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だから私は彼を橋から川に突き落としました。
それだけです。
彼が幸せであったかどうかは分からない。
けれど死を予告されて不幸せな狂気に生きるよりは
まだ、良いのではないかと、そう思いました。
―――だから、私は。
―――…。
大好きな空 大好きな村
このまま、同じように明日へ続いてゆくと信じていた。
乾いた口笛 空を渡る調べ。
その日風に乗るのは口笛だけじゃないと知った。
緋い空を見上げていた。
沈まぬ夕陽を見上げてた。
幾千の影が森を駈けてゆく。
私とか、あなたとか、恋とか、愛とか、
好きとか、嫌いとか
「また話すね」
叶えられない口約束。
拒絶も、肯定も、仲良しも、喧嘩も、何もかも
生きているから、出来ること。
――あなたが死んだら意味がない。
――私が死んだら意味がない。
気付いてください。
生きているから出来ること。
生きているから尊いこと。
どうか、気付いてください――**
漂白工 ピッパは、メモを貼った。
2010/07/05(Mon) 12時頃
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― 村はずれの丘 ―
…
[墓地を離れ一路、丘へ。 折角だから華を摘んで来ようと足を伸ばしたのだが]
気持ちいい。
[そよぐ風の心地よさに眸を閉じた。 薄桃を撫ぜていく優しさを小瓶に摘めてしまいたい。]
ん――。
(114) 2010/07/05(Mon) 12時頃
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あなたが――。
彼に、死という安らぎを与えてあげた、のね。
私は、彼の狂気を感じて――。
死病が齎す恐怖に耐え切れないのなら――。
死病が齎す恐怖に染まり、村をこれ以上破壊するのなら――。
其の前に――、永遠の眠りをと思ったわ。
―…だから。
好きになったんでしょう?
[ヴェスの中の恐怖も見抜いた上で。
ヴェスに好かれていることを、結局は受け入れていた彼女を。
それは、単純にしかモノをみれない自分だからこそそう思ったのかもしれないけれど。]
ああ―― ああ。
[頷く]
――はじめは、確かに一目惚れだった。
あの子がくれた花。
あの子がくれた笑顔。
あの子の細い身体。
あの子の儚い笑み。
あの子の――
|
― 村はずれの丘 ―
[見上げる空は蒼い。]
[高く遠い場所で数羽の鳥が旋回している。]
[さぁさぁと風は優しく薄桃を撫ぜ続けている。 滑らかに進む時が、胸中の小瓶から記憶を漏らす。]
(130) 2010/07/05(Mon) 14時頃
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…うん。
[ヴェスの言葉に、頷きを返すだけで。
こちらからは、続きを促すことはせず。]
─…ヴェス…。
[頭に響くヴェスの声に、目を伏せた。
言いたくて言えない言葉は、自分の胸にもあるから。]
[ヴェスパタインに向けて。
謳うように儚い会話を続けるメアリー――]
メアリー、あなたは旅立つの?
この死病に冒された村から、ヴェスパタインを置いて。
[彼女から死の気配を僅かに感じ、始めていた。
この村には死が蔓延し始めていたけど、それよりも僅かに濃い死の気配。
女が幼い時に流行り病で逝った、母。そして、幼いまま同じように流行り病で逝ってしまった弟。
身近な人から感じた――死病による死の気配。
そして、街に住んでいれば、村と違う意味で、死は常に隣りあわせだった。
街特有の鼠などを媒介にした疫病、裏路地での金目当ての強盗による死、ただ享楽のためだけの殺害。死は至るところに溢れていて。
女は、そういう死を見つめ続けていた、だけに。]
[踵を返し、ヴェスパタインの元から去る少女の姿――。
そこに感じた悲しい気配に、眉を顰めた。]
|
― 村はずれの丘 ―
[漏れ出る記憶はやがて凪いで行く。 此れ以上はときつく栓をした。
―――、そっと双眸を閉じて。]
此れかな
[しゃがみ込み、眸を開く。 幾つか摘んだのは、ローズマリー。 "記憶"をそっと、添える為に。 静か、後にすれば向かうは静寂の地。]
― →墓地 ―
(141) 2010/07/05(Mon) 14時半頃
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― 墓地 ―
[屈み込み]
[添えた華]
[ふうわり微笑して]
(151) 2010/07/05(Mon) 15時頃
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漂白工 ピッパは、ふと横に視線を遣ると新しく増えた墓標に気付く。
2010/07/05(Mon) 15時頃
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[新しく増えた墓標]
[刻まれた名]
[傾く水筒]
[滴る茶に乗せた小さな祈り]
(152) 2010/07/05(Mon) 15時頃
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安心して 酒場のおじさんが ……淹れて呉れたものだから
[漏らす声は穏やかだった]
――、それも可笑しな話か
[安心、などと。 緩く首を振って、瞑目した。]
(155) 2010/07/05(Mon) 15時頃
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別れは、……
辛い?
あなたは、慈悲を望む――?
[ヴェスパタインにも、傍のセシルにも届かぬ声で囁いた――**]
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[陽光と馨。 一時は、燦燦と――*]
(165) 2010/07/05(Mon) 15時半頃
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漂白工 ピッパは、メモを貼った。
2010/07/05(Mon) 15時半頃
ねぇ、ヴェス。
私さ、やっぱり。
バカだから、こうするしか、出来ないや。
セシ兄に、甘えてきた分。
ちゃんと、一人で大丈夫だよって。
だから、セシ兄はセシ兄のしたいこと、してって。
そう言うことしか、出来ないんだ。
─…ヴェス、やっぱり私、バカなのかな。
でも。
セシ兄のこと、困らせたく、ないんだ。
――兄貴のしたいこと、ね。
兄貴は、何がしたいんだろうな。
村を出ていって
オルガンで地位を掴むのを諦めて
この村に篭って
時折お前の顔を見て
――それから?
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