192 革命の嵐
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―食堂―
[食堂に居合わせた革命家の面々。 その中心にシメオンと見知らぬ若者がいた。
>>65同志たちがイリヤと名乗り、取引をしにきたなどと口にする若者を胡乱げに眺める中。 ソーフィヤの後ろからついてきた先生が、不意に前に歩み出る]
『彼の身元は私が保証しよう。 イリヤ・アレクセイヴィチ、よく来てくれた』
[歓迎の言葉を口にするわりに浮かない顔つきだな、と。 イリヤと言葉を交わす先生の横顔を眺め、そんなことを思った]
(76) 2014/09/03(Wed) 22時頃
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― 食品店 ―
[大通りに面した店に入ると、 主人がぎろりと、こちらを見るので、大きな男は背をやはり丸くして、小さな声でチーズをください、と呟くように言った。
主人は、無言でたちあがると、店の奥に行き、想像よりもずうっと立派なチーズを持ってくる。]
こ、これ、は、高いんじゃないがな?
[そう尋ねると、案の定すごく高かった。 なので、しょんぼりとこれは買えません、と踵を返そうとすると、探してくるので、待て、と言われ、窓際に寄って、ぼけっと待っている。]
(77) 2014/09/03(Wed) 22時頃
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馬鹿 イワンは、メモを貼った。
2014/09/03(Wed) 22時頃
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− 戦艦ヴィーゾフ号艦橋 / ヤンヴァーリ河 −
よおし、推力減退。 艦砲射撃用意。
[河の流れに流されない程度にスクリューを遅くさせ、砲手を呼びつける。 真面目な副官が、「空砲にしないのでありますか」と伺いをたててきた。]
なあに、空砲でビビって逃げ出すような連中は、この戦艦ヴィーゾフ号を見ただけで、とっとと退散してらあな。 ケンカは先にガツンと殴って思い知らせた方がいいんだ。
(78) 2014/09/03(Wed) 22時頃
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[砲弾の装填を命じて、宮殿の方向を指差した。]
目標、広場の中央の噴水。 宮殿に当てんじゃねえぞ。
── 発射! 12
[命令一下、轟音を轟かせて射出された砲弾は、果たして、どこに着弾したか。
96〜100=暴発 90〜95=宮殿 66〜89=デモに集まった群衆 35〜65=広場の噴水 11〜34=広場に面した商店 1〜10=住宅街
炸裂弾ではありません、念のため。]
(79) 2014/09/03(Wed) 22時頃
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んー、 なんが手前に落ちたようだが…
[放物線を描いて飛んだ砲弾は、広場に面した商店に命中。 詳細は艦上から確認することはできなかったが、]
次弾は修正してけー
[まったく懲りた様子なく、砲手の肩をバシンと叩くのだった。]
(80) 2014/09/03(Wed) 22時頃
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[ワインを給仕してまわりながら、イリヤの語る言葉>>65に耳を傾ける。
自分たちのの怒りを、嘆きを――革命を望むに至る衝動を教えてくれと口にする作家を、ソーフィヤは不思議なものを見るような顔つきで見詰める]
(81) 2014/09/03(Wed) 22時頃
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艇長 イワノフは、メモを貼った。
2014/09/03(Wed) 22時半頃
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(――イリヤは帝都の住人だけど、きっと、私たちみたいな思いをしたことはないんだわ)
[きっと彼は、これまで理不尽な扱いも、口には出来ないような屈辱的な仕打ちをを受けたこともないのだろうと、ソーフィヤは勝手に理解する。
富裕な市民たちの中には物笑いにするため、下層市民の惨めさを知りたがる下種がいるが、イリヤもその手合いだろうか? だが、彼の口調や態度からはそのような下卑た興味は感じられない。
ならば、何故彼は、ソーフィヤたちのことを知りたがるのだろう?]
(82) 2014/09/03(Wed) 22時半頃
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クズとはまた……穏やかじゃないな。
[等と、言い放ったシメオン(>>66)に軽口を叩くが、表情にはまだ余裕を残し。 食って掛かるその様子には若干意外そうな表情を浮かべるも。]
なるほど……客になるか革命家になるか、か。 申し訳ないが、病弱な身でね。女遊びなどしては命に関わるんだ。 仕方ない。
[観念したように肩を竦めてみせ]
革命に身を投じようがそうすまいが、目をつけられれば、どうせ同じことだ。 よろしく、同志シーマ。 ああ、僕は親しき者からはエリアスと呼ばれていることは、言い添えておこう。
[手を取ろうとするシメオンに呼応する形で、こちらもその手を握る。]
(83) 2014/09/03(Wed) 22時半頃
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[さて、かつて活動家としても名を馳せた、偉大な文豪の名前を例として出され、そして要望を貰えば]
思想家として後世に名を残したいと言うほどの野心は無いが、ね。 「同志」と言った舌の根も乾かぬうちで申し訳ないが…… 僕個人はね、革命が成功しようがすまいが、実のところ、どうでもいい。
……ただ。
[据わった目線と底意地の悪そうな笑み。 果たしてシメオンがそれをどう解釈するかは解らないが。]
……君らの行動が大衆の心を打つものであればあるほど、僕の次の本はいい商売になる。そうするために力を貸せというならば、喜んで力になろうじゃないか。
[シメオンの目から視線を動かすこと無く]
目的はさておき、僕らの利害は一致している。……どう思うかな、“同志”。 一致しているのならば、互いに同じ血を身体に流すのも悪くない。 ……歓迎のワインを頂けるならば、喜んで。
(84) 2014/09/03(Wed) 22時半頃
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― 食品店 ― >>79 [それはかなり、唐突だった。 いや、本当にかなり急な出来事だった。]
は い?
[一瞬、無音になった。いや、違うすごい爆音だったから。 そして、次にはガラガラと周りがまっくらになった。
瞬間的に身を護り、そして、何かしらが原因で崩壊した店の中、 次には瓦礫の中から身を起こす。]
(85) 2014/09/03(Wed) 22時半頃
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な、なにが起こっただ?
[慌てて見回すと、店だった残骸。たしかその奥の位置に店の主人が入っていったことを思い出して、奇跡的に無傷だった男は、瓦礫をかきわけ、主人のいるほうへ。
同時に、店内、火の手がごうっとあがった。]
(86) 2014/09/03(Wed) 22時半頃
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ソーニャ。 酒なんてみんな勝手に飲むさ。
[ワインを給仕してまわるソーフィヤを見て、 なにかまどろっこしそうに青年は声を掛ける。]
紹介するよ。革命の女神さ。同志ソーニャ。 だけど…彼女の心に手を出したら、反革命罪で銃殺するよ。
[冗談とも本気ともつかぬ笑み。 ソーフィヤが傍らに来るならば、その髪また口付けをして。]
ふん…革命を商売にして成功した奴がいるか僕は知らない。 だけど、商売を革命にした奴なら幾らでも知ってる。
[僕らさ。そう言い切ろうとして、 不意に襲う振動を足元に感じ、青年の目が険しくなる。]
(87) 2014/09/03(Wed) 22時半頃
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―宿屋― [そこは一見して寂れた宿屋らしき風情だった。 堂々と背を伸ばし、帽子の影から狭い室内を睥睨した「女」は、風采の上がらぬ男が宿の主らしく挨拶しようとするのを遮って、口を開いた。]
ナスチャが来たとアリョーシャに伝えて下さい。
[音楽的な響きの声に、主ははっと驚いたような顔をしたが、伝言を伝えに二階へと上っていった。 部屋の隅でカードに興じていた男ふたりが、主が戻ってくるまでの間、手を止めてじっとこちらを見つめていた。]
(88) 2014/09/03(Wed) 22時半頃
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オヤジさんだいじょうぶだが?!
[チーズをもってきてくれてただろう店の主人は見事に食品棚に挟まれていた。 そこで、男はその棚に手をかけると、]
ぬおおおおおおおおおお
[バカ力と、いうか力バカというか。むしろ、だから、バカだと思われてもおかしくない勢いで、 重厚な棚があがっていくと、 店の主人をなんとか起こした。*]
(89) 2014/09/03(Wed) 22時半頃
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[そうシメオンに告げれば、女性がワインを持ってこちらに来る(>>81 >>82)。 感謝の言葉と共に一礼し、ワインを受け取り、一口。
その身に酒を流し込むと……その女性の視点に、違和感を感じる。 まあ、解らないでもない。食うのに困っていないように見える自分がこんなところに来るなど。革命に身を投じるなど。 本当に困っている者達から憤りの感情を持たれても文句も言えないことは、彼自身良く理解している。
彼女のことはシメオンが紹介してくれた。同志ソーニャと。(>>87)]
ソーニャさんか。ならば、僕にとっても同志ということになるか。ならば、よろしく。 ……しかし理解に苦しむ、という表情だね。……君を怒らせてしまう事を承知で、僕の事情を伝えておこう。
[引き締まった真剣な表情で……いざ、伝えようとした矢先。
振動と重音。デモ隊の鎮圧でも始まったのか。いや、しかし音は広場の方から聞こえた気がする。]
……見つかったわけではなさそうだが……? [あたりを見渡してみる]
(90) 2014/09/03(Wed) 22時半頃
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イワンは、きっと店の前には多くの野次馬が集まってくるだろう。
2014/09/03(Wed) 22時半頃
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ー 大通り ー
[猫と別れた後、通りを歩いてゆけば、突然の轟音が鳴り響く(>>79)]
うほっ………!な、な、な、、
[ガシャンッ] [驚きよろけた際に、持っていた酒瓶を落として割ってしまった。]
(91) 2014/09/03(Wed) 23時頃
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[「お入り下さい」との返答を携えて戻ってきた主と入れ替わりに「女」は階段を昇り、示された部屋に向かった。 ノックの後、扉を隔てて僅かばかりのやりとりの後、「女」は待ち人の待つ部屋に入った。 ランプ一つ灯した暗い部屋の中には、背の高い男が一人。椅子から立ち上がって、「女」を出迎えた。 「相変わらず美しい」と大げさに賛辞を述べて、広げた両腕をすり抜けて、]
世辞はいいよ、アリョーシャ。 それよりも先に、情報交換と行きたいね。
[帽子を脱いで、長い栗色の髪をかき上げた。]
(92) 2014/09/03(Wed) 23時頃
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病人 エリアスは、メモを貼った。
2014/09/03(Wed) 23時頃
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そう? ――そうね。 [>>87 給仕の必要はないと告げるシメオンに頷き、ワインボトルを卓に置いて彼の傍らに侍った。 イリヤに自分を紹介する冗談めかした言葉と、髪に落ちる口付けに目を細める。
新たに同志となった作家に対しては、心の裡を悟られぬよう柔らかな表情を作るよう努めて、挨拶を返す]
ええ、此方こそ宜しく。同志イリヤ。 貴方の事情、是非、聞かせて欲しい――
[けれど、ソーフィヤの視線は思うよりも雄弁だったのだろう。 自分の立場を説明すると口にしたイリヤに、水を向けようとした、そのとき。
ごう、と言う音と共に振動を感じた]
(93) 2014/09/03(Wed) 23時頃
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同志。上だ!
[そう叫ぶなり、青年は真っ先に淫売宿の階段を駆け上った。上り詰めて屋上に出れば、欄干を掴んで乗り出さんばかりだ。宿から見えるヤンヴァーリ河に、もうもうとした砲煙を靡かせて、軍艦が進んでいる。]
やってくれるじゃないか…。
[忌々しげに、けれどどこか安心したような表情で。そうして。]
民衆は革命のために戦ったりしない。 革命の先頭に立つ革命家のために闘うんだ。
ああ…。あの艦砲が僕にあったらなぁ……
[それはソーフィヤや、エリアスに話しかけた言葉だったかもしれないし、ただ独語しただけだったかもしれない。青年は酷く惜しげに呟いた。]
(94) 2014/09/03(Wed) 23時頃
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[ステッキを頼りによろよろと立ち上がると、大丈夫ですか?と優しく声を掛けてくれる少女があった。]
ほ、ほ、だ、だいじょ、大丈夫じゃ。 ありがとう、優しい娘さんじゃなぁ………
[お礼をいいながら、あイテテと腰を擦った。]
んん?なんじゃ?
[助けを呼ぶ声と、これは歓声か、人々がそこへ向かえば、流れにつられるように老人も騒ぎの元へと]
(95) 2014/09/03(Wed) 23時頃
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先頃、私の宮殿に入り込んできた溝鼠を駆除した。 大したことのない小鼠だったが、どうやら鼠どもの間では、近々帝都で大きな花火を打ち上げる計画があるらしい。 気勢を上げるため法螺を吹いてみせたか、撒餌かは知らないが、少なくともそういう気運は高まっている。 全く、飼い慣らされた白鼠がそこらをうろちょろ嗅ぎ回るくらいならまだ可愛げもあるが、奴らは疫病をもたらす害毒持ちだ。 触れたもの全て腐らせ、病を伝染させる。
[整った眉を顰め、忌々しげに吐き捨てた。]
(96) 2014/09/03(Wed) 23時頃
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― 燃え上がった店 ―
[店内は焼け始めて、食品の焦げる匂いが充満しはじめる。]
これは、ひでぇ。 今のは砲弾だべ。
[兵隊だから、わかる。 さっきはびっくりしたけれど、いきなり空から爆弾がふっとんできたのだ。 男は、なんとか主人を救けると、主人を担ぎ、店の外へ脱出を試みる。]
オヤジさん、他には誰もいないでいいだな?
[そう呟いて、でも、オヤジさんの回答は
奇数:誰もいない 偶数:いる]
(97) 2014/09/03(Wed) 23時頃
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イワンは、答えは8(0..100)x1
2014/09/03(Wed) 23時頃
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オヤジさん、まだ誰かいるだか?!
[店の外まで店主を引きずり出すと、火の手が強くなる店を見返す。 そのとき、誰かが、水バケツを持ってくるのが見えて、それを奪うと、頭からかぶった。]
じゃ、いっでくるだ。 二階に、ばーさんだべな?
[オヤジさんから、まだその家屋にいるという人物の情報をきいて、 店の中、駆け込んでいく。**]
(98) 2014/09/03(Wed) 23時頃
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馬鹿 イワンは、メモを貼った。
2014/09/03(Wed) 23時頃
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− 戦艦ヴィーゾフ号 / ヤンヴァーリ河 −
[火の手が上がるのが見えた。 広場の喧噪が伝わってきたが、水の上にいれば難攻不落とばかりに、周囲にはあまり気を配っていなかった。]
さっさと里に帰って、ジャガイモ栽培に専念しとけ!
[ウォッカの瓶を振り回しながら気勢をあげる。**]
(99) 2014/09/03(Wed) 23時半頃
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艇長 イワノフは、メモを貼った。
2014/09/03(Wed) 23時半頃
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ところで君の方はどうなった。 例の内務省の白鼠は――
[と、「アリョーシャ」に向き直ったところで、腹の底に響く轟音と震動>>79が襲った。 建物が僅かに揺れ、閉めきった窓がビリビリと震える。]
――何だ、今のは?!
[衝撃から立ち直った「女」は「アリョーシャ」とともに窓辺に走り寄り、窓を開けた。 二階の窓からでは遠くまでは見えないが、離れた大通りの方で火災が起きているらしいことは、夜空を赤く染める光から見て取れた。]
まさか砲撃?! 一体どこからだ!
[軍艦が遡上しているという報告は受け取っていたが、一軍人の独断による暴走とまでは、聞き及んでいなかった。 故に、ヤンヴァーリ河からの砲撃とはすぐには思い至らず。 分かったところで、海軍の軍艦が何ゆえ皇帝の許可も海軍総督の命もなしに帝都市街に砲撃を開始したのかまでは、理解の外であっただろう。]
(100) 2014/09/03(Wed) 23時半頃
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─ 淫売宿/食堂 ─
[食堂に集まった皆の前でシメオンが熱気たっぷりに演説しているのを、猫はいつもの場所―――戸口の隣に置かれた食品籠の中から眺めていた。
そこへ病弱な作家先生が現れれば、ふすふすと匂いを嗅ぐ。 まるで、酒の匂いが残っていますよとでも言うように。]
(101) 2014/09/03(Wed) 23時半頃
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[室内で起きる議論にも、救世主の血を回し飲む儀式にも、まるで興味はないといったように欠伸をひとつ。
その時、遠くでひどい音と衝撃が響いて、思わず耳をぴんと立てた。 首筋から背中にかけての毛がごっそりと逆立っている。]
(102) 2014/09/03(Wed) 23時半頃
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[シメオンに続いて、革命家たちが三々五々屋上へと駆け上がる。
黒い大河に浮かぶ黒鉄の艦と、彼女の引き起こした災厄を目の当たりにして。ある者は憤り、またある者は被害を受けた市民の為に嘆きの声をあげる。
革命に距離を置く者が見れば、感情に任せて言葉を口にし、熱を高めていく革命家たちの様を芝居の一幕のように感じるかも知れない。
だが、当事者たちは本気だったのだ――或いは、本気だと思い込もうとしていただけかも知れないが]
(103) 2014/09/03(Wed) 23時半頃
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……何て、酷い。 あいつらは、――貴族達は私たちのこと、薄汚い溝鼠くらいにしか思っていないんだわ。
[ソーフィヤもまた、熱に浮かされたように呟き、大砲に蹂躙された市街に視線を向けてから、おもむろに屋上の欄干から身を乗り出した]
(104) 2014/09/03(Wed) 23時半頃
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『酷いもんだよ……』『あれかい?』『そうそう、あの戦艦に違いないよ……』 『……よく助かったねぇ』『誰だい?』『あのデカイ男は……』
[野次馬の声を聞きながら、ほうほうと店のあった方をみやると魚屋のワンダーチカが驚いた表情で近寄ってきた]
ふぉっ?怪我をしとると? ワシが…?
[指摘され腹を見ると微かに血がついていた。どうやら先程、割れた酒瓶で傷つけたらしい]
いやいや、たいした傷では……ふぉっ!
[半ば強引に連れていかれた先は、なんとか無事だった家屋で、中には手当てを受けているものが数名。]
(105) 2014/09/03(Wed) 23時半頃
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