258 【突発誰歓】鬼渡し弐
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[ 思ひは、すべてに先立ち
すべては 思ひに成る
思ひこそは すべてを統ぶ
穢れたるおもひにて 且つかたり 且つ行なはば
引くものの跡を追ふ かの車輪の如く 苦しみ彼に從はん ]
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[おそらくこの場所だろうと目論んだところへ到着してみれば、果たしてそこにはアキくんがいて。黄昏時の陽射しに照らされていても、鼻の赤みは見て取れた。ああしかし、……一人、なのだろうか]
ん、え?ああ、えーと……違うよ、鬼じゃあない。 この辺りで何か光ったのが見えたから何かなって思って……アキくん、何かしたの?
[正体がわからなければ警戒もするだろう。だから敢えて一定の距離のまま足を止めた。敵意はないよ、とでも言うように笑って。もし接近を許してもらえるなら近寄るだろうけど無駄な心配はさせたくないもので。
……しかし、光に導かれた自分がいる以上、他の誰かが寄せられないとは限らない。その誰か>>10が近くにいることには未だ気づかないが、早々に立ち去るべきじゃあないか]
今の鬼はキリヤマさんか、……もしかしたら、おもんさん。 どちらにしてもさっきの光で気付かれてるかもしれない。……移動しないと。
[おもんさん、の名前を出す時は少し苦々しく、バツが悪そうになってしまった。もしも彼女が鬼となってしまったのなら話すことも必要だろうから、自分は動く気なんて無いけれど。
そう、それ次第では決めなくてはならないから。
(11) 2016/11/21(Mon) 16時頃
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彼を鬼に引き渡すかどうかを]**
(12) 2016/11/21(Mon) 16時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2016/11/21(Mon) 16時半頃
童話作家 ネルは、メモを貼った。
2016/11/21(Mon) 18時頃
落胤 明之進は、メモを貼った。
2016/11/21(Mon) 18時頃
落胤 明之進は、メモを貼った。
2016/11/21(Mon) 18時半頃
童話作家 ネルは、メモを貼った。
2016/11/21(Mon) 18時半頃
童話作家 ネルは、メモを貼った。
2016/11/21(Mon) 18時半頃
落胤 明之進は、メモを貼った。
2016/11/21(Mon) 19時頃
旅籠 おもんは、メモを貼った。
2016/11/21(Mon) 19時頃
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[やってきたネリエルさんに鬼かと尋ねたら、違うと返ってきた。>>11 一定の距離を空けて、ネリエルさんがその場に立ち止まる]
…光ったの、…そっか…あれ、見えたんだね。
[間近に居たわたしは目を覆うしか出来なかった。それほど強烈だった光。 この境内に居れば、あの光を目にした者も居て不思議はない]
…あのね、急にそこで光って。
[祥子さんが居た位置を示して伝える]
祥子さんが光に包まれて、……それで、消えちゃったんだ。 もう、どこにも、いなくて…。 幽霊になっちゃったのかな…。
[不安を口にしたら、また胸が塞がれそうになった。慌てて首をぶんぶんと振って振り払う]
無事、だといいけど…。
(13) 2016/11/21(Mon) 20時頃
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[ネリエルさんが鬼ではないとすると、今は誰だろう。 その疑問に答えてくれるように、言葉が続く。 キリヤマさんは知らない名前だ。もしかしたら、最初に見かけた大人の男の人かもしれない]
…それか、御門さん、か…。
[呟きながら、わたしの視線はネリエルさんの肩越しを超えて、その向こうに据えられる。付近の建物の影、一瞬だけチラリと着物の裾がのぞいた。声を張れば、届くだろうか]
(14) 2016/11/21(Mon) 20時頃
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[ただし、御門さんに呼びかける前に、ネリエルさんに一つ提案を]
ネリエルさんの後ろの建物、そこに御門さんがいる。 キリヤマさん?は分からない。いないかもしれない。
……もし、もうこの境内にわたしたちと、御門さんしかいないのであれば…。
[ネリエルさんがここへ来る前に考えていたことがある。 果たして、それがどう出るか分からない…が、試してみる価値はあるんじゃないかと思ったから、言ってみる事にする][ただし、御門さんに呼びかける前に、ネリエルさんに一つ提案を]
ネリエルさんの後ろの建物、そこに御門さんがいる。 キリヤマさん?は分からない。いないかもしれない。
……もし、もうこの境内にわたしたちと、御門さんしかいないのであれば…。
[ネリエルさんがここへ来る前に考えていたことがある。 果たして、それがどう出るか分からない…が、試してみる価値はあるんじゃないかと思ったから、言ってみる事にする]
(15) 2016/11/21(Mon) 20時頃
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わたしたち、一緒に逃げよう? 鬼は逃げる者を追いかける。一緒に逃げて、追いかけられて…───同時に捕まったら、どうなるかな?
[二人同時に捕まったら、鬼のお面はどうなる? 二つに増える?それとも、二つに割れる…?。 その可能性を伝えて、首を一つ傾げるとネリエルさんを誘う]
試して、みない?*
(16) 2016/11/21(Mon) 20時頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2016/11/21(Mon) 20時半頃
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[果たして、ネリエルさんはわたしの提案にどう返してくれるだろう。わたしは口の中の飴玉を噛み砕いて飲み込むと、御門さんらしき気配がする方へ声をかけた]
御門さん、そこに居るんでしょう?
[反応があったら、ネリエルさんへ向けたのと同じ問いをしようか]
あなたは今、鬼ですか?*
(17) 2016/11/21(Mon) 21時頃
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童話作家 ネルは、メモを貼った。
2016/11/21(Mon) 21時頃
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[ 何の相談をしているのかまで聞く距離にはいないけれど、 さすがに呼びかけるほどの大きさの声なら聞こえる。>>17 ]
そうだよ。
[ 単刀直入な質問には単純な答えで返そうか。 つまり――前の"鬼"だった彼ももういないよって。 居場所が知られているならば隠れている意味もないから ひたひたと、歩いて距離を詰める。 逃げ出すなら追うまでだし、逃げなければ立ち止まる。 ]
―― 鬼だったら、逃げてくれるわよね?
[ ね?って首を傾げる。 相談事の結果――例えば、どちらともを捕まえたとして>>16 どうなるかは、"鬼"の知識の中にはない。 …いつだって、誰だって一人で逃げようとするから。 "捕まる"前提で共謀する奴なんてずうっといなかったもの。* ]
(18) 2016/11/21(Mon) 21時頃
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[祥子さん、と呼ばれた人はたしかあの水筒の持ち主だったような。だけど、消えた?消えたって……なに?鬼に成るのはわかるけど、……いや、わからないけど]
……そ、っかぁ……一足先に戻れたんだね。よかった。
[なんて根拠のないことを一つ、へらり。捕まえることができれば帰れるこの遊びで消えるってことは、……どういうことだかわからないけど。少なくともあの光は怖いものじゃなかった。暖かくて、優しい光だった。だから大丈夫、悲しいことじゃあないよ、……とまでは、言えなかったけど]
え。
[後ろにいる、と言われれば反射的に振り返りそうになるけれど。続く言葉に捕らわれてそれは叶わない]
(19) 2016/11/21(Mon) 21時半頃
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[ 惡巧みをしようとしてゐるの?
無駄だよつて鬼の貌はけらけらと嗤う。 ]
[ 長い年月の果てに、ありとあらゆる感情が
注ぎ込まれてきた面は 嗤う 嗤う。 ]
逃げれば追ふぞ 逃げねば鬼は渡される
さあ、どちらを選ぶもお好きにおしよ。
[ 嗤い聲は眼前の彼らには聞こえないが、
嗤うやうな哭くような其の表は彼らの目からも見えるだらう。 ]
…何處までもお逃げ。逃げて、逃げて捕まつておくれ。
さうしたら叫び度くなるやうな氣持ちも輕くなるだらうから。
[ 其れは誰の本音だらう。
"あたし"――其れとも、"鬼"? ]
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……へ、一緒に?
[鳩が豆鉄砲、というのが正しいだろうか。そんなのきょとんとした顔を向けてしまう。鬼ごっこのルールは一回につき一人。そんな風に思い込んでいたからその提案はあまりにも予想外で、……予想外だからこそ]
……なるほど、なるほど、ね。二つに割れるか……分かれるにしても、ぼくとアキくんとで半分こ、になるんだね。
[ああ、子供の発想力ってなんて素晴らしいんだろう。にぃっとイタズラを思いついたように笑ってしまう。悪くない、とってもとっても悪くない。どうせ想像のつく最悪の結末を迎えるくらいなら、足掻いて別の終わりを模索しようじゃないか]
うん、うん。……乗るよ。
[と、それから聞こえた声>>18に振り向けば彼女に視線を向けながら彼に手を差し出す。 この状況に至って初めて、ワクワクした]*
(20) 2016/11/21(Mon) 21時半頃
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落胤 明之進は、メモを貼った。
2016/11/21(Mon) 21時半頃
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[さっきも思ったけど、ネリエルさんはとても優しくて、気を遣ってくれる人だよね。子どもに対して、希望を持たせてくれるような言い方をしてくれる。例えば>>19とかもね]
一足先に、……本当にそうだといいな。
[ネリエルさんからそういわれれば、本当にそうなったような気がする。自分で自分に言い聞かせるより、人に言ってもらう方がいいのかな。 祥子さんの無事をもう一度祈って、それから現状に向き直る。 わたしが出した提案、ネリエルさんは乗ってくれるようだ。>>20 そうと決まれば話は早い]
(21) 2016/11/21(Mon) 21時半頃
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[早速、物陰に隠れていた御門さんに声をかける。鬼かと尋ねたらそうだ、と返って来る]
わかりやすいね。
[迷う必要がないって事はいいことだ]
ネリエルさん、こっち!!
[一緒に逃げようって決めたから声をかける。さぁ、手を取り合って、一緒に鬼から逃げよう]
捕まる時は一緒だからね、…───おーにぃさん、こぉちらっ!
[囃すように言って、共に駆け出した。*]
(22) 2016/11/21(Mon) 21時半頃
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あたしはわかりやすいのが好き。 逃げる方もわかり易い方が楽でいいでしょう?
[ 言葉をかけながら、距離を詰める。 繋がれた手>>20を、眇めた瞳で眺めながら、 合図のようにこっち!>>22と紡がれる言葉。 ]
お手手繋いで何処まで逃げ切れるかねえ…行くよ、っ!
[ 駆け出す二つの背を追って、 囃し言葉に言葉を返して追いかける。 ]
[ 駆けながら、腰に巻くカーディガンを外して、 足元の小石を二つ、三つ、拾っておく。 …足止めのためのちょっとした下準備に。* ]
(23) 2016/11/21(Mon) 22時頃
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[ ネリエルと云ふ彼、
相手に武器に成るやうなものを渡すとは
お人好しと云ふか優しいと言ふのか ]
まさに足を"掬"はれる事態に成らないといいけれど?
[ 樂しや樂しやと笑ふ鬼。
喋る聲とはまた違ふ聲色を零す。 ]
重し入りの長布、扨てはて引つかからずに驅けられるやら。
[ 足止めの準備は萬端整へた、後は相手の出方次第と。 ]
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[おにに。そう、なってしまったんだね。悲しくは無いよ。絶対ここから逃げ出そう。そうして一緒に帰ろう。そう言ったもんね。 恐怖の心はもう無いよ、追いかけられるのも平気]
っ、手ーの鳴るほーうへ!!
[だっけ?叫んでみたものの、しまった。手を鳴らせないじゃないかと気がついた。仕方ないから指を鳴らしておこう、指だって手だし。格好つかないのはいつものことだからもう気にしない。
繋いだ手をけして離さないように強く握れば背後の足音を気にしながら駆けてゆく。木を避けて、茂みを超えて。時に腕を引いて、時に引かれて。……追ってくるのは鬼だけど。 捕まりやすい場所を目指して]*
(24) 2016/11/21(Mon) 22時頃
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[ 相手方二人がわざと捕まるやうな場所を選んで
驅けていくことには氣がつかぬ。さう、"鬼"ですらも。 ]
戀人同士でもあるまいに、何か企みでも?
[ 勘繰れども、遙か先を行く二人が
素直に答へて呉れやうはずもない。 ]
…萬一何か謀を考へてゐるとしても、追ふだけ。
捕まえられたなら其れでよいのだから。
[ 但し、結論は一つ。
最後に"鬼"を渡せればよいのだから、
企みごとなど氣にする價値もないものだ。
走る姿を追ふことだけ考へてゐれば。 ]
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[わたしも当然、そのままだと走りづらいから、持ち上げた着物の裾をきつく縛った帯の上から突っ込んでいる。 膝小僧をむき出しにして、全力で手足を動かし走る。
ネリエルさんは走るの得意? わたしは走るのなんて生まれて初めてだから、同じ年頃の少年と比べて足が速いか遅いかなんてわからない。
それでも一生懸命走る。逃げる。 木々の間を縫うように走る。茂みに飛び込むなんて初めて。ガサガサと音と立てるのが楽しい、なんて新しい発見をしたり。 二人で交互に思い思いの場所を目指して、共に走る]
(25) 2016/11/21(Mon) 22時頃
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……はぁ、はぁ…。
[距離が極端に縮まらなければ大丈夫かな。 時々足を止めて、小休憩を挟みながら鬼の方を見る。 鬼ごっこは永遠に捕まらない遊びではない。鬼も子も、みんなで楽しむのだとしたら、いつか捕まらないとならない。
子どもの遊びは、みんなで楽しい気持ちになって終わるもの。 誰かが可哀想なまま、置いてきぼりにされたまま、終わっていい遊びなんて、ないはずだよ。
ネリエルさんも同じことを考えてる。きっと。 だから最後まで、繋いだ手だけは離さないように。捕まる時は一緒だよ、と意識は常に向けて。*]
(26) 2016/11/21(Mon) 22時頃
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[ 立ち並ぶ木を避けて、倒木を飛び越えて、追う。 茂みを抜けてひょいと飛べば、手をついて立ち上がって。 ]
…二人で走っているくせ、随分と、速い。
[ さあ、ネリエルに靴は裸足には勝てない等と言った手前、 大きく離されるわけにもいくまいと、駆け出す腕には 準備の整ったカーディガン。 胴の部分に小石を詰めて、袖は一つに纏めて縛ってある。 ]
[ ―― 其れを、思い切り ……投げた!! ]
[ 中身は重り程度の小石だもの。大怪我はしない。 …そう、運良く足を捉えるくらいであればよし。 悪くて相手の注意を引くことが出来れば、それでいい。 ]
(27) 2016/11/21(Mon) 22時頃
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[ その時二人は休んでいた?>>26 それとも、追いかけ合いの途中?
走っていたなら不意打ちには十分だろうけれど。さて。 ]
当たらずとも遠からず…。 ―― どちらかが倒れていてくれでもしたらなお良し。
[ 投げ罠の行方は走っていけば知れるだろう。 石の上だけでなく、荒れた地面の上を踏んだ 足の裏を小枝が傷付けて眉を顰めるけれど、それでも走る。 時折足を止める二人に、追いつくようにもっと、速く!* ]
(28) 2016/11/21(Mon) 22時頃
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[ 足を刺す小砂利は痛いが、
逃げるを追ふ躯の胸の底はもつと痛む。
其の理由を"鬼"(あなた)は知らない。
其の理由をあたしは知つてゐる。 ]
逃がさない――逃がさない!もう、逃がさない…!
[ 叫ぶやうな哭くやうな聲の理由は誰も知るまい。
抑もにして聲を屆け度い相手すらいないのだから。
緋色の裾が飜るたびに掠れるほど、叫ぶ。
―― 誰も聽く者のない赤い色の世界の中で。 ]
おもんは、明之進を追いかけながら飴を放り投げた
2016/11/21(Mon) 22時半頃
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[くらりくらり、世界が軋む。ただ只管に足を動かしているだけだから走っているのか止まってないのかもう曖昧だ。
……絶望的なまでの運動音痴さにもう笑いも出ないけど、なんとか転ばずについていくことはできているみたい。ああ、だけど。 きみはとても軽やかに走るね。高原を駆ける鹿のようだ。懸命に、ひたむきに足を動かす姿は、この状況をわずかに楽しんでいるように見えた。……そんなわけないのにね]
っ、 あ、はァっ……はー……。
[息がのどに引っかかるくらい大きく呼吸をするもんだからぜえぜえと音が鳴る。正直、しんどい。 だけど同じくらい高揚して、止まった時にはさすがに笑った。なんだか本当に遊んでいるみたいで]
…………は、はっ、なんだか………ちょ、こっとだけ、っは……たのしい、ね。
[そう、鬼ごっこだって遊びなんだ。遊ぶなら、誰一人悲しい気分になっちゃいけない。子供だけじゃない、大人だって。あとから泣いてしまうような遊びなんて、そんなの間違っているんだから]
(29) 2016/11/21(Mon) 22時半頃
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[それ>>27が飛んできた時、わたしたちはちょうど走っていた。 茂みの中を往く途中、不意に近くで大きな物音がしたものだから、てっきり何かが出てきたのかと思って、わたしはびっくりして飛び退く]
うわぁッ!
[叫んで飛び上がった後、ネリエルさんにぶつかった。 ネリエルさんも体制を崩しちゃったかな。そのまま二人して、その場に倒れちゃったかもしれない。
その時、御門さんとの距離はどのくらいだったかな。 地面に伏したわたしが顔を上げた時、そこに御門さんは…。*]
(30) 2016/11/21(Mon) 22時半頃
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[ 口の中の鉄錆の味。 二脚の底の小さな痛み。 ぎしぎしと軋むような胸の圧迫感。 ]
[ 全部、全部、全部無視して、走る。 ]
―――――――――――― …… 。
[ 囁くように落ちる赤色の吐息はきっと二人まで届かない。 もしかしたら――足元の赤い華たちには聞こえていたかも。 …尤も植物の言葉なんてわからないから確かめようがない。 ]
(31) 2016/11/21(Mon) 23時頃
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[ そう、ただ逃げていくその、 服の袖でも、裾でも何でもいいから。 ]
あたしって、昔っからしつこいことで有名なの、 …さ …っは、 ねえ、 逃がさないよ あたしは !!
[ 手の中に手繰り寄せるだけでいい。 掴まえれば…捕まえたら、もう逃げられないだろう?
…必死になって走っている間。 もしも、「楽しいね」>>29って声が聞こえたら、あたし。
"楽しくなんかあるもんか"って。きっと、言っていた。
遠くでよく聞こえなかったから、何も言わなかっただけ。 だけど、もし投げたものに誰か引っかかって>>30いたら。 ]
(32) 2016/11/21(Mon) 23時頃
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[ 離れた距離も少しずつ、少しずつ縮まって、 二人の前に行く頃には、足取りも遅くなってたに違いない。 ]
―――― つかまえた。
[ 荒い息を吐いて、一度深く吸ったら、 各々の肩に軽く手を置いて言うよ。
苦いものを飲み込んだような、 逆に吐き出しきったような。 複雑な気持ちで居る、貌は、
二人にはそれぞれどう見えただろう。 其れを確認する気のないあたしはくるりと踵を返して。 ]
(33) 2016/11/21(Mon) 23時頃
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つかまえた。 …つかまえても、何にも変わりゃしない
少しは楽にもなれるかって期待――したのにさ。
… やっぱり、世の中そう上手くは行かないもんなんだね。
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[ 喉の奥で呟きを噛み殺したら、 少しだけ、上を向いて――…滴が落ちる前に
人の形をした緋色はその場からぷっつりと*掻き消えた* ]
(34) 2016/11/21(Mon) 23時頃
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