204 Rosey Snow-蟹薔薇村
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[フィリップの様子がかわったことに気づかず]
うん――
二人きり、は、あぶないん、だったっけ。
[嬉しさにまぎれていたけれど。
ふと、改めて二人きりだと気づいた。
それがちょうどフィリップのほうでも起こっているとは知らぬまま]
…………そう 二人きりはだめ…………
こわい……二人きりは怖いよ
[うわ言のように触発されて思考が落ちる]
フィリップ……
もしかして、いま、二人きり……?
[ふと、届いた声に、問いかける]
……ごめん
でも 大丈夫 だから
…………難しい ね
――なら、いいけど。
うん、難しい……
居間には、きっとみんな集まってるだろうけれど。
こんな狭い小屋なのに、ね。
二人きり、なれる場所が多い……
居間じゃ……人間が多すぎて 息が詰まるけど
どうしたら いいのかな…………
縛り付けて 檻にお互い
入っているわけにも……いかないしねーーー
そんなことしたら、みんなにすぐばれちゃうし……
……まだ、大丈夫。
[そう、願うように呟く]
ーーーー………………
ラルフも…………二人 きり?
[トレイルの行動に困惑一つ
覚えはしたが 食べられても良かった
そう書かれた言葉をみた時の
衝動になりそうな それは今はなく]
―――――うん
いま、ノックスさんと、いる……
[つながれた手。
巻かれた包帯。
血の色を含んだ肉。
思い返せば、自制ができなくなりそうで]
……まだ、大丈夫
これから見せてもらうのは、作品、だし。
[ものがあれば、気がまぎれるかもしれない]
ノックスと…………
[釈然としないものを感じる
自身は大人だから
子供と二人っきりでいいのだろうか]
…………そう
でも……気配は……あるの?
[まだ 先ほどもこぼれた思考
緩く首を傾げるように思考が尋ねる]
――っ
[小さく、堪えるように、息を呑む。
ひざの上、抱きしめられているということに、どこか混乱している。
ざわつく衝動の、箍が外れそうで]
…………こわい……
[何を、するのか、
してしまうのか。
――今はまだ、堪えられている]
…………
[自分が感じるものと違う
思考から流れ込むものに
衝動とは違う何かが背筋を冷やして]
大丈夫 落ち着いて
…………どこにいるの……
今 二階にむかってる
[何かあった時 約束通り
鳩尾に一発……その心構えをして]
[この、触れている手を、
見えていた傷口に指を入れて、柔らかな肉をえぐったら。
暖かい血をすすったら。
そんな、想像にくらりと眩暈がする]
――――――フィリップ……
三階、の、廊下……
……まだ、だい、じょうぶ。
[大丈夫だと、言い聞かせるように、くりかえした]
…………っ
[具体的な視覚想像までは流れ込まずとも
今にも外れそうなほど緩む箍の それを後押しするような感覚]
わかった 答えてくれて ありがとう
…………ね 戻ったら 何か 食事 作ろう
美味しくて お腹に溜まるもの
[少しでも 思考をそらそうと考えたのはそんなこと]
――……っ、うん……
おなか、すいている、せいだね……
なんとか、抑えられた、けど……
ちょっと、休む。
[逃げ込む前、視線があったときには、眉を寄せて苦しげな顔をしていた**]
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