25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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[違う][違うのだが]
……………はら、へったぁ…………
[宴で酒しか口にしなかった青年は
若い食欲には勝てず
夢うつつにそう反応した]
……うん、そーする、あり、がと
おもて、ざ、しき、ロビンにも………
[えろい含みにも気づかぬまま、
ぼんやり頷いて笑みながら礼を溢して]
[まだみぬ干瓢巻きを夢にみつつ、
また眠りは深くなり次にかえるは寝息ばかり]
[半分以上寝てる青年にくわえさせたら
*寝ながら食べそうだ*]
表座敷な。
他も見繕ってもってきてやらぁ。
[と一応言ってるけど、食べながらだった。
片や寝ながら、片や食いながら。
だけど、それでも仕事はちゃんとやるつもりである。**]
[そして散った花のあとに咲くのは
生あるものを惑わせからめとる、毒の花]
我こそ
巷に流れる噂の花
月夜に、艶やかに咲き誇る――私の名はイビセラ。
愚かな駒鳥は、もう要らぬ**
[月の光に当てられて、思いは胸を焦がすのみ。]
あぁ…このまま穢れず美しいまま、永遠にわたしの中に納めてしまいたいのに、
この子が穢れに染まりきり、艶やかに色を変えるさまにも心惹かれてしまう。
[喰らってしまえば、永遠にそのままを留めて置けるけれど…]
永遠など……生有るものには訪れぬ
[宵待月冴える夜
薄い笑み零し、聞こえた音を拾うは
泡沫に消え行く名も無き花でなく]
死と生が、我等が力
そうでしょう
満月の前夜の小望月――…子持月
……臨月は訪れた
明日はお目見え出来ようか
この声届く貴方方に**
満ちては欠け、また満る、空に輝く月が如くに、
せいを喰らいて死出へ導き、新たなせいを蒔く我らなれど…
[複雑な胸の内は、焦がれる痛み。]
花ひらくを、楽しみに待っているよ。
…何の花が開くかと思えば
[まどろみの中に聞こえた聲に小さな欠伸が一つ。
気だるげな声は数拍置いてから]
見えるは"晩餐"の時にて。
……愉しませてもらおうか。
[低く、哂う]
[目覚めた花は、ふと思い出す]
――…して、晩餐に並ぶは
誰ぞ?
[時折歯にしっかりとした食感を寄せるのは
細かく刻まれた塩漬けの心臓。
悪くはないが、殺したての肉に比べれば鮮度が違う]
主から喰らうか。花から喰らうか。
…イビゼラ、だったか。
お前は誰を喰いたいと望む。
|
―夜→朝―
[本邸の屋根の上 見られていたとも知らぬ猫 明けに漸く動き出す 夜通し月を眺めていたか 陽が上がるを待っていたか 漏れるは欠伸 屋根を器用に飛び降りて 木々草花の溢れる庭へ]
腹減った。 …あ、ちょっともらうぜ?
[庭にある木に話かけるは笑顔 熟して成った紅い果実 ひともぎ離し ゆるりとその場に 腰を落とす]
(528) 2010/08/04(Wed) 13時頃
|
喰らいたい……私が?
[短く吐息を零す。
暫しの間]
種を植えるなら、育ててゆけぬものを
喰らうなら、財有るものを
[声の届く二人とは、間逆かもしれず
謡うように節をつけて囁く]
嗚呼 しかし
幼い肉は柔らかく美味と謂う
悩ましい
奏者 セシルは、メモを貼った。
2010/08/04(Wed) 13時頃
…柔い肉の味は霞に聞くがいい。
私は、あまり好まん。喰らわぬわけではないが。
[率先して子供を、とはあまり言い出さぬ口。
霞のほうは、誰を好むのであろうとは思いはすれど]
…――雛鳥は
[からかうような囁き]
さぞ、美味かろうや
|
[齧る果実は甘い蜜 唇を、口端を濡らし 朝陽にも艶めいて光る 夜に眠るを為せぬ猫は 木に寄り掛かり瞼を閉じるか]
……ん。
[防備などありはしない 静かに桜を風に揺らし 食べかけの果実を弱く握り]
[その様は眠る仔猫か否か この場所のみがまるで春のよう 陽射しも花も風に揺れ ただ優しげな彩りを添える]
(531) 2010/08/04(Wed) 13時半頃
|
…雛、ねえ。
[あまり興味はないのか、呟きもうつろ]
旨味はあるが、食感に欠ける。
まあ、初物に食うには好いかも知れんが。
先ずは前菜
幾つか挟んで漸くメイン
デザートは最後にとっておくもの
[さて雛鳥は何処に当てはまるか、と哂い]
ただ…――形式に拘らぬ晩餐であれば
好きなものを好きなだけ
皿を手に歩き回れば良い
[付け加える]
此度の晩餐は……どちら?
初物は傷みやすい。
喰らうなら早めが好かろうね。
[くつ、と小さく喉を鳴らすのは愉快さか。
それとも、憶える餓えによる期待か]
皿を持ち歩くも構わんが、食後の甘味ぐらいはゆっくりと味わいたいもの。
…そういうものは、取っておくが良いと思う。
皿を持って歩きまわってばかりでは、忙しなかろう。
|
……ん、…?
[夢と現 彷徨う中で視線があるか 薄く開いた瞼 奥にあるのはヘーゼル ぼんやりと視線の先を眺め]
………。
[ふわり と、笑む]
[視線の主と変わらぬのかも知れぬ 口を開きさえしなければ 見てくれだけは愛されよう、と]
(533) 2010/08/04(Wed) 13時半頃
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奏者 セシルは、寝言のように唇を動かし
2010/08/04(Wed) 13時半頃
喰らうて良いなら、今すぐにでも
[腹の底から込み上げる本能が
急かすように焦らすように蠢いている]
嗚呼……腹が空いた
糧として、喰らうのならば…
[そっと腹を撫でるのは、一夜の夢を見せた法師のことか。]
食べ頃ならば、若い桜の猫が盛りか。
だが、ようやく開く花のお目見えならば、先ずはどなたかに、一夜の夢でも魅せてごらんよ。
いくら美しくとも、徒花は要らぬ。
腹が空いて堪らんならば、一番食いでが有るのは小山のような肉饅頭では無いかえ?
[くく、と落とす揶揄。]
ああ、雛鳥は食後の水菓子に…
桜の猫は、其処に見えるが
嗚呼でもこれは……若しかしたら
これから、化けるやも。
[冬色の瞳が春を見る]
……私が、徒花と?
面白い
[薄く、哂った]
噂の花を咲かせてみせよう
一夜でなく、この日の下で
脂身が不味そうで食う気にもならん。
悪食のお前と一緒にされては困る。
[そも、元々の基準が違う立場。
好みの肉に困ったことがなければ
不味い肉を放り出すなど日常茶飯事]
…なるほど。
随分と面白い趣向だ。
[低く、喉が哂う。見せてみろ、とばかり。
丁度視認できる位置から鉄色は咲き始めの花を見下ろす]
|
[まどろみの中 彼の人を誰か認識していれば 向ける表情も違っただろう いつであっても 夢でも現でも その狭間にあったとしても]
ろ びん
[ヘーゼルに映るのは 未だ、ひとつ]
(538) 2010/08/04(Wed) 14時頃
|
肉饅頭は肉饅頭を喰らうているよ。
[今しがた伝えられたそれを聞かせ]
余程、執心の様子。
他所に懐いた雛鳥など、もう要らぬ
喰らうにしろ、あれは
人数分も無いようだ
[胸を押さえながら呟く。
テラスからの視線に気付き、つと目を伏せた]
此処ならば、置いてある筈
暫し間を。
流石に私は、ナイフ刺さる痛みに耐えて舞う気は無い故に
|
ロビン… 見てる… いつ、だって…
[寝の言なのか 応えなのか ぼんやりとした姿を眼が追う 夢と現の狭間で]
[木製の美しい楽器が奏でられ始めたろうか その音色はどのような彩りであったろうか 意識を床に沈めつつある中 記憶に残そうと、残そうと まどろみへ誘う音と 鳴らすロビンだけを見て、聴いて]
[触れられぬかと、手を――…]
(542) 2010/08/04(Wed) 14時半頃
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では…愉しませて貰おうか。
[微かに口元を歪めて、嗤う]
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[懐くロビンならば知るだろう 桜は夜に寝るを為せない 不安が胸を駆るのだと 夜の記憶に恐怖するのだと]
[伸ばした腕は弱く 空をかいて そらを描いて]
[唯一安らぎの存在に 深く、憩いの床につく**]
(544) 2010/08/04(Wed) 14時半頃
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