49 海の見える坂道
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2011/04/09(Sat) 01時頃
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雪が見たかったから、北に行ったと。 間違ったこと、言ってないとは思うんだけど、さぁ…
[そのあまりにも単純に思えるような言葉に、口元に小さく笑みがこぼれた。]
でも、この髪飾り、綺麗だけど私の髪に映えるかな? ほら、同じ色だもの。
[自らの銀髪に、その銀細工の髪飾りをあててみせた。]
(14) 2011/04/09(Sat) 01時半頃
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ひとりでいることが多いけど、さびしくなんかないんだよ…
[何度も何度も読んだせいでそらで言えるようになった、その本の冒頭の一節をぽつり、と唱える。 声はやがて、外から降り注ぐ陽の光に混じって、消えた**]
(15) 2011/04/09(Sat) 01時半頃
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小娘 ゾーイは、メモを貼った。
2011/04/09(Sat) 01時半頃
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んだよ、そんなもんだろう? 理由なんか、単純でいいんだよ 行動する事で、生まれる何かがあるんだから
[思いついた事を、思いついた時に行動に移す それは、自分の悪い所だろう 計画性の無さは、昔から皆、馬鹿にする所だ]
映えるか、だ? 何言ってんだよ、銀は目立たないから良いんじゃないか
なかなか気がつかないくらいが、一番いいのさ だって、それを見つけた時に 見つけた自分が、特別な気分になれるだろう
(16) 2011/04/09(Sat) 01時半頃
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はいはい、わかったわかった。 昔から、本当にちっとも変わらないんだなぁ、ヤニクは。
[兄の幼馴染の彼の事は、彼女もよく知っていて。 自分にとっても幼馴染の様なものだったから。 思いついたらすぐに行動に移す彼の性格が全く変わっていないことを改めて認識して、苦笑した。]
目立たないから、いいか――― そんな風に考えた事はなかったな。 …特別な、気分かぁ。
[どんな気分でしょ?と小さく呟きつつ、左の耳元に髪飾りをつけた。 どう?とヤニクに見せるように顔の向きを変えると、ベンチから腰を上げた。]
(17) 2011/04/09(Sat) 02時頃
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私、本屋にちょっと用があるんだ。
[そう言うと、グラスとビンを店の中に置きに行き、店のドアノブに不在とわかるように札を下げて。 わざわざ、店の鍵を掛けたりはしない。]
じゃあ、またね。
[軽く手をふって。 本屋へとのんびり足を向けた**]
(18) 2011/04/09(Sat) 02時頃
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心外な、変わったぞ、色々と 何処がって言われると困るが、色々変わったはずだ
[例えば、あれだ、足が速くなったとか? 食べられる野草を覚えたとか、魚釣りが上手くなったとか うん、色々変わったぞ]
目立たない、ひっそりと咲く花を見た時 気分が良くなるだろ? 宝物を見つけたような気がしてさ
そう言う美しさも、ありだと思うんだがな
[髪飾りを付けるのを見、似合う似合うと、手を叩いた あげて良かったな、髪飾り アクセサリーは、似合う娘に付けて貰うのがいい そっちの方が、髪飾りも喜ぶだろう]
(19) 2011/04/09(Sat) 02時頃
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本屋か 俺は、時計台に行くから
戻って来た事、報告しないとな
じゃ、またな
[軽く手を振り、彼女が去りゆくのを見送った後 時計台に向かい、再び歩きだした]
(20) 2011/04/09(Sat) 02時頃
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[本屋まで至る道の間。 小腹が空いたと馴染みのパン屋に立ち寄り、パン・オ・ショコラをいくつか買い込む。 幼い頃から食べ馴れたこのクロワッサンは、彼女のお気に入り。 他のお店やスーパーのものでは、何処か物足りない。 多かれ少なかれ、誰しもそういうものはあるだろう。 母親の手料理やお菓子の様なものだ。
陽射しは徐々に強くなり、通りに落とされる影は狭くなる。 なるべく日にやけないよう、通りの端ギリギリを歩いた。]
(21) 2011/04/09(Sat) 09時半頃
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―― 本屋 ――
[軽く挨拶をしつつ本屋に入ると、紙独特の匂いが彼女を包む。]
頼んでた本、届いた?
[店番をしているベネディクトに、声をかけた。 好きな画家の画集や、写真集、あとは発行部数が少なくあまり本屋に置かれていないようなインテリアの雑誌。 電話一本、かければいい話。 けれど、散歩好きで人と会って会話する事を好む彼女はいつもわざわざ本屋まで足をのばす。]
(22) 2011/04/09(Sat) 10時頃
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[ちり、という音が聞こえた気がして、ゾーイは本から顔を上げた。
開ければ坂道に出るドア、その下部につけられた、小動物が押し開けて出入りするための扉。 それを通り抜けて、猫が入ってきたところだった。 ただし入ってきたのはしょっちゅう見かける野良猫ではなく、首に鈴をつけた、]
黒、猫……
[目が合うと黒猫はにゃー、とないた]
(23) 2011/04/09(Sat) 13時頃
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――――…かーわいい!
[カウンターを離れて、抱こうと近づいたけれど、黒猫は伸ばした手をすり抜けて、逆にカウンターにのぼってしまった]
こらーっ!
[叫んでみるけど、我関せずといった顔を崩さない黒猫]
鈴がついてるってことは、どこかのおうちのネコさんなんだろうけど…… あなたのおうちはどこー?
「にゃー」
にゃー、じゃわかんないよぉ。
(24) 2011/04/09(Sat) 13時半頃
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[おおげさなため息。 やがて首輪に何か書かれていやしないかと、再び黒猫を抱こうとするも、再び逃げられて、今度は酒場のテーブルの上に陣取られた]
…………むー。
[口をとがらせると、あきらめたようにさっき座っていた場所に戻り、本を抱えて黒猫をじっ、と見つめだした。 応じるように黒猫もゾーイを見返す。
にらみ合いはどちらかが飽きるか、誰かが来るまで続けられるだろう、か]
(25) 2011/04/09(Sat) 13時半頃
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小娘 ゾーイは、メモを貼った。
2011/04/09(Sat) 13時半頃
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[本屋でベネディクトとしばらくやり取りをして。 頼んでいた本は、受け取っただろうか。
本屋を出ると、既に太陽はかなり高くまで登っていた。 坂道を歩いていると、一匹の黒猫が、宿屋に入っていくのが見えた。
さて、あの黒猫は誰の飼い猫だっただろうか、と思いつつ。 宿屋の主人から頼まれ事があると言われていた事を思い出し、猫に連られるように、宿屋のドアを開けた。]
(26) 2011/04/09(Sat) 15時頃
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―― 宿屋「mer calme」:1F ――
こんにち…あら。
[ドアを開けるなり、酒場のテーブルとカウンターとで、黒猫と睨みあいをしている少女の姿が目に入った。 まだこの坂に来て日が浅い少女だったが、彼女はよく酒場に足を運ぶので、この少女と会話をする機会は多かった。]
ゾーイ、捕まえないと怒られるんじゃない? ご主人さんに。
[机に堂々と陣取っている猫を見つつ、少女に声をかけた。]
(27) 2011/04/09(Sat) 15時頃
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[どのくらいの時間が経っただろうか。 ドアを開ける音と、涼やかなベルの鳴る音がほぼ同時に聞こえて、ゾーイは猫から視線を外した。
入ってきたのは雑貨屋のお姉さん。 人の顔を覚えるのが苦手なゾーイは、最初の頃雑貨屋のお姉さんを、彼女のお兄さんと間違えることがあった。きょうだいだし、共に長髪だったし]
もう二回も逃げられたんです…だからあきらめました。
[しゅんとなって告げた後、宿屋の主人はまだ買い出しから帰ってきてないことを告げて。 そこでようやく、銀の髪飾りに気づいた]
きれいな髪かざりですね。 どうしたんですかそれ?
(28) 2011/04/09(Sat) 15時半頃
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―― 時計台 ――
[この街を一望できる場所、時計台 長い放浪癖の中、この街に戻って来た時は必ずここに来る 子供の頃、よく時計台に忍び込んで よく、時計守に怒られた]
よ、久しぶり
[大人になった今、忍び込むのはさすがに不味い 不味いからこそ、人がやらない事だからこそ]
やるのが、俺だよな
(29) 2011/04/09(Sat) 15時半頃
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――時計台――
[ごぉ…………………ん――――――。 港町を駆け抜ける、重低音。 人々の間に、風に、空気に、染み渡る。 同時にカモメの声が反響するのは、港町では日常の調べ。
古く、しかし年月を感じさせる重厚な時計台。 その中には、女性が一人、住んでいる。
時を刻み、時と共に生きる、女性が一人、住んでいる]
(30) 2011/04/09(Sat) 15時半頃
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そうなの?
[しゅん、とした様子で話すゾーイを見て、顔には出さない様にして内心苦笑した。 まだ10歳だというのに、自分に対して敬語を使ったり、猫に二回逃げられて諦めるようなところが何処か子供は元気で無邪気なもの、という彼女のイメージとは、離れていて。]
あぁ、この髪飾りはね、ヤニクに貰ったの。 ゾーイは、会った事ないよね、ヤニクに。
[左の耳元につけられた髪飾りに、手をやるような仕草をした。]
(31) 2011/04/09(Sat) 15時半頃
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長老 ナタリアは、メモを貼った。
2011/04/09(Sat) 15時半頃
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[がたり、と音がしても、耳の遠くなった老女には届かない筈。 それでも、気付くのは、今まで積み重ねてきた刻の重み故]
おやまあ、また、来たのかい…?
[柔和な笑みを浮かべたまま、老女は杖を取り、立ち上がった。 部屋から出れば、時計台の内部を下から見上げる形になる]
いくつになっても、懲りないもんだねえ…
[姿が見えなくとも、そこに居ると、わかっている]
(32) 2011/04/09(Sat) 16時頃
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[普通に、登らせろと時計守のばあちゃんに頼んだら きっと、登らせてくれるだろうけれど それでは、自分自身が大人になってしまう
変わるべき所も、人には多くあるのだろうけれど 変わらず、そのままで居る事が愛おしい事もある
いつまでたっても、悪戯小僧だと そんな風に呼ばれる人間が、一人くらいいてもいい 自由とは、そう言う物だろう]
さーて、どうやって忍び込むか
(33) 2011/04/09(Sat) 16時頃
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[「会った事ないよね」、の問いにぴょこんとうなずいて、]
ヤニクさん……って男の人の名前ですよね? どーいう人なんですか? そしてお姉さんとの関係はいかに?
[ぐっ、とカウンターから身を乗り出して興味津々の風。 両親の仕事の都合で住むところを転々としてきた身の上のせいか、無意識のうちに周囲と壁を作ってしまうことがあるとはいえ、その辺りはまだまだ子供、といったところか]
(34) 2011/04/09(Sat) 16時頃
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[音をたてぬように、こっそり、扉を開き きょろきょろと、辺りを見回した後
一気に駆け上る
がたり、音がした気がするが気にしない 一番高い所まで、鐘のある所まで、止まらずに登る 名実共に、この街で一番高い場所なんだ ここは、子供の頃からずっと]
よ、ただいま
[色々、内部構造は省略して 鐘まで登ったら、ぺたり、触り挨拶する 子供の頃の秘密基地だ、もう20年の付き合いになるよな]
(35) 2011/04/09(Sat) 16時頃
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そうだなぁー…幼馴染かな。歳も一緒だし。
[少女に興味津々に問われれば、少し気押された風に答えた。 中々彼とどんな関係か聞かれることも無かったものだから。]
あいつはねぇ、悪ガキ。
[片手を腰にあて、少し呆れたような口調で少女に答えたところで、思い当たったことがあった。]
ねぇ、ゾーイ。 お留守番、抜けられないの?
(36) 2011/04/09(Sat) 16時頃
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― 広場 ―
[ザッ ザッ ザッ
箒で地面を掃く音。 人々が行き交う広場。 噴水の水が時折、日光を反射して、きらきらと光っている。 その背景では、柔らかな鐘の音が心地よく響き渡り、 それが自然と青年の表情を緩ませた。]
ふう、 ・・・ま、こんなとこかな?
[この町を掃除するのは彼の仕事。 綺麗になった広場を見て、満足すると、微笑を浮かべた。]
えーと・・・ 次は、っと・・・
[しかし、彼の仕事はまだ終わっていない。 掃除道具を担ぎ上げると、広場を後にした。]
(37) 2011/04/09(Sat) 16時半頃
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おさななじみかぁ……
[雑貨屋のお姉さんを憧れのこもった目で見る]
悪ガキがおさななじみってことは、ヨーラお姉さん、悪ガキのヤニクお兄さんをこらしめてたり……
[そんな光景を想像しようとして、続く言葉に目を丸くした]
えっ、と……
[正直なところ暇なので外に出たい。しかし勝手に取り決めを破ったら主人に怒られるというよりは心配をかけてしまう。
一瞬泳がせた視線が、黒猫をとらえた]
――そうだ! あのネコさんのおうちをさがさなきゃ!
(38) 2011/04/09(Sat) 16時半頃
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2011/04/09(Sat) 16時半頃
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そうそう、飼い主さんにちゃんと返してあげなきゃ、ね?
[ようやく子供らしい様子が出てきた様子のゾーイを見て、自然と笑みがこぼれた。 それにしても、飼い主は誰だったか…確かラルフの飼っている猫だったような気もする。]
ついでに、ちょっとお散歩しようか? 時計台まで、行ってみない?
[先程思いついたのは、ヤニクにゾーイを会わせてみてはどうだろうという事。 彼なら、彼女から見てどこか気を張っているようなゾーイにいい影響を与えてくれるのではないかと思った、彼女のおせっかい。]
(39) 2011/04/09(Sat) 17時頃
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掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2011/04/09(Sat) 17時頃
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― 通り→宿屋 ―
[がちゃがちゃ、と彼が歩くリズムに合わせて、掃除用具が音を立てる。 先ほど使った雑巾を思い出し、そろそろ変え時かな、 などと考えつつ、ひとまずは自分の家に向かうことにした。]
「・・・ニャァ」
[ゆるい坂を一歩一歩と歩いていき、 自分の家が見えそうになったその時だった。]
ん、?
[猫の声が耳に入る。 どうやら馴染みの宿屋から、聞こえてくるようだ。 ふと気になった青年は、ゆっくりとその扉を開けることに。]
(40) 2011/04/09(Sat) 17時頃
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