207 Werewolves of PIRATE SHIP-2-
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――6号室――
[一、二、三度目のノック。 一度で目を開け、二度目で身を起こし、三度目で開いている、と応えた。 ずかずかと入り来るのに、閉めろと付け加えつつ。]
――そういう、事になるな。
[小さな棚に置かれている木製のカップと、まだ床に落ちたままだった瓶を手に取り。 どの部屋にもあるはずの簡素な椅子を示した。]
(150) 2014/12/13(Sat) 22時頃
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[フランクが座れば反対に立ち上がって、扉が開かぬよう内鍵を嵌めた。 多少なりとも邪魔を無くしたかった。]
話をする前にひとつ前提を上げておこう。 私は、正直なところ癪だが、お前の審美眼とやらを、特に確信もなく信じるつもりでいる。 私のことをどう見ている?
[理由を聞かれれば、一言。 死体を食い荒らすなんて"美しくないから"と。]
(155) 2014/12/13(Sat) 22時頃
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獅子を、殺す。
[無意識か。聲は覚悟の言葉を落とす。]
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お前の女神なぞ信じちゃいないが、聞いてくれても構わん。
[人間だろうよ、という言葉の、音の動きに内心安堵する。 これでまずは、話が出来る。これから話すことは、あまりに確証が薄すぎる言葉だから、無為に広げたくはなかった。]
言っておくが、狼がどういう生き物だとかどうだとか、そんなことは期待するなよ。 そんな学は私にもない。 ただ、私の目を頼るお前のことだからな。 私の考えることを共有するつもりで呼んだ。
もしお前が狼なら……私もそれまでだと言うことだな。
[鍵のかかった部屋、誰にも気付かれず殺しをするなら、何より簡単だ。]
(162) 2014/12/13(Sat) 22時半頃
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……船長…ギリ―……。俺は、あんた達の傍を居場所にしたい。
[セシルに口にした事は事実だ。
だが今は、この船よりも居場所と思う場所があると。]
船長!?
[不意に聞こえた思い詰めた聲に、思わず姿を求めてしまった。]
あんたなら無事だと…信じてる。
[姿が無いのは当たり前だと、我に返り。
祈りだけを彼に返す。]
じゃあな……グレッグ。
[扉と共に彼から目を離さなかった瞼を閉じる**]
居場所、帰って良イ場所
ミナカ カシラ、帰る
おれ、待つ
[医務室で大人しく板目を見つめていた時だったか。
聞こえた聲に、少しの間を挟んだ後に応えた。
「待つ」と言ったからには、待つ。
だから獅子を殺るとの聲を受け止め、
ただ信じる念を胸に抱いた。*]
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は、……そうかもな。些末だ。狼だろうがそうでなかろうが、私を殺す気ならお前は殺せる。 信用してくれて、有り難い。
[銃を手にしながら、その口は向かなかった>>178。 吐息で笑って、己の腰は空いた寝台に落ち着ける。]
ヴェラーヴァルが死んだのは、知っているな? あいつの死に姿はまるで本当に狼人間だった。
ここまではほとんど確信している話だが、下の捕虜殺しはおそらくあいつの仕業じゃない。
[人狼の仕業だと、人狼を殺せとこれだけ沸いている中で、人狼が死んで尚、そんな確信を語る。]
(183) 2014/12/13(Sat) 23時半頃
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あんなにあからさまに、ヴェラーヴァルなら成し遂げられるかたちで事を成し、あいつが下手人などと隠れるつもりがなさすぎる。
[切り捨てられた、と取るべきか、その理由は知る由もないが。 少なくともあれほどに堂々と殺せると言っておきながらやっていないとも重ねた、あの言葉が単独犯のものなら危険が過ぎるだろう。 フランクに理由を聞かれれば、この思考の部分も開示する。]
だが、牙で食い殺されているのは違いないと聞いた。
[伝聞の形なのは、未だその死体を目にしていないからに過ぎない。 もうとうに海に投げ捨てられているかもしれないと思えば、見に行く気もしなかった。]
(185) 2014/12/13(Sat) 23時半頃
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お前の血などで私の部屋が汚されるなど耐えられん。
[殺す可能性を見られても、一蹴する。 信を置いた相手を殺すことに何の意味もない。]
勿論、狼が二匹いると私がこの目で見たわけじゃない。 ヴェラーヴァルが単独犯だということが不自然すぎる、と言っているだけだ。 ただ、見た奴はいるやも、しれん。
[ヴェラーヴァルが狼かどうかと、下手人かどうかをすぐにイコールで結ばないのは、彼自身の口振りだけが理由ではない。 ここからが本題だったが、やりづらく唇は重くなる。]
(193) 2014/12/13(Sat) 23時半頃
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[見当がついているか、と問いを重ねられて、苦く頷いた。]
ここからは単なる私の思考だから、信じるかどうかは任せるが、本題だ。 下でグレッグが殺されたが、あいつは――ミナカにナイフを投げていた。 あいつは下らない熱に浮かされて無闇に刃を投げられるほど勇敢でも、馬鹿でもない。 おそらく何がしかの確信を持ったんだろうな。
[それが何かは、もう聞けはしない。 飲め、とフランクのカップに酒を注いだ。酒に浮かされた夢くらいに聞き流してほしいと思った。]
そして、その場に居合わせたギリアンに刃が当たって、手を切った。 あいつが殺された理由は、"それだけ"だ。 仲間殺しを重罪だと、見つけ出して殺せといったあの船長が、掌を切った程度で、問答無用に首を刎ねた。
[視線をフランクから外し、僅かに俯けて逡巡の後、緩く首を横に振る。]
(197) 2014/12/14(Sun) 00時頃
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――信じた男を斬らせるつもりなら、大した挑発だ。
[唾の飛ぶブーイング>>200に、腰のサーベルへ手を伸ばす。 無論抜くつもりはないフェイクで、すぐにその手は頭を抱えるように額に置いた。]
三匹……嫌な話だが、そう考えてもおかしくはない。 いつから、何故今、疑問は尽きないが、あの捕虜の言葉が引き金なら疫病神だ。
……そうだな。
[楽しくやってきた、というのに、同意を示し。 この二日で消した人数を脳裏で数えた。]
(206) 2014/12/14(Sun) 00時頃
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[らしくない。化粧ひとつ変えない。その口振りに何故か乾いた笑いが込み上げて、また吐息で笑いを流した。]
傷ついたギリアンに、子を傷つけられた親のよう縋って案じていたよ。
とはいえ、それこそ捕虜を殺されて逆上したあの船長が下手人とも思いづらい。 おそらく――最低でもミナカかギリアンに、何かある。 特に上げるなら、他人の目だがミナカだろうな。
[ただ、とその結論すら根底を覆すように、話を続ける。]
ミナカと船長は、昨晩一晩中共に過ごしたらしい。 理由は聞かせてはいただけなかったがな。 現状とこの話の矛盾と、我らが船長の行動を受け取りあぐねて、お前の慧眼を借りようというところだ。
[最終的に呼びつけた理由を付け足して、話を一度締めくくった。]
(208) 2014/12/14(Sun) 00時頃
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だからお前を選んだんだと、思ってくれても構わない。 その記憶力に感謝するよ。
[人を間違えれば首が飛ぶ>>207。わかってはいるが、誰かに残さなければならないと思っていた。 己は、この目でそれらの事実を見、耳で言葉を聞き、頭で真実を追っている。 この思考が真実に近ければ、一番都合の悪い人間は――己だろうと、猿でもわかる。]
私は、この船をまだ美しいと思っている。 叶う限りには、護りたいとも。
あの人が獣に堕ちた男でないと、信じたい――
[昼、それを当人に伝えたように。 信じている、ではなく、信じたい、という言葉のかたちが、隠せない本心を伝えていたか。]
(216) 2014/12/14(Sun) 00時半頃
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ん?この獅子……
[間近で香った匂いに僅か違和感。
それはまるで同族のような……]
ジェレミーは、フランクの銃口の向く先を見やる。
2014/12/14(Sun) 00時半頃
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おい――、
[信じていい、と言いながら、銃口は己ではなくカップに向いた。 先までワインで赤く濡れていたそれは、ミナカという名を与えられてそこにある。 女神の采配、というものがどうやって下されるものか、知らず。 よく詰まるお飾りの銃が何をするのかと、引き金が引かれるのを見ていた。]
(226) 2014/12/14(Sun) 00時半頃
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紐 ジェレミーは、メモを貼った。
2014/12/14(Sun) 00時半頃
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