25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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>>365 何言ってる。助けるのは当然だ。
もう俺は明とお前は買うつもりだからな。 ああ、どんなに文句言おうと、そう決めている。
[セシルの言葉にそう答える。 また怒られるようなことを言っているのかもしれないが、正直な気持ちだった。]
と、腹…か。そうか。
[その意味は、もう知れた。微かに視線を落としてから。]
ならたくさん、飯も食わないとな。
[そして、セシルの身体を抱えあげる。背負うのではなく、両手で抱き上げる。]
行くぞ。
[明と小鳥に声をかけた。]
(370) 2010/08/08(Sun) 02時半頃
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[食い荒らされて尽くして暫く後、誰かにそれが見つかる頃、 無惨になった亡骸はくしゃくしゃになった書状を握っておりました。
そこには、誰が書いたともつかない平凡な字で、
「イアン」 「折り入って話が」]
(371) 2010/08/08(Sun) 02時半頃
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[通信機からはあれからまともな反応はない。
そう、彼には早すぎた。
のだと思う。
悲しいと思う。
チャールズほどの男に愛された花であるなら、
きっと、わかってくれるはずなのだ。
そう、早すぎただけ。]
門下生 一平太は、メモを貼った。
2010/08/08(Sun) 02時半頃
始末屋 ズリエルは、おっこちないように階段はとっても気をつけておりています。**
2010/08/08(Sun) 03時頃
[そう、早過ぎた。あまりにも早過ぎた。
まだ、視界からの現実を
きちんと受け止めることさえできないほど
突然の主の死に打ちのめされた青年には
正しいこと、事実、それを受け止めるのは早過ぎた。]
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[――その時、消えたのは白鞘巻であったか。 己が身を抱いて、それを預けた者のことを思う。
月瀬が言葉は聞こえていた。 孕んだのだ、と示す言葉。 そして己を買うなどと、 出来ぬであろうことを知っていて言う主、
――そう出来ぬ、現実が 近い]
夜光……?
[呟くそれは、一度主を振り返る、 仰ぎ見やれば駆け出した]
(@61) 2010/08/08(Sun) 03時頃
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……なんだろ。嫌な予感がする……
[ずいぶん遅い夜光を探しに行こうと立ち上がり――突然、息ぐるしさを覚えて]
……っ……!何で、今、っ。
[薬を取り出して飲み込み。冷や汗をかきながらふらりふらりと表座敷を出る]
(372) 2010/08/08(Sun) 03時頃
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いっ…て。
[また頬に痛みがあるか 次は唄を囀る小鳥の小さな手]
……―――カルヴィン。
[喚ぶのは...が勝手につけた名 西洋の中に一人和名ではと 三日三晩、足らぬ頭を動かしてつけた名 “ロビン・セシル・カルヴィン” 喚び合って戯れた日が 念い出されるほどの遠くに感じる]
泣き虫。 でも、いいな。 そんなきれいに、泣けるの、羨ましい。
[...は未だ泣けず、在る]
(373) 2010/08/08(Sun) 03時頃
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懐刀 朧は、血塗れた花主が己の花を屠ったことは、直ぐに屋敷中に知れ渡るだろう。
2010/08/08(Sun) 03時頃
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[友が、主が、それに気づいて辿り付く頃には、
もうそこには、獣の姿は、無い。]
(374) 2010/08/08(Sun) 03時頃
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[無理をして進もうとするもすぐにどさりと廊下へ崩れ落ちる。]
……う……
[それでも前へ進もうともがいて。発作が収まってから探せば良いものを、無理をしたおかげで収まったときには既に動けず。目の前は真っ白になった**]
(375) 2010/08/08(Sun) 03時頃
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[血塗られた花主が己の花を屠ったことが広まる頃、 その花主の姿に似せた男は、僅かに血の香を匂わせて、そっと南端の自室へと戻る。
扉を閉め、一人であることを確認して、満足そうに己の腹を撫でた。 雛鳥が巣へと戻る前に、湯を浴び痕跡は全て隠した。
いまだ、見つかるわけには行かぬ故。 果たせていない約束がある。]
(376) 2010/08/08(Sun) 03時頃
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……善くない。 ロビンは泣き虫は嫌いだったもの。
[カルヴィンと、彼が口にすれば。 ぐしっと、袖で涙を拭いて]
その名前……久し振りに、聞いた。 君と、ロビンと。二人だけの名前……。
[思い出すのは、学び舎での戯れの日々。 それを遠くに感じるほどに、 自分たちは変わりすぎてしまって。
また一つ。鳥は雨を降らせた]
(377) 2010/08/08(Sun) 03時頃
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…なぁ。 そーゆーの、心配してるって謂うんだぞ?
[僅か 明の言動は心を軽くさせた だからこそか まだ己の前では喚ばれぬ名に 少し、念う]
…………明?
[揺らいだ椿 どうしたかと念えば 駆け出していく]
明っ、明っ!
[声を張って離れる背に喚びかけたなら ズキリと腹に響いたか]
(378) 2010/08/08(Sun) 03時頃
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[誰も居ないはずの部屋に届く。 それは夢と現の狭間の声。]
―――…これが、声……か…。
[先刻、廊下で明之進が言っていた事を漸く理解した。 そして「同じ」という言葉の意味も。]
確かに…、冷てえな…。
[触れた手の冷たさを思い出して、ぽつと呟いた。 空っぽになった琥珀は、ゆらり、揺れて。 とん、と靴が床を蹴れば、虎鉄はふわと微かな風を残して部屋から姿を消した。]
(@62) 2010/08/08(Sun) 03時頃
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[赤を零し辿り着いたもう一つの花の眠る場所。 その胸元に飾られるのは、 蝶の血を吸い紅に染まった紙の蓮。]
―――…誰か、鵠を高嶺の部屋へ。
[その声に、応える者はいただろうか。]
――……それがかなわぬなら、華月を此処へ。
[何故そのような、と誰かが訊いたのならば 高嶺は紅滴らせ 花にも劣らぬ美しい笑みで言った。]
(379) 2010/08/08(Sun) 03時頃
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[…私の双花は…並んだ姿が一番美しい…と。**]
(380) 2010/08/08(Sun) 03時頃
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― 大広間 ― [大広間で高嶺が己が花を散らしたと 夜光の死体が見つかったと報告を受けても 青年の笑みに陰りはない。 「そう」と、呟いた後は 全体への連絡と処理を命じて
ただ、邦夜が倒れたと言う話を聴けば… ああ、彼は獣を見つけたのだと ……果たして、それは誰なのだろう?と そう考えて……嬉しそうに嗤った]
(381) 2010/08/08(Sun) 03時頃
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懐刀 朧は、メモを貼った。
2010/08/08(Sun) 03時頃
記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/08(Sun) 03時頃
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[背にかかる桜花の声にも振り向いて、 哀しげに首を振るそれが一度物陰に消えれば―― その存在はもう見失われてしまう]
――……夜光、どこ?
[まだこえは聞こえない、けれど]
夜光……
[消えた白鞘巻、目を落とす、 左手だけがやけに希薄に透き通る。 欠けた我が身を辿っていけば、そこに行き着くのだろう]
(@63) 2010/08/08(Sun) 03時頃
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買 う ?
[返す言葉も思いつかぬ程 真白になった頭で 腹の疼きに堪えながら 気付けば抱き上げられていたか]
あ、んた 馬鹿じゃねぇの!? こんな心配かけるやつ 謂う事も聞きゃしねぇ 夜の事だって初心じゃねぇ おまけに腹に他の子が…っ
飯とか、そーじゃ…なくて…!
[巻くし立てたが 聞く耳もってくれていようか]
(382) 2010/08/08(Sun) 03時頃
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腹の子……?
[刷衛に抱き上げられた友の言葉に、 紅石榴を向ける]
……ろびん、の?
[震える声で呟いて。 まじまじとその腹部を見詰める。
心の裡では、いつかあの人に…と。 遠い夢に恍惚しながら]
(383) 2010/08/08(Sun) 03時半頃
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でも、ロビンはお前のこと好きだった。 俺とお前、傍に在ったのはいつも俺達。
[催涙雨 七月の頃の雨のように 美しく降る涙が 本当に羨ましかった]
カルヴィン。 お前は喚んでくれねーの? 俺の名前。 幸せを得る、俺の名前。
[遠い念い出を辿るように 小鳥へ紡いだのが 刷衛に抱え上げられる 僅か前]
(384) 2010/08/08(Sun) 03時半頃
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ずっと呼びたかった。せしる、って。 月の瀬に、幸せを識る―――
呼んでいいの……?
[そう尋ねたのは、 刷衛に若桜が抱えあげられる前のこと]
(385) 2010/08/08(Sun) 03時半頃
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[やがて見た友の変わり果てた姿に、 まざまざと甦るのは、己が身にも起こった出来事。
かたり震える躯 紅い月の過ぎる。
名を呼ぶことも出来ず立ち尽くし、
書状がいまだそこにあるをみれば、 主を呼びに部屋へと戻る。 使用人には己の声は届かない。
――主にそれを告げる黄泉花は、 己の死に様を知りえた為か、その存在は酷く希薄**]
(@64) 2010/08/08(Sun) 03時半頃
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――――優しく、すんなよ…っ!!
[抱き上げられれば温もりが 嫌でも躯に伝わろう 椿の憂色も 小鳥の落とす涙も 研師の温もりも 全てが優しくて それ故に]
要らない、って 捨て置いて…よ… …っ
[故に苦しい 口が綴るのは素直で 素直すぎる真逆の言 現に指先は縋るように 刷衛の服を掴んで 離せない]
(386) 2010/08/08(Sun) 03時半頃
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若者 テッドは、メモを貼った。
2010/08/08(Sun) 03時半頃
落胤 明之進は、メモを貼った。
2010/08/08(Sun) 03時半頃
門下生 一平太は、メモを貼った。
2010/08/08(Sun) 03時半頃
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[刷衛に抱きあげられる若桜の姿に、主の温もりが恋しくなる。
きゅっと、自分の身体を抱く様に腕を回して]
……僕、そろそろ帰る。 きっとなよたけの君が待っていらっしゃるから。
あまり刷衛さまを困らせちゃだめだよ。
[なんだかんだと言いつつも、彼の指先が。 刷衛の服を掴んで離さないのを、鳥は判っていたから。
最後に、せしる…と。名を呼んで。 鳥は鳥籠へと戻っていく]
(387) 2010/08/08(Sun) 03時半頃
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[本当は 生きる為、呼吸することさえ辛い 大切な者を失って けれど現に縛るのは 冬の空が生きろと謂う呪文]
[芽吹くかもしれぬ芽を認めれば 可憐な椿が落ちるやも知れず 冬を愛しとした刻を なくしてしまうやも知れず けれど優しさは辺りに在って 絶えずして己に触れてくる 鳥の囀りのように]
[いっそ捨て置いてくれたなら 要らぬと吐き捨ててくれたなら 辛い現を全て捨てて 冬の為だけの桜として 華々しく散れると謂うに]
(388) 2010/08/08(Sun) 03時半頃
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[知れたろう、冬の子宿ると謂うことが 運ばれていく腕の中 小さく、けれど紡がれた名を 聢と聴く]
カルヴィン。 カルヴィン。
お前がいいと謂うならば 廻りに、俺と友であると 知られても構わぬと謂うのなら
次からは喚んで、その名で。
[その優しさが、己を現に繋ぎ止める楔 初めに“他人を装え”とした言葉とは真逆の 願いと、念い]
(389) 2010/08/08(Sun) 04時頃
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ランタン職人 ヴェスパタインは、小僧 カルヴィンを待ちくたびれたか腹が満たされたせいか、寝台に突っ伏して眠っていた。*
2010/08/08(Sun) 04時頃
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[鳥は知らない。 否、知っていて、知らない振りをする。
桜が本当は散るを望んでいる事を。 だけど先に逝った友の望みが、宿る種が。 彼を辛い現に置き留めている事も]
(――……だけど、ね。 僕はそれでも君に生きていて欲しいんだ。
君の生は、ロビンの生きた証。 三人在るのが、僕たちの常だったから……)
僕は一度だって。 君が友である事を、知られたくないと思った事など、ないよ。 セシル……。
(390) 2010/08/08(Sun) 04時頃
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[紅石榴を濡らした侭、鳥は笑って。
残酷に知らない振りをしたまま、 主の元へと翔けて行った]
(391) 2010/08/08(Sun) 04時頃
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― 鳥籠 ―
[主の元へと帰れば、寝台に伏せた姿が眸に移る。 掛け布を掛ければ、その中に潜り込んで。 身体を小さく折り、主の腹部へと顔を寄せた]
……ここに。 セシルと同じように、いつか僕の子が……。
[ともの種を孕んだセシルを思い出して、 夢見る様に呟き、そっと撫でる。
夢が現になる時を、思い描きながら――――…]
(392) 2010/08/08(Sun) 04時頃
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小僧 カルヴィンは、静かに双眸を*閉じた*
2010/08/08(Sun) 04時頃
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…―――馬鹿ルヴィン。
[素直に有難うなんて口には出来ず けれど口にされる言葉ひとつひとつ 全て嬉しく、そして]
[優しくいて、残酷]
[楔となる声は じわりじわりと けれども確かに この身を現に縛り付ける 皮膚を裂き 肉を打ち付けるような痛みを伴って]
(393) 2010/08/08(Sun) 04時半頃
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