239 名探偵の館
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彼女は、その理由に思い当たってしまったから殺されたんだろう。 表向きは大富豪の手に渡ったことになっているこの館は――ある大国の軍事施設として、秘密裏に買い取られた場所だったんだ。
メルヤはその軍事国家と、なんらかの形で関わりがあった。 あるいは、入院する事になった理由にも関係があるのかもしれない。 彼女は大胆にも、職務で使われるネットワークを私的に……きわめて私的な目的に利用していた。
メルヤが携帯ゲーム機によって盗用していた回線。 この館のアクセスポイントは、それと共通のネットワーク設定がされていた。 メルヤはそのことに気づき――あんなにも、恐怖することになったというわけだ。
(114) 2015/10/31(Sat) 23時頃
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館の秘密を知られてまずい立場にある者といえば、誰か。 当然、この館の真の持ち主だということになる。
しかし、妙な話だとは思わないか。
そもそも何故、知られてはまずい秘密のある館にわざわざ名探偵を集める必要がある? それだけじゃない。館の持ち主が“国家”であるならば。 我々をここへ招いた“館主”とはいったい何者だ?
(115) 2015/10/31(Sat) 23時頃
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あたし達をここ、人狼館へ招いた“館主”。 その真の正体まではわからない。
だが先ほどまでの話でいけば、“館主”と、館の持ち主である連中の目論見が重なり合っているようには、どうしても思えない。 ちぐはぐで、矛盾した状況――これを解消するには、どうすればいいか。
複雑な話は、単純に考えるのが一番の近道だ。
つまり、“館主”はこの館の主なんかじゃない。 館に隠された秘密を、暴露するために――名探偵であるあたし達はここへ集められた。 館主を名乗った、軍事国家に敵対する何者かによって。
(116) 2015/10/31(Sat) 23時頃
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だが、そんな名探偵の中に、計算外の存在が混じっていた。
使用人――いや。 【使用人探偵・セレスト】。お前だ。
(117) 2015/10/31(Sat) 23時頃
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お前もまた、館主に招待された名探偵のうちの一人だったんだ。 だが同時に――館主にとってはきわめて不幸なことに――軍事国家の機密保持に関わるエージェントでもあった。
お前は、館主に対しては“名探偵として招待されたゲスト”として振舞い。 あたし達探偵に対しては“館主によって雇われたホスト”として振舞った。
しかしその実態は、二重スパイ。 館の秘密に迫る者を消すべく送り込まれた刺客だったというわけだ。
(118) 2015/10/31(Sat) 23時半頃
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メルヤが館の秘密に気づいたと見るや否や、お前は彼女を音もなく殺害した。
殺害方法はいたって単純。点滴スタンドの連結管を外すことで、血液を逆流させたわけだ。 つまりさっきも言ったように、メルヤの死因は【失血死】。 証拠はまだ、パックの中に残されている。
いくらお前が特殊な訓練をうけていようとも――この人数を前にして、大立ち回りともいかないだろう。 既に、このゲーム機を使って救援の要請は済んでいる。
さあ……お前の罪を数えろ。
(119) 2015/10/31(Sat) 23時半頃
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[黙って推理を聞き終えると、小さく拍手してうんうんと頷いた。 ナナオの言うことは理路整然としていて、セレストを犯人としたいという目的が同じなので『僕もそう思います!』で良かったんじゃないかとこっそり思った。さすがに口にはしなかったが]
んー……。 その連絡先はホントに外部と繋がっていたのかな。 よしんば、つながっていたとしても、崖崩れとかで来なかったりしてね──ここは名探偵の過密地帯のようだから。
(120) 2015/11/01(Sun) 00時頃
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……それに。通報して何とかなるんなら。 とっくに所長さんがしてるような気もするんだよねー。
[いつの間にやらNINJAのように姿を消した、所長と同じ声をした男。 あれが所長だったのだろうか。
(よく考えたら、閉鎖空間で見知らぬ人を見たら、犯人扱いするべきだったんじゃないかな)
そんなことをこっそりと反省**]
(121) 2015/11/01(Sun) 00時半頃
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『警察は呼んでも来ないよ。』
[所長――こと探偵の声が捕捉する。]
『名探偵の行くところ事件あり。物騒なもんだ。
ならば、名探偵を集めてしまえば事件が起こる。 名探偵が死ぬ。』
[オーレリアの頭から、スタッと猫が降りた。]
『その警察の手先が、オーレリア……キミだと睨んでいたのだがね?』
[まだその推理を見せてはいない最後の探偵。 オーレリア。 彼女?が何を言うのか。 探偵は興味深そうに、彼女?が話をするのを待っていた。**]
(122) 2015/11/01(Sun) 01時頃
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[眼鏡を持ってこちらに近付くジョージを手で制する]
誰が上手いこと……いや、別に上手くはないか。
そうじゃなく、その眼鏡を掛ける必要はない。
蛇足……屋下に屋を架す……五番目の車輪……なんでもいいが、もう僕の結論は変わらない。 たとえ、その眼鏡を掛けた結果がどうであろうとね。
[背中に流れる汗が目の前の少年――否、そんなありきたりな存在ではない、『もっとおぞましい何か』に伝わらないよう、自分が持てる限りの能力を発揮して虚勢を張った**]
(123) 2015/11/01(Sun) 01時半頃
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[>>104>>105シメオンとジョージの遣り取りを見守る。 >>118セレストも探偵である、と云うナナオの言には、 なるほど、その可能性は十分に在るのか、と。 なればパルックも“シェフ探偵”だった可能性。 いや、デュエリスト探偵の方が近しいのだろうか。 ちらりと視線をホールに奔らせてみたが、 透けたぱるっく(故人)の姿はもう此処には見得なかった]
(124) 2015/11/01(Sun) 04時頃
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[>>101幽霊なんて存在しない、と云う言葉には目を眇めるだけ。 メルヤも見得ない。パルックももう居ない。
どこか雰囲気の変わったシメオンに首を傾けつつ。 >>122アーサーの言葉に促される様にオーレリアへ視線を向けた**]
(125) 2015/11/01(Sun) 04時頃
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