88 吸血鬼の城 殲滅篇
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しかしまぁ。
人間っつーのは、面倒な生き物だよな。
[誰に聞かせるでもなく、言葉を零す。
既に人間とは違う生き物になったというのに、
人間を殺すことを拒み、殺してしまったと嘆く。
全く、面倒な生き物だと思う。
その苦悩を眺める楽しみもまた、
眷属を増やす理由のひとつではあったが。]
呪われた? 忌まわしき?
ハッ。
だれに呪われたっていうんだ。
[背中に聞こえてきた修道士の言葉を笑い飛ばす。]
兎が狼を恐れるのと変わりゃしねぇ。
妙な理屈こねまわさねぇで、素直に怖いって言えばいい。
そっちのほうがまだ可愛げがあるってもんだ。
―――ま、人間共には理解できないんだから、
しゃーねぇか。
[呟きに滲むのは、超越者の自負。]
――――……。
[あいつが生き残って帰ってきたら、
もう一度血をやってもいい。
まともな闇の狩人に仕立てるために。
そんなことを、ふと思った。]
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[修道士の糾弾>>69に答える言葉はなかった。 まるで耳に入っていないかのように、省みることなく階段を上っていく。]
(75) 2012/05/02(Wed) 18時半頃
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ドナルドは、ヘクターに話の続きを促した。
2012/05/02(Wed) 19時半頃
捜査官 ジェフは、メモを貼った。
2012/05/02(Wed) 20時半頃
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狙えるかじゃない。 ……狙うしかないな。
[身体をぶつけた余波をまだ若干感じながら、 手をつき壁に凭れかかったまま、ムパムピス>>41にそう答えた]
(76) 2012/05/02(Wed) 20時半頃
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待て!
[階段を昇ろうとするレオナルド>>50を 引きとめようと叫んだ]
我々は……。 君が、堕ちようとしているのを、黙って見逃すわけにはいかない。 だが、人間である君を殺したくもない。 ――ならば、この城内の吸血鬼を全員倒すしかない。
[静かにそう言い切った]
(77) 2012/05/02(Wed) 20時半頃
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[ムパムピスに視線を合わせると、彼に語りかけた]
……ムパムピス。 私の意志は今の通りだ。 そして、残念だが、君の言うことは正しい。 私一人では到底あの男に太刀打ちできないだろう。
(78) 2012/05/02(Wed) 20時半頃
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── 大階段 ──
[レオナルドが暗い情熱をたたえた視線を投げて、ヘクターの後を追う。 まだ目覚める前だったから、ここでどんな交渉がなされたのかは知らない。 だが、手出しは無用と命じられた。]
……。
[階下へと振り返り、大広間に残るふたりを見やる。 金髪の剣士、修道士。
彼らを階上へは行かせない、と立ちふさがる。]
(79) 2012/05/02(Wed) 20時半頃
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[一度言葉を切って、大きく息を吸い込むと]
――私には君が必要なんだ。 私が必ず君を護ってみせるから。
私が生きて。 ジェフリー・ハリソンでいられる限り。
ムパムピス。 私と共に……在って欲しい。
(80) 2012/05/02(Wed) 20時半頃
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[対峙するその間隙に、闇の領域から、手探りするような揺らぎが伝わる。
それは、言葉を伴って触れてきた。
主とは明らかに違う声。]
── 何奴っ !!
[閨に踏み込まれたかのごとく驚き、その衝撃を叩き返す。]
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[ようやく、吹き飛ばされた時の衝撃から立ち直りつつあった。 凭れていた身体を起こすと、足元まで投げられた剣を手にとった。
ヘクターとレオナルドが消えた大階段は 騎士が護るように立ちふさがっている]
……そこをどいてもらおうか。
[そう告げたところで、彼はどきはしないだろう。
目覚めた彼の動き>>56は目で追っていた。 クラリッサを護っていた時は怪我をしていたこともあるのだろうが、 その時とは比べ物にならない、軽やかな身のこなし
さらにレオナルドからの情報もある>>68 一筋縄ではいかないのは明らかだった。 慎重に間合いを詰めながら、隙を伺う]
(81) 2012/05/02(Wed) 21時頃
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[「私が必ず君を護ってみせる」と、傍らの修道士に約束する金髪の男の姿に、ふつふつと苛立ちを掻き立てられる。
それは、自分が果たせなかったこと。 側にいながら、むざむざとクラリッサを死なせてしまった。 その苦しみが狂おしいほどに満ちてくる。
ならば。
この男に与えるべき絶望は──定まった。]
(82) 2012/05/02(Wed) 21時頃
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[心臓の位置まで裂けてぶら下がる鎧が邪魔だと、血に染まったシャツごと手で掴んで引き剥ぐ。 そのまま壁際に投げ捨てた。
外気に晒された肌は寒さを覚えることもなく、どこか鉱石めいて無機質に白い。 自分の躯ではないように感じたが、いずれ慣れるだろうと漠然と思った。]
(83) 2012/05/02(Wed) 21時頃
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…剣を。
[呟きながら右の手首に指爪を添え、鋭利なそのエッジで細く脈を開いて血を導く。 先ほどヘクターがそうするのを見た、その模倣だが、使ったのは闇ではなく血。 ヒューの躯に注がれた、闇の力をふんだんに含んだヴァンパイア・ロードの血はヒューの意志のままに武器を形づくる。 ガーネットにも似た深紅の波刃剣が、しっくりと手に馴染んだ。
それを心地よいと感じたのは剣士としてか、魔としての性か。]
(84) 2012/05/02(Wed) 21時頃
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[戦いの支度を整え、まずは小手調べとばかりに、「竜の牙」を握り込んで血を与え、大広間へとバラ蒔く。
地に触れるや生じるのは、レオナルドが警告したとおり骨の兵士たち。 だが、その色は風雨にさらされた骨の色ではなく──澱む紅をしている。 強く魔の気を帯びた血塗れの竜牙兵だった。
死者のレギオンは生ける者を弑さんと突進する。*]
(85) 2012/05/02(Wed) 21時頃
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―大広間―
………それでも…行くのか…
[錬金術師の背中が遠ざかる。諦めたように床に視線を落とした瞬間、ジェフリーの声>>77が響いた。]
[「城内の吸血鬼を全員倒すしかない。」 苦境にあっても諦めることのない、決意に満ちた力強い宣言。 顔を上げると、真剣な表情のジェフリーと目が合う。]
(86) 2012/05/02(Wed) 21時頃
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負傷兵 ヒューは、メモを貼った。
2012/05/02(Wed) 21時頃
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………… [何かを決意するように一瞬だけ目を伏せ、再び目を合わせて笑顔を向けた。]
―主は、助けを求める者の為に手を伸ばし、 共に在りて力をお与え下さいます。
主の代行者たる修道士も…私も、同じ。
この力がお役に立てるなら… 少しでも、彼らを滅する力となることができるのなら…
最後までついていきます。 ジェフリー・ハリソン様。
私が、私である限り、 魔を滅する聖なる力を貴方とその剣に捧げましょう。
(87) 2012/05/02(Wed) 21時頃
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―大階段― [吸血鬼の後ろから大分遅れて宴会場に足を踏み入れた。 二度目に訪れたそこは、アヴァロン伯が姿を現した時とは異なり、調度は倒れて散らばり、床にも焼け焦げた跡が残るという酷い有様だった。
立っていたのはドナルドだけだった。 彼は愛用のクロスボウを所持しておらず、怪我をしたのか、血染めの布を腕に巻いていた。 そして何より、]
(88) 2012/05/02(Wed) 21時頃
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― 2F:宴会場 ―
よう、ドナルド。 良い子にしていたか?
[階段を登り切った先に、"子供"の顔を見つけて声を掛ける。 腕に巻かれた布に赤が滲んでいるのを見て、 舌先で、唇を舐めた。
自身はといえば、全身を赤く染めていたが ほとんどがヒューの血だ。
しかしながら、左手は浄化の力で焼け爛れ、 脇腹からは未だ血が点々と滴っている。]
(89) 2012/05/02(Wed) 21時頃
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ちゃんと言いつけ通りできたようだな。 良くやった。
そら、褒美だぞ。 おまえのものだ。好きに喰え。
[言って、後ろから上がってくる錬金術師を示す。]
(90) 2012/05/02(Wed) 21時頃
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まずは、目の前の吸血鬼…魔に落ちた魂を浄化させる!
[明らかに気配の変質したヒューの姿が目の前にある。意識を集中させ、魔法防御の術を自分とヒューの周りにかける。]
(91) 2012/05/02(Wed) 21時頃
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おまえにとっては獲物。 そいつにとっては標的。
――― お互い、存分に愉しめよ。
[嗤いながら言って、自分はそのまま宴会場を通り過ぎた。]
(92) 2012/05/02(Wed) 21時頃
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オレは上にいる。 どっちでもいいが、生き残った奴が上がってこい。
オレの血をくれてやる。
[餌を投げ、肩越しに手を振って客室へと向かう。]
(93) 2012/05/02(Wed) 21時半頃
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[響く嘲笑に目を伏せる。
そうだ。生きている。それがヒトならぬ生であっても。
――だから、こんなにも苦しい]
……思い通りになる玩具なんて、
つまんねえだろ…?
[そう、小さく肩を竦める。
見ていてやるという言葉に
よわよわしく笑んだ。
――クレアを見ていたようにか? と
そう口にのぼせかけ、止めた]
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…これくらいでは、封じられない…か。 個別に浄化の力を当てるしかないですね。面倒ですが。 [防御術でヒューの術を封じ込めようとしたが、血の赤>>85を纏った不吉なレギオンは染み出るように出現していく。]
…ジェフリー様は、あの男を狙ってください… 周りの魔物は、私がなんとかします。 [続いて杖を掲げて、ジェフリーにより強い聖別付与の術と防御を重ねてかける。]
(94) 2012/05/02(Wed) 21時半頃
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[その身に纏う気配が。 ヘクターの言葉を聞くまでもなく、彼がヘクターの“子”であり、設定された自分の対戦相手なのだ。
去りゆく吸血鬼の王を目で追うようなことはしなかった。 黙して距離を保ったまま、ドナルドを凝視する。 瞳にあるのは、怒りや憎しみといった敵意や、絶望でもなく、羨望や嫉妬に似た闇(くら)いいろ。 それが、笑んだような穏やかな面に、静かに音もなく燃えてある。]
(95) 2012/05/02(Wed) 21時半頃
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[ヒューの身体から流れ出す血が、 彼の剣になり、彼を護る紅き軍隊になる。 素早く目視して軍隊の数を確認した。
5体――1体1体まともに相手をしたら取り囲まれる数だ]
厄介だな。
[そこへ聞こえるのはムパムピスの言葉>>94 了解したというように頷くと]
ラルフに掛けているテーブルクロス。 あれに火をつければ一気に……
[そう耳打ちして]
(96) 2012/05/02(Wed) 21時半頃
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―二階 宴会場―
……。おい…、…
[まず目に入ったのは、見慣れた巨躯。 逞しく盛り上がった筋肉は血に濡れて、 左手はひどく焼け爛れている。
思うよりも遥かに酷い外傷に 無意識に気遣うような声が漏れ はっとした様に口を噤んで 彼を睨み上げる]
(97) 2012/05/02(Wed) 21時半頃
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…ッ、…。今更…。 見てたんだろうが…。
[――獰猛な双眸が己の腕に当てられ、 いたたまれず目を逸らして、彼の背後を見た]
(98) 2012/05/02(Wed) 21時半頃
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