298 終わらない僕らの夏休み!
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[カチリ。ああ、また時計の音がする。
今日こそベルの音が鳴る前に起き出して、アラームを止めてしまおう───
焼け爛れた手を緩慢に持ち上げる。
時計……あの目覚まし時計に責め立てられる前に止めてしまえたら、
そしたらきっと*気分良く目覚められるだろう*]
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─ 9月1日・朝 ─
[いつもより随分早く家を出たとは言え、制服をこんなに見ないなんてことがあるか?もしかして今日まで夏休みだったんだろうか。]
でも月曜、だよな…?
[いつも通学路、地面しか見てないと思っていたけど意外と周り見てたんだな、違和感を感じる程度には。思いつつ、スマホを取り出した。]
1日…
[スマホの角度を何度も変えながら画面を確認する。見間違いじゃないのか? 光の反射で文字がおかしく見えてないか? ………ううん、間違いなさそうだ。
なら俺が本当にうっかりしていただけか。 ああ、嫌だ。これじゃあ帰ったらまたうっかり者だと親類総出で笑われる。]
(44) 2019/09/02(Mon) 15時頃
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…うわ。 なんだ、岸か。
[後ろから駆け寄る足音に気づくことは出来なかった。(>>40)声を掛けられて振り向けば、そこに居たのは同じ塾の岸だ。]
…岸も日付間違えたのか。 こういうポカするの俺だけじゃないんだな。
[少し安心した。安心がてら、岸に待受画面を見せる。 ──9月1日(>>41) 確かに画面にはそう表示されている。]
災難だな。 ……お互い。
[正直、違和感は拭えていない。 俺は31日と1日、二日分の祭りを覚えている。それぞれの日に起きたことも。納得はいってないけど…]
(45) 2019/09/02(Mon) 15時頃
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とりあえず、俺は学校行ってみるけど。
[家に帰っても家があれじゃあ。 誰も居ない学校のほうがまだマシってもんだ。 岸がどうするかを聞くとかは、しなかった。 けどまあ、一応目配せだけはした。ついてくるなら来るだろう。 スマホをポケットに仕舞って俺は歩き出した。]
(46) 2019/09/02(Mon) 15時頃
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[校門の前にやや丸みを帯びた人影が見えた。 ほぼ間違いなく鹿崎だろう。(>>30)]
……はよ。
[寝る前には、もう少しこう、気のいい挨拶をできるようにしたいと少しはおもったのだが。俺の顔はいつもよりも強張っていただろう。上手く行かないな。 岸と、鹿崎。俺以外のうっかりもの二人に出会って最初は自分のただのうっかりかと思っていた違和感が少しずつ強くなっていく。**]
(47) 2019/09/02(Mon) 15時頃
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ちょっと出て来る!
[リビングの中に居る母に言い置く。 休みだってば、と繰り返される言葉には生返事だけを寄越して慌てて脱ぎ捨てたスリッパを揃える事もせずにローファーに足を突っ込んだ。
気が急いてつま先をトントンと床の上で弾ませながら──靴が汚れちゃうし形が悪くなる気がするからいつもはしないのだけど──靴箱の扉に取り付けられた鏡でみっともなくない程度に髪を整えた。]
どこいこ……
[どこか、人が居る所……と考えればやはり学校しか思い浮かばない。 よれてしまったブラウスの襟を引っ張ってきちんと直してから外へ飛び出した。]
(48) 2019/09/02(Mon) 16時半頃
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[少し小走りに進む町中には祭りの法被に身を包んだ町内会の大人たちが歩いていたり、神社へ続く道なりに飾られた祭り提灯が揺れていたりとまるで昨日の再現のようだ。
とは言え昨日は友人達が構ってくれない心細さに足元ばかり見てにふらついていたわけだから、景色が全く同じかどうか自信は無い。 知らないようでいて、昨日意識の端っこで見たり聴いたりしていたような、そんな町の姿にううん…と小さく唸った。
その途端、鞄の中からスマホの通知音が鳴り響いてビクッと背筋を震える。 きっと他人にとってはそれなりの喧噪に紛れただろうけれど、自分にだけは特別なそれ。
友人達と連絡を取り合っているグループチャットのアプリに個別の着信があったのだ]
エミ、ちゃん……。
[昨日、お祭りに行こうと能天気に誘いをかけた雛子に対してまるで稚い子供に言い聞かせるようにしてお小言を送って来た友人の顔を思い浮かべながら立ち止まって、アプリを開く。 かくして読んだのと同じ文面が丸々表示されているのを確認して、息を呑んだ]
(49) 2019/09/02(Mon) 16時半頃
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[エミちゃんからの通知を見て、息を呑んだ。
昨夜送られてきた文面と同じ。彼女もまた夏休み最後の9月1日を繰り返しているのだ。
私が願ったから?私を置いて次の季節へなど行かないでくれ、と
嗚呼、それなら、それだったら、なんて都合が良いのだろう───
喜悦が浮かび上がって、思わず口元を抑えた。
そうしないと哄笑が零れ落ちてしまいそう。
嗚呼なんて莫迦なエミちゃん、私に捕らわれた事も知らないで
まるで姉、ううん女王様気取りで私にそんな指図をして───
いいよ、大丈夫。今まで通りにあなたは私の女王様だ。
いくらだって見上げてあげるしいくらだって尊敬する。尻尾だって振るよ。
だから、私とずっとずっと一緒に居てくれるよね]
ワタルは、サミュエルはどうしてっかな…って想いを馳せつつ学校へ向かう。
2019/09/02(Mon) 16時半頃
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[零れ落ちてしまいそうなものを堪えて口元を抑える。 ヒュウ、と変な音だけが漏れてしまったかもしれない。
暫く震える指が上手く動かなくてアプリを操作できないまま、またスマホを鞄に突っ込んだ。 ああ誰かに会って確かめられたなら──しかし、同じ一日を繰り返しているかなどと誰に訊けるだろうか?
真面目に取り合ってくれる人などいるのかと思案しながらも、やはり足が向くのは通い慣れた夏呼西高校の学び舎だった。]
………あ、
[とぼとぼと歩んでいた足が、校門前に集まる数人の学生の姿をみとめて止まった。 どうしよう、声を掛けなければ会話も何もないけれど、会話に割り込むのはなかなかハードルが高い。 思えば自分は友人達に乗っかって行動するばかりだったから]
(50) 2019/09/02(Mon) 16時半頃
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[どうしようかと逡巡しかけたが、彼らの顔に見覚えがある事に思い至って『あっ』と声が零れた。
ああ、あれは、つよつよでやばやばなガン飛ばして来た子(>>47)と、野球部の試合を見に行った時に献身的に立ち回っていた──少なくとも自分にはそう見えた──マネージャーの女子(>>41)と、それと、ああ、もしかしたら一度だけ話した事があるかも。 エミちゃんだか、誰だったかの元カレの後輩のなんとか、って言う男の子。(>>30) ふっくらした輪郭はそう言えば昨日神社前で見かけたかもしれない。
すぐに会長や秋山を見付けて其方に気を取られてしまったけれど──うん、間違いない。昨日、少なくともすれ違った筈だし、マネージャーの彼女も屋台で騒ぐ野球部達と会っているかもしれない]
ね、ねェ君たちさァ、昨日居たよね!?神社!
(51) 2019/09/02(Mon) 17時頃
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[お前とお前とお前!とばかりに思わず行儀悪く指さしてしまった。 ギャルは傍若無人にとか傲慢にとかそんな教えが身に付いていたからとかでは全然ない。 焦ってしまって、思ったままが口から飛び出す。 ずんずんと詰め寄るように歩み寄って───その内に、ああ、思い出した。]
キミけんちゃんでしょ、けんちゃん、私の事おぼえてる?おぼえてないかな、ヒナコだよ!
[鹿崎をケン、と呼んでいたのは彼の先輩だったか。 威圧的でオラオラしてて、何だか全然いい先輩って感じじゃなかったけど、シャレにもならない理不尽な物言いをのらりくらりと笑顔でかわしていた後輩の子。 かわいそ、ともうまくやってて偉いな、とも思った。
ねえおぼえてないかな、と昨日の事なんだか雛子自身の事なんだか自分でもごっちゃになりながら鹿崎の顔を背伸びをしながら見上げてもっと良く顔を見せようと**]
(52) 2019/09/02(Mon) 17時頃
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― 自宅・自室 ―
いや、オレがおかしいのか、それとも周りがおかしいのか…………?
[オフクロだけではなかった。時計もスマートフォンも、何ならテレビの画面でさえも、9月1日を示している。 流石にそこまで手の込んだ悪戯をすることは無いだろう。 そうなると、]
(53) 2019/09/02(Mon) 17時半頃
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じゃあ、『昨日』のアレはいったいなんだったンだ?
[『昨日』過ごした『9月1日』は一体何だったのだろうか。
ただ、これは単なる夢だったのでは無いか? オレは首を傾げながら、]
(54) 2019/09/02(Mon) 17時半頃
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CC レイは、メモを貼った。
2019/09/02(Mon) 17時半頃
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……どうせ休みなら、図書館にでも行ってみるか。
[野球漬けの生活が終わって以来、疲れがまだ抜けきっていないからかもしれない。
肉体的にも、精神的にも。
もう、『あの試合』から立ち直ったかと言われれば、ウソになる。正直。 だからあんな夢を見るんだろう、少し疲れを取るストレッチ法でも図書館で調べよう。
そう思いオレは図書館に出掛ける準備を始めたのだった**]
(55) 2019/09/02(Mon) 17時半頃
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― 自宅・朝 ―
[シーツの上で身を捩る。 いつものように目覚ましのアラームが鳴る前に目を覚ました。 肌にじっとりとパジャマが張り付くほどの、ひどい寝汗もいつも通り。 朝が弱く、頭に靄がかかったようにうまく働かないのも。 どうしようもないくらいにいつも通り。 だから、スマートフォンに表示された日付とか、昨日片付け忘れたアイスのカップが消えているとか、卓上のカレンダーがまだ8月になっているとか、そんな違和感に気づくことはできずに。 汗をたっぷりと吸ったシーツとパジャマを洗濯機に投げ込んで、シャワーを浴びて登校の準備を始めた]
(56) 2019/09/02(Mon) 18時半頃
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いってきます。
[ローファーに踵を押し込みながら、自分以外誰もいない家に声をかける。 もちろん返事はないし、返ってきたならば怪奇現象だ。 常々思っているが、人が寄り付かないこの建物を家と呼んでも良いものか。 寄り付いたとしても、それぞれがそれぞれ勝手に食事や入浴をするぐらいで、会話どころが顔を合わせることもなく立ち去るのだから、家などという温かみのある言葉は似つかわしくないのではないか。 朝からそんな難儀な事を考えながら、家を出た。 家の近くの神社は賑やかだが、昨日のお祭りの片づけでもしているのだろう]
(57) 2019/09/02(Mon) 18時半頃
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― 奏生橋・朝 ―
[私は朝というものがあまり好きではない。 かといって、昼や夜が好きかと言われればそうでもないが。 昔は、一人で迎える夜の方が怖かった気がする。 今は朝が怖い。 目が覚める度に、一歩また一歩と処刑場へと近づいているような気分になる。 ヴィア・ドロローサを気取るほど、重いものを背負っているわけではないが]
(58) 2019/09/02(Mon) 18時半頃
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[橋の中腹にたどり着き、欄干に身を寄せる。 その日が来たとしても死ぬわけじゃない。 ましてや、ラッパが鳴り響き世界に終末が訪れるわけでもない。 裁かれるのは一緒だが。 合格、不合格の烙印が押される。 ただそれだけだ。 どちらの判決が下されようとも、来年、私はこの街にはいないだろう。 川の流れと同じ、行きつく先は頼りになるモノがなにもない大海原。 ただ、投げ出されるときが来たというだけ]
(59) 2019/09/02(Mon) 18時半頃
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[川面に映る制服姿の自分を見下ろす。 整ってはいるが愛想や愛嬌が足りない(ほぼ無)、と評されるその顔は、川波で歪んで少しはましになっているだろうか。 遠くてよくはわからないけど。 その程度には高い橋。 吸い込まれるようにふらりと飛びこめば、おそらくは助からないのだろう。 死を願って飛び込めば、それが叶う橋。 なんて、怪談の題材になりそうな話だ。 私のアンテナが低いだけで、すでにあるのかもしれないが]
(60) 2019/09/02(Mon) 18時半頃
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[そんな物思いに耽っていると、現実に戻れとでも言うかのようにスマートフォンが振動する。 プッシュ通知には見覚えのあるメッセージが表示されていた。 『ねぇ、やっぱり今日一緒にお祭りに行けないかな?高校最後の夏休み、その最終日なんだし』 おや?……*これはいったいどういうことだろう*]
(61) 2019/09/02(Mon) 18時半頃
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[慌てふためきながら俺は(>>30)、 スマホを取り出して待受画面を見る。 なんだ。やっぱり9月1日じゃないか…て、おいおい。]
おいおい…
[違うだろ。毎日あんなに今日が嫌でカレンダー睨んでたんだ。今日は9月2日だろ?俺はスマホを凝視しながら心の中で叫んでいた。おいおいおいおぉおい……!]
(62) 2019/09/02(Mon) 19時頃
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[あ。根岸だ(>>47)。それと岸だ(>>41)。 俺は心で叫びながらも、掛けられた声が聞こえるくらいには冷静さがあったらしい。え。なに。お前ら一緒に登校してんの?付き合ってんの?はぁ…同じ暗いのでも顔がいい奴はいいよな。やることやってんだな…。俺は待受画面も少し忘れて、二人を当分に見やった。]
はよ……
(63) 2019/09/02(Mon) 19時頃
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[とってつけたような、暗い挨拶になってしまった。 そして俺は、直立不動になる(>>51)。]
ハイ!!!イマシタ!!!!
[敬礼しなかったのが不思議なくらいだ。 俺にはわかる。これは明加先輩の声だ。 俺に……百歩譲って俺達に話かけてくれてる。今日は奇跡の日だ。世界はきっと祝福されているに違いなかった。]
(64) 2019/09/02(Mon) 19時頃
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ち…近……(>>52)
[あまりに先輩が近すぎて、思わず仰け反ってしまった。 馬鹿。俺の馬鹿。根岸…俺はもう泣きそうだよ。先輩俺の事おぼえててくれたよ!]
ケンチャンデス!!! メ…メイ……雛子先輩おひさしぶりッス!
[俺は今日の日を忘れない。 先輩をどさくさに紛れてでも下の名前で呼べた今日の日を。俺は俺の勇気に心で喝采を贈った。*]
(65) 2019/09/02(Mon) 19時頃
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なんだとはなんですか。失礼な。 岸です。この間はありがとうございました。
[ 軽口を叩くようにそう返す>>45。
千早の通っている塾は、 規模が大きいというほどではなくて。 その分、同校の先輩との距離も、 大きい塾ほど遠くはないのが気に入っている。
苦手な科目の去年の試験の話だとか、 先輩からしか得られない情報を、 直接聞ける相手がいるってことですから。
ほら、内申って大切だ。2年後を見据えて。]
(66) 2019/09/02(Mon) 19時頃
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[ 先日も、塾で顔を合わせた際に、 夏休み明けに英語の抜き打ち試験があるなんて、 同級生の間で囁かれていた噂の真偽を、 居合わせた根岸先輩に尋ねたっけ。
そんなことを思い出して礼を述べながら、 差し出されたスマホと言葉>>45に、 ううん? と思いっきり眉間に皺を寄せて。]
……日付? ポカ? 9月1日? やだな、なんの悪戯ですか。 今日は2日ですよ、始業式!
[ だって、あんなに確認したのだ! 学校の始まる日まで指折り数えて。 勘違いと納得する気にはなれそうもなく。]
(67) 2019/09/02(Mon) 19時頃
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[ とはいえ、ぎゅうっと顔を寄せ、 根岸先輩の待ち受け画面を覗き込んだ後、 確認するように取り出した自分のスマホも、 同じように、9月1日の日付を示していて。
頭上にはてなマークが浮かび始めた頃合いに、 歩き出してしまった根岸先輩>>46を追いかける。
その先には、さらに人影>>30があり、 やっぱりおかしい。と疑念を深めたところへ、 思いがけず飛んでくる女性の声>>51。
振り返れば、かわいい声のトーンと裏腹に、 びしぃっと突き付けられる人差し指。]
(68) 2019/09/02(Mon) 19時頃
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[ ……あ。3年女子のギャル軍団! などと、失礼ながら千早は考えておりました。]
(69) 2019/09/02(Mon) 19時頃
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[ 野球部の応援に来ていた姿を覚えている。
女の子って感じの歓声の発生源。 いかにもって感じの派手な3年生たち。
その一角にいたその人の、 ふんわりと波打つ柔らかそうな髪が、 どうにも印象に残っていて。
どうしてだったっけ。 何かの拍子に顔を合わせたときに、 何かの話のついでってふうに、 「どこで髪切ってるんですか」って聞いた。
たぶん、千早に似合うのは、 ミルクティーみたいな優しい色じゃないだろうけど。]
(70) 2019/09/02(Mon) 19時頃
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[ そんないつかの出来事を思い出しながら、 千早は飛んできた声>>51に思わず言葉を投げ返す。]
いましたけど、それが──、
[ 何か。と言いかけたんだけれど、 全力の返事が傍から聞こえて>>64、 最後まで口にすることもなく口を噤む。
鹿崎先輩、テンション高。 私たちへの挨拶>>63と態度違いません……?
それも、黙って根岸先輩に、 「何事ですか」という視線を送るにとどめた。 よく空気が読めましたの花丸がほしい。]
(71) 2019/09/02(Mon) 19時頃
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