161 【BL】ゆるふわほも寮【突発RP村】
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[すっと目を細めて。]
少し待っててくださいね。
[柔らかな髪を撫でてから、301号室の戸を叩いた。]
寮長、トレイル、起きてますか?
病人です。私の同室のオスカー、少し熱もあるようで。
307号室にサイモンとまとめて面倒をみるか、娯楽室を病人用に開放するか指示をお願いします。
[本当ならそのまま自室で看病したかったけれど。
一応寮長に確認する。]
[次に戸を叩いたのは302号室]
エル…!起きてますか?
[同室のイアンが起きたかどうかはさておいて。
同じく寮長の補佐を頼まれた後輩を起こす。]
朝早くからすみません…。チアキと、オスカーが風邪のようで。
[病人が一人から三人に増えたのだ。
とても間に合わない。現実的な処理よりも――気持ちの持ちようが。
狼狽えて、無意識に後輩の袖を握りしめていた。]
[様子見の拍子、閉ざした瞼からはらはらと涙をこぼすチアキの頭をそっと撫でた。>>+2]
大丈夫、ゆっくり寝て、お水を飲んで、休んでください。
[頭を、背中をそっと撫でて。そっと前髪に口づける。
幼子にあげるお休みのキスは、ただただ優しい。]
オスカー?
[熱の上がった後輩にそっと声をかける。]
起きられますか?病人だけ娯楽室に移動になったので。
[歩けるようなら肩を貸すつもりだけれど。無理そうならトレイルかサミュエルを呼んでこないといけない。
心配と困惑の混じった表情でオスカーを見下ろす。]
あの…。
[唯一、頼れる相手が風邪をひいてしまったら――。
そんな我儘なことが言えないで押し黙る。]
気をつけて、くださいね。
―娯楽室―
[氷と、水と。
温かな飲み物、薬。
でも、どれだけ揃えても、足りないたった一つのもの。
心細くなったとき、傍にいてくれる家族の温もり。
どんなに頑張っても、それには満たない。
――でも]
大丈夫ですよ。
[出来ることは手を伸ばすだけだから。
チアキに、オスカーに。そっと手を伸ばして撫でる。]
必要なのは…薬よりも水分ですね。
経口補水液があればお願いします。無ければアルカリイオン水かスポーツドリンクで。
薬を長期間飲むと胃が荒れるので胃薬も。
[てきぱきと寮長に指示する言葉が途切れて。俯いたまま、呟く]
でも…、一番は看病する側が病気にならないことだから、気をつけて。
[多分、今娯楽室で寝ている病人たちも。それを気にしてしまうだろうから。]
[昨夜は早めに布団に潜り込んだからか、今朝はスッキリとした目覚めだった。
同室者であるイアンはまだ寝ているようで、起こさないように静かにベッドの梯子を下る。
昨日は眠くて断念したけれど、今日朝食の準備を手伝おうか、などと考えつつ、着替えを始めた。
着替えが終わり一息ついたタイミングで、少し荒めのノック音。
ドアの向こうから、少し焦ったような先輩の声が聞こえた。]
[俺の袖を握った先輩。
おそらく無意識であろうその様子を見て、これはかなりダメージを受けているなと思った。
仲の良い同室者のオスカーと、普段から元気がいいチアキのダウン...か、無理もない。]
先輩、大丈夫ですよ。
風邪なんて、たくさん飯食べていっぱい寝ときゃ治るんだから。
[そう、あえて軽く言って、アキ先輩の手に自分の手を重ねる。
...こんなことで安心させられるかは分からないけど。]
風邪の時って、心が弱くなったりしません?
俺も手伝いますし、うんと甘やかしてやりましょ。
……さて、俺は何を手伝えばいいですか?
[落ち着きを取り戻した先輩の指示を仰ぎ、
すぐさま物置へと向かった。]
[先輩の言葉に甘えて、一度部屋に戻ることにした。
もう少ししたら、消化の良さそうなものを持って来る。そう告げて。
ドアから出る際投げかけられた言葉に、]
先輩こそ。無理しないで、何でも言ってください。
気遣い屋さんな割に、自分のこと蔑ろにしちゃうみたいなんで。
[少し微笑んで言う。
心配してる。
そう伝えたら先輩はどう思うだろう。
さらに気を張って、平気そうな顔をするのではないだろうか。後輩に心配されるようじゃだめ...なんて、考えたりは...。
そう思うと、先の言葉は伝えられなかった。
それじゃ、またあとで来ます。
そう言い残して、娯楽室を後にする。]
― 午後 ―
[さて、様子を見てみるかと娯楽室に来たサミュエル。
病人たちが寝ていたときのことを考え、静かに中の様子を覗いた。]
[>>+8悲鳴のような譫言に、チアキの眠る布団に手を伸ばす。
ぽん、ぽん、とあやすように撫でて。
深くは聞かない。]
[気がつくと、まだ器の中に少し残っているご飯をぼうっと見つめるチアキの姿>>+10
熱でもぶり返したのか、と額に手を当ててもそれほどではない。]
食べられません?
全部食べた方が早くよくなりますよ。
[それでも無理強いはしないけれど、食べられそうなら、と促した。]
―お昼前―
[ぽん、と軽く撫でた布団の下から、ふにゃりと寝ぼけた声が聞こえた。>>+12]
「おかあさん」
[驚いて、思わず手が止まってしまうけれど。
チアキはそれ以上に自分の発言が恥ずかしかったようで、布団にくるまって蓑虫状態だ。
それでも、聞こえてきたありがとう、という声が嬉しそうだったから。ゆっくりと布団越しに撫でる。]
ええ、皆のおかあさんですから。
[母親のようだ、と茶化された言葉に今は軽く頷いておく。]
[みかんを食べながら、オスカーやチアキが起きていることに気がついたら、その口元に皮をむいたみかんを運ぶ。]
はい、あーん。
[困った顔にしても、嬉しそうに食べても。
どちらの反応でもにこにこ笑っている。]
はいはい、オブラートに包んであげますから。
[我儘をそういなして>>+13粉薬をオブラートに包んでチアキに渡す。]
はい、苦くない苦くない。
[そうして飲み終えたなら、いい子、と笑って額にキスする。
もともとそんな習慣はないけれど、小さい頃に親からされた経験のある後輩は多く、体調が悪くなるとこうしてお休みのキスをすることで安心する子も多かった。]
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