からそっちに行くから首洗って待ってろ。
花弁に添える赤に俺の血は含まれない。
お前の、そして他の連中のだけで十分だ。
気になるか? そんなに気になるのか?
ならば冥土の土産に教えるさ。
彼女は月のような女性、だ。
初めて彼女を見た時、その長い髪は月光を受けて銀色に煌き、眸は碧く澄んでいた。
まあ、こんなにも青い空の下で見る彼女も素敵だろうがなぁ。
………。
――なぁ、
――四つ葉を探すよりも、既に死んだ奴の話をするよりも。
――他にやるべきことがあるんじゃねーのか?
――やるべきことを見失っていては命を縮めるだけだ。
もっとも、
お前がツイてるってんなら話は別だけどなぁ。
今のあなたは、いったい何者かしら。
"大人たち"の駒?
私たちの"仲間"のグレッグ?
それとも……女神様に恋する者?
地雷は 解除してある
安心しろ
[業務連絡のように 伝える
解除
ソフィアの犠牲による 解除]
俺は………、
この身は全ていずれ彼女に捧げると決めた。
だが、
――この身を全てお前達を倒すことに注ぎ込むことに何の疑問も持っていない。
……今、あなたは女神様の前で胸を張れる自分と思ってる?
最期に笑いながら、その手を取れると思える?
もしも、もしもよ。
あなたがそうであるならば。
私はあなたを"仲間"として最期を看取るわ。
でも、だけど。
違うというならば。
最期まで"自分として死ねるように"抗って……グレッグ。
シメオンもやられちゃったの?
[地雷は確かにないようだが]
………黙れよ。
今まさにお前を殺そうとしてる奴に“仲間”だと?
………。
だが、確かに、
今の俺では彼女の前で胸は張れないだろうなぁ。
お願い、グレッグ。最期まで自分を見失わないで。
何者でもない、あなた自身のままでいて。
女神様は最期まで、笑えるひとにだけ微笑むのよ。
そして、その手を取ってくれるわ。
……ドナルドみたいに。
生きてるよ バーカ
[こちらから トニーの姿は見えているが
トニーから は見えていないのだろうか]
違うのか。
戦って戦って、血みどろの中で最後まで立っている強い奴になれば彼女は笑ってくれるって、
全てを捧げるに相応しくなれるって思ってたけど違うのか!?
――そもそもお前に彼女の何が分かるっていうんだ!
あなたは見たのでしょう?
ドナルドと……サイモンの最期を。
あなたは、どちらのような最期を望むの?
――俺はあんな風には死なない。
――お前らを倒してこの戦争の終わりまでいやその先も、
…………その先?
その先に何があるっていうんだ。
あなたの女神様は分からないわ。
でも、もし私が。
私が女神様だったとしたら。
最期まで、自分自身であろうとするあなたを。
この腕に抱きしめて微笑みたいわ。
俺としては抱き締められるまでは望んでないんだがなぁ。
せめて傍で看取ってくれるだけで、最期の言葉を聞いてくれるだけで良かった。
ドナルドの最期に近いといったところか。
戦うことは楽しいわ。
生きてるって感じられるもの。
でも、それだけ。
戦いに溺れることは"生きてる"とは違うわ。
"生きてる"ということは……最期まで自分を諦めないこと。
……私は、そう思う。
成程。
その言葉、冥土の土産に持っていくことにする。
そんなところ、本当にあるのか分かんないけどなぁ。
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