297 湿っぽい古風和ホラーRP村「紫陽花奇譚」
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[ 蹲る子供の姿はこの目には見えず。
ただ聞こえる声に、その紫陽花へと視線を送る。]
心配、いらんの?
たえちゃん、居るん?
これ 誰の声やろか。
……夕ちゃん?
[ 朝夕の区別がつくつかない、という以前に。なんだろうか、少しだけ、雰囲気が、…]
ゆうちゃん?
[ 違うような気がして、]
…
[ 昔、出会った、誰かに似てる気がする。
紫陽花へと送っていた視線は、夕顔へと向けられ、少しの間視線を留めた。]
[少女と本当に視線が絡んだのは一瞬。
けれど、少女がまた家の中へと視線を戻してからも、その眼差しは彼女をとらえて離さない。
見えない眼差しが、“笑みを浮かべた”。
その“笑み”は、どう見積もっても年端のいかぬ少女の浮かべられるそれではなく、
もっと言えば、18の年頃の娘が浮かべたそれで、
更に言えば、娘は“緋色の婚礼衣装を纏っていた”。
そんな姿はどこにもないのに、何故かその眼差しは、“そんな娘の浮かべた笑み”を幻想させた。
そんな娘は、どこにもいない。
どこにも。]
[とたとたとた。
裸足の子供が室内を走るような音がする。
足音は、飴のそばでいったん止まってから、また走り出す。
家の、中ほどへ、向かうように。
開いた戸の前で、立ち止まる。
『みぃつけた!』
『次はおねぇちゃんの番!』
とたとたとた。
家の中を、裸足の子供が走り回るような音がする。
何度か襖や戸を開け閉めする音がして、それから、静かになった。]
座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2019/07/05(Fri) 22時頃
座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2019/07/05(Fri) 22時頃
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─山道>>114─ せやね。まだ探してないとこどこか話そ。
…根っこまで。 それおもしろいなあ、 やっぱり育ててる人はちゃうなあ。
[さくさく歩くについていく。 下りのほうが何かと疲れがちなので、慎重に。 加減を忘れて倒れないように。]
(119) 2019/07/05(Fri) 22時頃
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─村への道>>115─
お浸しとかに混ざってたりするんかな。 …せやったら、わからんなあ…。
[なるほどなあ、と料理に思いをはせる。 体は弱いが偏食ではない。そも、残したり除けたりはご法度だ。栄養をつけるのが大事だと、ご老人方にも言われた。 ──生まれつきのこんな身なりだ、信心深いものには何かの使いだとか、神様がどうとか、重ねられるゆえの扱いだとはわかっている。]
草抜きはせななあ。 働き者や。
[ふふ、と笑って深く息を吸う。]
あー、なんか…なん、かみさま、の、前…みたいな… 会(お)うたことないけど……ふ、
[風に指先でつまんだ花が揺れる。]
(120) 2019/07/05(Fri) 22時頃
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─村への道>>116─
……んーん、おらんよう
[どうにも自分の虚弱さを鑑みるに、 誰かに懸想とは迷惑にしかならぬと思ってきた節がある。が、へら、と昼行燈めいて小さく笑う。]
そうかー、 …継ぐ、は、…大変やんなあ。 定吉ええひとやからな、 考え出したらすぐなんちがうかなあ
[…家継ぐ言うたら朧もか、と、ぼんやり思う。 皆々、なんだか遠い人になっていく気がする話だ。]
だい、じょうぶ。……むう。 休んだし…。
[ふう、と息を吐いて、吸って。それから。]
(121) 2019/07/05(Fri) 22時半頃
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[ ほんの一瞬。すぐに表情を変えてしまったから、その視線に捉えられたのも一瞬、の、はずだ。
笑みが見えた。
夕顔にはおおよそ浮かべる事に出来ない類いの笑み。
ぞわ、じわ、じとり、
ぺたりと背筋に張り付くような感覚は、まだ雨も降りはじめていないのにはやい気がする。
今のあたしよりも少し年下、
だけど、ずっと昔はずっと年上、
緋色の花嫁の笑みは、笑みが、
心を捉えて離さない。
息が詰まるような心地に目を瞠る。
きれいなきれいな、およめさん。
ここにいるのは夕顔だ。
夕顔、夕ちゃんのはずなのに、
ここにいない姿なのに、あの娘は、 ]
[ いない――…?
表情が夕顔に戻って、漸く解放された気になる、いや、されていない。囚われている。]
おねえちゃん?
[ 自分に勿論姉はいない。だがなんとなく、そう口が動いた。]
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─村への道>>116→雷門の家の方角へ─
……なんやろなあ…?
[首を傾げつつも道を歩いていく。]
雷門さんとこかな、まずは。
[定吉に確認を取りつつ、 歩きはゆっくりとになるのは 歩幅があまり大きくないからだ。
>>#1 途中、中年の女性とすれ違ったとき、 「日向ちゃんもなんか、探さな、言うて雷門さんとこかなあ、歩いとったよ」 と、言われ、きょとんと眼を瞬かせた。]
……さがさなって…?
[なんやろ、と定吉のほうを首を傾げ乍ら見遣り、まあ、行ってみよか、と足を向けたのだ。]
(126) 2019/07/05(Fri) 23時頃
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『もう いいかい』
『まぁだだよ』
『もう いいかい』
『もう い い か い』
────め か く し
お に さ ん
て の
な
る
ほ
う
へ────
[ 視覚と聴覚が、何かに囚われ、
少しだけ下を向いて、ぐるぐると頭の中で渦巻く 声を 姿を
反芻している。
紫陽花へ向かうような視線は、
少しの間、どこにも向いていない。]
[ 綺麗な、およめさん。
紫陽花の季節に輿入れしたならば、
彼女は幸せになれたのだろうか。]
[ 耳に幽かに届く、沁みるような声。]
[ ぱん、と軽く小さく、聞こえないくらいの音で、手を打ち合わせた。]
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─村へ向かう道>>130─
…紫陽花の神様かあ、 なんや、ええなそれ。 お祈り、しとこか。
[そっと目を閉じ額の辺りに花を触れさせる。 早く戻ってきますように。]
……日向ちゃんも 心配してまうやろし、 夕顔ちゃん、朝顔ちゃんも年近い子おらんくなったらこわかろうしなあ…。
(141) 2019/07/06(Sat) 00時半頃
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[歩く速度は生来遅いため、時々早歩き、小走りにしては息を吐いてゆっくりに戻る。]
…なんや、僕、歩くの遅いから、 合せるんめんどうやったら、先、行ってええからな?
[申し訳なさそうに笑う。]
……よぉ気ぃつく子かあ……
[そんなんは僕にはもったいないなあ、とは飲み込んで笑む。]
せやな、だいじな宝物や。 …けど、せやな、…考えて、 のんびりするくらいの時間、欲しいやんな…。
[大人になれば背負うものも増えるんやな、とどこかしみじみ呟いた。]
ぅん。…ありがとうな。
[こういう気づかいに生かされていると思う。白子だから余計にか。]
(142) 2019/07/06(Sat) 01時頃
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─村へ向かう道>>132─
ん、…どしたん
[定吉に言われたほうを向いてみれば、小柄な姿があった。>>125]
……ほんまやな、 朝顔ちゃんは、いつも家におるもんな。 夕顔ちゃんのおつかいかな?
[定吉に同意する。 朝顔は本を読むのが好きな少女。 あまり外に出ない同士、少しの興味で好きな本について話したことがある。]
(155) 2019/07/06(Sat) 13時頃
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―村の道>>137>>138―
うん、…広うない村やと思ってたけど こうして探すと知らんとこ多いもんな…。
[ふー、と深く息一つ吐いた。 話し終わったのち、中年の女性に頭を下げて>>137]
……せやな。 えらい可愛がってるの、 見てるだけでもわかるしなあ
[うっすらと微笑まし気に目を細めた。]
(156) 2019/07/06(Sat) 13時頃
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―紫陽花の前>>138―
……、なんやろ?
もしかして遠目に見えたん、 これなんかな。
[奇妙な緊張感が背に走る。 それと同時、奇妙に惹かれてやまない感覚も覚えて、 じ、と透明な花びらの紫陽花を見つめた。]
……ぁ、
う、うん。ごめん、行こ。
[慌てて頷き、後に続く。 後ろ髪を引かれながら時折振り返りつつ。]
(157) 2019/07/06(Sat) 13時頃
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―家の方角へ>>152―
……なんか拝んでたりしててもおかしうないのにな。 お地蔵さんくらいよな。
[沼のじいさまが手を合わせる、 何かの折に置かれた苔むした地蔵、それくらい。]
あー、そうかもなあ。 お月さん、きれいやし。
雨司?雨司のほうがかっこええやん。
[もったいな、とちょっと笑ってから。]
……、なんや、昔、昔は、 なんか信じとったらしいよ、死んだばあ様が言うとったけど、もう皆忘れてしもうたんよね、って…… 小さかったから、よう覚えてないんやけど……
(158) 2019/07/06(Sat) 13時頃
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[血筋か、呪いか? 白子が時折生まれという箕島の家に、かけら、伝わる口伝。]
……のこってない、ということは もう社とかもあれへんのやろなあ…
なんかそれってちょっと寂しいな。
[のんびり、歩き、歩き。 >>153たえを気遣う言葉にうん、と一つうなずいた。]
……戻るべき、 せやな。そう思うわ…まだ7つなんやし…
[子守の日向はきっと己を責めているだろう、 と、手前勝手に心配する。気にしてはいけない、と声をかけるべきか、と移ろう思考。]
(159) 2019/07/06(Sat) 13時半頃
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……そか、ありがとうなあ。 ええひとや。
[>>153少し眩しげに、定吉に微笑む。
芙蓉や朧が見たらのんびり過ぎると指摘しそうな歩みで、 雷門の家へを向かう、道すがら。]
──あれ、
朝顔ちゃんちがう?
[>>149 往来を見ている、少女の姿。 小首を傾げて定吉を見てから、]
おおい、どないしたの
[と、声をかけたものの、相変わらず声には少し張りがない。 きちんと届いたであろうか**]
(160) 2019/07/06(Sat) 13時半頃
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座敷守 亀吉は、メモを貼った。
2019/07/06(Sat) 14時頃
『 お
に さ
ん
こ
ち ら
て
の
な る
ほ
う へ 』
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―朝顔と>>163―
ああ、朧、先に降りてたんか…、
って、…そうなん? 村にも?
[これ?と手に摘まんだままの花を示してみせる。]
そうかあ、たえちゃん、 この紫陽花持ってたんかな。 女の子は花が好きやもんなあ。
……え。
[はた、と瞬きをした。 それから、少し困ったように笑む。]
(165) 2019/07/06(Sat) 17時頃
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まあ、そうはいうても、 僕だけじいっとしてんのも、あれやん?
……明日についてはちょっと…うん、朝顔ちゃんの言う通りやろと思うけど…
[朝顔、と迷いなく呼んだのは 彼女の家の近くにいたからだ。 夕顔はあちらこちら歩いていて、 朝顔は家に居がち、というそんな判断。 双子の見分けは難しい]
……ぅー、そういう亀は勘弁してほしわ… 足、気を付ける、ありがとうな。 薬も芙蓉さんにお願いしとく…。
[あは、と情けなく笑う。それから、ん、と目を伏せて]
……ほんまになあ、…花こぼすくらいやから、帰ってきてると思いたいんやけど……。…妙に、冷えるし、な。
[羽織を掻き寄せ、息一つ吐いて**]
(166) 2019/07/06(Sat) 17時頃
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寂しいな、寂しいな。
ここにおるのにな。
おたえちゃん、ちゃぁんといい子で、帰って来たんにな。
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