16 『Honey come come! II』
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煙草一箱ね。どうせなら自分の分も買っておくか。
俺の好みでいいかなー。
[とレジの前で2箱入れてもらう]
そのあたりの見識が型に嵌まり過ぎていて、
融通が利かないのは僕の欠点だと自覚しています。
はじける……ですか。
[う〜んと、まだ苦悩は晴れない様子。]
ヘクター先輩に言われると、論拠もないのに
流されてしまいそうになりますね。
鷹揚というか、包容力があるというか……。
[端的に言うなら男前。]
包容力ねー。そんなものーなー。
[正直歯がゆい。あえて言うなら自分の手で背負いきれない責任を
被っちまったことが関係しているかなと思うくらいだ]
はい、ありがとうございます。
ヘクター先輩も喫煙者でしたか。
寝煙草はやめてくださいね。
寝煙草なんてするわけないさ、流石に目立たないように外で吸うさ。
[とポケットを探るとおやや]
まずい、宿のどこかにおいてきたかな。ま、後で探すか大事になってないといいが。
あ。
[みつばち荘の駐車場で、バイクもう一台発見。
サイラスがもう戻って来ているのかも知れなかったが、色も形も違えば車種に詳しくなくともベツモノだと判断できる。
買い物疲れも一瞬で吹き飛ばして、キラキラと純粋すぎるくらいの眼差しを注いだ。
ヤニクが去った後も、しばし荷物を手にしたまま、うっとりと視線を這わせる。]
[バイクを離れて少し歩いたところで振り返り]
…?
[なにやらバイクに興味を示しているらしい少年に首を傾げた]
まーいっか。
倒すなよー?
[それだけ声かけて又背を向ける]
―少し前―
to:フィリップ
風呂沸かしておいてくれると助かるー。後ついでに女子のも沸いてるかどうか確認宜しく。
from:ヘクター
[バイクを見て感傷的なものがまた胸を過ぎったが忘れることにした]
……。ごめんだしな。
『To:ヘクター
りょうかーい
って言うか沸かさなきゃいけないような風呂なのか
どのみち確認してくるよ』
それ何処の銘柄?
[サイラスとすれ違いざまに軽く声を掛けた]
ふうん、聞いた覚えがないな、コンビニで売ってたんかな?
良かったら後で1本くれないか?
勿論その分は返すからさ?
[軽い声で強請ってみる。まあ、駄目なら駄目で仕方がないつもり]
もう廃止になる古い銘柄。
欲しけりゃ自分で買いに行きな。
歩いて行ったってそこまで遠かねえ。
[コンビニにについては否定しない。
それが答えだ]
ちぇ、けちー。
[まあ、散々噂らしきものは聞いてるから断られてもめげないめげない。
相変わらず軽い口調で言葉を返してその場を立ち去った]
ペラジー
[声に出さずに笑って]
姉貴が居るんだな。
その様子じゃ、一人二人って訳でもなさそうだけど。
[口元の笑みに一瞬滲んだ陰欝な苦みは、フィリップに問いを重ねられた頃には綺麗に消し去って]
気が強くておっかないのが三人。
末っ子は辛いっスよ。
[へらり、姉への冗談まじりの文句にすり替えた]
ペラジー
そうかそうか。
俺にはわかんない苦労だなあー。
意外と、兄弟居る奴って『要らない!』って言うもんだけど。
お前もそうかい?
ま、そうでなくても、誰か良い子見つけて見返してやんなきゃな。
惚れる理由も可愛いから、じゃなくてな?
[笑って肩を叩いた。]
あ、フィリップさん一人っ子スか。
うん、たしかにそんな感じ。
[うんうん、と頷きつつ]
姉貴たちは……、おっかないし我が儘だし面倒くさい人たちだけど、要らないとは思わないですね。
両親共働きだから、姉貴たちにはよく面倒見てもらってましたし。
[要らないとか言ったらバチ当たります、と]
……見返すどころか大騒ぎで大喜びされそうですけどね。
[その様子がリアルに想像できて、はふ、と溜息ついた]
ペラジー
…どんな感じだソレ。
俺はなあ、こう見えても涙なしには語れない幼年時代を……
って訳でもないけど。
[何度も頷いて]
良いな。ホリーもそうだけど、兄弟を大事にするってのはさ。
はは、良いじゃん。 喜ばせてやれよ。
その為に、って訳でもないけどな。 まずはお前自身の為だろ。
いまんどこどうだ? 気になる子でも居る?
ねぇ、プリシラちゃん。
[年上のプリシラに対しても、
親しみを込めてちゃん付けなアイリス、プリシラがこそばゆそうな顔をするのなら、改めるつもりだけど]
その人が、噂の怖い人?
[好奇心に溢れた光を瞳に浮かべてプリシラに近寄れば]
どんな感じって、こんな感じ。
[フィリップの顔周辺に、指で額縁状に四角を描いて。
こう見えても…、という言葉が微妙に自虐ネタっぽくて思わずふいた]
……ぶっちゃけたとこ聞いてきますね。
[気になる子、という言葉に思わず声をひそめる]
まぁ、今のところほとんど会話出来てないって意味ではプリシラさんが超気になります。
早いとこじっくりお話してみたいですよ、いい人そうだし。
[まぁそういう意味の答えを求められてるんではないだろうなと思いつつ]
そういうフィリップさんはどうなんです?
[逆に聞き返した]
[プリシラちゃんと呼ばれるとどこかこそばゆいものがあるが、別段咎めたりはしない。
ちょっぴり年齢の差を感じているプリシラにとっては寧ろありがたくもあったとか。]
ん、ああ、噂の……まあ、そうなるかな。
[噂の彼かと聞かれ、肯定を返す。
プリシラは特に怖いとも思っていなかったので、微妙に曖昧な返事になったのだとか。]
ペラジー
[重々しく頷くが]
なるほど。 わからん。
ま、feelingを人に伝えるって難しいしな。
[肩をすくめるようにして]
今気になる人が最後まで気になるかはわからないだろ?
良いな、って思う子が居るか聞いてるだけさ。
プリシラか。 話してくれば?
話しやすそうな感じじゃん。 っていうかそうだと思うし。
一緒に花火吹っ飛ばしたりさ。
[自分はどうか、と聞かれると笑って]
より取り見取りで決めらんないな。
良く女の子に間違えられる奴が気になってるんだけどな。
[と怪しげな視線を向けてみる。すぐに噴きだしたが]
そうです。つまりはなんとなくです。
[まがおで力強く頷いて]
ええ、わりと虎視眈々と機会狙っています。
[ちらり、プリシラたちのいる方を見る。と、びっみょーに不穏な気配を感じて首を捻った。
そんな風に、あちらに気を取られている時に聞こえたフィリップの答えには]
…………は?
[目が点になった。まさに点]
ちょ、タチ悪ぃっスよ!ちょっと一瞬だけマジでびびった!
[げしげしとフィリップの足元に蹴りでツッコミを入れた]
[プリシラちゃんの呼び方は大丈夫だったようで、ちょっと安心。
の言葉に、目の前の人物がフィリップやヤニクが語っていた噂の人物と知る。]
何時、お会いしたんですか?
あたし、今――
始めての遭遇なんです。
[遭遇、ちょっと失礼だったかもしれない]
もしかして、買出しに彼もついて行ったいたとか?
[プリシラと二人でいれば、突然何かがあるとかは無いだろうと安心感もあり。
矢継ぎ早に質問を投げかける]
あ、それにしては――。
集団生活とか、違うのかな……。
[自問自答で、小首をかしげたりもして]
あははは、たしかに気になるかもなー。
[馬鹿な会話が聞こえたかぷっと*吹き出した*]
ヘクターさんまでそーゆーこと言うしー!
[湯上がりさっぱりらしいヘクターがふきだしながら言った言葉に、子猿のようにキィキィ喚いた**]
何時…んーと…。
最初に会ったのは、昼食のちょっと前、かな?
[あの時の事を思い出すとちょっと苦笑して。]
買い出し?
いやー、買出しには一緒に行かなかったね。
……背中は良く見るけど、ちゃんとこうやって喋るのはあたしも初めてかも。
[矢継ぎ早な質問に思い返しながら小声でぽそぽそと返す。]
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