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でも、オレは、やっぱり行かねェわ。ミドル、リヒト。
やっぱ………ニンゲンの肉は、オレには喰らえ無ェ、から。
……あァ、行ってら。
[斯うして、今宵もサリスはひとりで部屋に戻る。
月の照る夜の度、じくりと痛む古傷を抱えながら。**]
[爪や牙ではなく鋭い針に穿たれた心臓。
命の灯火が消えた少年を見下ろし徐に口を開く。
やわい皮膚を獣の牙が裂きその肉を引き千切る]
悪くはない味だ。
[咀嚼しながら漏らす言葉。
比べる血の味は昨日襲った見極める彼女のものか
それとも遠い昔に見逃した唯一の存在か]
―――…は。
[サリスの安堵の響きに思わず漏れるのはわらい。
その中には自嘲にも似たものが滲む]
あからさまに安堵するなど失礼な男だ。
[ふん、と軽く鼻を鳴らしはするが咎める色は薄い]
命を頂くのだから、当然の事。
料理には命だけでなく思いもこもるそうだからな。
[偉いというサリスに返す言葉は何処か生真面目なもの]
以前、妹が町で菓子を買ってきたんだが
私は、どちらかというと甘いものに苦手意識があったんだ。
遠慮すると言ったら、作り手の思いを考えろと言われた。
ワッフルだったかな。
甘いものもたまになら良いものだと思えたよ。
[ぽつぽつと独り言ちるような聲が落ちる。
双子でありながら同じではない妹。
それがもどかしく、壊してしまいそうで
いつしか距離をおくようになった存在]
――…美味いと思うものを喰えばいい。
サリスにはそれを作り出す手があるのだろう?
[金色の獣は尋ねるようにゆると頸を傾げる。
無論その場にサリスの姿はないのだが]
人狼の食餌風景など人間にとっては不快なものでしかなかろう。
[無理に誘う事はせず見送る言葉に嗚呼と短い応えを向ける]
[野良犬のように獲物を喰い散らかす事はしない。
器用に牙と爪を使い喰われたオスカーの亡骸は
比較的きれいなものだったかもしれないが
遺体を見慣れぬ者にはその違いがわかるかどうか]
誰が襲われたか。
分からなくなっては自警団も困るだろう。
顔くらいは傷つけずにおくか。
[満たされた獣は満足げに呟いて。
庭先の水場で獲物の血を流してから部屋へと戻ってゆく]
【人】 良家の息子 ルーカス[個室に戻れば外では手放さぬ杖を寝台の傍らに置く。 (23) 2013/02/06(Wed) 03時半頃 |
[流れてくる二人の冗談のような本気のような会話には、
興味深く楽しげに耳を傾けていた。]
ぜひご一緒に。
力を蓄えるためにも。
[応え
[中庭の側で同胞と見える。]
ありがとうございます。
[かけられた声に
世辞であっても褒められれば悪い気などしない。
血を啜り、少しばかり控えめに肉を口にし。
飢餓の薄い状態での食餌は静かに終わった。
先に戻るリヒト
五体の中で唯一傷ひとつない頭部に触れ。
闇に近い濃い色の髪を少し撫でた。]
ご馳走様。
[満ち足りた声で言い残し、その場を去った。]
殺したならば、食べるのが礼儀でしょう。
悦楽のために奪っているのではないですし。
[偉い、という言葉
サリスの声には不思議そうな声色で返しただろう。
食餌は生きるためにするもので、
今この場においては生き残るための手段でもある。
どちらも当然の事、という認識でしかなかった。]
サリスさんはサリスさんの口にあうものがあるでしょうし。
…ああ、でも、私甘いものも好きですよ。
[食餌についてのやりとり。
零されたリヒトの呟き
人狼としての食と同列にされたら不快を感じるのだろうか。
とはいえ己の中では、どちらも同じ。
命をつなぐに不可欠か否かの違いがある程度の差。**]
【人】 良家の息子 ルーカス―回想/広間― (47) 2013/02/06(Wed) 15時半頃 |
【人】 良家の息子 ルーカス―回想― (48) 2013/02/06(Wed) 15時半頃 |
【人】 良家の息子 ルーカス[集会所で迎える二度目の夜明け。 (49) 2013/02/06(Wed) 16時頃 |
【人】 良家の息子 ルーカス[ケイトの引き攣った悲鳴はルーカスの部屋までは届かなかった。 (50) 2013/02/06(Wed) 16時頃 |
――オスカーが狩られた折のこと――
[リヒト
「失礼」なんて語に、思わず人間の声のほうで抗議しそうになる。]
ッな!あんた、男に押し倒されるなんざ――…
……はい、すいません。人狼サマ。
[咎める色が其処にあまり無く思われたのが幾らかの幸い。
確実にミドルに――少女の人狼にも聞こえていると思った故の気まずさも含めて縮こまったこえは、やがて一度、途切れる。
実際には、彼女はどこか楽しげでもあったようだが
あァ、そういうコト。
精一杯の思いを込めてこその料理人。ウチの虹色看板だってそのポリシーさ。
[生真面目にリヒト
で、残念なコトに、ニンゲンの中には、折角の料理を――獲物を無駄に捨てる客も多くてなァ。
礼節を以て平らげてくれる人狼サマが居てくれて、料理人としては嬉しいさね。
[ミドル
つい一個の料理人として、ある種の上機嫌になっていたこともあるが、頭では「生きる為」の狩りを理解している心算だった、というのもある。]
[とはいえ。
「食餌」に人間としての嫌悪を持っているのもまた事実。]
うん、………。
オレは、オレが食えるモンを食う。それで良いわ。
[「私と同じになるなら」――かつてのリヒトのその言葉も過る。
けれど此処では、ただリヒト
ん。じゃあ。
次の「食事」には、何かとっときの菓子でもご馳走しようかね。
手早く作れる美味いモン辺りで。
[甘いものも悪くないと。甘いものも好きだと。
それぞれに伝えてきたふたりに、他愛ない響きで答えた。]
……ってか。
リヒト、妹さん居たンか。
[彼の話に、ふっと思い出されたこと
その記憶を辿れば、更にあるひとつのことも引っかかったのだが――。]
ひょっとしてその妹さん、「グロリア」さんかい。
そう名乗ってた、育ちの良さそうな金髪のお客さんを知ってるンだが、もしかして……って思ってさ。
[この時はただ、一つの問いにのみ、留めていた。**]
【人】 良家の息子 ルーカス―エントランス― (61) 2013/02/06(Wed) 21時頃 |
[母が殺される間際。
人狼を繋ぐ声なき声を通して渡されたのは、
人間への恨みでも、潰える命への嘆きでもなく、
母狼としての最期の望みだった。
『永く、永く生きなさい。』
子狼の生を願った言葉は、
孤独となった後も娘が生きるための糧となった。]
ああ、あれはもったいないと思います。
そんな贅沢できる余裕もないので。
[それならば最初から食べなければいいのにと、
そう感じる事も少なくはない。
「普段」の食生活を思い出せば、別の意味で苦々しくも思い。
そんな苦言も、菓子と聞けば
ころりと声は弾んだものへと変わった。]
それは期待してますね。
ここを出たらワッフルを食べるのも、楽しみにしているんですよ。
軽い飢えを誤魔化す時、代替品として砂糖を口にしているが。
食餌の後も、あの甘さがまた恋しくもなり。]
[リヒトとサリス、互いが身近な人物に思い当たる節が
あるようなやり取り
……リヒトさん、もしかして。
サリスさんのワッフル食べた事あるんでしょうか?
[羨ましげな色を滲ませ。
是と返れば、味について感想を求めたかもしれない。]
―回想―
[ミドルとサリス、二人の聲に耳を傾けていたが
菓子をご馳走しようと彼が言えば目を眇める]
愉しみにしているからその前に体調を整えるといい。
しっかり食べてしっかり寝れば少しはマシになろう。
[無茶をするな、とか、心配だとか。
そんな言葉は口にしない。
メアリーに向けたようなわかりやすい労りにならぬのは
人狼としての、否、リヒトという獣の性分]
[妹の事を問われれば、嗚呼と肯定の響き。
グロリアとサリスの口から紡がれればはたと瞬く]
名を教えた事があったか?
――…嗚呼、そういう事か。
多分、そのグロリアが、そうだ。
金髪で利発そうな眼差しの、――…自慢の妹だよ。
[さらと認めるは隠す心算など毛頭なかったから。
ミドルの問いには少し間をあけて頷く]
ワッフルを買ってきた事があったから食べた。
まあ、ほとんど妹が食べていたんだが。
―回想/了―
【人】 良家の息子 ルーカス[エントランスから広間に立ち寄る。 (71) 2013/02/06(Wed) 22時半頃 |
【人】 良家の息子 ルーカス―調理場― (72) 2013/02/06(Wed) 22時半頃 |
[心配なのか突っ込みなのか良く解らないこえ
結局きちんとは眠れておらず、自分とメアリーで作ったシチューの他は何も食べていないことに気付く。]
人の事は言えねェわな……。
[漠然と零すこえは、そうとは知らず、かの男
【人】 良家の息子 ルーカス―調理場― (78) 2013/02/06(Wed) 23時頃 |
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