25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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暴れてくれれば痕跡が残る
暴れてくれればより見つけやすい
何が問題がある。
それに巻き込まれて、死ぬ奴が出るかもしれぬ。
[お前の元主のようにとはいわなかった。]
……そうですね。
けれど、そうでもして捕まえなければ
羅患者は増え、よりいっそうの犠牲者が出ます。
違いますか?
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…判らねば、疑わしきものを選んで端から……
[口に載せるだけで、その罪深さに顔は曇る。 腕の中で震える幼子を、この子だけでも守らねば。
殺されても…喰われても困る。 思わずその華奢な身を、ぎゅうと力込めて抱きしめた。]
(415) 2010/08/06(Fri) 01時半頃
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[しばし沈黙するが、目を一度伏せてから。]
もう事態は転がりだした。
見極めるのみだ。
ええ、そうですね……
私も観察はしますが
話すので観察しきれません。
ですので、観察本当によろしくお願いいたします
私とて、無実の人間は殺したいわけじゃない
[先程散った赤い血か、それとも赤い月のせいか。
体の芯に沸き立つ獣を、抱く手に力込めて押しとどめる。]
…堪え切れねば……全て喰い尽くすしかなかろう。
[苦しげに小さく漏らす言葉は届いてしまうか。]
全員抹殺など
涼しい顔で謂うて
非人道的でないと?
ようやる。
[怯えは半分が演技、半分は底から生じるもの。
けれど
嗚呼、ひとのにおいが、血のにおいが強い]
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…おぼ、ろ……?
[顔色の悪さに気づいて、声をかける己の頬も蒼白か。]
月待ち続けて、漸く逢えたというのに…このような。 [声はやはり、震えていた。]
(427) 2010/08/06(Fri) 02時頃
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……ああ。そうだな。
[堪えきれなければ。
総てを喰らって生き延びるまでの事。
従来と何一つ変わらないはずだ]
総て
[喰らうは狼憑きが故の定め]
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[この状況で、 かつての月の下の隠れ鬼のように、その手を取って逃げることなど。
今の己にも、そして彼にも、守るべきものが出来てしまっていたのなら。
雛鳥は促してくれるけれども、それでも…やはりあの時よりも酷く遠い。]
(440) 2010/08/06(Fri) 02時頃
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総て…………ならば
順序も考え直す必要あるか
如何しよう。
如何したものかな。
…イビセラ。
お前、乾についたのだったか。
[付き従っている様子は、視線で見てとれる。
数拍開けてから]
このまま転がせそうであれば、あれはしばらく見送ってもよいかも知れん。
代わりに、誰か。…食指が動きそうなところがあれば。
それか……推測だが、もう一人ぐらいセンターの人間はいそうだな。
そこをあえて食ってやるのも好いかも知れん。
あの花独りで根回ししたにしては、状況が綺麗にまとまり過ぎている。
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[ほんの一瞬だけ、旧友に向ける眼差しは哀れみ。 されど、耳元に囁かれる声に切なげに目を伏せて。]
……っ…、
なぁおぼろ…、先の約束。 このようなときに言うのも場違いだが、時間があれば。
[一度言い淀んだ言葉を、なんとかかける。 いつか満る月の下でと、そう思ってここまで来たのだから。]
(453) 2010/08/06(Fri) 02時半頃
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そう、いまは坊主の手に。
……センターの、イアンでは駄目なのか?
[小さく笑うは
幾らか平常が戻ってきた故に。
二人の仕草を視界隅捕らえ、からかい混じりにひとつ]
根回しした相手
検討もつかずして
さて……如何したものか
あれほどつけ上がったことをしてくれるのならば、
最後まで残して苦しむ姿を見るほうが楽しいだろう?
[淡々と告げる。
からかうような言葉など歯牙にもかけない]
…刷衛。もしくは、天満月
[ぽつりと一つ、名をあげた]
ひょっとして、と言う可能性でしかないが…
あの研師、幾らか反応が薄いように思う。
イアンと通じていそうなものか…
もしくは…
[この感情は嫉妬なのだろうか。自らも花を手にしていても尚。]
…高嶺が摘んだ花の、いずれかを。
刷衛、天満月
どちらも、反応の薄い点では……そうか。
[淡々と謂うに追いかけはしない。
名を呟き乍]
高嶺の摘んだ花ならば、華月を
[どちらかと謂われ、迷わず片方を選ぶ。
意図の説明は出来ず]
どちらも、何かを知っていると言うのは間違いないようにおもう。
[強く視線を向けていた刷衛。
多少の驚きはあれど、それにしては驚きがあとを引いていないよう見える天満月]
…高嶺の?
[その言葉は発想に無く]
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…かりょう?
[出て行く姿に手を差し伸べようとするも、追えず。 良く出来た子過ぎて、たまに辛くなる。
やはり危うげな様子の同じ顔の相手が傾ぐなら、いつか熱を出した日のように手を差し伸べてしまうか。]
夜風にでも当たれば落ち着くか? それともまさか…月の光の下では辛い?
[朧を見つめる目は不安げ。]
(475) 2010/08/06(Fri) 03時頃
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…えぇ、あとで必ず。
[いつか約束したように、この月の下で伝えたいことが山ほど逢ったような気がするけれど、
人狼病。そして身を引いた雛鳥。 どれもが気がかりで悩ましい。]
(476) 2010/08/06(Fri) 03時頃
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…どうなされた?
[虎鉄と明之進。名簿に名のない…だが見覚えのある二つの花。 そのどちらも萎れて散りそうに儚く。]
下がって休みなさい。 あなたがたは… ”こんなところに、いるべきではない。” [周りには、ただ気遣っただけに聞こえる言葉。]
(486) 2010/08/06(Fri) 03時頃
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[同じように彼らを気遣う朧へ目をやれば、視線が重なる。 毅然と平静を装おうとしたけれど、やはり彼には気取られてしまうか。]
(487) 2010/08/06(Fri) 03時頃
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念のため
邦夜が来る前に迦陵が私の部屋を訪ねました。
そして直ぐ立ち去ったのですが
ちょうど、入れ替わりに邦夜がやってきたので
邦夜が私の部屋に来たことを
迦陵は知っていると思って良いでしょう
些細なことですが、報告までに
そういえば、もうひとつ…
[ふと思い出した、違和感。]
イアンが…天満月の御子息を、籠絡したい、と。
いや、おかしいか。通じておるなら取り入りたいとは。
籠絡…?
[己の居室へと戻るその途中、言葉に微かに訝しんだような返事になる。
天満月を。先程の言動と内容から照らし合わせるに]
…何らかの手駒にするつもりかも知れん。
だが、理由がわからない。
センターにとって都合のいいものだと言うことなのか?
[軽く首を捻る]
籠絡かどうか
……取り入る何かが、かの人にあると?
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[気遣う言葉に、薄笑浮かべて緩く首を振り、]
あの子、わざわざ気を回してくれたんですよ。 わたしとそなたが、そういう仲なのではないかと察して。
共に育ったあの頃のように、月見て話せれば良いと思っていたのだけど、 これでは、無理ですね。 [向ける笑みは艶帯びたものではなく、寂しがり屋の子供のよう。]
月が満ちれば、逢えると信じてた。 離れても、そなたは高嶺の当主になるのだから、 いつか必ず…花の祭りの席で逢えると。
[幾度も祭りに通い詰め、祭りに供されるような年の盛りを過ぎてからは、違う形で来れるようにと。 そうしたのは、この日を待っていたからで。]
窓の格子の内からずっと、満ちゆく月を眺めて暮らしてきたものだ。
(500) 2010/08/06(Fri) 03時半頃
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