25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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― 高嶺の部屋 ―
……―――っ!
[虎鉄は琥珀を見開くと、跳ねる勢いで身体を起こした。 ぐら、と世界が揺れて、片手で顔を覆う。 けれど、何かとても恐ろしい夢を見ていたような気がして。 目が覚めた事に少しばかりの安堵を覚えた。]
…こ、…こは…?
[目を瞑って一呼吸おいてから辺りを見回せば、馴染みの無い部屋。 思い返せば、大広間で倒れた事に思い当たる。 誰かが世話をしてくれたのだろう。 今此処に人気は無く、それが誰なのかはわからないが。 別の部屋に居るのだろうか? 虎鉄は床から出ると、ひたりと音も無く部屋の中を歩いた。]
(@75) 2010/08/06(Fri) 22時頃
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―――…?
[人の姿を探して程無くして。 耳に届いたのは、微かな人の声と―――鈴の音。]
…鵠…? …かげ―――
[小さな声で思い当たる名を呼んで。 しかし歩む足は、ぴたりと止まった。
聞こえる声は近づくにつれて艶を増し。 聞こえる息遣いは甘く切ない。]
…っ、……
[思わず零れそうになった声を、寸での所で押し殺した。 聞いてはいけない。立ち去らなくては。 虎鉄はふらりと頼りない足取りながらも、やはりそこに音は無い。 部屋はしん、と静まり返ったまま。 蛻の床を残して、虎鉄は物音一つ立てずに部屋を去った。]
(@76) 2010/08/06(Fri) 22時頃
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若者 テッドは、メモを貼った。
2010/08/06(Fri) 22時頃
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>>735
そうか。名前を呼ぶのに意味があるとはな。 花の遊びだろうか、面白い。
[つんとそっぽを向くロビンにそう答え、]
ああ、イアンがそう云ったか。 そうだ。俺は、大丈夫だ。
[そういう話、部屋の中のセシルには聞こえただろうか。]
(743) 2010/08/06(Fri) 22時頃
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……なら、いいのですが……
[宴直前の連絡まで相棒の名さえ知らなかった青年は
当然相棒の出生と管理処理までは知らされていない。
……復讐と獣への嫌悪から事前に相棒を知って、
何らかの切欠でそれらを知ること内容にと言う
センター側の配慮だったのかどうか……
何も知らない青年はただ、言われた言葉に
不思議そうにしながらもそう返した]
記者 イアンは、本屋 ベネットが何者かを考える手がかりはあまり得られない会話だったなと今更思う
2010/08/06(Fri) 22時頃
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―大広間― [誰か居ないかと覗いた大広間] あれ、イアン? ……てっきり忙しくて駆け回っているかと思っていたけど。
……なあ、夜光見なかった?
(744) 2010/08/06(Fri) 22時半頃
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[耳を欹てるも、音はない。 虎鉄が倒れてから随分と時間が経った気もする。 流石に心配は強くなり、褥から身を滑り出した。]
ちぃと、様子見てくるわ。 ついでに茶器も返してくるさかい、辛いんやったら、もう少し寝とき。
[鵠が起きているようなら、そう声かけて。 寝ているようならば、書き置きを置いて、身を整えれば小部屋から出る。]
虎鉄?
[そこには虎鉄の姿はなく。蛻のとこがあるばかり。 それが示すことに思い至り、華月は頭を掻く。 茶器を抱えると、本邸の方へ向かおうと廊下へ。]
(745) 2010/08/06(Fri) 22時半頃
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― A棟廊下 ― ……面白がって 傷付けたら、許さない。
[恐らく冬が聞けばそう答える 冷たい冬色は、一度睨み上げ 直ぐに逸らした]
刷衛さまが、大丈夫なら セシルを任せてあげてもいいですよ。
(746) 2010/08/06(Fri) 22時半頃
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いや、俺の顔はあらためて、酷いよなぁって話だ。
[今回の相棒が徹底して人狼病を憎み、それゆえの教鞭な姿勢をすること、やはり知ってはいなかった。
チャールズのことは知ってはいたが、その花までは。
なぜ、この組み合わせをセンターが選んだかは知らぬ。
されど、男もわかっている。
虚勢、不妊という処置をとれるのは、本当に幼少時のみ。覚醒し、その行いをしてしまった者は、病気といえども罪だ。
その罰はたいていの場合、処刑となる。]
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― 大広間 ―
ああ、邦夜殿、起きて動かれてたのですね。 潜伏調査員は主に被疑者との 面談、聞き取り、観察からの推測 ……じっくり話すことが仕事です。 あんまり忙しいと、そうも、いかないでしょう?
[夜光のことを聞かれれば、緩く首を振って。]
……ん……間に合わないようならば 何方か他の人を探しますか?
あ…と、そうそう、私以外にも 刷衛殿もセンターから派遣された人間ですので 何かあって私がおらず刷衛殿がいるときは 刷衛殿にご相談いただければ
(747) 2010/08/06(Fri) 22時半頃
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…先日も思ったのですが
随分顔、気にされますよね……
[突然顔の話しになって、ああ、誤魔化されたなと
感じながらも、言いたくないのならしょうがないと
顔を気にすることと、誤魔化されたこと
二つに溜息一つ]
……そちらの様子はどうでしょうか?
人手が必要なら向かいます
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>>746
ん?
[てっきり花の雅な遊びの話かと思ったので、なぜにロビンから睨まれたかはわかっていない。
が、その後の台詞には、うむ、と素直に]
そうだな。セシルは面白くて、何か気になる花だ。 他に宛てがないのであれば、うちに来ればいいだろう。任せられれば大事に扱おう。
(748) 2010/08/06(Fri) 22時半頃
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そっか。 [辺りに誰も居ないか見回して。イアンの耳元でささやく] ……うん。あえなかったら、一日無駄にすることになるし。 そうしたほうがいいかもしれない。
……イアンは、気になった人――居た? [言い終われば少しはなれ] 刷衛さん。イアン以外にもセンターの人、居たんだ。 ……何かあったら。 [困ったような、怒ったような顔をして] ……イアンに何かあったらさ。……俺、やらないからね。 ……協力するのはイアンの頼みだから。 ……だから、生きてないと――やらないからね?
(749) 2010/08/06(Fri) 22時半頃
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― B棟廊下 ―
……。
[裸足のまま、ひたひたと歩く。 青白いままの顔は俯いて、影を背負ったまま、花主達の廊下を当ても無く進んだ。 その足取りは遅く、ゆったりと。 時折、庭を眺めたり、夜空へと琥珀を向けた。 同じ道を通るなら、後から部屋を出た華月と遭遇する事もあるだろうか。]
(@77) 2010/08/06(Fri) 22時半頃
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ああ、顔か。
[とそのとき、すんごく深いため息をつかれた。
つかれたんで、ふと、考える。]
知ってるか?
管理センターのスタッフで、
たまにひでぇ顔の奴がいる。
いや、顔だけじゃなく、体格が異様に太っていたり、痩せていたり。
異常な鮫肌だったり、骨格が異様に太かったり。
だからといってそれが病気なわけではない。
ああ、あれだ。センター副長のギリアン
あいつも片目がないしな。
[そんなヒント。
そう、虚勢、不妊処理をさせたものはバランスが一時崩れる。
結果、決して美形とはいえない容姿や身体つき、衰弱した部分が出るものもいる。]
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―大広間―
[肩に羽織うち掛けて。腰には友の白鞘巻。 不安と孤独の消えぬ顔は髪とも相俟り夜の相。 刷衛が管理センターの者と聞いた時も浮んだのは憂いと怯え。 気遣ってくれる友があるのは嬉しくて、顔には出ぬよう気をつけた]
明。僕は獣よりも…。
[主の用がと去るのを見送ってから呟いて。 思い出すのはイアンの太刀。流された血。 頭を振って振り払う。怯えたままでは動けない。 邦夜の姿探して歩き、結局ここへ戻りきた]
(750) 2010/08/06(Fri) 22時半頃
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ああ、そうだ。 もしかすると、明も一緒かもしれんがな。
[おそらくは俯いた明にそう述べた。]
少し、ややこしい話になるが、 明は俺の花ではない。元々から違う。
といっても、明は信じぬだろうがな。 でもよい。お前も俺が引き取ろう。
俺はあれだ。だからといって、二輪買いを楽しんだりはしないぞ。 どうせ仕事が忙しいからな。 二人はお互い、精進して暮らさせようか。
[と、少し、夢のような話をした。]
(751) 2010/08/06(Fri) 22時半頃
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[刷衛がセンターからの人間だということは知らない。 主が居なくなった後の、二つの花の先も。
一度霞へと触れようと伸ばし、降ろされた手。 月を見上げた。黒檀から落ちる雫は何色か。 朧の中の月の下で落ちる雫の色は透明ではなく、]
(752) 2010/08/06(Fri) 22時半頃
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[刷衛を見遣る 身は幾らか警戒しつつ。 主の姿もなければ、常の冬を演じねば。 違和の正体は手折られた故 そう思わせるはずが、気付けば半分はまことの事]
花として気になるだけでは、厭です。
[彼の物言いをすっぱりと、冷たく切った。 そして続ける]
私は花だから、ずっと傍にはいられない セシルをセシルとして扱ってくれるなら 後は本人次第です。 ……名を許した貴方さまなら、と 信じておいても良いですか
[それでいて、情は見せる。 冬は花開いたのだと思わせるように]
(753) 2010/08/06(Fri) 22時半頃
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では、手に入れることを優先で……
[邦夜が耳元で囁く言葉にはひとつ頷いて囁き返して]
……今のところは…ロビンですかね
[今日の会話は…物凄く印象が動く、 ものでもなかった。 ただ、本人は売り言葉買い言葉…といったが 予言めいた初日の言葉は 表情も相俟ってどうしても印象に残って ……他に、気になるものがいないのもあり 彼の名を上げた…が 続いた言葉にきょとん、として]
…………私の頼み、だから…ですか これは……たとえば邦夜殿が獣に襲われかけて 庇ったとしても無効なんですか…?
[と、複雑な表情を浮かべる邦夜に眉を下げて尋ねた]
(754) 2010/08/06(Fri) 22時半頃
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―――…私も…ずっと、夢見ていた…
[あの日、離されてから…幾度月の姿に名を呼んだか。 記憶の月は全てが美しいものではなく、]
…お前になら…、
夢叶うのならお前に…―――――…たい…と。
[ザァ、と木々が風に揺らされた。 届かなかったであろう言葉は霞の姿に強く願うことであり、 似た想いは選んだ二つの花にも抱く…もう一つの理由。]
(755) 2010/08/06(Fri) 22時半頃
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―B棟廊下―
[盆に茶器を乗せたまま、歩む速度は普通かやや早い。 苔色の眸は、虎鉄の姿を探し、せわしなく動いて]
虎鉄!お前、靴も履かんと……。
[影を背負ったようなその姿、見止めれば足早に間を詰める。]
(756) 2010/08/06(Fri) 22時半頃
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[二つが分かたれてから。
手を離された奥座敷で名を呼びながら 白の残滓に月の色を穢したことも幾度となくあった。
艶を見せる同じ顔に抱くは、恋慕とも異なる情欲。 月夜に照らされた儚き月の姿に触れようとするには… あまりに、この手は穢らわしい…月を、穢している。]
(757) 2010/08/06(Fri) 22時半頃
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記者 イアンは、門下生 一平太の姿を大広間で見れば、おやっと目を瞬かせて
2010/08/06(Fri) 22時半頃
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>>753
おいおい、厳しいな。 お前と違って俺はまだセシルには会ったばかりだぞ?
だから、これからいいところを引き出してやってこうか。
[ロビンの答えには肯定のつもりなのあが、伝わるだろうか。]
(758) 2010/08/06(Fri) 23時頃
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[それでも月の夜には夢ではなく現に焦がれ… だから、また黒檀から濡れるものが落ちるのだろう。]
(759) 2010/08/06(Fri) 23時頃
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―大広間―
[イアンの耳元に寄る邦夜。 黒檀は扉近くよりそれを映して小さく揺れた]
天満月様。 先にお部屋の方にも伺ったのですが。
[戻る前だったか湯浴みで届かなかったか。 声を掛けつつ中へと進む]
イアン様も。ご苦労様です。
[すいと一礼。 気安さを感じたこともある花の、呼び方は変わってしまった。 確かな過去も守ってくれる後ろ盾も持たない身には。 センターの者は、獣より恐ろしい]
(760) 2010/08/06(Fri) 23時頃
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……?ええ、存じておりますが…
[むしろ、センターに所属しているからこそ
色んな顔があり、人がいるのを見ているからこそ
同じようにセンター所属の刷衛がきにすることに
首を傾げていたこともあり頷く]
それぞれの、個性、ですよね?
センターには……検査を含め足を運んでおりますので
ギリアン殿も良く存じ上げております。
ロミオ研究医殿も、あれで40代だとか伺っておりますし
[どうして突然そんなことを話しはじめたのか
見当もつかず、ぽかん、と声を返した]
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―――…華月。
[窓の外を見ていた琥珀を、声がした方へ向ける。]
靴…?ああ…。
[忘れてた、とばかりの声を漏らす。 靴も履いていなければ、チャイナシャツの前も肌蹴たまま。 とても花とは思えないような格好である。]
(@78) 2010/08/06(Fri) 23時頃
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手妻師 華月斎は、メモを貼った。
2010/08/06(Fri) 23時頃
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……それでも、駄目。
[困らせることを楽しむように、口元に笑みを浮かべて]
そっか、ロビン、か。 初日に、舞台のとこで騒いでた子、だね。
(761) 2010/08/06(Fri) 23時頃
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[ぴくり、と小さく動いたそれは、 花の憐れむ目線も知らず。
ただ、やはり、と。
“主”は、あの白い桜花を迎えるが為に、 己を手放すと言ったのだろうと、 俯く黒紅に揺らぐ緋を灯し。
>>751 続いた言葉に面をあげて、怪訝に眉を潜める]
(@79) 2010/08/06(Fri) 23時頃
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― 大広間 ―
夜光もお疲れ様……
[変わる呼び方と、態度。 ロビンの時同様、自分のなすことを思えば 当然のことと思いそこに言及するでもなく。]
そうそう、夜光にもお話しておきます 刷衛殿も私同様、 センターから派遣されたものですので
[そう、連絡事項を話しながら 夜行の様子を見る]
(762) 2010/08/06(Fri) 23時頃
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