144 ロマンチックメイカー
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[生まれたときから、罪を背負った。 真っ白な髪と赤い瞳。 丁度その時、彼女の生まれた村は凶年だった。不作、日照り――すべてが重なり、彼女は捨てられた。]
「どうして、わたしなの?」
[捨てられる直前、両親に聞いたことはそれだけ。 今思えばまともな会話も、それだけだったのかもしれない。]
「お前が呪われた子供だからだ」
[答えも罪の認識も、それだけで十分だったのだ。]
(70) 2013/09/20(Fri) 23時頃
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[そして自分は孤児院に入れられたけれど。 結局そこでも、邪魔者扱い異端者扱い。]
「こんな世界、終わってしまえばいいのに」
[無理に終わらせられた命を、知っている。 その無様さも醜さも、知っている。 彼女は孤児院を出た。そして今の村に住み着いて、異端者扱いされないようにと閉じこもった。
今度こそ、他者から否定されてしまえば。
自分はもう生きていけない気がしたから。]
[何かをするには、自分はあまりにも――生きる努力をしなさすぎた。]
(71) 2013/09/20(Fri) 23時頃
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……あなたは、…なにかしら?
[柱の時計が音を奏でる。 それに隠されたヨーランダの問いを、促すように問いかけた。]
…そうね。 でも、休むといってもどこで?
[自分たちは出られない。 この集会所は広いのだろうか。せめて、個室が一つでもあればましだろうが。]
こんなところで雑魚寝なら、私は起きておくことにするわ。
[人の隣では寝られない。 いつ何が、暴力が、自分を襲うか分からない。恐怖が心の片隅で蠢いて、そう言い放つ。]
(74) 2013/09/20(Fri) 23時半頃
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