25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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―本邸・廊下― [しばし、様子を伺いながら、 ぼうと声を聞いていたのだけれど、ふわり揺れる光の軌跡]
……あ、あの。天満月様……!
[壁から小さく顔をだして、 ぺこりと一礼すれば歩み寄る]
その、夜光のことはあなたのせいでは…… 夜光も、そのように思って欲しくない、はずです……
[彼も見覚えあるものだろうか、 太刀を抱いたまま、傍らにしゃがみこむ。 か細い夜の光は、彼を取り巻くように瞬いて]
(@33) 2010/08/09(Mon) 00時頃
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懐刀 朧は、メモを貼った。
2010/08/09(Mon) 00時頃
…ああ、願っている。
[いつか。
其れを間近で見ることができないことだけが心残り]
片割れ?…高嶺のことか?
[そう言えばよく似ていると、そんな事を思う]
高嶺がそれを望むなら。
…お前がそれで良いと信じるなら、道を選ぶとよいと思う。
慾張り、か。
イビセラが聞いたら、何と言うだろう。
[ふと思い出して、笑った]
記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/09(Mon) 00時頃
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[イアンへの答えにはなっただろうか。 昨晩苦しんでいた、顔を見る。 本郷が苦しむ理由は、 わかる部分とわからぬ部分があった。]
…花が花主なくして生きていけぬように… 花主もまた同じ…、…か…。
[そっと、伸ばされる手はイアンに抱かれる本郷へ。 一度だけ、そっと触れて 撫ぜることなく離れる。 花主の名から解放されたのならそれでいい。 少しだけ哀しく思うのは――…そのくらいには、 付き合いの長い花主を、好いてはいたのだろう。]
(148) 2010/08/09(Mon) 00時半頃
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懐刀 朧は、後は霞に訊くよう言って、引き止められないならイアンと本郷とは其処で別れ。
2010/08/09(Mon) 00時半頃
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…?
―――あべっ!
[此方を見詰める鉄色が何かを言うのかと思えば、飛んできたのは黒い尾。]
お〜ま〜え〜な〜…、んな姿になってもちっとも変わんねえな!
[横殴りにされた頬をさすりながら口を尖らせる。 尤も、本当は痛覚等はとうに無いのだが。 擬似的にずっと痛覚を感じていた身は未だ対応しきれずに、微かに頬をじんと痛ませた。 狼が坐りこめば、その傍らに虎鉄も腰を下ろす。]
(@34) 2010/08/09(Mon) 00時半頃
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懐刀 朧は、記者 イアンが霞の姿を直ぐに見つけることは出来ないだろう。向かうのは、言伝の場所。
2010/08/09(Mon) 00時半頃
奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/08/09(Mon) 00時半頃
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― 庭 ― [今現在青年の心のほつれが出ているのは 退行気味な精神と、現実感の希薄、記憶欠損、幻聴 それは、傍目に何処まで伝わるだろうか?]
え、や……花だからとか 花主だからとか、じゃない、と思うんですけど……
[高嶺の言葉に、少し困った様子で首を振って けれど、見上げ教えてくれる言葉に 小さく頷いた]
……あの、扇ですね…叩かれると結構痛い。 ありがとうございます。 言われなきゃ気づきませんでした 霞にも相談してみます
[そう言って一度、深く頭を下げて ……衣はあの場所に落としてしまったから 一度戻ろうと思い、頭を上げるけど]
(149) 2010/08/09(Mon) 00時半頃
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……明之進?
[確か、夜光の友人だったか。]
……それは…………だけど。
[床へ視線を落とし]
(150) 2010/08/09(Mon) 00時半頃
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[くぁ、と大きく口を開き狼は虎鉄の文句など聞きもしない。 ご丁寧に、耳まで伏せられていた]
───。
[隣に腰かけた虎鉄をちらりと鉄色は眺めやり、 それから自分の体を抱いた花はどうするのだろうとじっと見ていた]
(151) 2010/08/09(Mon) 00時半頃
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[雛鳥の華奢な背を、一度そっと抱きしめて。
迦陵、花菱、愛しい私の傍の花。]
だから、良い子で待っているように。 [白い薄衣はまるで…
人目を避け、霞がごとくに向かうのは、その逢引の言伝の場所。]
(152) 2010/08/09(Mon) 00時半頃
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[高嶺が本郷に伸ばす指は そのまま静かに見守った。 二人の関係は、良くはしらないけれど。]
[花と花主。その言葉には視線を伏せて]
[最期に華月と鵠、二人の花への 悔やみの言葉を口にして 青年は高嶺を去るの背をじっと見詰ていた]
(153) 2010/08/09(Mon) 00時半頃
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……ごめん、やっぱり、わかんないや
[背が消えるまで見送りはしたが
尾行する気には何かなれなくて
青年は幻聴にそう呟いた]
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[カンバスに描き終えたなら ぬるい珈琲も運ばれようか 前の自害疑惑もあってか やけに使用人が優しく接する その優しさも ただの苦しみに成るに過ぎぬというのに]
ん、サンキュ。 ………わがまま、悪いな。
[息を吐く 謝罪を素直に口にして 刷衛に謂われた通りに 大人しく寝台に身を置いた]
(154) 2010/08/09(Mon) 00時半頃
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― 庭 ― [高嶺の姿を見送れば……幻聴には その後誰と会うか、見ておけといわれたが それをしていいとは思えなくて。 青年は青年で、他の場所へ向かう。
まずは本郷が手に巻いていた衣と そして、いつまでも抱えているわけには、 いかないから……彼を寝かす場所を考えながら]
(155) 2010/08/09(Mon) 00時半頃
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[――りん、と。 涼やかに鳴るその音はもう聞こえない。 紙の蝶が華やかに舞うのを見ることも。
――…パチン。 脳裏で一度響いた剪定の扇の音。
……そういえば、歌は聴くことができなかった。 そう思い、目を伏せるのは今はもう眠る幼き花。]
[戸を開くと其処にある人影。 互いに髪下ろした姿は鏡合せの月。 此度、先に約束の場所に着いたのは霞の方で]
―――…、かすみ…
[呼ぶ名は、焦がれる者の名を 紡ぐ。]
(156) 2010/08/09(Mon) 00時半頃
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あ、はい、明之進と申します。 幾度か、夜光とお話なさる姿、見ておりましたので。
[小さく非礼を詫びながら、 ふっと天満月を見つめる、黒紅の中には―― 狭間映す瞳の中には過ぎる、か細い光が]
夜光は、今もあなたの傍らにおりますし…… それに、
[友の声が聞こえて、少し声が震えて歪む]
あなたが求めて下さったこと、 それが何よりも幸いです、とそのように……
(@35) 2010/08/09(Mon) 00時半頃
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―――…夢を、見にきた。
[どれほど、夢に見たか。 月のない時に―――…逢うことを。
望みは―――… 渇望するのは――――…]
(157) 2010/08/09(Mon) 00時半頃
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記者 イアンは、扇を探しに本邸へと向かった。
2010/08/09(Mon) 00時半頃
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ん、何だ…? …夜光も…逝ったのか…、……。
[狭間より聞こえる声に、ぽつと漏らして。]
魂っつうのは、何で留まろうとするんだろうな。
[独り言のように呟いて。 己の頭を撫でた明之進の事を思い出す。]
明之進は何で現世に留まってんだろ。 …俺も何で留まってんのかもう、よくわかんねえけど…。
……現世にも、狭間にも、…主は居ないのに。
[片膝を立てて、顔を埋める。 そして、自嘲気味に笑った。]
(@36) 2010/08/09(Mon) 00時半頃
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なのに… ――――消える事も、叶わない。
[お前は俺みたいになるなよ、と傍らの狼に苦笑し。 狼が何処かへ行くなら、その後をついて*行くだろう。*]
(@37) 2010/08/09(Mon) 01時頃
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…おぼろ……。 [名を呼ぶ声は、昔のものより艶と憂いとを乗せて。]
未練を絶って来たのだと、そう風の噂に聞きました。
夢は最初の一夜限り、二度目は現…獣が本性。 それでも…後悔せぬならば。
[抑え切れぬ因果な本性と、己が手で断ち切らねばならぬ切なさと。
されど、それに勝るは…分かたれた二つが漸く、あるべき姿になれる喜び。]
…抱いて、くださいませ。 [見つめて、そう恋しげに乞う。]
(158) 2010/08/09(Mon) 01時頃
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若者 テッドは、メモを貼った。
2010/08/09(Mon) 01時頃
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― 本邸:本郷の血が散る廊下 ― [夕日も落ち、色硝子越しに美しい影を落とす 強い光がなくなった廊下で 青年は黒い衣を拾う。
探ればそこには見覚えのある扇。 それと、太刀をアケノシンから 奪い取りはしなかったから、 変わりに本郷が使っていた 柄頭の形状が珍しい短剣を手に取る]
(159) 2010/08/09(Mon) 01時頃
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…。
[狼の前足は、傍らの足を踏む。 ふに、と、触感があるならそれは酷く柔らかいだろう。 慰める、という行為にしては優しさの欠片もないのだが。
言葉を言えぬ狼だからこそ助かっていることは一つある。 自害した彼の主の死肉を食らった事を 狼はただ口にせずにいた。 尤も、それ自体狼憑きであった男は忘れていたし、 彼の主だとは知らないままであったから 言うにも言えない状況ではあるのだけれど。
扇、と高嶺が口にしていたので 恐らくは自分が息絶えたあの場所に戻るのだろう。 狼は虎鉄と共にそのあとをついていく。 イアンには己の姿など見えず、ただ虎鉄の姿が見えるに違いない]
(160) 2010/08/09(Mon) 01時頃
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[薄衣の肌蹴た背には、鮮やかに彫られた月下美人。 白き月下美人の花は稀に、赤い果実をつけるとか。 それは、甘く甘く天上の味。
此方が白き花ならば、其方は赤きその果実。]
(161) 2010/08/09(Mon) 01時頃
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― 奥座敷 ― [憂い声は、朧月のものとも似て。 また少し、姿が近くなる。 双花の話には、憂い色の瞳を細めて笑み]
―――…未練ではない。 私が望んで、送った。
[送ることは、蝶だけの望みではなかったのだと。 今、この場は夢と現の狭間。 戻ればまた夢に、けれども喰らわれるを望む獣は 迷うことなく 同じ顔の月の姿へと近づき]
(162) 2010/08/09(Mon) 01時頃
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記者 イアンは、虎鉄がついてくるのには不思議そうに首を傾げたが。
2010/08/09(Mon) 01時頃
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[―――…触れる、]
…私を喰らえ…、…霞…。 …高嶺の名を…全て喰らえ…
元の…1つの月に 戻ろう…。
[渇望していた言葉を紡いで、 半身が望むままに また、1つに交わった。]
(163) 2010/08/09(Mon) 01時頃
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……え?
[言葉の意味を理解しかねて眉をよせて]
夜光が……側に……? ……幸い、だなんて……俺は [ゆるく首を振り]
(164) 2010/08/09(Mon) 01時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/08/09(Mon) 01時頃
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[伝えた友の声に、遅れて気づいた。 その事実に、瞳歪めたまま小さく微笑む]
夜光を――花として、 求めてくださったのでしょう? 良き主に求められるは花として、とても幸福なこと。
……あなたが夜光の花主であらば、 どうぞ、よき主であって下さいませ。
[刷衛に友の笛を、とせがんで、 適うならその黒き笛を――夜光を、天満月の手に託す。 形見は生者が持つものなれば]
私はこれを手にすることは、出来ませんので。
[儚く微笑う]
(@38) 2010/08/09(Mon) 01時頃
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…えぇ。 分かたれて産まれたことがあやまちならば、
あるべき姿に、ひとつに戻ろう。
[求め求められ、重なる躰。 月の見えないこの夜に、白い身体がひっそりと咲く。 その肩へとそっと歯を立てて、赤は果汁が如くに散る。]
(165) 2010/08/09(Mon) 01時頃
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−本邸廊下−
[虎鉄はイアンの視線にそのあとどうしたか。 狼はというと、ただ見上げて、あとは好きにしろとばかり 尻尾をゆらりと振っただけなのだが。
扇にも短剣の鞘にも、施されているのは螺鈿の蓮。 黒き塗りの中にあって蓮の花の色を思い起こすに似た色の丁寧な作り。 それを自分の手ではない手が持っているのは少しだけ不思議だった。
黒い狼の鉄色は、じっとその姿を眺める。 気付けば足元は既に空気に透けていた。 この生が本当に終わろうとしているのが解る。 それでも、狼は彼の行く末をただじっと眺めていた]
(166) 2010/08/09(Mon) 01時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/09(Mon) 01時頃
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[あぁ、何故… 心も体もこんなにも満たされていくというのに、 胸の奥が張り裂けそうなほどに痛い……]
(167) 2010/08/09(Mon) 01時頃
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若者 テッドは、メモを貼った。
2010/08/09(Mon) 01時頃
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[ぱちん、と素人目に見ても 綺麗な細工で施された蓮の紋が入った鞘に収め 懐に扇と共にしまいこむと また、本郷の身体を抱え 今来た道を戻り、一度尋ねた本郷の部屋へ向かう。
蓮畑でもあればそこへ寝かせることを考えたのだが ないから、蓮の匂いが香る部屋へと]
(168) 2010/08/09(Mon) 01時頃
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…おぼろ、…おぼろ…… [その熱き血潮を啜りながら、はらはらと溢れる涙。]
我らが最初から…一人であれば、良かったのに…
(169) 2010/08/09(Mon) 01時頃
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