197 獣ノ國
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―公園―
[小鳥を抱くように、コートを抱いて公園をゆっくりと歩く。 母が亡くなって暫くは、こうして母のコートを抱いて眠っていた。 灰色になるまで汚れたそれは、仕事で不在がちな父のため。 まだ幼かった自分の世話を焼くために、ともに暮らし始めた祖母の手で、捨てられてしまったけれど。]
だから鳥に―――なりたかったんだ。
[そんなことを歌うように呟けば 先ほど会話を交わした彼の姿が頭をちらついて離れない。
頭上を示された時>>292そこを覗き見ようとしなかったのは。 その後、彼が向けた苦笑いのような表情のせい。
臆病な自分が牙や狼の耳を見れば、そして怯えてしまったら。 そう考えれば動くことは出来なくて。 『信じてもいいか』の問いかけに守られた沈黙にも それ以上踏み込むことは出来なかった――と。 自嘲めいた笑みが口元に浮かんで消え。]
(344) 2014/10/04(Sat) 17時頃
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恐ろしく見える牙でも、誰かを護ることにだって使える。 傷つける狼か、誰かを護る狼か。 [『彼はどちらに近いのだろう。』 そう、独りごちて胸に手を当てる。
ふわりと暖かい風が吹いた気がした。*]
(345) 2014/10/04(Sat) 17時頃
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カリュクスは、ヤニクの連絡先をみつめた。
2014/10/04(Sat) 17時半頃
柿さん
報告楽しみにしてます!
シビアさん
誤爆かな?大丈夫ですか?
方向音痴さん
私はまだ会った事ないんですよ。
「も」ってことは方向音痴さんもでしょうか。
会ってみたいですね(´・ω・)
実感が湧きませんもん。
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―公園→図書館付近― [ふわりと吹いた暖かい風>>345その行先を追うように。 今一度、カフェの方へと振り返る。 何気なく、けれども確かに意識して。 赤を纏う彼の姿を探せば、件の人>>316は少年>>346と、会話をしているようで。]
―――また今度。
[聞こえないとわかっていても、そんな言葉を手向けて。 コートを持ち主に届けよう。と、再び歩き出せば。]
あ………
[ベンチ身を預け、居眠りしている様子の知った顔>>314 風邪をひく。と声を掛けようか悩んだものの、先ほど逃げ出してしまった気まずさもあり。 声を掛けるのは躊躇して、起こさないようにとそっとその場を立ち去って。
目指す相手がどこにいるのか。 どんな人物なのかも知らぬまま、糸で引かれるように足は図書館>>0:17の方へ。]
(361) 2014/10/04(Sat) 19時頃
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□獣につゐて
20xx年10月2日 xx:xx
方向音痴・ザ・マイケル
ほとんどカカオサン
そう。俺もまだ会った事無くて。
だから実感湧かないのもある。でも案外身近にいたりして。
実際ここで見た人も割と近くの人?が獣人みたいだし。
カカオサンは獣人について新しい話とか聞いたりした?
□Re:集え獣人
20xx年10月2日 lu:ln
黒角の黒鹿
外出してるけど、割と平気な感じ。今の所。他の獣にも会ったよ
シェパード
ししゃもおめでとう。カペリンと味比較して来てよ
…ヤダ。角がボロボロになる
公園行って木の枝でも齧ってなよ、似てるよ多分
ま。見つけてくれたら、少し位考えてあげてもいいけど
白カナリア
生えてるよ。フードとか被れないから、そのまま
…大丈夫かな、だといいけど。ありがと
ここ見るのとメールぐらいにしか使ってない
どこに目覚まし入ってるんだろう…
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―図書館付近―
[公園を通り抜け、気がつけば図書館前。 何故ここに来てしまったのだろう。と、考えれば理由は明白。
本屋、公園、そしてここ―――習慣になるほどによく足を運ぶ場所。
だから、今日もつい足を運んでしまった。 そんなことに気がつけば、自分の単純さに苦笑が浮かび。
そして一つ。大事なことに思い当たる。]
そういえば、外見的な特徴を聞いてない。
[連絡先を端末に打ち込む様子>>292は見ていたから、どうにか名前はわかるものの。 そういえば、細かい情報は聞いていなかった。 今更ながらに自分の不注意さに呆れながら、どうしようかと首を捻って。]
(377) 2014/10/04(Sat) 22時半頃
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こうすれば、運が良ければ―――
[運が良ければ向こうから、見つけてもらえるかもしれない。 それに、自分の身体より大きなコートなら、翼を隠すにも好都合。 そう考えれば、ばさりと白のコートを羽織り
図書館の扉に手をかけた**]
(378) 2014/10/04(Sat) 22時半頃
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―図書館・館内― [ぎぃぃと重たい音を立て、両手で図書館の扉を開く。 自分の物ではないコート、その袖をよごさないように捲りあげて。
そうして、館内に滑り込んですぐのことだっただろうか。 くまなく書架の間を巡ろうと、足を踏み出しかけた時 怪訝そうな声>>383が耳に飛び込んできて、ぴたりと足を止め
こちらへと近づいてくる様子に、自らも一歩踏み出して]
あ、あの――― このコートの持ち主を………
[知っていますか。その言葉を飲み込んだのは、ぷんと鉄に似た匂いを嗅いだせい。 人間の嗅覚と比べれば、鳥の嗅覚は些か鋭くて。 だからその匂いに、怪我でもしているのでは。と表情を曇らせ]
凶暴な狼さん―――ですか? 取り返したのではなく、預かったのです。 貴方とお話ししたいと思ったので。
(389) 2014/10/05(Sun) 00時半頃
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[頭によぎったのは少し前、ヤニクと交わした会話。
『犬歯を見せたら怖がらせてしまった』と>>292彼が言っていた その結果が、目の前にいるこの人物の言葉なのだろう。 そう考えれば、きゅうと胸が締め付けられるような気がした。
自分にとっては凶暴だとは思えなかった彼。 けれども、牙や爪を見せられれば怖がる者もいるかもしれない。と
泥濘のような思考に足を取られながらも、相手の方へとまっすぐに視線を向ければ、 軽口と苛立ちが混ざったような口調>>384とは裏腹に、柔らかい表情。
けれども、そのアンバランスさには安堵よりも違和感の方が強く。 爪が食い込むほどに強く、己の手を握り締めて]
(390) 2014/10/05(Sun) 00時半頃
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まずコートをお返し、しますね。
[牙や爪が無くても、人間と姿が違うのは自分も同じ。 恐怖を抱かれるかもしれない。と言うのはわかっていたけれども。 それでも――――
羽織ったコートを脱ぎながら、ついでにケープも後ろへずらす。 鳥の翼は相手の瞳に捉えられただろうか。]
よろしければ、あなたが興味を持っているという話を 教えていただけますか?
[声が少し震えた]
(392) 2014/10/05(Sun) 01時頃
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