218 The wonderful world
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ー回想ー
[生前の自分は、物静かで常に本を読んでいた。知識を得ることは、将来に繋がる。小説も、文献や論文も、ありとあらゆるものを読んだ。娯楽などはあまり興味が無かった。まどかに出会うまでは。
ある時、いつものように学校からの帰り道、バスを降りて海沿いの道を歩いていた時だったか。オロオロと困った様子の1人の少女に出会った。]
「何してるの」
[そう問いかけると、少女は半泣きの潤んだ瞳をこちらに向けて呟いた。財布を、落としたのだと。どうやら彼女は旅行でこの街に来たらしい。旅先で財布を落とすだなんて、致命的にも程があるだろう。当時の僕は半ば呆れながら、彼女に付き合って財布を探した。結果財布は見つかった。]
「ありがとう!えっと…」
[彼女はまどか、と名乗った。僕も名前を教えたら、今度はこの街を案内してほしいと言われた。案内と言われても、観光についての知識もなければ、美味しいお店を知ってるわけでもなかった僕は、困惑の表情を浮かべながら市街地の方へと連れて行った。
ありがとう、と笑顔を浮かべる少女。発言に驚いたり、呆れたりすることもあったが、不思議と彼女と話すのは嫌いではなかった。]
(133) 2015/03/04(Wed) 23時半頃
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[雑踏で私のグラフィティアートの話を耳にしたせいか、本能か。 逃げる足が向かうのは、中葦原公園の方角。
長い間走っていて息も切れる。 身に纏うのは普段着用とはいえ、クラシカルロリータ服。 運動になんて当然向かない。
対してカエルは、スタミナというものを知らないという顔で、いつまでも追いかけてくる。 このままではジリ貧だ。
その時、手にちくりとした痛みが走る。 見れば、そこに浮かび上がるタイマー表示。>>#14
ああいよいよ本格的にゲームじみてきた。]
(134) 2015/03/04(Wed) 23時半頃
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残念ながらぁ〜、さくらはぁ〜、鬼さんが仕事なのでぇ〜
綺麗って言ってくださってぇ〜ありがとうございましたぁ〜 生・き・残・れ・た・ら またさくらと遊んでくださいねぇ〜、可愛いおねーさんっ
[>>130緊迫した状況に似付かぬ気の抜けたお礼と数匹のノイズを投げかけ、残念ながら可愛い女性との追いかけっこはここでおしまいのようだ。
さて、今度は正義の騎士との追いかけっこだ*]
(@40) 2015/03/04(Wed) 23時半頃
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[話を聞けば彼女はキャンパスが違うものの同じ大学のようだ。あまり近くはないため、最初は会うことも余り無かったが、次第にお互いに理由をつけては会いに行く事が多かった。彼女に会ってから、政治系やニュース以外のテレビも見るようになったし、漫画も買ったりするようになった。両親はそれを微笑ましく見守っていてくれた。
付き合うようになってからは、メールも電話もよくした。彼女と旅行の計画を立てて、色々なところにも出掛けた。彼女はカメラが好きで、いつもカメラを持ち歩いては、様々な写真を撮っていた。(幾つかは僕の恥ずかしい写真もあったから消してほしいと言ったが、彼女は頑なにそれを拒否した)
……そうだ。今日も、ついさっきまでまどかとデートをしていたんだ。そして、交差点で信号が青になるのを待っていた時に、トラックが僕らのいた歩道に突っ込んできてーーーーー]
…ああ、そうか。 あの時に、僕は死んだんだ。
[まどかを庇おうとしたが、トラックは僕もまどかも巻き込んで撥ね飛ばした。きっと、まどかも……]
(135) 2015/03/04(Wed) 23時半頃
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──ステラ・ストリート:グランドカメラ前──
…つーことで、仕事休みマス。 婆ちゃんぶっ倒れたっつーのデ。
[なんていうのは嘘である。 だがあの御人好しの店長は「サッサと行きナァ!!」 だとさ。チョチョイのチョイ、チョロいってもんだ。 優しさは時に身を滅ぼす毒…ってナ〜? ポケットにスマホをしまい、代わりに取り出した飴玉。 包みを口で破いて中身を口に収めればこれまた楽しげ。]
サァテ、雑魚敵≪カエル≫だけじゃつまらないダロ。 そろそろ俺のノイズと遊んでくれるカナ…?
[掌に乗せた“狼”が描かれたバッジ。 それを指先で弾く──溢れる、出現する!現れる!! 人の負の雑念≪ノイズ≫から産み落とされた魔物が ドナルドの横に手足が青白いタトゥのような形をした 白き毛並みを持つ猛獣が、今其処に!!]
(@41) 2015/03/04(Wed) 23時半頃
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― ヒラサカ区/1〇1〇屋上 ―
[立ち去る前に何気なく、下を見下してみる。忙しなく動く群衆たちを眺めるのは嫌いじゃない。その中にひとつ、気になるものを見つける]
── ん? あれって…
[人混みに目を凝らせば、 ご機嫌そうな少女の姿>>@21 …から 視線は投げられたものに移り]
(@42) 2015/03/04(Wed) 23時半頃
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ー回想終わり・今に戻るー
[ふと、公園の中が騒がしいことに気がついた。辺りを見回してみると、目の端に捉えたのは青年の姿>>126 >>128、それからその後を追う少女の姿>>@39 >>@40。少女の周りには何やら奇妙な生物…蛙のようなものが跳ねている。]
あれはもしかして、メールにあった…
[<ノイズ>、だろうか。]
(136) 2015/03/05(Thu) 00時頃
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クレープ…いいなぁ
[ぎゅるる。 先程のドーナツはどこに消えたのか、 お腹が恋しそうに鳴く]
…ようし、今日のデザートはクレープ!決まり!
[そうと決まればやる気も湧いてくるもので、バタバタと急いでかけてゆく。仲間の死神たちはもうゲームを始めているだろう。死神ごっこで勝ったら、クレープを奢ってもらうのだ。
いつの間にか紛れてしまった少女がコンポーザーなどと、平死神のキャサリンにはわかるはずもなく]*
(@43) 2015/03/05(Thu) 00時頃
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──サァ、可愛いノイズ≪ウルフ≫ちゃんヤッちゃいな?
[俺なんかよりも、もちろん雑魚敵≪カエル≫より早い。 それがヤマタ電機の先【目的地】へと向けて駆け出す。
…其の先に>>131参加者がいる? サァア?残念ながら俺は知らないナァ〜?]
(@44) 2015/03/05(Thu) 00時頃
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んんぅ〜?でもでも〜、普通は王子様や騎士様がお姫様を追いかけるものでは〜?
あっ、さくらお姫様じゃなかったですねぇ〜 うふふっ、肉食だからぁ〜こっちから騎士様確保しちゃいますねぇ〜
[あくまでふざけた態度は崩さず疾走する姿をやはりふんわりゆるりと追いかける。 雑魚カエルばかりを投げるのは『さくっと死なれちゃ面白くない』、そんな理由である]
(@45) 2015/03/05(Thu) 00時頃
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ふぇ? あれ…助かっ…。
[またね、と去っていくような台詞を吐く女性。 可愛い、と言われたことにお礼を言い返す余裕も、鬼のお仕事ってなんだろう、と聞き返す余裕もあるわけがなくて、状況だけを飲み込んだ。 先程の男性に感謝をしながら、と 息をついて振り向くと。]
ってない!
[ノイズの数は減ったけれど未だ追いかけられていた。 あぁ、もう、どうしよう!とパニクった頭で考えながら。 また逃げ出した。]
(137) 2015/03/05(Thu) 00時頃
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名前?何当たり前のこと言って… …ッ、…!?
[かけられた言葉>>116に、息を飲む。 ぐにゃりと、世界が歪むような錯覚が襲い。
この世界で唯一思い出せる弟 その記憶を、奪った
理解に要したのはほんの数瞬。 見開いた目を、閉じて。 ゆっくりと 開く。
…揺らめくは、憤怒。 自身の喪失に気付いたよりもそれは、深く、暗いもので。 逃げないかという提案>>120には、そちらをチラリとも見ずに言い放つ。]
ダメだ。 直ぐに契約する。時間がない。
(138) 2015/03/05(Thu) 00時頃
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― 赤い終わり ―
はッ… ぅ く…
[細く折れた身体は踞ったまま。 呼吸? どうやるんだ? 中心から広がる痛みが 息をすることを拒む
────はぁ?逃げろ? 動けるわけねぇだろ クソが>>46]
ちっ …
[出たのは力無い舌打ちだけ。 彼がアスファルトを蹴ってゆくのを見守ることしか出来ない。 鈍い音が辺りに響き始める]
(139) 2015/03/05(Thu) 00時頃
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― ヒラサカ区・ヒラサカ駅34番出口 ―
[常ながら酷く無気力な男が、自らの置かれた状況を認識しかかったのは、ヒリと手の甲に痛みが走った頃だった。 煩わしげにそこに視線を送り、目を見開く。浮かぶ赤い刻印>>#14。 重い腰を上げさせるには、充分な驚きであり。]
――あァ、なんだってンだ。
[煙草に火を点ける。 ようやく踏み出した一歩と共に、薄っすらと記憶が蘇る。 見たことのない土地ではない。しかし、覚える違和感は一体? ……どうだっていい。馬鹿馬鹿しい。
ここからならば、電車を数本乗り継げば家に帰れるはずだ。 正常に回り始めた思考を遮るのは、]
(140) 2015/03/05(Thu) 00時頃
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[ どう、事務所に言い訳しようか 今これどうなってんの なんで、俺まで。顔怪我したら… 明日のよていは? 浅い息は思考をも奪う。 それでも、足を動かして立ち上がろうとしたとき]
『おにぃさん、ちょっと』
[いつの間にか軽く持ち上げられた腕と身体 座り込むように降ろされたら ──カチャ
金属がかち合う 音 ]
な に… ────は?
[「近づくな」>>48吠える相方の声が通り過ぎる キャラメルが捉えたのは目の前の銃口。 甘い考えを射抜くように据えられたそれに 呼吸は止まって ───否、忘れて ]
(141) 2015/03/05(Thu) 00時頃
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くっはー!マヌケだぜ! ほっときゃ死ぬだろ!こんなのよぉ!
[一先ずわかった。他は知らんがこいつは間違いない。 ゲームに勝つって目的より、こっちを殺したいって感情が優先されている。 頭に血が上りやすいわけでもなさそうだから、楽しんでるんだ。ゲームを。 なら、あの子は大丈夫なわけで。もういいかなぁ、なんて諦めがまた来そうになる。]
いやいや……! ここで捕まったら、あの子が逃げ切れるかわかんねー。
……王子様、騎士様。こちとら、んなガラじゃねぇんだよ!
[なら、逃げ切ってやる。半刻でも半日でも。 この趣味悪いさくらというオヒメサマから。]
(142) 2015/03/05(Thu) 00時頃
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[ 『 パァン 』
渇いた音 割り込む黒 咲いて散る赤 ]
(143) 2015/03/05(Thu) 00時頃
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……テル?
[モノクロの視界の中、>>128人混みの中を突き切るように走るその姿を遠目に確認した。名前を呼ぶ。 やはり、私と一緒に死んでしまったのか。肩を落とす。
しかし、何かが明らかに変。 あいつ、あんなに腕が短かったかな……?
目をこすりながらそちらに近付いていく。 >>@39彼を追いかけて来ている大量のカエルと、それを従えるように操っている女の子が視界に入ったのは、その一瞬後。]
(144) 2015/03/05(Thu) 00時頃
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[ 声は出なくって キャラメルは散った赤に乗る言葉の色を 無意識に 相方が倒れ伏す姿は 視界に入れる事を脳が拒む 掠めた掌は透明を掴んだ きっと言の葉も澄んだ透明
でも答えが見つかったときには ]
『 おにぃさん、見たからにはアンタもなんだよ 』
[ 『 パァン 』 二度目の銃声は 金を打ち抜く 額に鮮やかな 紅い赤い華が咲き誇った]*
(145) 2015/03/05(Thu) 00時頃
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[そういって、手のひらに現れたカウントダウン>>#14を見せる。 刻一刻と0へ近づくそれは、アルの手にも表れていただろう。 それに、と呟けば 自分を掴んでいる腕を、即座に掴み返し強引に引き寄せる。 強制的にその碧を覗き込み、囁く。]
どれだけ俺を忘れていようと、 俺が何を忘れてようと、
俺のパートナーになれるのは、お前だけなんだよ。 …お前にとっても、それは同じだ。
[重く冷たい声、その表情も固く。 ただ、瞳だけが激情に燃え、異様なまでの熱を伝えていた。]
――だから、今、選べ。
[契約か、消滅か。*]
(146) 2015/03/05(Thu) 00時頃
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看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2015/03/05(Thu) 00時頃
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――変なモン食った記憶はねェけど。
[頬は引きつる。じわり、と伝うのは嫌な汗。 いつの間にか周囲に集う奇妙な生き物>>#8は、少なくともペットにしたいとは思えない、ような。]
クスリでもやったか、っつーか。
[空を跳ぶ爬虫類、とでも言うべきか。良い趣味じゃないか。 あァ、蛙の夢に深層心理なんかあるものか。 随分な空想力だねェ、と自嘲してみたものの、本能が鳴らす警告を無視することは出来ず。]
まるで、狂人じゃねェか。
[はは、と再度零れたのは乾いた笑い。 駅構内へ向かわんとしていた足を逆に向け、勢いをつけて走りだす。]
(147) 2015/03/05(Thu) 00時頃
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[このままなら、行けるかも。 なぁんて考えたのが運のつきだったかな。 視界に入らなければ、きっとこいつらを撒くか、一人でぶっ殺されるか、どっちかにできたんだろうに。]
はしたないオヒメサマめ、遊んでやるからこっち……。
……リンネ?
[捉えてしまった。あいつの姿。 キュッ、と靴が擦れる音がして、走る方向が変わる。 行動したときには、やっちまったな、なんて思ったわけだが。
自分より背の高い幼馴染みを手のない両腕で抱えると、オヒメサマから逃げ続ける。]
っ、状況わかってんよな?お前賢いもんな!? 誰かと、契約したか!?
[そうしなければ、死あるのみ。 ならば、凛音のパートナーだけでも、見つけないといけない。]
(148) 2015/03/05(Thu) 00時頃
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ほっといて死なれても面白くないから〜追っかけっこなんですよ〜?
うふっ、そ〜んな謙遜しなくていいのに〜ぃ、かっこよかったですよぅ〜? すっかり諦めモードだったくせにぃ、何でそんなに火が点いちゃったんですかぁ〜?
[ぴょんこぴょんこ、飛び跳ねて。 その向こう側に別の参加者の姿>>144が見えた]
……むぅ、位置取りが悪くて邪魔出来そうにないですねぇ そろそろおしまいでしょうか ワンチャン狙ってえいっ
[最後に放ったノイズは騎士様の背中を追い抜いて――その先にいる女性へ向かった**]
(@46) 2015/03/05(Thu) 00時頃
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― 1〇1〇前 ―
うんうん、これぐらいかな
[黒いバッチを手に満足気に頷く。 足元には10匹ほどの『カエル』たち。 バチバチとした足で元気よく跳ねる姿に おいし…いや、ノイズは食べれない]
さぁ、いっておいで! 私のクレープのために!
[ノイズは、キャサリンの指示に反応して、 まわりの参加者たちを襲い始めるだろう]
(@47) 2015/03/05(Thu) 00時半頃
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看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2015/03/05(Thu) 00時半頃
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[さらに視線をずらすと、ノイズ……だろうか。に、追いかけられているまどかの姿>>137があった。]
っ……まどか!
[声を張って、彼女の方に駆け出す。少しでもノイズの気がこちらに逸れれば幸いなのだが、そうでなければ彼女の元に走り、彼女とノイズの間に立ち塞がろうとする。]
(149) 2015/03/05(Thu) 00時半頃
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[>>148テルの短い両腕が私の体重を持っていく。 カエルの群れに気を取られたその一瞬、何が起こっているかを把握するには遅れた。]
なに? 待ってよ、ちょっと。ねえ。
[呆気に取られつつも落ち着きを崩さない声で、抱えられる体勢から逃れて彼の横へ。 テルとスピードを合わせて併走する。]
契約? してないよ。 それよりその腕、どうしたの。
[声色はいつもと変わりなく、しかし私の内心は動揺している。 テルの腕が――無い?
ここで思い出すのは「エントリー料」のこと。 一番大切なものを奪われるという、ルール。]
(150) 2015/03/05(Thu) 00時半頃
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……取られたの、腕。
[問い掛けながら、一つ合点がいったことがある。 私の視界、全ての色味を失った世界。
これは、死後の世界がそういう仕様だからではない。 私の目から“色彩感覚”が奪われているのだ。
絵描きである私にとって一番大切なもの、画家生命を維持するといっても過言ではないものだから。 もうひとつ、理由に心当たりが無いわけでもないが。]
あんた、腕無かったら、……どうするの。
[テルの奪われた腕を直視できない。これがもう二度と戻らないなんて思うと――。
その時、一匹のカエルが私に向かって飛んできた。>>@46 間一髪でそれは避ける。しかし、私を追い抜いたカエルが目の前に立ち塞がり、囲まれる形に追い込まれるだろう。]
(151) 2015/03/05(Thu) 00時半頃
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……―― むう …。
…… 可笑しいな。 拙者の完璧な演術が見破られるとは…。
(見縊っていたが 此奴。 …タダモノでは 無いでござるな…)
[>>@33明瞭な苦味が混じる、 その他人事じみた素振りに 口の中で戯言を 転 転 転がす。
小さな呟きを空に吐き出した後 聲に出していた事に気付いて 押し黙り。 茶を濁すように 咳払いひとつ。]
…… かたじけない。
(152) 2015/03/05(Thu) 00時半頃
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[ええい。 恥を忍びて、漏らすは 喧騒に紛れかねない程のちいさき聲。 それでも気弱は混ざらず 常と同じ静だが。
吹き鳴らされる口笛が 空を揺らせば。 一寸の後 組んだ腕を指先で 一度、二度。叩く。]
―…… ほう。 そんなにクレイジーなのか、 そのカツサンドやらは。
[ふわりとしたパンに挟まれた、サクサクの衣。 ……いかん。腹が空く。それは後でござる。]
留めておこう。 …――最も 拙者、まだ果てる気はござらんが。
(153) 2015/03/05(Thu) 00時半頃
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[一瞬。 仏頂は険しさを帯びる。が、それも直ぐ、戻る。 ―― 此処で果てる訳には行かぬ。
コンポーザーと交わした【遊戯】。 その内容を反芻し 噛みしめるも直ぐに散りて。 飄々とした態度を 唯 しかと見据える。]
……さあな。 確かにその方が速いのでござろうが。 ―― 何れにせよ 預かりしれぬこと。
全ての ‟オキテ”は 我々の知らぬところで決められているのだから。
(154) 2015/03/05(Thu) 00時半頃
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