3 ビー玉坂〜卒業式の前に視るその場所は…
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[会話に眼を眇める。]
……注意しろッて、どう言う こと?
何 え。鬼って、ばれてんの?
――…
……なら俺にも気をつけるんだな。
……もう、 血、… を 飲んで、しまった。
[これは、意志の脆弱さの差か。]
…… 忠告は、ありがたく受け取るさ。
鬼
でも
ケイトをみつければ
[甘いことを思う。]
飲んだ………
ああ ああ ああ
[渇く]
[渇く]
ノマセ…………
あああああああああ
[ くろ は まどろむような微笑 を ]
はやく みつけ て ね
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―南棟2階― [上からも、下からも、人の気配。 姿の見えない《もの》を探すのは、骨が折れそうだ。]
……――楽譜……
[はた、と思い出したように階段下を振り返る。 けれど、戻る気にはなれず。 結局そのまま、歩いていく。
闇が、蠢いていた。
音楽。ピアノを“弾かないといけない”。でも。 顔を上向けて、3階を見る。]
(556) 2010/02/27(Sat) 23時半頃
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っ、…しまっ…
[失言だった。]
――おい、…正気を保て。
……――…、だめだ。
[――自分は、堪えられずに啜ったというのに?]
[息遣いは荒い]
[帽子の向こうの目は血走っているか。]
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
|
―南棟2F⇔3F階段―
う、わッ…!?
[呆っとしていたのだろうか。 駆け上がってくる足音に気づくのが遅れた。 どすん、と肩をぶつけて走っていく黒髪の男。]
…… 、…さ、サイモン、…?
[購買部に居たのではなかったか。 後ろから追ってきたのは、腐れかけた圧死体]
ッ …!!
[是も非も無い。逃げるように駆け上がった。]
(565) 2010/02/28(Sun) 00時頃
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[狼狽したのは、こちらの様子も兼ねて。]
―― ……ッ。
[ 何 を。 ]
[ いまさら。 ]
[ これから ―― を ―― するのに。 ]
奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/02/28(Sun) 00時頃
……おい!
[ 鬼は、
捕まえる ものだ
けれど、 その、悲鳴は。]
……耐えられないなら、言って下さい、って。
さっきもいったじゃないですか。
[その声は甘くまどろむようなものではなくて]
――こわいんですね。
ならいいです、何かが変わったら、私のせいにしてくだされば。
僕は …… ――
[みつけて。
帰して貰えるなんて。
おくって。
帰して貰えるなんて。]
消されたくない。
[帰りたい。
そんな、望みは抱かない。]
|
―南棟3F― [死体の足は、さほど早くは無いが 自身の体力も高いわけではなく]
ッ…… う、わ!?
[すごい速さで掛けていく黒髪の少女が見えた。 それを追うクラスメイト――オスカーの姿も。]
……、な、に。
[しまった。人が多い。 そうは思ったが、ディーンと――そしてドナルドから血を飲んだ所為で、今は衝動が抑えられているらしく。 走り去った2人とは逆のほうを見れば、うずくまる科学教師の姿があった]
(569) 2010/02/28(Sun) 00時頃
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……先生?
[距離をとって、呼びかけた。 走り去る2人を見るに、ただ事ではないか。]
(570) 2010/02/28(Sun) 00時頃
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鬼はつかまえる……
こわい………
消されたくない……
[どれも、本当で…]
はは はは はは
……僕はそれだけさ。
[呟きのように言って。
苦しんでいる相手に意識を向ける。]
あんたは 違うんだな。
……――。
[帰れない。
帰りたくない。
帰りたくないから、此処にいたのに。
何処へ、行けばいい。]
……わからない
[消されたくない。
それは、本当なの、だろう、けれど。]
|
―南棟3F― [マーゴとオスカーが走り去ったほうをもう一度見る。 もう、すっかり姿は見えなくなって、 足音は遠く]
……、
[一歩、スティーブンへ距離を詰めた。]
…――先生?
[――お節介。 恐らくは、赤毛の莫迦が伝染ったのだ、と なぜか思いながら。]
(576) 2010/02/28(Sun) 00時頃
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[感じる3つの揺らぎに、闇の中まどろんでいる。
希望も絶望もどちらも持ってはいなかった]
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―南棟3F― ……。……
[スティーブンスはただの頭痛だというが、 焦点が合っていない、と思う。もう一歩、前に]
――……この異常事態に… みっともないも、なにも、…無いでしょう。
[あかが、 ない から、まだ、平静を。 けれど、彼は自分の異常な状態を見ているはずだった。 大丈夫か、とは訊かない。 大丈夫、と答えるに、決まっている。]
…――今、マーゴット、走っていきましたけど。
[だから、違うことを訊いた。薄紫の眸を一度瞬かせる。丈が合わず、長い袖を少し片手で上げた。]
(585) 2010/02/28(Sun) 00時半頃
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―南棟3階>>592― [矢張り、気づかれるだろう。 僅かに血を残す唇をちらりと舐め。]
…、――…拝借しました。 でも、…渇いたままです。……近づかないでください。
[――それ以上は距離を詰めない。]
――…………、…見栄ですね。 嗚呼…でも。
[見栄っ張りは、同じか。と。ピアノを弾き続けることを思う。 スティーブンスの声が常より大きい。まさか声が聞こえにくくなっているとは気づかず]
……――“好かれた”?…まさか、…
[自分と同じか、と表情が苦いものになる。]
(597) 2010/02/28(Sun) 00時半頃
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奏者 セシルは、……――先生?と。もう一度怪訝そうに訊いた。
2010/02/28(Sun) 00時半頃
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―南棟3F―
――……、――
[唇を引き結ぶ。 首筋に歯を立てた、鼻腔を擽った煙草のにおい。 咽喉に、手を当てた。スティーブンを睨みすえる]
…――っ…
[欲しい。赤が欲しかった。 身体が勝手に。拒否されなくて、戸惑いながらも、 血の味に酔った。――酔って、 でも。
澱のように沈んでいた、心に広がった闇色が 薄紫を、揺らした。揺らした――]
(617) 2010/02/28(Sun) 01時頃
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なんですか それ
[戻らなかったら、抑えられなかったら。 血を吸うような衝動はいつまで]、
戻らなければ いつまでも 戻らなければ
[帰れない。帰りたくない。 なら何処に行けばいい。 (お兄ちゃんは上手なのに、セシルは――) (――居なくても)]
死ねって謂うんですか
[絞り出すような声が、出た]
(618) 2010/02/28(Sun) 01時頃
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――っ
[違うそうじゃない。きっとそうじゃない。 スティーブンが謂おうとしているのは、 だけど止められなかった。 サイズの合わないシャツの、咽喉元を握り締める。]
ドナルドは一人じゃない。 ひとが、いた 。 ひとといたら、 血が欲しくて、たまらなくなって。
今だって!!
[激昂した。鋭い犬歯が覗く。 要らない。違う。そうじゃない]
俺だって好きで血なんか吸ってるんじゃない!!
(622) 2010/02/28(Sun) 01時頃
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ッ…、
――、… 知らない。そんなのは、知らない。
[首を横に振った。 次いで襲ってくるのは自己嫌悪だ。 薄紫の眸が大きく揺れた。]
じゃあどうすればいいんですか。 解らない。…解りません。
[詰めた距離を、後ずさって、離していく。]
俺にはわからない…!!
(624) 2010/02/28(Sun) 01時頃
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―南棟3F― っ――、…どうしようもないなら、 治らなければ 何処にも行けなければ ……死ぬしかないじゃないですか 違いますか
[薄紫の双眸が揺れる。 距離を詰められるのを怖れるように、後ずさる。]
――っ、……厭だ、 …近づかないで ください
[首を横に振る。]
襲うんですよ 誰かが居ると ――ばけものだそんなの …分からない。分かりません。分からない!!
(632) 2010/02/28(Sun) 01時頃
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―南棟3F― [後ずさって、背は階段の手摺にぶつかる。]
ッ、だから、 誰かと居たら、襲うのに。 居られない。どうしようもないじゃないか!!
[逃げなければ。 階段を降りていこうと、手摺に手を掛け、 ――…駆け下りるのが一瞬遅い。 右の手を、掴まれる。びくりとひるむ。]
近づくな…! 襲われたいのか!!
(636) 2010/02/28(Sun) 01時半頃
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―南棟3F>>635―
っ、どうして……
[滔々と語られる言葉に首を横に振る。]
どうして、なんて、 だって、……そうなんだろう…!!
化け物は俺のことだ、 ……セシルだし、化け物、なんだ …
[段々と語尾が弱くなっていった。 俯いて、前髪が表情を隠す。]
(640) 2010/02/28(Sun) 01時半頃
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