25 花祭 ― 夢と現の狭間で ―
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心がなければ楽しめぬ御仁ならば
そればかりは、満たすことが出来ず申し訳ございません。
[ゆるりと戸口に向かいながら笑って]
……ありがとうございます
ああ、そうだ……明日の宴までには
封鎖と根回しは終わるとのこと。
明日の宴には告発をおこないます。
お見守りよろしくお願いいたしますね。
|
……いえ、 些細な予感のようなもの、どうぞお気になさらず。
[きしくも同じ古典を思う、画竜点睛――その睛が、 月の一欠片であらば、満ちて完成するものは何であろうか。]
――……、気分が。 本郷様にそのように仰っていただけると、少し己に自信がもてます。 主さ――いえ、えっと刷衛様には、余りお気に留めていただけませんでしたので……
[一瞬だけ、捨て犬が如く面持ちを見せて、 けれど稀代の舞手の花主であった彼の人の言葉を頂いたのだから、と穏やかな面を取り戻そうとすれば、 その“ひめい”は響いたか。地獄の焔をみた声が]
――どなたかが、また芸を。 戻られますか?
[黄泉花は、けれどその“ひめい”を憐れまず、 暗くしずかな眼差しで、音の先を見やり――鉄色にゆるく首を貸傾いだ]
(@28) 2010/08/03(Tue) 23時半頃
|
なるほど、
じゃ、その屁理屈は、あれ仕込みか。
[そして、泣く笛の音は己にも響いたか。]
本当に、普通の花祭にはないものがここにはあるな。
[そして、また考え込みつつ…]
あの月瀬も紅い月を描いていた。
あと、月のつく名前もなんと多いことよ。
やはり、まんまるは早く捕らえて何かを吐かせるべきだな。
|
――…あまり宴の席に合う演目ではないな。
[最後の事切れる音は先程と同じようで、異なる者。 演舞とはいえ目の前の舞台で二つ、命が消えた。 呟く声は文句を言いつつ楽しげな色が乗る。
夜光はどうか、後に続くか。 肩を抱く姿を眺め、無理に舞台へ行くことを強いはしない。]
……何を想って、 歌い…奏で、舞うのだろうな…花達は。
[呟くのは花主にはわからぬ花の想い。 演舞の最中は無心であろう、 興味を抱くのはその無心となる前後のこと。 答える声は、あっただろうか。]
(382) 2010/08/03(Tue) 23時半頃
|
ああ、頑張れよ。
[戯れに誰かを抱くなどということは、
昔ならば喜んでいたか。
だけど、年齢を経れば、それも、また、心なければ、終わり虚しくなる。]
ああ、見守ろう。
くれぐれも、用心だけはしろ。
[そして、去りいく花を見送った。]
|
[――白鳥は/鵠の名は 死に近い名だと 他でもない“白鳥”が謂っていた。 白い、鳥は――混沌と混乱在らば翼を折られる。 あれに垣間見えるは狂人の、 地獄の焔に誘う腕(かいな)]
…――華月?
[眸を覗き込む。――其処に今、焔はない。]
……水がほしいか。 ……慣れぬ事をするから。
[いつも通りで、何処か、ほっとしたように]
(383) 2010/08/03(Tue) 23時半頃
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|
>>379
花の誇りか。ふふ
[離れていく手に感じたのは、当人がいうその誇りだったか。 その時鳴り響く音は確かに細く耳をつんざいた。]
さて、何の音かの。
(384) 2010/08/03(Tue) 23時半頃
|
これもまた、おもしろき音色よ。
[返す言葉は気怠げに。]
宴席はまだ続いているようだけれど…今少しは身を休めたくてね。
[ひとときの淡い眠りだけでは消えぬ甘い余韻に、今は酔うばかり。]
ええ。12の時からの主ですから。
なにもかも、あの人の名残です。
……趣味の悪い豚狼なれど
この趣向は悪くありませんね
……狩の舞場まで提供なさりますし
[月と獣の病の関連性を思い
刷衛の言葉に狂狂と赤を細めて]
豚狼への尋問はお任せいたします。
……刷衛殿も御用心を
|
――――!
[静かな稽古場に迷い込んできた笛の音。 それは微かな音だったが、確かに虎鉄の耳にも届いた。 勢いよく起き上がり、音のした方を見る。]
華月…?
[昔の事、同じ師の下に居た頃は偶に剣舞の音を頼んだ事もあった。 あの頃の音色とは違うけれど、確かにその音は面影を残して。 お互い、師の下を離れて幾月。 彼の身に、何かあったのだろうか。 そんな事すら思わせる響きを持っていた。]
………。
[ごし、と腕で涙の跡を拭う。 ふと気付けば、胸の苦しみは幾分か和らいでいた。 月を見上げる折の切なさに変わりはないけれど。]
(@29) 2010/08/03(Tue) 23時半頃
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[聞こえた音、ふたつ]
この身宴に在らずして
知り得る事叶わぬが
[病の元は、いま此処に。
硬い蕾が人食い花に化けるまで、動けずに居る]
先刻の
夜光の音とはまた違う
食欲そそる音――…嗚呼、私の目覚めは
満月は、未だか**
|
[音にびっくりして暫し足を止めていたが、特に騒ぎも起こっていないようであるし、おそらくあれは笛の音であったのだろう。些か花主に披露する芸としてとらえられるかといえば疑問ではあるが……]
……父上から聞いていた花祭りって、こんなんだったか……?
[うーん、と唸りつつも大広間へ向かう]
(385) 2010/08/03(Tue) 23時半頃
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あぁ、月が…満ちる、ね。
[くす、と微かに笑う音は、蕾が花咲く時を待つ。]
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そうか。
[少年がそういうのであれば、自分の気にするところではない。 もう一度月を見上げて徹を細め、それから視線を少年に戻す]
…好い舞であったよ。私はそう思う。 未だ──獅蓮の舞以上に私を心から納得させる舞手には出会わんが きっと続けていけば今以上に大成するだろうよ。
[久しぶりに朽ちた花の名を声にした気がした]
そのようだな。戻るとするか。 …お前は、どうする。
[一緒に来るか、とばかり首を傾げる。 少年が此処でもう少し考え事をするなら それはそれでそっとしておくべきだろうという考え]
(386) 2010/08/03(Tue) 23時半頃
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|
[ただ一人の主を想い狂うも厭わない花は >>384の言葉に笑むばかり]
…誰の音でしょうね……では、お暇を 刷衛殿も良い夜と祭りを
[戸口を振り返り朗らかに笑い部屋を出る。 朱の装束は太刀を佩かぬもの 普段の白と紺の着物に着替えようかと廊下を歩く]
(387) 2010/08/03(Tue) 23時半頃
|
まぁ、こんな男を食おうとはあまり思わないだろう。
大丈夫だ。
それに俺は死ぬ気は全くないんでな。
[とそこまで言ってから…。ああ、と何かを思い出す。]
|
ほんま、疲れたわ。 よう笛、芸にしとるん、毎日あんなに練習できるなぁ。
[夜光の労いの言葉に、笑む。 その微笑は、高嶺の質問にもかかっているのだが、相手は気がつくだろうか。 「簡単に教えよったら、花として生きていけまへん」 そんな意味合いを、眼差しで返す。 それは、裡を見せたくない、というのにも等しいのだが。]
……なんやろ? 嗚呼、水欲しいねん。 も、こんな、なれんこと、二度としぃひんわ。 わては、やっぱ、手妻が一番性にあっとう。
[そして白鳥の名を持つ人に覗きこまれれば、ひょっと片方の眉を上げて、水を勢いよく飲みほした。]
(388) 2010/08/04(Wed) 00時頃
|
…まったく。
[慾深い花達だと思えど、己もまた変わらない。
喰らいたい。月が真円へと近づけば近づくほど
喰らいたくて堪らない]
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[責めるではなくただ向けられた花主の視線。 再び向けられた黒檀に、一つ息を飲んだ。 花の想いは。まだ開ききれぬ身では答えを持ち合わせねど]
まだ一時を許されますならば。 私も、今一度。
[足がまた震えている。鼓動は早鐘のよう。 それでも三度、壇上へと上がる]
夏は、夜。月の頃は、さらなり。
[ゆるり舞うのは女舞。 舞台に映える艶やかなものではないが、熱した舞台を扇ぐような空気の流れを生み出すような、対称的な静の舞。 白装束が相俟って、巫女神楽を思わせられるか]
(389) 2010/08/04(Wed) 00時頃
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|
―大広間―
[高嶺の方を向けば鈴の音も続く。]
花は…見られるが故に花、 その裡は様々で御座いましょう。
[高嶺を見る、余所行きの顔。 華月の視線の意図と其れは似ている。 そうそう、教えるものでもない。 たとえば、この白鳥の舞の、伝承なども。]
(390) 2010/08/04(Wed) 00時頃
|
門下生 一平太は、メモを貼った。
2010/08/04(Wed) 00時頃
[イアンが部屋を出てしまってから、その言葉は届いただろう。]
明之進という花だが、
俺の友人の花でな……。
こんなところにいるはずがないんだが、なぜかいる。
そして、俺を主と呼んでいる。
肝心の主には連絡がつかん。
不思議でならん。
口外して、その明がきちがい花呼ばわりされるのはたまらないので、このことは誰にもいうな。
知っているのは、白鳥と本郷のみだ。
[何かその件でもわかれば教えてほしいと告げた。]
|
>>387
ああ、くれぐれも、刀で己を斬ったりはするなよ。 そして、必要なら、お前自身で研ぎなおしを依頼してこい。
[そんなことをまた、すこしおどけていうか。]
丹念にしてやろう。くく
[基本おっさんだった。*]
(391) 2010/08/04(Wed) 00時頃
|
|
[続けていけば、その言葉には一度眉が憂うのだけれど]
――しれん 殿……本郷様が、名を?
[響きに混ざる蓮の一文字、 連想されるは夢の舞殿]
あの、差し支えなければ……獅蓮殿の舞の話をお聞かせ願えませんか? いえ、お時間のある時で構いませんので。
[己にとっての舞は、自ずと溢れるもの、ではあるのだけれど。 やはり稀代の舞手の舞、期待を隠せぬ眼差しを向ける]
はい、ご一緒させていただきます。 花の勤めを果たせぬは、主様の名折れにもなりますれば。
[微笑う黄泉花には、既に地獄を舞う気配はなく。 そのひそやかな熱を記憶の裡に沈めたまま、蓮の主に付き添うた]
(@30) 2010/08/04(Wed) 00時頃
|
勿体無いことを
[小さく笑って零すのはそんな言葉]
ええ、刷衛殿はこれからも素晴らしき業を
振るっていかなければなりません。
研者が血に溺れてはいけません。
ですから死地には赴くことなきよう。
[廊下を歩きながら答え、
もう一つ届いた話には、ふむりと思考する]
花が主を違えて呼ぶですか……
あの儚い花がなんらかの策略でそうするとも思えませんね…
わかりました。なお気にかけながらも
何方にも申し上げません。
本郷殿と白鳥…鵠ですかね…は知ってると…
|
[夜光が舞台へ行く、顔を上げて。 その貌は怖気の乗るものだったけれども、 自ら挑む姿には好ましいものを見るように 口端には緩い笑みが浮かび]
―――…見目は麗しいのに、 揃いも揃って頑固でケチな花達だ。
[答えを見せぬ花二人には、そう言って文句を言う。 その裡は様々、そのようなことは承知。 それでも知りたいと思うのは高嶺の花主としてか、 それとも違う何かがそう思わせるのか。]
(392) 2010/08/04(Wed) 00時頃
|
説法師 法泉は、メモを貼った。
2010/08/04(Wed) 00時頃
|
…芸の道は積み重ねだからな。
[と、常の調子に戻そうとし。]
…いや。 ……――なんでも、ない。
[水を飲み干す華月の横顔を見]
……飲み込まれそうになる、音だったから
[それだけ静かに呟き、 女舞を舞い始めた夜光の方を、見た。]
(393) 2010/08/04(Wed) 00時頃
|
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ん?ああ。何でもいいと言ったので、私がつけた。
[少しだけ声に滲むのは懐かしさ。 蓮の字は舞殿で自由に舞うことを許すと言う意味合いもあった]
…随分古くなってしまった話だ。 時間があれば、名残でも語ろう。
[その様を見ているに、明乃進がどれだけ舞を愛しているかを知る。 その姿にほんの少しだけ目を細めた。 一緒に、ということだったのでそのまま白拍子を伴って 男は大広間へと戻る。 其のころ舞台に上がっている花は誰であったか]
(394) 2010/08/04(Wed) 00時頃
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ええ、自傷や自害はあの人の信仰に違えますから [……そうでなければ、既に散っていた。 よく、武家の自害について論を交えたから 主の自傷や自害に関する考えは知っていた。] [去り際の言葉、おどけた声には からからと、笑い返す]
そんなことを仰いますと 刷衛殿が萎えても強請りますよ?
[朱の装束姿で口にした言葉はそれが最後 今は自室で何時もの白い着物と 紺の袴に着替え太刀を佩いた]
― →自室 ―
(395) 2010/08/04(Wed) 00時頃
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―大広間―
[教養は後から詰め込んだもの。 こんな時には娼妓が耳に教えた句しか浮かんでこない。 それは己の存在も主張する句でもあり。 鈴も幣もなく、神事の清廉は備えないけれど。
夏の部にあわせゆるゆらりと舞う。 炎鎮める雨のよに、高く上げた指を地へと向け降らせて。 床にピタリと揃え動きを止めた]
(396) 2010/08/04(Wed) 00時頃
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記者 イアンは、メモを貼った。
2010/08/04(Wed) 00時頃
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[紡がれる睦言。 それは不思議と、男を酔いから醒まさせる。
扱いは変えず、のぼりつめた後は気だるい体を寝台に投げ出した。
この花主を手に収めることが出来れば、父はどうするだろう。否、叶うはずもない絵空事。 夜半、抜け出した香りに瞼を開けた。
元より眠りは浅い。 肌に落ちた痕を指で触れる。
眠気が取れたついでに湯でも浴びようかと、浴衣を纏う]
(397) 2010/08/04(Wed) 00時頃
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