25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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[立ち上がり、一つ息をついて振りむけば、 足音の主に少しばかり鉄色を丸くする。 その間にかけられた名前の何れにも反応することはなく]
…何だお前、そんな顔をしていたのか。
[返せた言葉は気の利かない一言。 花相手に向けるにしては酷い台詞だ。 ともあれ、声で誰であるかぐらい耳聡い花であるなら解るだろう。 少し視線を持ち上げてしげしげとその顔を眺め]
…あれは、聴覚訓練か何かなのか?
[あれとはすなわち白い包帯の事。 目が見えないと言うわけではないのは、かけてきた言葉でわかったので]
(176) 2010/08/05(Thu) 12時半頃
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[桜色の目立つ髪 白く珍しい西洋の装 見たこともない動きの踊 理解しがたい音の言の葉 親しみのない彩りの芸 異邦を摸する花自身の名]
月の、瀬に 幸せを、得る 今日だっけ…満月、なんだろ…?
アンタなら… セシル…って …喚んでも ……いーよ。
[親しき者にしか教えぬ喚び名 肩の相手へ柔く笑む 媚びを売るわけでなく 独特な一輪が揺れているだけの話 手折られても、と ...自身が意識して居るや否や]
(177) 2010/08/05(Thu) 12時半頃
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[花二人席を辞すれば、 月の佳人と舞台に取り残される。
二人きりになってしまえば、思い出してしまうのは昨夜の事。 イアン様の明け透けな話もあって、 それはありありと思い出されて―――]
あ、あの……僕、琵琶の弦を張り替えて貰いに行ってきます。
[三弦になってしまった琵琶を布で包み、 そそくさと立ちあがった]
(178) 2010/08/05(Thu) 12時半頃
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まぁ、あれが機嫌を害するのも判らなくはない。 同じ顔が今でも若ぶって花の真似事をしているのではね。
[気難しく苦労人に育ってしまったであろう同じ顔の相手を評して苦笑い。]
ん、また折を見て。 [言葉短く、再演の約束。下がっていく花たちを折々見送って。 宴の席が開くまで、しばしどうしようかと迷ってみたり。]
(179) 2010/08/05(Thu) 12時半頃
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殴ら…ないでね… 置いてか、ないでね―……
[一言謝りをいれ やがて直ぐに寝息が伝わるか]
[異国のものに染まろうとする 確乎たる理由は胸の裡に秘めて]
[謝りも、確乎たる理由も 聞かれ話す時が来ようか 今は知れぬまま 夢にまどろむ夢を見る**]
(180) 2010/08/05(Thu) 12時半頃
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お前…………本郷……どの?
[てっきり外見の印象から花だと思った為 呼び捨てしかけ、辛うじて敬称をつけた]
本郷殿もそのような外見だったのだな。
[しげしげと見る相手をこちらもしげしげと見て まんまるの好みそうな顔だなとも思った]
……いや、一身上の都合、だ。 精神安定剤のようなものといったほうが早いか。
[ゆるりと袂から包帯を取り出す ポツリと零したのは相手が花を亡くした主だからか]
(181) 2010/08/05(Thu) 12時半頃
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あぁ、そうしてもらえると有り難い。 わたしは暫く、霞のごとくそよ風にでも乗っていよう。
[琵琶を抱いた雛鳥を送り出し、己もふらりと気ままに邸を歩きまわる。]
(182) 2010/08/05(Thu) 12時半頃
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[少しだけ、名残惜しそうに見詰めた後。 琵琶を抱き、舞台を辞する。
駆けていく姿は未だ子供と変わらぬ姿なれど、 その胸の裡はいつしか囀ることしか知らぬ鳥から、 愛でられて咲く花のそれへ]
(183) 2010/08/05(Thu) 13時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/08/05(Thu) 13時頃
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何だ。私では、何か問題でも?
[少し険のある視線を花へと向けながら、手元でパチリと言う音が一つ。 外見、と聞けば溜息を一つ落とすばかり。口ぶりは少し子供じみていた]
花主らしくないと言うのだろう。 …言われずとも、解っている。
[相手の頭の中で思っていることなどいざ知らず、 しげしげと見降ろしてくる視線に軽く首を捻った。 取り出された白く柔らかな帯状の布。 視界を覆えば当然前が見えなくなるわけだが、 それが安定剤と呼ばれるに至る理由を少し考え]
何か、見たくないものでもあるのか。
[たとえば、なくした主の幻、だとか。 尤も、そんな話はあまりに空想すぎて言わなかったけれど]
(184) 2010/08/05(Thu) 13時頃
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[眠りは矢張り浅く。 何事かそばで聞こえたけれど、それが何であったかは知らず。
瞼を開いて、傍らの花を見る。 身を起こして浮かべるのは笑わぬ笑み]
花は、いつか散るもの。 けれど人の花はいつまで咲くのか。
[手折った花は、いつまで美しくあるのだろう。 髪を撫ぜ、着物を羽織る]
(185) 2010/08/05(Thu) 13時頃
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[舞台から離れた廊下の柱に、こつんと額を預けて]
僕がどんどん変わっていく。 あの方が愛されたのは無垢な鳥なのに……。 僕は、僕…は……。
なよたけの、君――――…。
[嗚呼…と、一つ熱を吐いて。 掠れた声で、彼の人の名前を言の葉に乗せる。
彼の人の朱をなぞった指をじっと、見詰めた後。 愛しげに紅石榴を濡らし、*啄ばんだ*]
(186) 2010/08/05(Thu) 13時頃
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―渡り廊下― [歩きまわって探したが、 どうにも高嶺は捕まらぬ。 は、と息を吐く。]
…――逃げているのではなかろうな。
[むすりとし頬杖ついて遠くを見やる。 風音、木々を渡る。 ――りん、と鈴の鳴る音。 月はまだ顔を出さない。 今宵は満月だという。]
(187) 2010/08/05(Thu) 13時頃
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[花が誰を思っていても、法泉は知らぬ。 父の囲った花が誰を思ったのかも又、噂に挟んだたけのこと。 手元の数珠を音を立てて握る。 己が僧となってから護符のように手元に]
ロビン、身体を清めてまいりなさい。 舞や歌に、花主のにおい入らぬのだから。
[湯を用意させるように廊下から声をかけて、椅子へと腰掛ける。さらりとロビンを見る視線は、その向こうに何を見ているのか。
僧の裡は僧自身にも*分からぬこと*]
(188) 2010/08/05(Thu) 13時頃
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― B棟 ―
……法泉さま
[身じろぐ気配に顔を上げる]
花は、主が望む限りは 咲き続けるでしょう
ここで
[髪を撫ぜる手に薄く微笑み、白い指が彼自身の胸元をなぞる。 着物羽織るを手伝おうと、身を起こし 顔を顰める]
(189) 2010/08/05(Thu) 13時頃
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別に問題はないよ。問題があるほうが良かったか?
[険のある口調に苦笑ひとつ、 あの音は扇の音だったかと思い聞きながら ゆっくりと川岸に腰掛 軽く袴を捲くりつ足を水につける]
……それ言ったら霞殿はどうなるんだ ただ、まんまるに困らされそうな顔 だなって思っただけですよ
[本郷からは視線をはずし、ぼんやりと 風にたなびく白布を見つめて]
……あの人のいない世界なぞ……何一つ見たくない
[聞かれたことに、正直に零した声はどこか虚ろ 本郷が空想と思うそれ むしろ青年は覆う白布に主の幻影を浮かべて見つめてた]
(190) 2010/08/05(Thu) 13時頃
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湯を……嗚呼 そんな事をしたら 名残がきえてしまう
[眉を寄せ、首を振る。 手伝いが来れば仕方なしと重い身を起こし]
主(あるじ)さまの望むように
[彼をそう、呼んで 一度、視線を絡める 遠くを見る同士]
私の舞も、歌も 今日これよりは主さまのもの 花主のにおい要らぬと謂うのなら、その通りに。
(191) 2010/08/05(Thu) 13時頃
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[毒花は、咲き続ける ひとを喰らい 人の腹を借りて 次なる種を産み落とし――]
……主さま、湯浴みを終えたら 向かいたい場所が
[手伝いの手を借り今日二度目の湯浴みへ向かいながら 躊躇いがちに、振り向いた]
ひとつ、礼を忘れていたんです。 それから、楽器の片付けを
[それは許されたか 花がひとり出歩いて良いものかどうか。 眼鏡は脱いだ着物のうえ レンズを通さない視線は、焦点定まらず 彼の先を見る**]
(192) 2010/08/05(Thu) 13時頃
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―渡り廊下窓際―
……――
[窓縁に腕を乗せて凭れかかっていると ふと先ほどの蝶がひらりひらと飛んできた。 蝶が人に慣れるなど話は聞いたことはないが 逃げもせずに傍に止まった。]
…華月はもう、 茶を運んだろうか。
[顔を傾けて呟く。 蝶に答える口はない。]
――…。
[細く、長く息を吐いた。]
(193) 2010/08/05(Thu) 13時頃
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執事見習い ロビンは、記者 イアンと共に表座敷で床に就いていた時の記憶を薄ら辿り
2010/08/05(Thu) 13時半頃
呉服問屋 藤之助は、小僧 カルヴィンが霞月夜の傍に侍る様子を思い出し、よくわからないとも呟いた。
2010/08/05(Thu) 13時半頃
執事見習い ロビンは、説法師 法泉が共に花を連れ歩きたいと謂うのならば、喜んで了承するだろう
2010/08/05(Thu) 13時半頃
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別に。そのような物言いをするから、何か問題でもあるのかと。
[手元で扇が乱拍子のように幾つか鳴る。 乱拍子と言うよりはただ考え事の合間にならすと言うほうが正しい。 時折蓮の香を風に挟みこみながら、足を水に漬けこむ様を見た]
霞?あれは元来花だろう。あしらいも慣れている。 世渡り上手でなければあそこまで身は立てられんだろうさ。 それに、あの脂大福には悪いが家格が違う。 あの甲虫の幼虫のような指で尻を撫でられて悲鳴を上げるほど柔でもなければ そんな隙を与えるほど愚かでもない。そう簡単に困ることなどないな。
[パチ、とまた一つ響いた音はヨアヒムを切り捨てるが如く響く。 流れる白を見やりながら、小さく息を吐き出す]
…そうして、お前は枯れることを望むのか。 主が何を望むかも、考えずに。
[言ってから後悔した。 明らかに、私情が混じっている]
(194) 2010/08/05(Thu) 13時半頃
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執事見習い ロビンは、朧な記憶を甘い吐息と共に押し込めた**
2010/08/05(Thu) 13時半頃
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…過去に囚われて生きるものを現世へ引きずり出せるかと思うたが…
[無理をした指先。包帯に朱が滲むを眺める。]
奴の心の欠片はやはり、あの方とともに行ってしまったのだろうな。 [ひとりごち、ふと薄く開いた襖を覗けば…。]
おや、猫は心地の良い膝を見つけたか。 [若桜が豪傑が如き研師に寄り添って昼寝する姿に、微笑ましげに目を細めた。 それぞれ納まるところは納まっていくのか。 目録にあった名の中、夜光のみは未だ行き先を知らぬ。 彼は以前も売れ残ったのではなかったろうか。]
(195) 2010/08/05(Thu) 13時半頃
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[ぱちん、ぱちん…と静かな中、微か響く 立て板の水のごとく流れる言葉には 小さく笑いを零した]
お前があの人なら、亡くした花が咲き続けるなら 主を捨て生きよと……?
[降る言葉に視線は白布からまた本郷に流れて]
第一……あの人の考えていた事は…もう誰もわからんし これでも、自害を厭うあの人の心には従ってる……
[私情が挟まっていることはきずかず そう言って包帯を握る手の甲で目を覆い芝生に仰向いた]
(196) 2010/08/05(Thu) 13時半頃
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あの子が…やはりあの方の跡目なら…… [過ぎったは寵争った古い記憶。 花の祭りのあの宵に…
彼の履く高底のぽっくりの、鼻緒に切れ目を入れたのは、己に入れ上げた男の仕業。 そのような手を使ってまで、勝とうとは思っておらなんだ。
いくら己が穢れようとも手段を選ばず上を目指すようになったは、おそらくはそれを知ってから。 そのようなことで手にした地位を容易に手放してしまえば、無惨に散ったあの花が浮かばれぬ。 負けることが許されなくなったのは、おそらくはそこから。]
(197) 2010/08/05(Thu) 13時半頃
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[そして、そんな恩を売ってまで、己の心を買おうとした男は…
哀れこの手に引き裂かれ、産まれる子の肥やしにされたという。]
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…それならなおのこと、情けをかけてはあの方に申し訳が立たぬ、か。
[一度は考えたことを、結局己の中だけで引き下げた。 若き夜光が真実を知れば、更に己を憎み蔑むだろうし。
憎まれても、構わないとは思うけれども。]
(198) 2010/08/05(Thu) 13時半頃
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捨てろとは言わない。捨てるつもりもない。 捨てると言うことは、その記憶を消すと言うことは死んだ者の生を否定することだ。 だから、受け入れる。死んだものは還ってこない。
[こちらへと持ちあがってきた視線から、 己が視線をそらすことはない]
自害ではないと?嗤わせる。 お前がしていることは、緩やかな殉死に他ならない。 周りを見ず、主に囚われ、幻の中で朽ちて、死んでゆく。
ゆっくりと腹に刃を突き立てて引いていく時間が違うだけだろう。
[微かに混じるのは苛立ち。 これでもまだ、抑えているほうだろう。 気性を知る誰かが見れば、少しは驚いたに違いない]
(199) 2010/08/05(Thu) 13時半頃
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受け入れる?お前がそれを言うのか? ぬしとて、その花以降、花を持たずして どの口が俺に言う
[その類のことは、散々聞いた。常ならば腹も立たなかった けれど、手の甲の先で見下ろしているであろう男に そうと言われるのは …一つの花以後摘まぬ本郷が言うのは腹がたった。 相手が花主であるなどと、 気にすることも出来ず言葉を荒げ]
[けれど、続いた言葉、正論だった。 そのとおりだと思った。 暫く息がつまり何もいえなくなる]
(200) 2010/08/05(Thu) 14時頃
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――……ならば、ならばいっそ誰か殺してくれ……
[辛うじて、こぼれた言葉は今まで口に出さなかった本心 ゆるく首を振ると、手の甲で隠したところから 一つ、二つ涙がこぼれた]
(201) 2010/08/05(Thu) 14時頃
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呉服問屋 藤之助は、ランタン職人 ヴェスパタインのことを語る「しらとり」のことを思い出しながら、庭を見た。傍らに蝶。
2010/08/05(Thu) 14時頃
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[からりと下駄の音ころがして。窓辺にて庭を眺める花を見る。
幾度か顔を合わせた感じでは、よく躾られた真面目な子。 高嶺が目に適うも道理。 見所がありそうだと感じた者のうちの一人だ。]
(202) 2010/08/05(Thu) 14時頃
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ああ、そうだな。言う資格はないかも知れん。 世界を見たくないと、死にたいと、思ったこともある。 それでも、そう思うのをやめた。
[受け止める。何度も繰り返した痛みの名残に似ていた。 花が主を失うことの痛みを知らないわけがない。 花である前に、主である前に、人が人を失うのだから]
死んだら必ず会える。 それなら、その時まであれの主だったものとして 恥じないように生きようと、思った。
私とお前の違いは、ただそれだけだろうよ。
(203) 2010/08/05(Thu) 14時頃
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―渡り廊下窓際― [からん、と下駄の音がする。 ひとつ瞬き、もたれていた身体を起こす。 りん、と鈴の音が鳴った。]
… 霞月夜 さま か。
[花を伴っていないのを 少しだけ不思議に思いながら 礼を向けた。]
(204) 2010/08/05(Thu) 14時頃
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