204 Rosey Snow-蟹薔薇村
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うちのニコラが、君を指差した。何度か……ね。
[知っての通り。]
それだけと言ったらそれだけ、だけど――…ニコラはダメだ。
君も‘保護者’の一人なんだから、必要以上に用心して欲しい。
[フランシスの方をちらりと向き、唇に指を立てる。それだけで、伝わるだろう。
トレイルの事を思い出させるから。]
―― っ…
[人差し指を立てる仕草、
口を噤んで、物思うように眉を寄せた。]
[間近で、同じような立場であるはずの保護者たちが交わす会話を、嫌でも耳は拾ってしまう。
誰か、己の懸念など笑い飛ばしてしまってくれ、と。
そう思うのに。]
うん……怖いね。
月がほそければ……こうして、同じ場所にいても、
大丈夫だったかもしれない……
衝動がどういったタイミングでおこるのか。
わからないけれど……違和感を感じたら、離れたほうがいいのかな……
[でも、離れたくないとも思うそれが、危険だとはわかっている]
……君の言っていることは、きっと正しい。
[ ――だが。]
ニコラがどうするかは、ニコラが決める。
僕がどうするかは、僕が決める。
[ノックスの要請にはやはり、是とも非ともつかない返事をした。
密やかな声は、近くにいるベネットにも拾えてしまうだろう。
ディーンは、ベネットの方を見ることが出来なかった。**]
[バーナバスにも聞こえているだろう、やりとり。
視線をそっと送り、表情を窺う。]
……はやく、吹雪が、止めば――いい
[――きっと、だいじょうぶ、
そんな気休めのような言葉は
フランシスには、謂えなかった。]
ーー……同じように 怖がってくれる
存在がいると 少し 落ち着くね
ーーそれかー二人きり にならない……?
……少なくても俺は トレイルと
二人きりに なるのが怖いーーー
他の人とも そう なのかな…………
二人きり は怖い
[――やっぱり、うそじゃないか。
緑の眼が、ディーンを半ば睨むように見るが
彼は眼を逸らし、視線がかち合うことは、なかった]
一人じゃないから、心強いね。
――いつも、注意されてたのは、
あまり強い気持ちを相手に向けてはいけない、って。
恋を覚えたら、危険だって……
二人きりになりたいと思う相手が、危険なのかもしれない……
ほかの人とは、どうかはわからない、けど――
トレイル以外にも、だったら。
二人きりにはならないほうが、いいね……
[早く雪がやめばいい。]
まったくだ…。
[フランシスの言葉に苦く呟き返して。
早く雪が上がるようにと願う。]
うん…………一人で人間の中だったら……
恋………… 強い 気持ち
わからないね……知らないから
そう そうだ……親しんだ 相手を喰いたい
そうなるはず…………なんだけど
ーー俺のは 何か違う
トレイルに対しての あれは…………
…………他の人とも……用心する
[ラルフの思考に素直に同意を返す]
………ハっ、
[呆れて物が言えないとは、この事か。]
決めるも何も、あれは意思とは関係なくやってくる。
災厄だ。
……あぁ、そうかい。
シメオンにも同じことを言うんだね、君は。
[何故、そんな目で見られなければならない。
藍鉄を射貫くようなフロスティブルーは、止まぬ吹雪の様に冷えていく。
正しいと言いながら。まるでニコラが堕ちても良いとすら聴こえる返答。保護者失格だなと視るのを止めた。**]
うん……、一人じゃなくて、良かった。
知らない気持ちだから、余計に怖いのかもね……
――気持ちがなくても、衝動は、起きる……?
それだと、危険だ……
俺も、そうなるの、かな……
[気になる人がいる。
それは過去にまかれていた種。
衝動の種類があるのかすらも知らぬまま、不安がよぎる]
ーー恋が こういう
穏やかなものなら 良いのにね…………
[いることに安らぐ 落ち着く
ふっ と思考が笑みをこぼして]
喰いたくなる……いつか知ったら なるのかなぁ
…………あの衝動が恋なら
即物的すぎないか ……てのはある……
し ……二人きりに なるのは怖い
ラルフは……獣だとしても どうかーー………
[ラルフの過去も 気になる人も知らない
ただ せめて衝動の種類が
己のように多岐にわたならければいい
と 彼のまだ知らぬ衝動を思う]
|
[>>307フィリップの口から出るのは、何度も何度もノックスやそのほかの大人から聞いたことと同じ。 最初はよくわからなくて、それでも何度も何度もわかるまで教えてもらった。
大人みたいな、それかほんの幼い子供みたいな言葉を選ぶ彼に、うんうんって頷いて。 トレイルに見られて、またうんうんって頷く]
でも食べちゃダメだから、旅をする。 君も僕も。
[その感覚は、本当のところまだ知らないのだけども。 食べたい苦しいって、それは。 とてもきれいな魔女と、恋になりかけたことはある。 けども、周りの大人にすぐに引き離されて。 だから、僕は恋の魔法をそのまんま忘れている。
それはきっと幸福なこと]
僕はそれを知らないけども。 フィリップ……フィリップは、感じたことはある?
(330) 2014/11/16(Sun) 21時半頃
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[警戒を孕んだ眼差しを、そっと向けて見まわす。
獣の自覚ある大人と、獣の自覚なき子どもと、獣である子ども。
だれが、脅威になるのか。
否、誰が男の大事なものを傷つけかねないのか、と。]
[感情によって発生するそれを災厄と断ずることは、ディーンには出来ない。
物語には数多の捉え方があり、そこから生まれるものも様々だ。
彼にとっての災厄でも、或いは他の誰かにとっては幸福たりえることすらあり得るのだ。]
――……ああ。
[既に同じことを伝えた後だ。
蔑むように吐き捨てられたそれに、ディーンは頷いた。]
だから僕では、シメオンを守ってあげられない。
[そう呟いて、ディーンはようやくベネットの方へ視線を向けた。]
……だから、って 何……。
[困ったような、怒ったような、複雑な表情を、
フランシスは浮かべていた。]
ふふ……こんなふうに穏やかなら、
きっと心配もいらないし、ね。
[一人じゃない安心感と、
笑みが届く感覚に、小さく笑いがにじむ]
二人きりになりそう、だったら声をかけて。
俺でもいたら、違うかも知れないし……
――ん、ありがとう。
[願う気持ちに、感謝を返す]
同感
[衝動の問題に 張り詰めていた気持ちが
ゆる少しほどけて ]
ーーーありがとう
ラルフも…………何か の時には 呼んで?
[実際に間に合うかは わからない
けれど 少しでも心の保険に
互いになるようにと]
うん。
[おなじように感じる気持ちが伝わって、ほわりと心が温まる]
何かの時には、呼ぶね。
呼べるなら、きっと大丈夫、だと思うし。
[間に合うかどうかよりも。
助けを呼べるだけの理性がある。
そういう安心が、ほしい]
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[>>336彼の持つマグカップからは、段々と温かな飲み物が減っていく。 唇を濡らしている彼を見上げて、それからそうだよって言われたからちょっと笑った]
ふう、ん?
[食べたい。を彼は知っている。 それに目をまるくして、自分の口元をちょっとさわってみた。 食べたいを僕は知らない。 なにも知らないから、ノックスは安心してくれるし魔女には会えないしそれを抑えるための方法を知る必要もわからない。 食べたいというよりも、むしろ――]
食べたくなる。それが、今日の三人で話すこと?
[だから近づくなとか、そういう話かな。それから、どうして大人と離されたのか。 トレイルと彼の間にあった秘め事を知らないから、 じっと首を傾いで]
それとも、呼んだのは食べるため?君は悪い魔法使いか、悪い狼だったのかな。
[だとするとジセーノクを詠まないとだろうか]
(346) 2014/11/16(Sun) 22時頃
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暖かいねーーーー
俺 ラルフに会えて 良かったよ
満月に 足止めされ ろくでもない かもしれないけど
ーーそれでも
うん、あたたかい。
――それでも。
フィリップとあえたことは、良かったと思う。
満月だって、ぶじに、越せるかもしれないし?
[冗談めかした表現で、願いを呟く]
バーニィは、衝動を知らないプリシラを守りたい。
―――でしょう?
[目を合わせなかった先程の様子を思い返す。]
ねぇ。プリシラは、バーニィの中でどんな存在になった?
[同じ思考がかえれば
嬉しさが思考に滲んで]
そうだねーーーううん そうしなきゃ だ
危険なことに 近づかず
……息を潜めるように
時折 互いに思考で息を抜きながら
やだ。……忘れない。
此処じゃ話しにくいなら
別の、場所でいい。……聞かせてよ。
[ディーンに願う。
されど、――聞き入れてもらえるかは、分からない。]
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