25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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小僧 カルヴィンは、奏者 セシルへと笑みを向ける。それが答えになるだろうか。
2010/08/03(Tue) 04時頃
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[真水を半分まで減らすと、他の花へと謝る桜の色を見た。 花主達には謝る理由が彼にはないのだろう。 その姿をらしい、とも思い、しかしロビンを追わぬ姿には 感情だけで動く性質ではないことも知れるか。
哂う少年の消えた方を見る。]
(143) 2010/08/03(Tue) 04時頃
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…まったく。
[小さくぼやくのは花に対してか、祭りに対してか。 それともヨアヒムそのものに対してか。 本来場を収めるべき主催はどうしたのかと思えば 別の尻を追っかけまわしている始末。
こんなに疲れる花祭は初めてだと思いながら落雁をひとつつまむ。 その甘さが妙に優しいと感じられた。 舞台を降りてきた花達の姿を眺めつつ、 現役の花の中にあって霞の違和感のなさに思わず変に感嘆の息が零れた]
(144) 2010/08/03(Tue) 04時頃
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とわにお傍に御仕えするのは、流石に…義父がおりますゆえ。
[首をかしげて微笑めば、粋に衣紋を抜いた背に、ちらりと覗く花の紋。]
花の祭の最中ならば、一夜の夢くらい見るのも悪くはないとは思います。 [小声で囁くは本気か冗談か。 弦を押さえていた長い指は、淡く紅引いた唇をそっとなぞった。]
(145) 2010/08/03(Tue) 04時頃
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いや、構わねーよ。 舞には場所も使うだろ。 俺が上がればやっぱ、邪魔だったかもな。
全然舞も拝めなかった。 今度、ロビンと一緒に見せてもらっていいか?
[包帯を巻く彼にはそう告げる 落ち着きもしたのだろうか やや微笑みも向けて]
俺は月瀬 幸得。
[彼が舞台を離れるより前に その場に居る者へ届くよう 名を名乗る]
(146) 2010/08/03(Tue) 04時頃
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門下生 一平太は、メモを貼った。
2010/08/03(Tue) 04時頃
懐刀 朧は、ランタン職人 ヴェスパタインを見る。変わらず、高嶺とは対照的なその姿に黒檀を細め。
2010/08/03(Tue) 04時頃
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少々我がお強いようですね。あの花は。 面白い、とは思いますが、果たしてどんな芸を見せるのか。 楽のようですが。
[花主の言葉に頷いて。 迦陵へと目を向ける]
名のために歌うものでなくとも、その名には意味がある。 私には。
とはいえ、貴方に出来るのは花として歌うことだけですが。 その名は誰かが呉れたのでしょう? ならば、それだけのものを見出したのだと思います。
(147) 2010/08/03(Tue) 04時頃
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何、そんなに大掛かりな芸をするところだったのか? 舞に関してはいつでも構わないですよ。 大概稽古してるか寝てるだけですので。
[包帯で視界を覆っているから、その毛の色も 風変わりな衣装も、荷も知らない。 微か画材の臭いが届くなら、口にはせぬが興味深げに思う]
私はイアン=薗。ご覧の通り舞手です。 とは言っても、私は主を欲しておりませんが。
[聞こえた声にそう返して 手探りで杯を得、屋敷のものに酒をもらう]
(148) 2010/08/03(Tue) 04時頃
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奏者 セシルは、小僧 カルヴィンに笑顔で返す 頷きを一つ添えて
2010/08/03(Tue) 04時頃
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養父、ああ。 それはそうだ。
[苦笑。 囁かれる言葉に手を頬へと伸ばす]
さて一夜の夢とはいかほどのものでしょう。 夢というからには覚めなくては困る。 囚われぬよう、お願いしたいものですが。
(149) 2010/08/03(Tue) 04時頃
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[霞の言葉にふと思い出す。
虎の主を食った時には、花は食われた男のそばには居らず。
ただ、つまらぬ食事であったことしか覚えていない。
味はまあ、それなりでもあったが]
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――…他にも、未だあるのか?
[華月へと問うのは他の芸の話ではなく、 違う手妻もできるのかという話。 宴席を楽しむもの達を一度眺め、本郷の姿を仰いでから、 真水が全てなくなると高嶺の姿は大広間から消えていた**]
(150) 2010/08/03(Tue) 04時半頃
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本屋 ベネットは、空の杯に酒を注いで少し舌を湿らす。
2010/08/03(Tue) 04時半頃
懐刀 朧は、メモを貼った。
2010/08/03(Tue) 04時半頃
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[花時代の艶をいまだ失わぬかつての花は、若き僧侶をそっと絡めとるように微笑む。
頬へと伸ばされる手に、そっと回りから気取られぬように唇を軽く触れ。]
…ここでは、人目がございます。 [意味ありげに見つめると、小さく囁いた。*]
(151) 2010/08/03(Tue) 04時半頃
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法泉さまには、ですか……?
[不思議そうに紅石榴を瞬かせて。 金の髪を揺らしながら首を傾ぐ]
……そうですね。 僕はやはり鳥として囀るだけです。 でも名前を着けて下さった師の恥にはならぬよう、 努々気をつけようと。 法泉さまのお言葉に、思いました。ありがとうございます。
(152) 2010/08/03(Tue) 04時半頃
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[ちらりと水の杯を傾ける高嶺に視線を向けたあと、 空になった舞台に視線を向け、鉄色を僅か細める]
…何とも、上がりにくそうな舞台だな。
[ぽつりとこぼすのは本音。 いっそ此処で我こそはと上がってくるぐらいの度胸のある花がいれば 評価は上がるわけだが。 そこに華月や鵠の姿があればためしに視線を向けてみる]
(153) 2010/08/03(Tue) 04時半頃
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[場を離れる夜光の様子 気掛かりにもなりながら 見送る先には大男の姿もあるだろうか]
大掛かりってわけでもねぇし 歌や舞や笛や太鼓みてーな ド派手なもんでもねぇ 出来上がるには時間もかかる 下手すりゃ年単位だ
過程見てても飽きるような 地味な芸しか持ってねぇよ
[但し 出来上がりは類い稀なる名画の如し この場に喚ばれるに相応しい芸事でありながら その名が通らぬのは 気ままにしか描けぬ気性故か 見世物の花としては教養がなさすぎる故か]
(154) 2010/08/03(Tue) 04時半頃
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それでは鳥はこの辺にて。 ごきげんよう、主様がた……。
[袖を合わせてお二方に一礼した後、座を辞して。 しゃらしゃらと手足の金の輪を鳴らしながら、 舞台を降りる。
鳥は其の侭秋と冬を纏う友人が出ていった方へと、 金の残滓を残して*翔けていった*]
(155) 2010/08/03(Tue) 04時半頃
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[上がり難そうな舞台。] [その言葉が耳に入れば肩を竦めて。 派手にやり過ぎただろうか? 興が乗ってしまったとはいえ引くべき立場である 主を求めぬ花としては苦笑せざるを得ない]
……あまりに、寂しいようでしたら 私が責任もってまた舞います。
[そうもつげながら]
(156) 2010/08/03(Tue) 04時半頃
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おいドブス! 舞台は空いた、勝手に使うぞ! 次止めたらぶっ殺すからな!
[舞台袖から声を張り上げる 坊主と琵琶がなにか囁き合う様子も 眼の端に捉えはするものの なにか咎める事はなく]
琵琶の花主さん。 あと坊さんも。 ま、見とけば?
[それだけ零すとやっと舞台へ上がったか]
(157) 2010/08/03(Tue) 04時半頃
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[頬へと触れた掌はその肌へ吸い付くように。 唇が触れると微かに指でなぞる]
では、人のいぬ場所で。 夢など見ぬ私に、それを見せて貰えるというのですから。
[囁きには、囁きで答える。艶めいた唇の動きに口元は弧を描く。 細い目の奥、鳶色はやや色を帯びて]
(158) 2010/08/03(Tue) 04時半頃
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[届く溶き油の臭い。月瀬の言葉に 合点がいって頷く。]
なるほど、なかなか祭には確かに難しそうですね。 年単位とは驚くばかりです。
[月瀬の言葉に明るく笑って。 ただ>>157の言葉には驚くばかり。 そう言えば、先程から聞こえる声は そういえば本郷と呼ばれていた花主のものか ブスと呼ばれるその姿を見たことはないので まさか間逆とは知らず、おやまぁと思いながら]
(159) 2010/08/03(Tue) 04時半頃
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[さて、その二人がどんな反応をしたかはさておき。 すっかり霞が乾をかどわかしにかかっている様子を見、 一人二人と思い思いに舞台の傍を離れていくを見る。 見たい舞はあれど、それを尋ねたところでどうするわけでもない]
…お前が気にせずともあれが何か始めるようだ。
[こちらに怒鳴る姿に今更返す言葉など必要もなく。 別段止める必要もないわけで、どうぞお好きにとばかりに手で舞台を無言で示す。 何を始めるのかと見ている間、幾度か手元では扇がぱちりと音を立てた]
(160) 2010/08/03(Tue) 04時半頃
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ええ、私には、御仏の道にいるものには、その名は知られた名でございますから。
[迦陵の言葉にそう返す。 礼にはただ頷いて、辞する様子を見送った]
ああ。騒がしい花ですね。 見ておきますから、存分に見せると良い。 自信がおありのようですから、期待しておきますよ。
[舞台に上がる月瀬と名乗った花へと視線を向けた。 また舞う、というイアンの言葉も聞こえて、舞台の上の演目を*待つ*]
(161) 2010/08/03(Tue) 04時半頃
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そのようですね。なかなか元気がいい。 ……失礼ですが、確か、本郷殿でしたか? そう呼ばれているのを耳にしました。
[口元に酒を運びながら、 何か、硬い音もする方へ向きながら口にする]
(162) 2010/08/03(Tue) 04時半頃
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説法師 法泉は、メモを貼った。
2010/08/03(Tue) 04時半頃
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[重いケースを舞台へあげ 屋敷の者ががたがたと準備を始める 並べられて行くのは 大樹には珍しい画材道具の数々 イーゼル、油絵具、筆 近付けばツンと鼻をつく独特な匂いもしよう カンバスに至っては 服と同じく真白な 畳二丈ほどの大きなもの]
………。
[用意の済んだ椅子に腰掛け 数度息を整える やがて筆を持つ頃には 集中で回りの声など聞こえもしない]
(163) 2010/08/03(Tue) 04時半頃
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元気がいいどころか、文字通りのじゃじゃ馬だな。 花とするかも怪しいが…まあ、ああいうのが好みの主もいるだろう。
[パチ、とまた一つ扇を鳴らす。 名を問いかける声に、もう一つ鳴った]
…ああ、確かに。本郷碧と言う。 それが、何か。
[首を傾げると、ごく僅かに蓮の香りが揺れる。 鉄色の視線を舞台のほうへとやりながら逆に問いかけた]
(164) 2010/08/03(Tue) 05時頃
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私が主に引き取られたのは 彼よりももっと幼い性分の頃でした。
……丹精こめて育てるのを好む花主が 現れると良いですね 本郷殿は完成された花のほうがお好きで?
[小さく笑いながら率直な評を聞いて 手癖なのだろう、硬い音が響く]
立場は違えど同じ祭に参加する同士 名を間違えて覚えているのでは頂けませんので 確認させていただきました。 それとも、何か、なければ不味かったですか?
[逆に問われて軽く眼を丸くする。 とは言っても包帯の奥だが。 そうして、ついで自分の名前も青年は告げて]
(165) 2010/08/03(Tue) 05時頃
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[真白な上に滑らせる筆 唄にこそなりはしないが 唄をなぞるように 色彩を重ねていく 美しい紺の空 そよぐ木々の葉 ひとつ落ちる夜露 眠る小鳥]
[無言でカンバスに向かう姿は 先程威勢よく喚いた姿とは一致しない 真剣な表情が まっすぐなヘーゼルが 舞台の上で 夜の宴を描く]
(166) 2010/08/03(Tue) 05時頃
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記者 イアンは、奏者 セシルの筆がカンバスにて鳴らす音がこぎみ良いと感じた
2010/08/03(Tue) 05時頃
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…完成されているかどうかより、強いてあげるなら 己が手をかけて育てたいと思う花、だな。 あとは、どれだけ罵られようと蔑まれようと 這い上がってくるだけの根性は、必要かも知れん。
尤も、新しい花なんて必要だとは思っていないんだが
[パチリ。もう一つ音が鳴る。 植物の剪定の音や、秒を刻む針の音に似ている]
別に。尋ねる様に聞かれたから、何かあるのかと思っただけだ。 成程…おまえ、左舞の薗の出か。
[名前を聞いて納得したのか、そんな言葉が出る。 酒杯を僅かに傾けながら、今度はこちらが問いかける番だった]
(167) 2010/08/03(Tue) 05時頃
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[舞台を見るものには詰まらぬかもしれぬ 桜の花がただ静かにカンバスに向かう しかし花主の眼が 舞や演奏でなく 絵画芸術に秀でて居るなら ...の芸事は面白く在ろう カンバスで混ざり合う色の繊細さを 乗せられる絵具や筆運びを]
[なにより 見るだけでその世界に引きずりこまれそうになる]
[それほどの感覚を覚える花主が在るや無しや]
(168) 2010/08/03(Tue) 05時頃
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[カンバスにぽかりと浮かんだ円い紅月 総てはその月が知っていようか――…**]
(169) 2010/08/03(Tue) 05時頃
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[絵というものには、男はあまり強くはなかった。 ただ、それでもそれなりの愉しみ方と言うものがある。
何故その色をそこに乗せるのか。 その色が、その絵の中でどんな意味を持つのか。 こういう発想は純粋な探究心によって生まれた。
その次には動作。 一番長く親しんでいるのが舞であるからかもしれない。 優雅さや洗練と言ったものを排除した機能的な動き。 その中にある実用の美]
…面白い。
[それが、男の純粋な感想だった]
(170) 2010/08/03(Tue) 05時頃
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奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/08/03(Tue) 05時半頃
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成程、手をかけて育てたい、花ですか。 何かしら御眼鏡にかなう要素があればと ……罵り蔑み育てるのですね。なかなかのスパルタだ、本郷殿は
[そのようには育てられなかっただけに 本郷の言いうようにまた一つ笑う。 新しい花が必要でないと聞けば「左様で」と それは、此方も気楽だと内心思いながら 独特の音を聴きつつ酒を舐める]
おや、お詳しい。 現実は昔左右で分けたほど家も残っておらず、 そも、奏者と舞い手が分業化したのもあり 舞は左右拘らず憶えど、楽はからきしですが。 ……先程も止めに動いておられましたが 舞がお好きなのですか?
[キャンバスの音は次第に乾いた音から変化する 多分に絵の具が折り重なっているのだろう 視界を覆っているので絵自体は見えないが]
(171) 2010/08/03(Tue) 05時半頃
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