25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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知らない、知らない、知らない!!
どっちでもいいからひっぱってこい!!
じゃないと、多分セシルが泣く!!
[どんな人物かもわからないのに
そんなこと聞かれても困る。
幻聴に噛み付いて]
そうかそうか。
ならば引っ張ってこよう。
[と、一応言うものの]
だが、明をみつけるのが先だ。
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[現世の声の、遠くなる。 遠くなれども]
――……主様、
[その呼ぶ声だけは、 黄泉よりの声よりもまだ強く響く、
一つ呼ばれるたびに、強く]
(@22) 2010/08/09(Mon) 21時半頃
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そう、二人とも………あれ……?
あれは……
[幻聴に話しかける途中、
門の傍、葉桜の下、置いてあるもの
画材道具、それに……]
……赤い、椿……?
[それは黄泉銀花]
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[その部屋で、自由になれと明に言ったこと。 そして、明が打ち震え、
白き椿がぐしゃりと潰れたことを思い出す。
床の間の紅き椿は熱で捩れているが……。まだその首は落ちてはいなかった。]
(111) 2010/08/09(Mon) 21時半頃
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始末屋 ズリエルは、もう一度、明を大声で呼んだ。
2010/08/09(Mon) 21時半頃
若者 テッドは、メモを貼った。
2010/08/09(Mon) 21時半頃
落胤 明之進は、炎の先を仰ぎ見れば、ひとつ足を踏み出して
2010/08/09(Mon) 22時頃
記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/09(Mon) 22時頃
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―椿の間― [翻る白装束に緋色を燈し、 それはその部屋の入り口に静かに佇む]
主様、 どうぞ、早くお逃げ下さい。
[心揺らがぬように俯いたまま]
……お別れにございます。
未練となりますれば、 ご挨拶するつもりも、なかったのですけれど。
[薄れた姿は、両手で太刀を差し出せど、 その片手は既に現世の者にはうつらない]
(@23) 2010/08/09(Mon) 22時頃
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[火の手はどんどん増す。 さすがに、天井崩れれば、いくら丈夫でも持ちまいと思うが、 それよりも、探さねばならない気持ちがまだ勝り…。]
――……わかってるのにな。
[透けて見える感じ、 最初であってからの混乱、 明の主がいないこと、
そのほかも、ふと現れたり消えたり…。]
わかってるのにな。
[もうそれは現の存在ではないこと…。]
(112) 2010/08/09(Mon) 22時頃
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[だけど…]
>>@23 [やっと現れた姿にほっと息をつく。]
明、やっと来たか。 逃げるぞ。
[その言葉を聴こうとはしていない。]
(113) 2010/08/09(Mon) 22時頃
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― 屋敷の外:門:葉桜の下 ― [総てが崩れ落ちる前に 灯のない方へ、ない方へと選びながら 門外への道を進んで。
暗い中、屋敷から照らす炎を受ける 葉桜の植わる門外へ。 そこには荷が…セシルが見れば 己の画材道具とはっきりするそれと]
……赤い、椿……?
[それは黄泉銀花][それをぼんやりと手に拾って。 ともかく、火の手が届かぬところまで来たのもあり セシルを降ろし草原に座り込んだ]
(114) 2010/08/09(Mon) 22時頃
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始末屋 ズリエルは、明の腕が既にみえないこと、眉を寄せるが・・・。
2010/08/09(Mon) 22時頃
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[かけられた言葉に、ただ ふるふると首を振る]
――主様、私は……、 行けないのです。
もう、ご存知でいらしたでしょう。 私は――、私が、
[見上げれば、黒紅に緋色。 躊躇う口唇は、小さく震えて]
黄泉の花であること、を。
(@24) 2010/08/09(Mon) 22時頃
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さすらい人 ヤニクは、やっとのことで門の外へでるとべしょりと座り込む
2010/08/09(Mon) 22時頃
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― 本邸・廊下 ―
[赤く、紅く染まりゆく屋敷。 激しく哀しく、業火は天高く燃え上がる。]
―――…。
[その中、火の粉を巻き上げて風が立つ。 屋敷の中を彷徨っていた虎鉄は、声に呼応するように、とん、と廊下に降り立った。 しかし其処に声の主はもう居らず。 次いで耳に届くは、黄泉花の別れの言葉。
焔舞い狂う中、虎鉄は庭を眺めて狭間の声を静かに聞いた。]
(@25) 2010/08/09(Mon) 22時頃
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>>@24
――……明…そんなことはない。 一緒に逃げるんだ。
[知っていること、知っているけど、それは言わず、 明に近づいてその身体を掴もうとする。]
舞をちゃんと見せてくれ。 ちゃんと見なかったと怒っているのだろ?
お前のことは俺が買う。 俺がお前の主だ。
(115) 2010/08/09(Mon) 22時頃
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記者 イアンは、ともかく、3人まず無事に抜け出せたこともあり、今は待つ
2010/08/09(Mon) 22時頃
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>>115 ……いけません。 生ける者と死す者は交わらぬがさだめ、
我が身もまた、 夏の宵のひと時の幻に過ぎませぬ。 夢とうつつの交わる、今この時が過ぎ去れば
ただ、消え行く……
[掴もうとするその腕は、 既にその躯を掠めるのみであろう。 一度、見開いた瞳は、哀しげに伏せられて]
……もう、怒ってなどいませんから。 主様―― だから、早く。
(@26) 2010/08/09(Mon) 22時半頃
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>>@26
駄目だ。 お前も来るのだ。
これは主の命令だ。背くな。
[それでも、あきらめぬとまた掴もうとし、 できぬとわかっても、なおも、置いていくことは拒絶する。
その間も火は増し、壁を舐めあげていく。
その背に大きな炎が上がった時、肌が焼けたのがわかった。さすがにぐぅ、と膝をつく。]
お前はなんのために出てきた。 俺はお前をここから連れ出すぞ?
(116) 2010/08/09(Mon) 22時半頃
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こんな屋敷にはおいておけん。 このようなところで消えるな。
俺が許さん。
[そして、またカッと眼を見開き、手を出す。]
早くこんか、ばか者。 俺が余所見せぬ舞を見せてみろ。
(117) 2010/08/09(Mon) 22時半頃
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主様は、まだ主様ではありません……! ですから、
従うことは――
[首を振って、己を掴もうとする。 その腕を拒絶する、のだけれど――燃え盛る炎の迫るに]
―――…ッ、主様
[膝をつく傍らに添えば、腕を差し出す。 言葉に過ぎるは危惧のみで]
お別れを告げるためです。 主様を、危険にさらすためでは在りません…! はやく、庭に……
[ふわり、立ち上がれば満ちる煙の先へと導こうと]
(@27) 2010/08/09(Mon) 22時半頃
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― 屋敷の外:門:葉桜の下 ―
邦夜殿も、セシルも身体は大丈夫か?
[そう語りかけながら、炎上する屋敷を見詰る。 肩にかけただけの着物が、生ぬるい風にはためく 青年は預けていた荷を手元に戻し、 そのうちの一つ、扇を一度鳴らして。] [旧友と鳥はどうなったであろうか?] [……大丈夫、約束をしたのだから。] [そう思いながら、もう一度扇を鳴らす。 ぼんやりと、主の棟があったあたりを見詰ながら]
(118) 2010/08/09(Mon) 22時半頃
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[狭間の声にふるり、と震える。 あやまちは幾度とあれど――]
――…主様、
[行かずば、主の命の危うい。 けれど手を重ねようと、それはきっと重なるだけ。 ――己が身があれるは、この邸内のみであるのに]
舞は、――舞は…… 主様が、月瀬殿とのお話に夢中になってただけではないですか…!
[それどころではないのに、 反論の言葉を返して、怒ったふりで哀し心を誤魔化して]
(@28) 2010/08/09(Mon) 23時頃
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俺は主だ。 言うことをお前はきけばよい。
別れ?何を言ってる。 行くぞ。
[そして、手が重なれば、そのまま椿の間の障子を蹴り倒し、一度中庭に出たが、行く道、真っ黒な黒煙が広がっている。]
ああ、セシルと話していたな。 そういうこともある。 今度はお眼の舞をちゃんと見よう。
[そして、出口方面の廊下にまた上がりこむ。途端、一度床が抜けたのであとずさった。]
ちゃんと来い。 はぐれたら、許さん。
一生覚えていてやる。
[それから、炎の薄いところに突っ込んでいく。]
(119) 2010/08/09(Mon) 23時頃
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―――…ばぁか。 ホントお前は辛気くせえな。
[琥珀は宙を見て、狭間へ声を届ける。 その刹那、満ちる煙が少しばかり風に巻かれ、明之進と刷衛の前に細い道が姿を現すか。]
…行けよ、明之進。 主と共に。
[宙を見た琥珀を伏せて。]
(@29) 2010/08/09(Mon) 23時頃
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……俺は大丈夫……疲れただけだから。
[炎の中、燃えぬ様服の中にしまい込んでいた黒の笛を取り出して。傷が無いのを確認すればほっとする]
……明と、虎鉄と、刷衛さんは……
[燃え上がる屋敷を振り返り]
(120) 2010/08/09(Mon) 23時頃
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始末屋 ズリエルは、現れた細い道と、何か少年の声にきょろきょろした
2010/08/09(Mon) 23時頃
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[蓮花の気配に、面を上げる]
――…本郷様、……ッ
[鉄色と交わった、刹那。 触れるはずもなかろう手を引かれた]
(@30) 2010/08/09(Mon) 23時頃
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― 屋敷の外:門:葉桜の下 ―
そっか、なら良かった……
[ぱちん、と、もう一度扇の音をさせて。 扇舞の時に触れはするが、 さして扇舞はやらなかったなと、 戻れたらこの扇で舞おうかと思った。 ……まさか、今、屋敷に 本人が現れているとも知らず]
……わからない……でも、誰なんだろう セシルの…あ、セシルって月瀬のことな? 荷物、誰が持ってきてくれたんだろう…
[その人物が3人うち誰かなら どうして、此処に姿がないのだろう…]
(121) 2010/08/09(Mon) 23時頃
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[―――歪めて、見上げる。引かれる手の先]
わ、私は……、 私は、大丈夫ですから……
迷わず逝けますから、だから。 もう、――主様、
[炎を過ぎる。 視界が滲むは、熱気のせいではない。 そんなものはとうに感じない、のだから]
はい、一生……、 覚えていて下さい。
[微笑ば、琥珀の声のする]
(@31) 2010/08/09(Mon) 23時頃
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>>@31
ああ、ごちゃごちゃもう。
[手の感触をつかめれば、今度は身体を引き寄せて、そのまま抱きしめる。
いや、そんな感じがしただけかもしれない。
そして、その細い道を駆ける。]
(122) 2010/08/09(Mon) 23時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2010/08/09(Mon) 23時頃
記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/09(Mon) 23時半頃
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辛気臭い……
[宙に琥珀を探してみれば、 揺らぐ存在の引き寄せられた。 収まるその幻は――望むからに他ならず]
―――……、でも、 でも、私は……
[――今、この時だけ、としがみつき、 その人を切なく見上げれど。
それでも、躯は薄れゆく。 燃え落ちてゆく、屋敷と運命を共にするように。]
(@32) 2010/08/09(Mon) 23時半頃
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小僧 カルヴィンは、記者 イアンに話の続きを促した。
2010/08/09(Mon) 23時半頃
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さて、俺はどうしようかね。
[明之進とは違い、未だ現世に姿を濃く残す虎鉄。 それは未練の強さか、行き先を失い縫い止められた迷い子か。 パチパチと散る火の粉に混じり、琥珀を伏せて独りごちた言葉に狭間より囁きが降る。 屋敷なくしては、保てぬ、と。]
…大事なのは其処に在るかどうかじゃなくて。 繋いだ手を離さず、ずっと見失わない事だ。
[言ってから、自嘲気味に微かに笑って。]
それに、どうせ屋敷と共に朽ちる身だってんなら。 死にてえ場所で死んだって、罰はあたりゃしねえだろ。
(@33) 2010/08/09(Mon) 23時半頃
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[ わかっている。 わかっていた。
だけど、それでも、連れていきたかった。]
もう離れるな。
[切なく見上げてくるその顔を見て、頭をぎゅっと撫でながら…また顔をあげ、炎の中を駆けていく。]
大丈夫だ。 お前は俺の傍にいれば大丈夫だ。
[それでも、きっと出口に近づくにつれ、その存在が薄く儚くなっていくのを感じながらも…。]
お前の好きな舞を毎日見せろ。 そして、一緒に飯を食うのだ。
(123) 2010/08/09(Mon) 23時半頃
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[その豪火が一層大きく鳴り響く。 家はどんどん壊れていく。
燃え落ちていく……。]
ドォン……。
(124) 2010/08/09(Mon) 23時半頃
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さすらい人 ヤニクは、始末屋 ズリエルに話の続きを促した。
2010/08/09(Mon) 23時半頃
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[外からみれば、もうその中には炎しか見えない。]
[彼らはどうなったのか、外からはわからないだろう。*]
(125) 2010/08/09(Mon) 23時半頃
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