52 薔薇恋獄
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>>69 [声をかければ、甲斐の戸惑った様子は伝わった。 そう幼馴染の世話もして、今は女の霊の声をきいて、それでも気丈に頑張ろうとしているのだな、と思う。 なので、行こうとする足を少し返して、甲斐に寄ると、その頭を撫でた。]
甲斐…戻ってくるから、おとなしくしてろ。 お前、疲れてるんだから。
[それは、心配しすぎかもしれない。 だけど、一人でいろいろ抱えているかもしれないこいつを思えば、それが何よりで。]
じゃ
[甲斐の額を最後に押すと、部屋から出て行こうと。]
(72) 2011/05/20(Fri) 08時半頃
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まったく、あの人は……―――。
[ぼそっと、鳴瀬が出て行けば呟きを落とす。 肝心なことを伝えられてはいないし、大体この場合は自分が現場に向かうべきなのだ。 置いて行かれた訳も、判らないではないが……。
その置いて行かれた訳の元、栖津井を怨みがましい眼でじとっとみて、溜息を吐いた。]
栖津井先生、座ってください。
[栖津井が嫌いなわけではないから、むしろ前顧問ということで愛着はあるのだ、だから布団をあげつつ招く。今更ながら布団が敷かれているということに、鳴瀬に無理をさせたのではないかと思い至ったり、風呂に入らないまま転がったから、夜寝る前にシーツ変えたいな、と思ったりする。]
(73) 2011/05/20(Fri) 09時頃
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[栖津井は、ちゃんと座ってくれていただろうか。
布団をたたみおえると、ふっと思い出したように己の頭に触れる。 眉間にきゅっと皺が寄る。]
……俺の場合は、この場合はいかない方がストレス溜りそうですよ。
[ぼそっと落とした独り言は、栖津井には聴こえただろう。 栖津井だけが原因ではないとも判っている。 はぁっとまた溜息吐いて、鞄からマドレーヌを1つ取り出すと、栖津井に差し出す。]
お茶は出せませんけど良かったらどうぞ。 母の手作りなので、味は保証します。
[己は、彼女に供えたマドレーヌを取り出して口に含む。 口に広がる優しい味は、母がつくったからというだけでなく、たぶん供えた時にみた彼女の優しさを思い出すからだろう。ふっと唇の端を歪めた。疑うことが己の役割だと思えども、あの時見た優しさを信じたいと思うから。]
(74) 2011/05/20(Fri) 09時頃
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ディーンは、今度は小突かれた額を片手でさすりながら、もすもすマドレーヌを食べている。
2011/05/20(Fri) 09時頃
セシルは、部屋から出ると、二階の階段を少しびっこ引きつつあがっていく。**
2011/05/20(Fri) 09時頃
奏者 セシルは、メモを貼った。
2011/05/20(Fri) 09時頃
[マドレーヌを、もすもす食べながら思う。
現場にいけないので、思うことしかできない。]
……俺の方も変な目で見られるとか、心配をくれたのは、
まったく初対面の霊だと日向が初めてだったさ。
[逃げなかったのは、自分たちが初めてだと言った彼女。
そんな彼女の優しさを信じたいという気持ちと……。]
日向(ひゅうが)……か。
[一般的には悪霊と呼んで良い名を紡ぐ。
確かに、人に害なすのは好ましくはないのだけれど。]
お前の気持ちは、少し判るよ。
[存在を否定はできない。
知った想いは形は違えども己の中にもあるものだから。
なくそうとしてなくせる感情ではないとも、知っているから。
それが、珀という存在があるから、この力を使うこともあるけれど、積極的に使おうとしない理由の欠片。]
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―― 2階浴室 ――
桂馬先輩にも、匂い移しちまったかも。
[薔薇の匂いを流す為に入った場所も、また薔薇まみれだった。 すん、と鼻に手を近づけて、申し訳なさそうに眉を下げる]
もしかして、これ駅前にあるっていう土産物屋の?
[あまりの薔薇尽くしに、そんな呟き。 克希の小父さん、ひとが良かったし。
旅行中は当然、バイト代は入らないから。 今月は正直、厳しいけど。 帰る時に、何か買っていこうか。
もし、帰れたら――]
(75) 2011/05/20(Fri) 10時頃
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先輩のメモ、貰い損ねちゃったな。
[あの場でねだる事ではなかったし、あの時の選択を後悔はしていない。 ただ、すこし残念なだけ。
ふ、と飛ばしてみたり、しゃぼん玉を作ってみたり、ひとしきり遊んでから。 名残は惜しいけれど、ふわふわの泡を流そうと、お湯を肩からかけたとこで]
……王子? オレです、楓馬ですよ。
[扉越しに掛けられる声。 なんだかちょっと、元気が無い気がする。 麻雀のときよりも。
居て良いかと尋ねられれば、当然断りはしないけれど]
どうか、したんですか?
[2階まで来ているのだから、腰ではないと思うのだが。 何処か具合でも悪いのかと、心配げに声を掛け]
(76) 2011/05/20(Fri) 10時頃
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―― 紅子さん ――
『ランカ、ランカ。 ベニコサン、イル。 イナクナラナイ。 ナラナイヨ』
[何度抱きしめられても>>65、紅子さんは嫌がる素振りを見せない。 ただ、すりすりと頭を撫でつけ。 まっくろの瞳でまっすぐ、蘭香を見上げてコトバを囀るだけ]
『オフロー。 ベニコサン、ミズアビ、スキ。スキ。 サッパリ!』
[ランカハ、ユックリ。ハイル、オチツク。 そんなことを繰り返しながら、蘭香に連れられ]
(77) 2011/05/20(Fri) 10時頃
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―― 2階浴室 ――
蘭香っ!?
[搾り出すような声>>71。 けして大きくは無かったかもしれないが、彼の声を間違えるはずは無く]
どうし、 ……っ!?
[浴室の扉を、ばんと開き。 薔薇の香りの湯気と共に飛び出せば]
(78) 2011/05/20(Fri) 10時頃
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[王子へ伸ばされる手。 唖然としつつも、咄嗟にその手を掴もうと、手を伸ばし*]
(79) 2011/05/20(Fri) 10時頃
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―2階浴室前―
[楓馬は答えてくれただろうか。 いくつか言葉を掛けているうちに蘭香がやってくる]
あー、やほ、らんらんもお風呂?
[何でこんなところに座っているのかとか、泣いた後の目元を突っ込まれないといいなと思っていたが、幸い突っ込まれなかったようで。
――というよりも、それどころではなかったというほうが正しかったか]
(80) 2011/05/20(Fri) 10時頃
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え?
[野久先輩、と搾り出される声。 自分の後ろに向けて言われているようで、振り返る]
――――!?
[声が出なかった。 人ならざる者の手が自分の首に伸びていて。 ――二人がいなくなったことを知らないから、もしかしたら次は自分が消される――殺されるのだろうかと思う。
たすけて、と。 願った時に浮かんだ顔は、誰のものだったのだろう。 首に亡霊の手が触れる寸前、ふっ、と意識が*途切れた*]
(81) 2011/05/20(Fri) 10時頃
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― 二階・廊下 ―
[この豪雨のせいか、湿度が酷い。 寝汗をかき、べたつく身体をシャワーでさっぱりしようと浴室へ向かおうとして、冬色の眸が捉えるのは]
……?
[表情のない女と、道也の首へと伸ばされる白い手]
(82) 2011/05/20(Fri) 11時頃
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お前、誰だ――…?
[この別荘には自分たち以外の人間はいないはず。 だから、少々間抜けな問いをぽつりと漏らした]
(83) 2011/05/20(Fri) 11時頃
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ユリシーズは、ノックスが意識を失い倒れる音に、はっとした表情を浮かべて。
2011/05/20(Fri) 11時頃
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―休憩所― [先客>>37に手を挙げて答える。]
全くだ。 …さっきの停電で石神井センパイと蓮端センパイが消えた。
[自分が見ていたこと、聞いていたことを百瀬に説明する。]
……しらん。 が、この状況では『あり』としか言い様がない、と思う。
[と、>>39に答えた後、]
…何があったか、とかは分からない。 けど石神井センパイと蓮端センパイの間に、なんとも言えない空気があったからな。
[>>45には感じたまま告げた。]
(84) 2011/05/20(Fri) 11時頃
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―2階浴室―
[ 女はその手を道也に触れさせる寸前で止まる ]
『 』
[ 生者に、死者の手は掴めない ] [ だから楓馬の手はすり抜ける ]
[ けれど彼のその意思は確かに女へと伝わった ]
(85) 2011/05/20(Fri) 11時頃
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『ごめんなさい、わたし』
『楓馬も蛍紫もわたしに優しくしてくれたのに』
『わたし、このままだと』
『化物になってあなたたちを皆、殺してしまう』
[ 女は訴える。足りない言葉を補うように、矢継ぎ早に ]
『わたしは日向(ひなた)』
『そして、日向(ひゅうが)という化物でもある』
『ひゅうがは、恋獄の主』
『恋を失った人の魂を奪って恋獄に留める存在』
『この地に囚われた魂は』
『いずれ浄化され、来世で幸せになる、けれど』
『わたし、やさしいあなたたちを殺したくない』
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[ 何かを伝え終わると、女の姿はすっと霞のように消えた ] [ 代わりに現れるのは腫れた顔をした女の亡霊 ]
[ *にたり、不気味な笑いだけを残してそれもいずれ消える* ]
(86) 2011/05/20(Fri) 11時頃
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[浴室から飛び出してくる楓馬と、道也の名前を呟く蘭香んほ向こうに、意識を失う道也の姿が見えた]
ちょ…!? 道也……っ!!
[慌てて駆け寄り、道也の頬を一、二度叩く。 完全に意識がないのを確認すれば、ちっと小さく舌打ちし]
蘭香、お前下行って栖津井先生呼んでこい。 楓馬はタオル! 水で濡らして!!
早くっ!
[下級生二人へと指示を出すだろう]
(87) 2011/05/20(Fri) 11時頃
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日向は、後から現れた悠里にも笑いかける。にやにや、にたり**。
2011/05/20(Fri) 11時頃
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…………分からない。
[見上げてきた百瀬の問い>>55に、どう答えたものかと迷った末に、この答えを絞りだした。
分からないことは分からない。 そうとしか答えられない自分が恨めしい*]
(88) 2011/05/20(Fri) 11時頃
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ユリシーズは、倒れた道也に気を取られていたからか、続いて姿を見せた不気味な笑みには気付くことなく…。
2011/05/20(Fri) 11時頃
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はい、気をつけて……。 ───…………。
[部屋を去ってゆく鳴瀬の背に、そう言った後。 声には出さず「消えないでくださいね」と付け加えた。
甲斐の方へと向き直り、部屋にあがり、畳の上に正座する。 暫くは、黙って彼の動きを見ていたが、マドレーヌを差し出されると、ふっと笑んでそれを受け取り]
ありがとうございます。 そうですか、お母さんが……。
いただきます。
[口に含むと、甘い味が広がった]
(89) 2011/05/20(Fri) 11時半頃
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[少しずつ、ゆっくりマドレーヌを食べながら、時折窓の外へ視線を向ける。 雨は、やはり止む気配はない]
……甲斐君は。
甲斐君は、鳴瀬先生のことは、好きですか?
[ふと、そんなことを訊ねてみる。 それは、自分としては、鳴瀬のことを教師として──顧問として好きかどうかと、訊ねたつもりではあった**]
(90) 2011/05/20(Fri) 11時半頃
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日向……。
[一刻も惜しむ様子の日向に、問いを挟むことはしなかった。
ただ、告げられる言葉に、触れられない手を握り締めて、くちびるを噛む]
…………分かっ、た。
ありがと、……でも、お前は!
[なら、おまえはどうなるんだ、と。
この地の魂が、いずれ幸せになるのだとしても、日向自身はどうなるのかと。
口にする前に、日向の姿は消えてしまって。
入れ替わりに現れる、さきほどの亡霊]
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―― 2階、洗面所 ――
……っ、 は、い。
[入れ替わりに現れた、さきほどの亡霊。 痛ましげな、悔しげな。 そんな眼差しを向けて伸ばした手も、やはり彼女には触れられず、消えていってしまう。
カラの手を握りしめ、ひとり唇を噛んでいたが、悠里の声に、はっと顔を上げ。 手洗いの脇に下がっていたタオルを引っつかむと、勢い良く蛇口を捻り。 軽く絞ってから、悠里へ渡す]
(91) 2011/05/20(Fri) 11時半頃
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―自室―
んん、いつもこんなもんでしょ。
[男子校の同じ部内、一年と三年。距離感は近すぎず遠すぎずで丁度良いかと思っていた、それに対して百瀬がどう思っているかは知らない。……あまり、興味もない。
織部を向かえて扉をあけてから、濃密な薔薇の香漂ってきていて。それは大須が消えた時にも感じたもの。 またか、と眉を顰めてそのあと泣いた事を指摘されきゅううっと皺が濃くなる]
ん、こえー夢を見た。俺だけここに置いてかれんの。 だから、野久は悪くないし喧嘩でもない。
(92) 2011/05/20(Fri) 11時半頃
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じゃあ、やめるのか?
[想う事をやめるのかと。
呟きに、宣戦布告のような答えを返す。野久の心情は複雑だろうが、自分だってもうぐちゃぐちゃだ。 そして何故か、織部にはこんな思いさせたくないと、思ってしまった。
引き止めることはできなくて、そのまま出てゆくのを見送って]
……下、いこっか。
[トイレなら仕方ない、と顰めた眉を戻して部屋を出ようと歩き出す。 途端、薔薇の香を吸い込んで、くらり*]
(93) 2011/05/20(Fri) 11時半頃
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[>>47問いかけは耳に入らなかったように風呂へ行くとく後輩をそれ以上追いかけることはなく。2階の廊下を見渡す 部屋から出てきた百瀬と、土橋、そして最上達の部屋へと入って行こうとする織部の姿は目にしただろう]
他は…
[恐る恐る階下の自室と向かう、これ以上誰かいなくなっていないようにと祈りながら]
(94) 2011/05/20(Fri) 12時頃
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― 二階の浴室前 ―
……ん、さんきゅ。
[水で冷やしたタオルを受け取り、気休め程度にはなるだろうと道也の額に乗せた。 少しでも楽になれば良いのだけれど……]
楓馬、お前……。
[浴室から飛び出してきたのだろうか。 びしょ濡れの侭の楓馬に気づき]
……風邪引くといけないから、とりあえず身体拭いて服着てこい。 道也の方は見てるから。
[行った行ったという様に、手を振った]
(95) 2011/05/20(Fri) 12時頃
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