295 突然キャラソンを歌い出す村3
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うん。……そういうのできたかったよな。
………。 なんか、あらためて、観覧車、でかいな。
……天気いいから。
こういう日がいいよな。
[相変わらず、大きな金の月が出ていた。]
わかる〜、
オレも来た時観覧車の上ではしゃいじゃった。
※マジである。
…明日も 晴れるといいな。
マニャプィ酒飲んでルニィク炒め食ってくるわ。
[それが発した最後の言葉だ。
因みにルニィクッ炒めはきちんと発音できなかった。*]
え?
[初めてわかるようになった気配が
その瞬間、フッと消えていた。**]
[食ってくる、という事は。
食って、帰ってくる。という意味でもあり。
それが通じたかは解らないが、
まあミタシュに怒られても仕方はないと思っている。]*
[さてこの度キャラソニアに行くことになったのだが、
基本的なスペックはブルー族と同じで、
外見は限りなく人に近い種族はもしかして―――…
異世界チートできてしまうヤツなのでは…?
※この世界でもチート気味です ]
[惜しむらくはもっとミタシュから、
彼女についての話を聞いておけばよかったという事だ。
オススメの飲食物がきけたことは、
それなりの収穫だったといえよう。
あと酒場での乱闘はOKらしいのでそこも参考に。
血みどろバトルが繰り広げられれば血を貰うのも難しくない。]
[冒険者だのなんだのは聞いてないが、
きっと転移先で出会った誰かが押してくれるだろう。
口汚いスラングも聞けたし、
"異世界の言葉を話す方法"も、知っている。
実践されたのは随分と昔だが、
ミタシュがいった"吸った"という言葉をきいて、
イメージは湧いたので多分使えるだろう。
向こうの世界に行っても何ら問題ない気しかしていない。
転移先初めての出会いガチャでSSRをひければこちらに帰ってくるまで可能だろうが、果たしてどのレベルのキャラクターに会えるのだろうか。
全ては不明であり未定であり、
… どんなに九生屋がこちらの世界に帰って来たいと思って、恐らくすぐには無理なのだろう。
それはこちらにいるミタシュも同様に。]
[戻れたらいいな、と思うと同時に、
オレが戻るまでいればいいのに、とも思う。
結局どうなるかなんて、本当に誰も知らない事なのだった。]*
[お腹空いたって言ってるでしょ食べ物の話すんな ――…なんて文句を言う間も無く。]
……え? 死んだ? いや……、
[九生屋の気配が、フッ と "消えた"。]
[転移する直前にその声をきいていたら、
やべ〜そりゃそうだよな〜と勘違いするだろう。
差し置いて向こうに行くのだから。
ミタシュを向こうに連れて行けないのは心残りだ。
――― と、やりのこしと言えば。
そういえば、あの歌に答えを返していなかったんだ。
と、向こうでいつか思うだろう。
マニャプィ酒を飲みながら、
「いつかキミと酒を飲んでみたい」 なんて。]*
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― 遊園地近辺 ―
………、
[その一部始終を見ていた。 一人の吸血鬼が狩られ、消え去り、遊園地の倒壊も、存在も無かった事なる様子を。]
(死んだ。
…いや、消えた…?)
[禍々しい武器が刺さって、かなり重傷に見えていた。然しその後、黄金色の光に導かれる様に――消えたように、見えた。]
―――っ、
[震えたのは恐怖か、はたまた別の感情か。同時にもうすぐ、血が完全に馴染みそうだと思う。あの吸血鬼とは入れ違いとなってしまった。
夜明けが来る前に、赤い蝙蝠は夜闇に再び紛れる。*]
(586) 2019/05/02(Thu) 08時頃
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