123 霓虹鬼故事
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[水を止めて、ケースに入った折りたたみ傘を握った。
ケースの先をひねって取り出すと、石突と露先のカバーが外れて 鋭利に加工した金属が剥き出しになる。
15センチほどの傘の先に7,8センチほどの太い錐と、 その周りに骨の数だけの細い針。 力の弱い女が持ち歩いていた、万が一のための仕組みだったが―。]
―だ、れか――い、いるの。
[ケースをひねって外した折り畳み傘を後ろ手に握って、 扉の向こうをじっと凝視した。**]
(25) 2013/05/24(Fri) 11時頃
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[― 回想・数日前 ―
鬼薬と呼ばれた薬を運んだ後、いつものように雑居ビルで仲間と酒盛りをする最中、一緒に行動していた仲間が面白いものがある、と言い出した。
彼が取り出したのは、紅い粉薬。 どくり、と胸が跳ねた。]
「これが鬼薬って奴らしい。」 「おいおい、大丈夫かよ。」
何してんだ、ばれたらやばいだろうが。
[運ぶ際、その男に持たせていたのが間違いだったか。 ―市場に出回っている薬ならしばしば横行している事だが、こんな怪しげな薬にまで手を出すとは。 流石に今度、説教してやらなくては、と思いつつ。]
(26) 2013/05/24(Fri) 12時頃
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「怒んなって、黒宵。どうせ偽物だろ?」
[その言葉には同意だ。 自分もそれらしく作ってある偽物だと思っている。依頼人の目的、流出先については深く探らないのが暗黙のルールだ。
けれど酔いの勢いで仲間の一人が妙な事を言い出した。酒の勢いで、時々そういうところがある奴だった。]
「なぁ。これ、試しに飲んでみねぇ?」 「鬼になっちまったらどうすんだよ。」 「大丈夫だって、どうせ偽物だろ?」
[くすねた量は漢方薬一包くらい。 飲もうとした仲間の男からそれを奪い…
酒で一気に、飲み干した。*]
(27) 2013/05/24(Fri) 12時半頃
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…くっ…。
[―あぁ、思い出した。 俺は場を収める為に、あの薬を服用した。 けれど自分の身体には何も変調はなく、やっぱり偽物だ、と判断したんだが。
アルコールで服用した事で、変質しただけなのかもしれない。 此処に載っている情報の一部だけ―気付いたのは此処に来てからだが―当て嵌る事がある。 それともいつか、俺もアイツのように‘鬼’になるのか? …分からない。 けれど服用者だとばれれば、殺される? ―自分は猟奇殺人なんてやっていないのに。]
は…、冗談じゃねぇぞ。
(28) 2013/05/24(Fri) 12時半頃
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…こんなところでむざむざ殺されてたまるか。
[耳に届いた明夜の少し低いトーンの声。
それに応じる答えは苦渋のもの。
はっきりとは言わないが、是の意思は伝わるだろうか。]
だがな、明夜。
鬼と人を判別する方法を開発している、とか書いてあったぞ。詳しい事は書いてないが。
もしかしたらあいつらの中に、そういう手段を手に入れた奴がいるかもしれない。
今、何処にいる?
ひょっとしてもう、誰かを標的に決めたのか?
[彼が佩芳の側にいる事は知らない。]
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[鬼とそうでない人間を見分ける方法は開発中とあった。 此処に載せてあるという事は、精度が低くかったとしても、既に使えるものがあるかもしれない。 集められた客の中にそういった手段を持った人間がいたら拙い。]
…探さないと、な。
[自分の鞄の中からナイフを取り出して、念の為にスウェットのポケットに入れておく。 ―2階に上がる際、地下に続いていると思われる階段があったのを思い出す。 もしかしたら地下に何かあるかもしれない。
誰かと落ち合って探るか、それとも地下に行くか。 ―暫し考えた末に、一度、地下に足を運んでみる事にした。]
(29) 2013/05/24(Fri) 12時半頃
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― 地下・研究室前 ―
[普段は認証ロックがされているのだろう、地下の階段に通じる扉とその先の研究室の扉は落雷の意影響で解除されていて。]
…運が悪かったな、爺。
[周囲をちらりと見て、誰かに見られていないか確認してから研究室に入っていく。 もし誰かに見咎められたなら、鬼を見つける方法がないか探している、と答えるだろう。 ―事実、そうなのだから。]
(30) 2013/05/24(Fri) 14時頃
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― 地下・研究室 ―
[研究室内には色々な機器が置いてあった。 こういった物には縁がないので、それらが何の役目を果たすのかは分からない。 薬品の入っている瓶が並んだ棚。一部が抜けているのは、研究者が持って行ったのだろうか。他に何かないか視線を移し]
…っ…。
[惨殺死体の写真が貼られたボード。 恐らく、今回の一件…明夜も関わっているものもあるのだろう。 ―胸糞が悪い。 眉間に皺を寄せてそれらから視線を外す。そしてそのまま更に奥へと歩いて行った。**]
(31) 2013/05/24(Fri) 14時頃
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──気がついたんだ。すごいねぇ
[佩芳の凝視する扉の向こう側>>25から現れる。
リビングにいた時の笑いよりも毒気のある ニヤニヤとした笑みを浮かべながら佩芳を見た。
容姿的な変化はあまり見られない。 ほんの少し歯が鋭くなった程度だ。
目立つ変化は着ている服にとんだ、まだ赤い血ぐらいだろうか。]
(32) 2013/05/24(Fri) 15時頃
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ふむ。判別法ねえ……確立する前に隠滅しておかないと
後々面倒になるね。
まあ、誰が持ってたといても関係ねーよ。
全部殺せばいいだけの話だからね。
[殺せば、と言う時には少し楽しげな声になる。]
今はねぇー……一階の洗面所かな。
佩芳がいたから食べようと思って。
[一度肉を口にして、中途半端にしか満たされていないからかもはや抑えようとしていない。]
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― 2F廊下 ―
[黍炉>>20に対し、初めは何も答えられなかった。 また一歩、後ずさりながらも――。 彼の眼差しに囚われたように、視線逸らすことは叶わない。 なんでもなくはない、とまで言われてしまえば>>21 零した言葉を誤魔化すことはもうできないと覚る。]
――え、
[けれどそのすぐ後に続けられた言葉は、 露蝶のことを、鬼じゃない、と言うもの。 そして今、彼が己に手を掛けてくる気配は無い。 少なくとも、今のところは。]
見つけられれば。 抜け出せるの?こんな、ところから――。
[黒い糸が絡まった左手を一度見遣り、そっと握りながら。 足を止め、再び、黍炉の瞳を見詰め返した。]
(33) 2013/05/24(Fri) 16時半頃
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[館の開放自体は、システムエラーが回復するか、 外の誰かが異常に気付くかしなければおそらく無理だ。 けれど少なくとも、こんな疑り合う状況からは、 また死が続いていく状況からは、と――。]
……ええ。
[彼の問い掛けに頷き、身を寄せて囁いた。]
鬼を、見つけてみせるわ。 あの人がくれた薬だもの。本当に見つけられるって信じてる。
[黍炉が「鬼」でないと信じ切ることは未だ出来ない。 それでも、賭けてみようと。 何れにせよ、その答えは今、手の内にある。]
(34) 2013/05/24(Fri) 16時半頃
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―佩芳…か。
[鷲珈の死体を見た後、階下に降りて行った背中を思い出す。]
声は上げさせんなよ。
聞きつけた誰かが割り込んで来たらヤバイ。
[告げたのは、まずは声を出せなくしろ、というもの。
―自分で告げたその内容に僅かに眩暈がしたが。
そして少しためらった後に]
…何かあったら呼べよ。
俺は地下の研究室にいる。
あー…、あんたの軽さ、こういう時は助かるわ。
[他の客を自分が生き残る為に見殺しにする…その罪の意識はある。
明夜の変わらぬ軽さは、ともすれば陰鬱になりそうな自分の気持ちを少しだけ軽くしてくれて。
彼らに咎はない。
けれど、生き残る為にはそうするしかないのだ。
そう強く思う事で、例え間違った道でも迷わずに進もう、と。]
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――ひあ。
[気のせいだと自分に言い聞かせていた。 あと3秒経ったら、洗面所を出よう。 そう――思っていた。
だから扉の向こうから姿を現した明夜>>32に驚いて、 思わずよたりと後ずさった。 洗面室ごとき広い部屋ではない。背に、壁が当たる。]
ああ――お、おどかさ、ない、でよ。
[鷲珈を殺したのは彼である可能性が一番高い。 形にならない言葉の裏では驚きながらも思考はめぐる。
警戒を顕に明夜をじっと見る。 鬼なのか、人なのか―と。 だがリビングにいた時の彼と違うのは服に朱が飛んでいることと、 ずっとずっと、嫌な感じを増した―ように見える―笑みだけ。]
(35) 2013/05/24(Fri) 17時頃
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[この笑い方はキライ。 明夜の表情に直感的に嫌悪を抱いた。
体と壁の間で、傘を握る手に力が入る。 構えているわけではなく、緊張で。]
な、なに、か、用――? な、ないなら――わ、たしは、いく、から。
[鷲珈を殺したのだろうなど無駄な問いはしなかった。 彼が殺したに決まっていると思っている。
人を殺した後の姿で平気で歩けるのは異常だ。 彼が鬼なのか否かを確かめるよりも、ここから逃げた方がいい。
そう判断して、壁伝いに―つまり、遠回りに― 扉へ向かおうと、ゆっくり足を踏み出した。**]
(36) 2013/05/24(Fri) 17時半頃
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必要なのは薬と、あと、髪の毛があれば判るの。 今手元にあるのは、明夜のと――…あなたのも。
[目の前の男への疑いも示すことに、僅かに声は震えつつも。 黍炉から身を離し、懐から財布を出して。 その中に黒い毛髪を収め、再び懐に戻した。]
先ずは、ちゃんと薬を使える場所を探すわ。 研究所っていうなら、実験室とか、 シャーレくらいあるとは思うけど……。
[呟きながら、階段の方へ足を向ける。 鷲珈の居室を敢えて探ろうとしなかったのは、 結局はあの死体の存在を厭っていた所為。]
(37) 2013/05/24(Fri) 17時半頃
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[ふと、さっき階下へと駆けていった佩芳が気に掛かった。 あの状態の彼女を放ってしまったことへの微かな痛みと、 彼女を調べる術が今のところない、ということ。 少しだけ複雑なものを抱きながらも――。 結局露蝶は、今手元にあるものを確かめる方を選んでいた。
こうして、露蝶は階下へと。 洗面所の方の事態には、未だ気づかないまま――。 ある一つの扉――その先、地下への階段を見つけて。 一度周囲を見回してから、慎重に、下りはじめた。**]
(38) 2013/05/24(Fri) 17時半頃
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三元道士 露蝶は、メモを貼った。
2013/05/24(Fri) 17時半頃
露蝶は、サミュエルに話の続きを促した。
2013/05/24(Fri) 17時半頃
ドリベルは、露蝶に話の続きを促した。
2013/05/24(Fri) 18時頃
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― 研究室 ― うーわ…。 [研究室の奥にあったパソコンには、実験データの一部が収められていた。 落雷の影響でおしゃかになっているものもあったが、運よく無事だったパソコンのパスワードは机の中のメモに記されていて。 首尾よく閲覧する事が出来たそれらを見て不快感を顕わにする。
何でこんな事を執拗に研究したんだか。 ―やっぱり理解に苦しむ。 データによれば、服用すると遺伝子の一部に変化が生じるようだ。 それなら例えば髪の毛を採取して鑑定、とかすれば。]
(39) 2013/05/24(Fri) 19時頃
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用ならあるよ?
[壁伝いに少しずつ動く佩芳に一気に距離を詰め、肩と口に手を当て壁に押さえつけた。]
ごめんね?ホントは声聞きたいんだけどねぇ
邪魔が入るのも興ざめだし、我慢するよ。
[さて佩芳はどんな表情を見せてくれるだろう。 何かするだろうか。
すぐに殺そうとしないのはそれが見たいという欲から。 何もできない?それとも窮鼠猫を噛む?]
(40) 2013/05/24(Fri) 19時半頃
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…ん。
[こちらに近付いてきた足音>>38を聞きつけて、思考を止め、ぴくり、と眉を動かす。 明夜程ではないが、薬の恩恵で只の人間よりも感覚が鋭くなっているのか。
少し考えた挙句、今気付いたというように此方にやって来る相手を迎える事に。 露蝶が研究室に入って来たなら、少し遅れたタイミングで、誰だ?と誰何する声と共に奥の部屋から顔を出すだろう。
その声に険はなく、相手の知る自分と変わらない様子で。**]
(41) 2013/05/24(Fri) 19時半頃
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サミュエルは、ドリベルに話の続きを促した。
2013/05/24(Fri) 19時半頃
なんだかんだ言って場慣れしてるんじゃない?黒宵。
きっとすぐ立派な鬼になれるよ?
[明夜に罪の意識はない。
そんなものはとっくの昔に欠落していた。
だから鬼を自ら受け入れ
そしてこの状況を楽しんでいる。
自身を決して否定しない。
否定をして間違った……自身を抑えらしくない生き方をする道は選ばない。]
―密室だぞ?
まだ佩芳の他に二人いるんだ。
用心して当たり前だろう。
[場慣れしている、と言われれば少し向きになって返した。]
…あーそー、それはどうも。
いいか、気をつけろ、よ。
[立派な鬼になど、なりたくない。
この一件が収まったら、日常に戻って普通に生活したいと思っている。
ひょっとしたら、いつか殺人の衝動に駆られるかもしれなくても。
それまでは。
人の犠牲の上に成り立つ普通の生活など、とは今は考えないようにした。]
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ひ、ぐ、うぅっ!!
[はっとしたときには距離を詰められていた。 肩を押さえる強さに並ならぬものを感じても 、もがかずにはいられなかった。
コロサレル なんて―イヤだ !
明夜の言葉に全身で嫌悪を示しながらも否応なく突きつけられる何かに抗おうとした。 もがく間に握っていた傘を両手で持ち直し、 身体ごとタックルして突き出した。]
(42) 2013/05/24(Fri) 20時頃
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[突き出された凶器を咄嗟に肩で抑えていた手で受け止める。 しかし長さのある錐は掌をすぐ貫通し、ほんの少しだけ腹に刺さる。]
物騒なの持ってんなぁ?
──生きのいい餌は俺、好きだよ
[まだおさえていた口を抑えていた手に力を加え 壁より少し離れた身体をまた押し戻す。
ぐさりと錐と細い針が刺さった手は その傘を握る。 細い針は簡単にぺきぺきと折れてゆく。]
(43) 2013/05/24(Fri) 20時半頃
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― 地下・研究室 ―
[露蝶が研究室に入って来れば、それから遅れて奥の部屋から顔を出す。 誰何する声には険はなく。]
…誰だ? あぁ…、露蝶か。何か探し物?
[自分は警戒を少し緩めるが、彼女の顔は少し強張っていた。 そんな彼女に自分が手ぶらなのをアピールしながら奥の部屋から出てくる。]
鬼と人間を見分ける方法探してたんだけど、これがなかなか。 奥の部屋のパソコンのデータには、遺伝子に変化が生じるってあったんだけど。 やっぱ、口で信用して貰うよりも、何らかの結果を見せた方が分かりやすいじゃん?
[彼女がその手段を持っているとは知らない。 無防備に自分の知った情報を晒しつつ、困ったように頭を掻きながら問いかける。]
―なぁ、露蝶は何か掴めた?
(44) 2013/05/24(Fri) 21時半頃
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[渾身の力でタックルしたのに、身体は解き放たれる事はなかった。 唯一の凶器はいとも簡単にへし折られ、 再び壁に押し当てられた衝撃と共に、やり場のない想いが過ぎる。]
――ん、ぐ、ぅ。
[餌。 餌、と言った。
鬼薬の効果としての、”人喰いの衝動”―。 そういう事なのだろうか。
そこでようやく、嫌悪の正体がわかった。 何事にも淡々としていた得体の知れない気味悪さ。 それは、鬼だから――。]
(45) 2013/05/24(Fri) 22時頃
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[嫌だ、イヤダ、いやだ、いやだ! あんな風に、紅く彩られた写真と同じ様になるのは―いやだ。 喰われてなんか、やるものか―。
ばたばたと足を振り出してもがきながら、 ポシェットから携帯端末を取り出した。
指の動きだけで呼び出した機能が、本当に最後の―抵抗。 それが動くまでの時間を稼ごうと、もがく身体に力を入れた。]
(46) 2013/05/24(Fri) 22時頃
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